カテゴリ:将棋( 303 )

朝晩めっきり冷えて、自転車や徒歩で出かけるのに着るものが増えてきた今日このごろ。
今週末は幸いにも特に何もなかったので、ちょっと神社を散歩したり、TVを見たり。
日米野球での柳田の一発攻勢に、「そうか、その手があったか」と思ってみたり。
はたまた、フィギュアのNHK杯での紀平梨花の演技に心底驚いたり。
この子、しれっとトリプルアクセルを2回(うち1回はコンビネーション)跳ぶんですが。
「若者の人間離れ」カテゴリに、また1人入会者が。
ちなみにこのネタ、あとでまた取り上げます(えー)

さて今週は人間将棋などイベント満載のため、将棋界の本業はちとネタ枯れ的。
そんなわけで、ここもネタ少なめです。

■里見女流、女流王座&倉敷藤花防衛まで、あと1つに

というわけで、なんと女流棋界の動きをトップに。
今週は里見女流のタイトル防衛戦が2局あり、11月6日に行われた倉敷藤花戦の第1局と、11月8日に行われた女流王座戦の第2局に、いずれも勝利しております。
これにより、どちらのタイトルも防衛まであと1勝、ということに。
いいところまではいくのですが、里見女流の今の実力からすると、ちょっと女流相手では止まらないな、と思わせる勝利でありました。

■大詰めを迎える王将戦リーグ

さてプロ棋士の話題も少しは拾おうと、いつもは取り上げないこんな話題を。
将棋界の冬の風物詩の1つ、トンデモ写真の罰ゲーム王将戦の挑戦者決定リーグ戦が佳境を迎えております。

合計7名の総当たりで行われる王将戦の挑戦者決定リーグ戦。
成績により上位4名がリーグ戦に残留し、下位3名が予選突破者と入れ替えとなります。
そして最上位者は挑戦者として、時の王将と戦うわけですね。
歴史のある棋戦なせいか、順位戦での成績上位者に有利な予選形式となっているため、若手がのしあがっていくのは大変厳しいリーグ戦であります。
あと、ぶっちゃけ主催がスポニチなんで賞金が少な(以下の文言は読み取れない)

挑戦者争いの方ですが、まずは広瀬八段が4勝2敗で一足お先にリーグ戦を終え、他の上位勢を待つことに。
一方挑戦者争いのトップに立っているのは、3勝1敗で並ぶ糸谷八段と佐藤名人。
この2人のどちらかが残り2戦を連勝すれば、めでたく挑戦権をゲットできます。
なおこの2人、ご丁寧にも最終戦で当たります。

そしてキャンセル待ちの立場なのが、ここまで2勝2敗の豊島二冠と渡辺棋王。
次戦が渡辺棋王vs糸谷八段、豊島二冠vs佐藤名人となっておりますので、挑戦権争いに踏み止まるか、はたまたリーグ陥落か、のボーダーラインに立っております。

最後にリーグ残留争いですが、ここまで1勝4敗の広瀬八段が順位の差(リーグ残留の上位勢の成績順に1~4位、予選突破者は5位)もあり陥落決定。
また、同じく1勝4敗の郷田九段もリーグ残留が極めて危うい状況。
残り1枠を引きそうなのが、2勝2敗ながら順位の悪い渡辺棋王。
おそらく、残る2戦を連勝しないとリーグ残留は無理っぽい。

いよいよ大詰めの王将戦リーグを制するのは、果たして、誰か。

それからスポニチの公式発言より。
去年は罰ゲーム写真が手ぬるいとの批判を受けましたので、今年は気合を入れるそうな。
…今頃震え上がっている棋士もいるとか、いないとか。

なお罰ゲーム写真がいかなるものであるのかは、「王将戦 罰ゲーム」でググれます。
簡単でいいけどひでぇw

■きょうの藤井聡太(今週・来週は対局なし 若者の人間離れについて)

さて、今週は対局ないですが、きょうの藤井聡太やります。
例の白鳥先生による叡王戦本戦出場者へのインタビュー企画の話を。

ぶっちゃけ私も滅茶苦茶衝撃を受けました。
藤井七段は、まだるっこしいから脳内将棋盤を使わないんだとか。

脳内将棋盤。
それは、本格的に将棋で強くなろうという者にとっての必須アイテム。
といっても形になるものではなく、文字通り脳内に将棋盤を作って、駒を動かしながら読みを入れるわけです。

私のようなヘボアマチュアレベルですと、1手1手ヒーコラいいながら、7手くらい進めるのがやっとですが、奨励会入りするレベルになりますと、瞬時に数十手進み、また数手戻る、というようなランダムアクセスができるようになるとか。
しかしこの脳内将棋盤、トッププロであっても毎度毎度正確なわけではないらしく、例えば疲れてきたり、体調が悪かったりすると、歩が数枚どっかいったり、形がおぼろげになったりすることもあるそうな。
んで、それで読みが狂うと、例の菅井七段の角ワープのような大事故を引き起こす、というわけです。
それから一歩千金、二歩厳禁。
最近将棋界で流行ってるので(おい)

それを踏まえて藤井七段。
脳内将棋盤を使わずに読みを入れるっていったい。
本人もうまく説明できないようで、インタビューでは終始ニコニコしているばかりだったとのことですが、それを見て凍りつく白鳥先生とニコ生将棋運営班。

あれですか。
いきなりコンピュータに例えますけど、C++やVisual Basicなんぞで悠長にコード書いてるのがまだるっこしいから、0と1で直接コンピュータと会話するわ、とかそういうやつですか。
ぜったい人間やめてるよね、それ。
かろうじて人の形は保っていてくれてますが(おい)

藤井七段のことを、今まで半ば冗談で「将棋星人」とか書いてきましたが、これではっきりしました。
これ、明らかに「若者の人間離れ」ですよ。
もう将棋星から来た将棋星人だと思って、酒飲んで寝ます(待て)

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by mitsuboshi03 | 2018-11-11 15:25 | 将棋 | Comments(0)
久々に週2回更新を、やってみたくなりました。
以前にも紹介した白鳥『りゅうおうのおしごと!』先生の叡王戦特別インタビューですが、とにかく丸山九段の回が出色の出来でしたので、この記事を改めて解体新書風味に紹介することとしましょう。
とはいえ本文もそれほど長くないのに、こちらの方がえらく長くなりそうで大丈夫かしら。

それにしても白鳥先生。
本線出場全棋士24人全員のインタビュー記事、完走お疲れ様でした。

まずは一応、元記事のリンクを↓に貼っておきましょうかね。

■なぜこの記事は素晴らしいのか

なぜこの記事は素晴らしいのか。
ポイントは3つあります。

1)将棋を知らなくても、わかる

丸山九段を含め、将棋界のことをまるで知らない方は世の中にごまんと居ます。
そんな人でも、
「なぜ唐揚げではなくヒレカツなのか?」
という質問は刺さるのではないでしょうか。

とにかく、わかりやすいのは、強い。

2)それでいて、内容は、深い

マンガ『将棋めし』など、将棋界の食事やおやつにスポットライトが当たる機会は増えてきましたが、ともすると好みや興味本位で捉えられることが多く、プロ棋士にとって重要な要素の一つである「プロの将棋を指す上での栄養補給」という観点で語られる記事は、ほとんどなかったように思います。
この記事では、この点に関しては世界でも指折りの権威である丸山九段が、その知見の主要な部分をわかりやすく詳細に語っております。

3)丸山九段の記事はSSR級のレアもの

名人2期・棋王1期など、数々の実績を誇る丸山九段ですが、観戦記者や将棋ライターに対して口が重いところがあり、その実績の割には、将棋メディアで取り上げる機会が極めて少ない棋士であります。
丸山九段がこれだけのロングインタビューに応じることは極めて異例であり、この記事が丸山九段を語る上での決定版、と言っても過言ではないかと。
何しろ丸山九段、とっても楽しそうですし。

ただ、最近ではTVやネット中継の解説をする機会も増え、その気さくな性格が一般の将棋ファンにもおなじみになりつつあるのは嬉しいことですね。

■「みろく庵」の若鶏唐揚げ定食(唐揚げ3つ増量)

これが、「丸山定食」としてあまりにも有名になった注文であります。
関東プロ棋士の食事を影で支える「みろく庵」は、土日の配達など色々と融通が効くことで知られておりますが、まさかおかずの増量まで効くとは。

ちなみに、本文にもあります通り、元々の唐揚げ定食についてくる唐揚げは3つ。
3つ増量ということは、唐揚げだけ2倍ということですね。
なおこの唐揚げの画像は「みろく庵の若鶏唐揚げ定食」でググれますが、骨付きの結構大ぶりなやつで、1個でもかなり満足感を得られそう。

だがしかし。
この唐揚げ、最新の情報によると、骨が無くなった普通の唐揚げに変わった模様。
かのチキンカツ教祖の千葉七段がニコ生で「骨が無くなったみたいなんで、試してみたい」と語ったほどの大変革。
これについては、現在まだ残念ながら情報を入手できず、続報を待っているところです。

■だが2014年を最後に、丸山は己の名を冠した『丸山定食』を捨てる。

そして「冷やし中華にチャーシュー追加」という新定跡も放ちつつ、『丸山定食』を採用し続けてきた丸山九段ですが、2015年より、かつて採用していた「ヒレカツ定食となめこ汁のセット」に回帰することとなります。

なぜ丸山九段は唐揚げを捨て、ヒレカツへ戻ったのか。
これが本記事最大のポイントとなります。

■すごい食にうるさい先輩棋士がいまして。

これは「序盤は村山に聞け」で有名な村山慈明七段の言。
割と思ったことをすぐ口に出しちゃうタイプなのですが、悪気は一切ないので愛される棋士ですねw

若手棋士3人を前に、「順位戦の夜にはヒレカツ定食だ」と力説する丸山九段。
それを聞いて、次の順位戦の夕食に3人ともヒレカツ定食を注文。
このようにして、丸山九段が切り拓いた食の新定跡を、若手棋士も追随していくのですね。

■注文していたヒレカツが届かない

これは、今年の1月に行われた叡王戦本戦での対高見六段(当時)での一コマ。
これに勝てば久々のタイトル挑戦、という重要な一局の夕食に、満を持してヒレカツ定食を注文したところ、なんとこの日に限って「みろく庵」が臨時休業のため注文できず。
やむなく親子丼の上で我慢した丸山九段でしたが、「将棋メシ」をとことん重視する丸山九段にとって、これはかなりの痛手となったはず。

もし、この日にヒレカツ定食を注文できていれば。
ひょっとすると、高見叡王ではなく、丸山叡王の世界線もあった、かも。

■カツは切れないんです。

なぜ丸山九段はヒレカツを選ぶのか。
それに対する、実にシンプルな回答が、これです。
栄養が長持ちするんで、夜戦でも頭が真っ白にならずに戦えるとか。

なおこの話、栄養学的にも理に適う話のようです。
将棋2chまとめサイトの「2ch名人」でのとあるコメントによると、プロ棋士が対局で酷使する脳が使う栄養は糖分だけで、これはヒレカツにはほぼ含まれないのですが、ヒレカツに極めて多く含まれる栄養分であるタンパク質は、血糖値を安定させるのに大きな役割を果たすとのこと。
そして血糖値が安定すると、脳も安定して働く、ということみたいですね。

それにしても。
有識者の知見って凄い。

■切れる前に補給する、早め早めの対処が重要なのですね。

カロリーメイトを対局場所へ山のように持ち込むことで知られる丸山九段。
その量の多さに驚いた製造元の大塚製薬が、丸山九段をカロリーメイトのCMに採用したほどです(実話)

しかしカロリーメイトに限らず、「お腹が空いた」からと食事やおやつを摂っても、消化して栄養になるまでには間があります。
なので、脳が「お腹が空いた」と認識する前に、あらかじめ食べておくのが重要、と力説する丸山九段。

この話、どこかで聞いたなあ、と思っていたら、そういや自転車レースで、選手がしょっちゅう水飲んだり、軽食を摂っているのを思い出しました。
自転車レースの世界では、脳が「お腹が空いた」と認識した時点で、すでに「ハンガーノック」と呼ばれる、いわゆる燃料切れ状態になってしまうので、特に長丁場のレースではこまめに食っておくのが重要、というのが常識となっております。

プロの将棋も、朝から晩までの長丁場。
燃料切れでは、頭もまともに働かないですもんね。

■丸山先生はカロリーメイトをブロック、ドリンク、ゼリーで使い分けておられるそうですが、

単にカロリーメイトを大量に準備するだけでなく、ブロック、ドリンク、ゼリーと種類別に細かく使い分けるのが丸山流。
定期的に腹持ちを長くさせるために、消化に時間のかかるブロックを。
短時間ですぐに効いてほしい場合はドリンクタイプを。
ゼリーは冷やせるので、暑い時期に食欲が沸かないときに。
またゼリーはタンパク質の含有量が多いので、ヒレカツの代わりにもなる。

将棋と同様に、食事の世界においても、独自の視点でありながら、極めて理論的に整理された中での戦いを好む丸山九段。
それはカロリーメイトにおいても変わりがないようです。

■しかも魚は昼に採用率が高い。

順位戦での戦いで重要なのは夕食、と力説する丸山九段ですが、昼メシも、夕食につなぐ意味では大事な要素、とのこと。
昼も肉、夜も肉だとさすがに胃がもたれるため、昼は魚など比較的さっぱりしたものを頼むそうです。

若いころならともかく、中年過ぎると身に染みる話ですなあ。

■対局中の食事は仕事と思っています

丸山語録の中でも、極めて重要な一言。
仕事に合わせて、適切な食事を摂る、というのも、社会人にとっては重要なことですね。
とはいえ、食事には気分転換という重要な要素もあるので、あまりに機能面を重視しすぎると、それはそれで心理的に響いてくるのでありますが。

■ソバ茶もよく飲まれるじゃないですか。あれはどういう……?

飲み物も大事。
プロの将棋においてそれを軽視してしまうと、「秒読みの中でのトイレ」という大ピンチを招いてしまいます。
これを防ぐために、丸山九段が採用しているのが、あえてトイレが近くなるカフェイン入りの飲み物を飲むことで、土壇場で爆発してしまうことを避ける、という手筋。
丸山九段は「早期レーダーが働く」と語っておられましたね。
確かにこれは有力な手筋です。

なお、囲碁界ではトイレ休憩が認められているとのこと。
将棋界でこれが認められることは…しばらくなさそうですw

■実戦派なんですね丸山先生は。

とはいえ、これだけの量の栄養を摂る!という考えではない、と語る丸山九段。
実際に色々と試してみて、結果の出たものを採用する、とのこと。
将棋は割と理論派のように見えますが、食事は実戦派のようですねw

■筋トレは自分のペースでできますからね。

先輩の豊川「マンモス」七段に誘われて始めた筋トレを、今も続ける丸山九段。
筋トレして、たくさん食べて、栄養を切らさず戦う、というのが丸山流とのこと。

なお疲れたときはダラダラやって、あんまり気合を入れすぎないのが筋トレを続けるコツ、のようです。
この一言で、私も筋トレ(というか腕立て伏せ少し)を復活させました。
疲れたらダラダラでいい、というのは気が楽になりますw

■おやつとか栄養素とか、そういうのを意識する若手が増えたなってのは思います。

先にも述べましたが、将棋界での食における新定跡を切り拓き続ける丸山九段。
それに若手棋士が次々と追随する、というのは将棋の定跡にも繋がる話で面白いです。

将棋に勝つためなら、(ルールの範囲内で)どんなことでも、とにかくやってみる。
勝ちに繋がらないことは、止める。
というのは、丸山九段を含めた羽生世代が切り拓いた世界でしたね。

■見てる方にとってわかりやすくていいんじゃないですかね?

一転して今度は将棋の話題。
特にネット上の解説では、将棋ソフトを使った解説がすっかり一般的になりました。
これを良しとしない棋士も多いのですが、丸山九段はわかりやすくていいじゃない、と語ります。

「見ている人にとって非常にわかりやすくなったというのが、すごくいいことだったと思います。」
とトップ棋士が語ってくれるのは、観る将棋ファンの一人として、ありがたいことですね。

■私はけっこう食事とかの制度を見て『これはこういう体型の人が有利だな』と思ったりするんで。

これも丸山九段の一言。
私なりに簡単に整理しますと。

・短い持ち時間(TV棋戦~1時間くらい)→関係ない
・そこそこの持ち時間(3時間程度)、食事なし→痩せてる棋士有利(燃費がいい?)
・長~い持ち時間(5時間以上)、夕食あり→筋肉質の棋士有利(燃料タンクが大きい?)

みたいな感じで。
まあ、一つの参考にしてみてはいかがでしょうか。

■いや、私ってけっこう食べるのが早いんで。だからもう休憩中にパッとお願いして。

足りなければ、追加すればいいじゃない。
こういうところは意外と柔軟な丸山九段。
まあ確かに、特にタイトル戦ともなると、「思っていたのと違う」ご飯なこともありますでしょうしね。

■できるだけ消化に時間がかかるような……お腹の中でグツグツとやるようなものが、切れないんです。

特に順位戦のような、長い持ち時間での夕食に最適のごはんはこれ、とのこと。
先ほども出てきましたが、血糖値を安定させて、思考も安定させたい、というわけですね。

なお鰻も一時期試していたとのことですが、ヒレカツの方が1~2時間保つとのこと。
確かに消化が良さそうですもんね、うなぎ。

■とにかくムラが出るんですよ。ヒレカツはムラがないんですよ。

そして。
冒頭の質問に対する回答が、ようやくやってきました。

骨付きの大ぶりなのが魅力な「みろく庵」の唐揚げ。
骨付きなので味は良さそうに思えますが、その代償として、肉たっぷりのこともあれば、皮と骨が多いこともある、と出来栄えにムラが生じる。
一方、ヒレカツは毎回ほぼ同じものが出てくる。
というのが、丸山九段をして『丸山定食』を捨てた理由、とのことでした。

なるほど、確かに一理あります。
しかしそうなると、骨付きでなくなった「みろく庵」の唐揚げが、丸山九段にとってどういう判断をされるのか、私、気になります!

■丸山先生って、食べ物を残すことってあるんですか?

いつもたくさん食べてる印象の丸山九段。
しかし、普段はそんなにたくさん食べてるわけではなく、対局のときは仕事としてたくさん食べる、とのこと。
さすがに40度くらい熱があったときは、全部は食えずに残したそうです。

さ、さすがに不戦敗にしませんかね(震え声)

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by mitsuboshi03 | 2018-11-04 16:16 | 将棋 | Comments(0)
色々と忙しくなりはじめる11月となりました。
また、すでに寒さが一段と身にしみるようになってきております。
身体が寒さに慣れてくればこっちのもんなのですが、毎年それまでが、ねえ。

さて今回も将棋ネタ。
できれば明日別ネタを書きたいので、今回もさらっとな感じになっちゃいますがご了承をば。

■斎藤慎太郎七段、王座を奪取!(王座戦五番勝負 第5局)

まずはタイトルの行方が決まった王座戦から。
王座戦五番勝負の最終局である第5局が10月30日に山梨県甲府市の「常磐ホテル」で行われ、勝利した挑戦者の斎藤慎太郎七段が王座を奪取することとなりました。

常磐ホテルといえば、昭和天皇の宿泊先に選ばれるなど、山梨の迎賓館として有名な老舗。
私も何度か足を運ぶ機会がありましたが、いつ行っても美しい庭園は見もの。

亡き師匠の米長永世棋聖の故郷である山梨で、絶対に負けられない戦いを迎える中村王座。
立ちはだかるのは、関西期待の有望株である斎藤慎太郎七段。
イケメン同士の五番勝負だったことから、「王子戦」とも呼ばれた今年の王座戦五番勝負。
いよいよ本局で決着となります。

将棋の方は、最終局ということで改めて運命の振り駒が行われ、斎藤七段の先手番に。
戦型は、最近どこでもこればっかりの角換わり腰掛銀。
同じようでも、細かいところで工夫が行き届いているのがトッププロの将棋で、本局では先手の斎藤七段が最近流行の▲6八玉~▲4八金~▲2九飛に構えたのに対して、後手の中村王座が△7二金としたのが工夫の一手。
場合によっては△5四銀から△6一飛と6筋から攻めかかる狙いを秘めています。

本局で後手の中村王座は、△6二金と右金を通常の位置に戻してから△6五歩の位取りを選択。
この6筋の位は、本局のようにいずれ▲6六歩と先手の反発を誘発することとなるのですが、先手の王様近くで戦いが起こることになるので、あわよくばそのまま先手の王様だけ終盤戦にしてしまおう、というのが中村王座の思い描いていた展開だったようです。

その思惑を打ち砕いたのが、1日目のおやつタイム前に斎藤七段が放った▲4五角の強手。
この角は一旦1八へ追いやられたものの、この角打ち一発で後手の飛車が不自由になり、後手からの攻めが頓挫してしまいました。
中村王座も必死の粘りで差を詰めますが、終盤に一瞬訪れたチャンスを掴むことができず、斎藤七段がそのまま押し切りました。

さて本局の結果により、斎藤新王座誕生、ということになりました。
2015・2016年度に年度勝率1位、2017年には羽生棋聖(当時)に挑戦、と着々と実力を蓄えてきただけに、このチャンスをものにできたのは大きいといえます。
他棋戦でも好調を維持しているだけに、早いうちに二冠、三冠と伸ばしていきたいですね。
また棋界屈指のイケメンというか男前なだけに、これを機会に、特に女性ファンが一層増えるといいなと思います。
また師匠の畠山鎮七段にも、ニコ生ですぐに結果を報告できたようでなによりでした。
ちなみにこの斎藤新王座、ニコ生の解説のときにプレゼント用の色紙に「畠山鎮」と書かされた過去があります。
さらに四段時代には、「関西将棋の日」のイベントで畠山師匠の似顔絵まで描かされていた過去が。
衝撃の似顔絵は、「斎藤慎太郎 畠山鎮 色紙」でググれます(おい)

敗れた中村七段ですが、連敗スタートからなんとか連勝して、師匠の故郷である山梨まで決着を持ち越したのは立派だったと思います。
またタイトル目指して頑張ってほしいものです。
あと、将来の連盟会長候補として、連盟内での活躍にも期待したいところ。

■広瀬八段、後手番で辛くも1勝を返す(竜王戦七番勝負 第3局)

さて今度は竜王戦の七番勝負。
第3局が11月1・2日に茨城県鹿嶋市の「鹿島神宮」で行われ、後手番の広瀬八段が勝利し、通算成績を1勝2敗としております。

さてこの鹿島神宮。
茨城県の鹿嶋市にありますが、神宮の名前は鹿島神宮。
また同じく鹿嶋市を本拠地とする、Jリーグの鹿島アントラーズも鹿島と書く。
あーややこしいんじゃー!

さて将棋の方ですが、こちらも角換わり腰掛銀に。
本局では先手の羽生竜王が、▲5八金~▲7九玉型から5八の金を4七へ持っていく、やや古風な陣形を採用。
一方広瀬八段は、最新型の△4二玉~△6二金~△8一飛で迎え撃ちます。

中盤戦では、羽生竜王が2五の桂馬を取らせてから、みるみるうちに駒損を重ねながら猛攻を仕掛けます。
将棋ソフトは羽生竜王の攻めが細いながらも最後まで繋がるではないか、という見立てのようでしたが、さすがの羽生竜王といえどノーミスでこの細い攻めをつなげることができず、最後は広瀬八段が豊富な持ち駒を活かした攻めで勝ちを収めました。

とにかく、広瀬八段が1勝を返せたのが大きい。
特に後手番をブレークできたのが最高で、次の第4局での先手番をキープできれば、改めて三番勝負を戦うことができます。
羽生竜王の鋭い攻めを凌ぎきったあたり、好調ぶりをまざまざと示せたのではないでしょうか。

本局では敗れた羽生竜王ですが、第2局で先に後手番をブレークしていることもあり、まだ慌てるような展開ではないと思われます。
今週は紫綬褒章受賞、という嬉しいニュースも飛び込んできました。
いずれにせよ、先はまだ長そうですね。

■きょうの藤井聡太(棋聖戦1次予選で村田六段・今泉四段を破る)

さて今週はありました、きょうの藤井聡太。
10月31日に棋聖戦1次予選で村田六段と今泉四段を破り、2次予選への進出を決めております。

この棋聖戦1次予選ですが、2010年度より制度が変わり、持ち時間がチェスクロック1時間となり、対局によっては午前と午後で2局を戦うこともあるとのこと。
本局もそれに当たったようで、藤井七段は午前10時から村田六段と、午後2時から今泉四段と戦うこととなりました。

対村田六段戦では、後手番の村田六段が、振り飛車も匂わせた乱戦模様の相掛かりを選択。
これに藤井七段が激しく応じて、▲1五銀と銀のタダ捨てから猛攻を仕掛けます。
正確に指せば駒得の村田六段が勝てるのではないか、と見られていたようですが、何しろ持ち時間が短い将棋のため、この時点で両者1分将棋。
お互い秒読みの将棋でミスの出やすい将棋となりましたが、こうなると実力に勝る藤井七段が勝ちやすかったようで、村田六段の攻めをうまくいなして競り勝ちました。

さて対今泉四段戦。
NHK杯戦で藤井七段に勝ったときには先手番だった今泉四段でしたが、本局では後手番。
今泉四段はノーマル四間飛車から銀冠に構える持久戦を選びましたが、居飛車党の藤井七段は当然のことながら居飛車穴熊を選択。
今泉四段も激しく抵抗しましたが、角筋を止めるノーマル振り飛車にはやはり居飛車穴熊が効果絶大。
中盤でかなりのリードを許した今泉四段が戦意を喪失し、大差での決着となりました。

今回は持ち時間の短い将棋で、藤井七段もミスが出ると危ない局面もあるかなと思っていましたが、なんとか関門を突破することができました。
先はまだ長いですが、とにかく1つ1つ、勝利を積み重ねていくしかないですね。

■谷川九段、通算1300勝を達成

さて最後に、1つ1つ勝利を積み重ねてきた方の話題を。

谷川九段がNHK杯戦2回戦での対稲葉八段戦に勝利し、通算1300勝を達成しました。
これまでに通算1300勝を達成したのは、大山十五世名人・中原永世十段・加藤「ひふみん」九段・羽生竜王の4名。
この名だたる棋士たちに、谷川九段も加わることとなりました。

対稲葉八段戦ですが、戦型はやはり最新型の角換わり腰掛銀。
後手番の稲葉八段が、5四に居る銀を6三へ戻してまた5四へ、と千日手含みの待機策を取ったのに対し、一旦▲7九玉と王様を深く囲ってから、決然と▲4五桂から攻めを敢行。
以後も攻勢を緩めることなく、全盛期を彷彿とさせる一手勝ちで快勝しました。

近年は負担の重い将棋連盟会長職で苦しんでおりましたが、会長職を佐藤現会長に譲ってからは持ち前の鋭い攻めと「光速の寄せ」が戻ってきたように思います。
あと100勝、となるとかなり厳しいかと思いますが、まだまだ頑張ってほしいですね。
通算1300勝、おめでとうございました。

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by mitsuboshi03 | 2018-11-03 14:35 | 将棋 | Comments(0)
年始に治したばかりの歯が炎症を起こしたため、やむなく歯医者へ。
行く前は、「いったいどーなってんのよ本当にもー」と思っていたのですが、案外早めに治療できて何より。
あとは歯石を取って無罪放免、となりそうです。
それにしても、今日の治療代が160円って。
いや、様子見てもらっただけだし、安いのはいいことですが。

さて今回も将棋ネタ。
明日は娘の学校の演劇会で遠出するため、縮小更新でお送り致します。

■羽生竜王、後手番ブレークに成功。連勝スタートを果たす(竜王戦七番勝負 第2局)

まずはプロ棋士のタイトル戦の話題を。
10月23、24日に福岡県福津市「宮地嶽神社」で竜王戦七番勝負の第2局が行われ、後手番の羽生竜王が勝ち、連勝スタートを果たしました。

さて宮地嶽神社って何じゃい、と思って調べましたが、玄界灘に面する大きな神社のようですね。
三が日には100万人以上の参拝客が訪れるとか。
うちの近所の諏訪大社上社で20万人ですからね。
あれの5倍かよ、と思うとげんなりします(苦笑)
ちなみに、同じ福岡県にある太宰府天満宮の参拝客は200万人を超えるとか。
…気が遠くなりますね。

将棋の方ですが、最近毎度おなじみの角換わり腰掛け銀に。
今回の工夫は、お互いに▲7九玉-△3一玉と王様を深めに囲ったことと、先手の広瀬八段が▲4七金~▲9五歩としたこと。
先手から攻めようというよりは、大模様を張ってじわじわ良くしていこう、という印象を受ける戦型選択と思いました。

こうなると後手も悠長に囲いを整備するわけにはいかぬと、△7五歩から先攻します。
▲6六歩と後手の6五に跳ねた桂馬を取りに来た手に対して、後手の羽生竜王がどうするのか、と思っていましたら、△7六角と角を打ち込んでから、△8七角成から△7八馬とまさかの強襲。
一時的に金と角桂の交換となり、後手から見て大きな駒損となりますが、攻めているのと、先手が歩切れなのが後手の主張で、そのまま後手の攻めが続くかどうかが本局最大の争点となりました。
一見細そうに見えた後手の攻めでしたが、これが案外うるさかったようで、この細い攻めを羽生竜王がうま~く繋げて、150手で後手の羽生竜王が勝利を収めました。

何といっても、羽生竜王が後手番でブレークできたのは大きいです。
色々あります羽生伝説の一つ、「節目の勝利は逃さない」を地でいく展開となってきたかもしれません。
一方、広瀬八段にとっては早くも正念場を迎えました。
一刻も早く1勝を返したいところですね。

次の第3局は、11月1、2日に茨城県鹿嶋市の「鹿島神宮」で行われます。
第1局が能楽堂、第2・3局が神社と、今年の竜王戦の対局場所は徹底的に和風で攻めますね。
ちなみに第4局は、京都府福知山市の福知山城と、いわゆるお城対決となります。

■里見女流王座、僅差で緒戦を制する(女流王座戦五番勝負 第1局)

今度は女流のタイトル戦の話題を。
今年の女流王座戦五番勝負が10月23日に岐阜県岐阜市「十八楼」で開幕し、後手番の里見女流王座が168手で挑戦者の清水女流六段を下しております。

今年の女流王座戦ですが、なんといっても久々の女流タイトル戦登場となった清水女流六段が最大の見どころ。
長年女流の第一人者としてタイトルを独占してきましたが、ここ数年は挑戦者にもなれない状況に。
そこを打破して久々のタイトル戦登場となりました。
将棋連盟理事の要職を抱える多忙な中ではありますが、活躍を期待したいものです。

さて将棋の方ですが、振り駒で里見女流王座が後手番に。
こうなればと、里見女流王座が得意のゴキゲン中飛車に構えます。
これに対して清水女流六段は、プロ棋士も数多く採用している超速▲3七銀型で対抗。
一口に超速▲3七銀型といっても、超急戦から持久戦まで色々とパターンがありますが、本局では薄い囲いが得意の清水女流六段らしく、4筋と6筋の位を取って大模様を張る指し方をチョイス。
中盤の分かれは里見女流王座の方に分があったようですが、清水女流六段も盛り返し、終盤は優劣不明の叩き合いとなります。

さて大詰めの最終盤。
清水女流六段が里見女流王座の王様に詰めろをかけましたが、清水女流六段の王様が詰まないんで、清水女流六段がやったのか!?
と思われた局面で、里見女流王座が選んだのは、清水女流六段の攻めの要である竜を抜く手順。
この構想が実現して里見女流王座の王様が安全となり、里見女流王座が勝利しました。

里見女流王座が、際どいながらも緒戦を制したのはさすがの一言。
とはいえ、清水女流六段にも十分勝機のある一局でしたので、今後の五番勝負がますます楽しみです。
次の第2局の後手番をブレークできると、逆に清水女流六段側に勢いが出るかな、と思っております。

次の第2局は、11月8日に高知県高知市の「ザ クラウンパレス新阪急高知」で行われます。

※「きょうの藤井聡太」はお休みです。
 藤井七段の次局は、10月31日に行われる、棋聖戦1次予選での対村田顕弘六段戦となります。

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by mitsuboshi03 | 2018-10-27 13:20 | 将棋 | Comments(0)
最近休みの日には朝散歩するのを日課にしておりますが、そろそろ部屋着のままでは寒くて、出歩くのが厳しくなってまいりました。
冬は昼間に出歩くのが安定ですね。

さて今回も将棋ネタ。
話題盛りだくさんですので、さらっとやりますね。

■中村王座、しぶとく粘る。結末は第5局へ持ち越し(王座戦五番勝負 第4局)

まずはタイトル戦の動向から。
挑戦者の斎藤七段側から見て2勝1敗で迎えた王座戦の第4局が、10月16日に新潟県南魚沼市にある「温泉御宿 龍言」で行われ、中村王座が勝利して決着を第5局へ持ち越すこととなりました。

将棋の方ですが、毎度おなじみの角換わり腰掛銀へ。
本局の工夫は、先手番の中村王座が右金を5八から6八へ引きつけ、▲9八香から穴熊を目指したこと。
組み上がれば固い穴熊ですが、それまでに角を打ち込まれたり速攻を仕掛けられたりするリスクもあるため、以前よりは採用率が減っている指し方といえます。
本局では斎藤七段が△4四角と自陣角を放って、角の睨みで先手玉を直撃する指し回しが光り、局面をリードします。
しかし、斎藤七段は持ち時間が切迫していたこともあり、緩手もあって混戦模様に。
そこを抜け出した中村王座がそのまま押し切りました。

連敗スタートからの連勝で、同星ながら勢いの上で優位に立つのは中村王座。
しかし充実著しい斎藤七段もこのまま簡単には敗れるとは思えず、次の第5局が大変楽しみです。

最終第5局は、10月30日に山梨県甲府市の「常磐ホテル」で行われます。

■きょうの藤井聡太(新人王に!)

さて今回は、ちょっと早めにきょうの藤井聡太を。
10月17日に行われた新人王戦決勝三番勝負の第2局で出口三段相手に勝利して、見事新人王を獲得しております。

将棋の方ですが、こちらも毎度おなじみの角換わり腰掛銀に。
こちらは▲6八玉~▲2九飛~▲4八金の最新型同形から、先手番の藤井七段が▲4五銀とガツンと銀をぶつける形に。
先攻した藤井七段の攻めが終始一歩早い展開となり、そのまま押し切っております。

藤井七段が第1局に増して、力の差を見せつけた印象。
先攻逃げ切りという、先手番として理想的な勝ち方を見せてくれました。

これにより、ラストチャンスだった新人王を獲得。
もちろん最年少記録のおまけ付き。
新人王戦にしては中々当たりのキツい抽選を引きましたが、すべて力でねじ伏せました。
優勝候補の大本命とはいえ、さらっと勝ってしまうのは凄いことです。

■大橋四段、加古川清流戦を制す

若手棋戦の話題をもうひとつ。
加古川清流戦の決勝三番勝負が10月19、20日に兵庫県加古川市の鶴林寺で行われ、第1・2局を制した大橋四段が梶浦四段を下して勝利を収めています。

加古川清流戦は、四段のプロ棋士を中心とした棋戦。
奨励会三段上位やアマチュアに女流枠もあり、一般的に若手棋士の登竜門として知られています。
棋戦名の通り、「加古川の人帰られへん」で阪神ファンにはおなじみな兵庫県加古川市が主催していることでも有名ですね。

優勝した大橋四段は、あの藤井七段と同じ期で三段リーグを突破。
藤井七段の快進撃の影に霞んではおりますが、今年もすでにYAMADAチャレンジ杯を制するなど、勝ちまくっている若手棋士であります。
いわゆる若手棋戦では一頭抜けた存在といえますので、今後はタイトル戦本戦での活躍が期待されるところですね。
大橋四段、おめでとうございます。

■里見女流、女流王将位を防衛(女流王将戦三番勝負)

最後に女流棋戦の話題を。
里見女流王将に加藤奨励会初段が挑む女流王将戦三番勝負。
10月13日に第1局、19日に第2局を行い、両方とも制した里見女流王将が女流王将位を防衛しました。

第1・2局ともに加藤奨励会初段が指しやすそうな局面もあったかと思いますが、終盤で里見女流王将がうっちゃった印象。
これにより、里見女流は女流四冠を堅持。
女流棋界の第一人者としての地位をますます強固なものとしております。
これを足がかりに、プロ棋士相手にも勝ち星を重ねていきたいですね。

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by mitsuboshi03 | 2018-10-21 16:45 | 将棋 | Comments(0)
10月に入ってしばらくの間は、昼間半袖、夜は長袖、な感じで乗り切ってきましたが、ここにきてまた一段と気温が下がってきましたので、寝るころには少し暖房を入れるありさま。
夏はあんなに暑かったのに、メリハリありますなあ。

さて今回も将棋ネタ。
寒さが増すごとに、佳境に入っていくのが将棋界。
今週はそれなりに話題がありましたね。

■羽生竜王、緒戦を制す(竜王戦七番勝負 第1局)

将棋界の秋といえば、なんといっても竜王戦。
今年は、羽生竜王の通算タイトル100冠がかかる大一番。
しかも羽生竜王が敗れると、初タイトル奪取以来の無冠に転落するというおまけ付き。

相手は、今期絶好調の広瀬八段。
広瀬八段にとっても久々の大舞台なだけに、期するものがあるでしょう。
特に羽生竜王が相手ですので、2016年の王位戦で敗北を喫した際の「魂を抜かれた」写真のリベンジを果たしたいところでしょうか。
なお「魂を抜かれた」写真は、例えば「広瀬 羽生 魂を抜かれた」でググれます(おい)

さて注目の第1局ですが、最近の傾向通り、10月11、12日に東京都渋谷区にある「セルリアンタワー能楽堂」で行われました。
将棋の方は、振り駒で先手番となった羽生竜王がスラスラと角換わり腰掛け銀の最新型へ誘導。
これに広瀬八段が素直に応じて、ほぼ一本道の展開となったようです。
その後、羽生竜王が65手目の▲4五桂からの強襲を決断。
一気に終盤戦となります。
終盤では、持ち時間がほぼ無くなったこともあり羽生竜王に疑問手もあったものの、逆転するまでには至らなかったようで、羽生竜王が最後まで攻めを切らさず勝ちを収めました。

広瀬八段にとっては、ほぼノーミスにも関わらず、後手番でほぼ一方的に攻められて負けるという、角換わり腰掛け銀ではよくある流れにハマってしまった不運な一局に。
とはいえ、七番勝負の第1局の後手番を落としただけですので、傷は浅いといえます。
次の第2局の先手番を落とさないことが大事ですね。

羽生竜王にとっては、まずは白星発進でやれやれ、といった感じ。
最近のタイトル戦では1分将棋で逆転される場面もしばしば見られるようになりましたが、本局ではほぼ一本道の展開になっていたのが幸いしたのかもしれません。

まだまだ今年の竜王戦は始まったばかり。
これからも追いかけていきたいですね。

■きょうの藤井聡太(新人王戦決勝三番勝負 第1局)

さて今週はありました、きょうの藤井聡太。
10月10日に新人王戦決勝三番勝負の第1局が行われ、出口三段相手に勝利しております。

新人王戦の決勝戦は、ここだけ三番勝負となります。
16歳にして最後の新人王戦となる藤井七段としては、是が非でも勝っておきたいところ。
相手の出口三段は、奨励会三段ながら澤田六段などの強敵を破って決勝戦まで進出。
勝てば三段リーグ次点の権利を獲得できるだけに、出口三段にとっても重要な戦いといえます。

将棋の方ですが、振り駒で先手番となった出口三段が、中原流相掛かりを採用。
中原十六世名人が名人に復位した原動力となった戦法で、相掛かりを避ける相手には使えないという欠点はあるものの、かなり有望な戦法です。
基本的にろくに王様を囲わず、桂馬と歩で軽い攻めを繋げていくあたりは、現代将棋を先取りしていた発想といえますね。
序盤はこの戦法でポイントを稼いだ出口三段でしたが、藤井七段も鋭く切り返し、中盤戦では互角となります。

終盤戦の82手目で、藤井七段の王様が4三へ引っ張り出される、一見危なそうな局面もありましたが、そこで4四に歩を打って受けたのが、後々の展開まで見通した好手。
出口三段は当然ながらと、▲4五歩から▲4四歩と歩を使って王様をいじめに行きますが、ひらりと△5二玉とかわしてから△4六香と打ち据えたのが継続手。
出口三段はすぐに▲4七歩に受けたいのですが、あいにく4四に歩があるため二歩。
泣く泣く▲4三歩成から▲4七歩と受けたのですが、今度は藤井七段が△6五桂から攻勢に出て、そのまま攻めきりました。

出口三段もよく戦ったのですが、やはり藤井七段の底力が一枚上手か、といった印象。
1つ勝つのは不可能ではないでしょうが、もう1つ勝たないといけない、というのはかなり厳しい、という印象を受けます。
次の第2局は、10月17日に行われます。

■叡王戦 段位別予選終了 本戦抽選会やインタビュー記事など

最後に叡王戦の話題を。
先日木村九段の勝利で段位別予選が終了し、本戦抽選会が行われております。
抽選会の模様はニコ生で生中継という、いつものスタイルながらありがたいことに。
本戦はシード8名に段位別予選突破枠16名が加わり、合計24名のトーナメント戦ということで、8名のシード枠(1回戦なし組)があるのですが、今回は忖度なしの一発抽選。
というわけで。

・佐藤名人と中村王座の勝ち上がりを待つ渡辺大夢五段。
 この渡辺大夢五段って人はかなりの強豪なんだろうなあ(棒)
・佐藤「会長」九段、全く忖度されずに1回戦で松尾八段と対決。
 また勝つと深浦九段と当たることに。
 抽選した鈴木「理事」九段、首筋の冷たい思いをすることに(おい)
・そして電話中継があると知りつつ、あまりに待たされたんでついつい飲んじゃった行方八段。
 結果、酔っ払いなめちゃんのノーガードでの生中継が実現。
 どろり濃厚、混じりっけなしの純粋な絡み酒で、色々とロックな性格の行方八段。
 関係者の背筋がまたも冷たくなる展開に(待て)
・最後に抽選に残った金井六段、めでたくシード枠に。
 しかし相手は、斎藤慎太郎七段か藤井七段の二択。
 残り物には福が…ありませんでした(涙)

たいへん楽しゅうございました。

そして。
本戦入りした24名全員に、白鳥「りゅうおうのおしごと!」先生がインタビュー記事を書くという無謀…もとい、野心的な企画が。
前回の叡王戦七番勝負でも、力作の観戦記をネットに上げてくれていたのですが、今回はそれにも増して密度の濃い記事となっております。

ここに来る方に特にオススメしたいのが、vol.3の丸山九段の記事。
将棋ネタ少なめで、食事ネタが大半、ということで、将棋知らない人にも入りやすいのと、プロの将棋における栄養補給の重要性、という実はかなり重要なテーマを丸山九段が熱く語る、というガチっぷりが魅力的。
うう、早いとこ書籍で読みたいものです。

最後に、インタビュー記事のリンクを貼っておきますね。
「叡王戦24棋士 特別インタビュー」(リンク)

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by mitsuboshi03 | 2018-10-14 10:51 | 将棋 | Comments(3)
台風が通った後でめっちゃ暑くなったです。
そのせいか、カメムシがまた繁殖してきてイヤーン!
下着の中へ潜むのは勘弁して(涙)

さて今回も将棋ネタ。
若干ネタ少なめなんで、以前のネタも含めて。

■中村王座、1勝を返す(王座戦五番勝負 第3局)

まずはタイトル戦の動向から。
王座戦五番勝負の第3局が10月2日に仙台市の仙台ロイヤルパークホテルで行われ、中村王座が1勝を返し、通算成績を1勝2敗としております。

将棋の方ですが、▲7六歩△8四歩の出だしから、先手番の斎藤慎太郎七段が▲6八銀と矢倉を志向。
それに対して、後手番の中村王座が急戦を挑むという、最近の矢倉あるあるな序盤に。
なんかこういう序中盤は、矢倉を少し覚えたころに友達と指していたような、不思議な感覚がします。
私が将棋を覚えたころは相矢倉全盛時代でしたが、それなりに腕の立つ同士でないと、相矢倉にならなくて、こういう戦型になるんですよねw

終盤の入り口の局面では、中村王座がリードしていた印象。
しかし斎藤七段も決め手を与えず、きわどい手で応酬。
対応を誤ればすぐ逆転、という終盤戦となりましたが、細い勝ち筋を中村王座がしっかりと離すことなく、最後まで押し切りました。

斎藤七段の鋭い追及も見事でしたが、それに負けずにリードを守りきった中村王座が勝った感じ。
中村王座が終盤戦で、いつものように普段は見せない鬼の形相をしながら読みふけっていたのが印象に残っております。

それにしても、中村王座が後手番で1勝を拾えたのは大きい。
ストレート負けを回避できたのも大きいですし、次の第4局が先手番ですので、キープできれば2勝2敗で王座防衛に逆王手、の目も出てきます。
次の第4局が、ますます目が離せなくなってきましたね。

■本田新四段、山本新四段誕生!(三段リーグ 2018年度上期 決着)

さて今度は、一月前に取り上げるべきでしたこの話題。
三段リーグの2018年度上期最終局が9月2日に行われ、本田新四段と山本新四段が誕生することとなりました。

半期に一度、2人の新四段が誕生するこの三段リーグ。
今期は19局行われましたが、最終日の2局を残して自力昇級が可能だった二人が順当に上がった、という結果になりましたが、山本新四段は午前中の対局で敗北を喫しており、午後の対局にも敗れ連敗していれば昇級を逃していた、という状況で勝ちを拾う、という劇的な昇級劇となりました。

実は二人とも、藤井七段が昇級したときの三段リーグで藤井七段相手に勝利していたという共通点があり、朝日新聞で連載中の藤井七段記事でも話題に上がっておりました。
二人とも、藤井七段に対して、”あのときは同じ立場だったけど、今はかなり離されてしまった。少しでも追いつけるよう頑張りたい。”のように語っていたのが印象に残っております。

本田新四段が21歳、山本新四段が22歳と、年齢的にはそこそこ、というところで昇級しているだけに、今後にもまだまだ期待できます。
頑張ってほしいですね。

■きょうの藤井聡太(今週は対局なし、しばらく不定期更新となります)

今週は対局なし、な藤井七段。
七段に上がってシードが上がったものですから、最近対局がめっきり減ってきております。
だいたい2、3週に1局対局がつくかなあ、という状態。
まあ一流棋士になれば普通こうなりますので。

というわけで、今後はこのコーナーは不定期連載となりますのでご了承ください。
なお来週は新人王戦の決勝戦がありますので、記事が書けるかと思います。

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by mitsuboshi03 | 2018-10-07 13:55 | 将棋 | Comments(0)
台風が近づいていることもあり、今日は1日ひきこもり。
まあ、いつものことですが(おい)

さて今回も将棋ネタ。
先週ネタがなかった分、今週は色々とネタが入ってきたため、あっさり風味で。

■タイトル1人一冠制崩れる!豊島二冠誕生!(王位戦七番勝負 第7局)

まずはタイトル戦の動向から。
王位戦七番勝負の第7局が9月26・27日に東京都千代田区の都市センターホテルで行われ、豊島棋聖が勝って通算成績を4勝3敗とし、王位を奪取しました。

さて将棋の方ですが、運命の振り駒の結果、先手番を握ったのは豊島棋聖。
菅井王位は「仕方ないね」と第6局に続いて相穴熊を選択。
1日目が終わった段階では、後手の金銀がバラバラ気味ではあるものの、具体的に先手がよくする手が難しいのではないか、という見立てでしたが、2日目に入って豊島棋聖が「穴熊のパンツを脱ぐ」▲7七桂を決行してからは豊島棋聖が押し気味の展開となり、そのまま豊島棋聖が勝ち切りました。

豊島棋聖は、これで棋聖と王位の二冠を達成。
若手棋士の成長著しい関西棋界にあっても、一人別格の扱いを受けてきた豊島二冠。
が、ことタイトル争いとなると、あと一歩のところで敗れることが多く、本人としても悔しい思いを重ねてきたでしょうが、ここにきてようやく本格化してきました。
コンピュータ将棋に一番近い指し回しが特徴で、勝つときの切れ味は抜群ながらも、悪い将棋をひっくり返せない場面がたびたびありましたが、本局の▲7七桂みたいな手が出せるようになってきてタイトルを取れるようになってきたのかな、と思います。
こういう棋士は、続けてポンポンとタイトルを取る傾向にあるだけに、今後も目の離せない棋士といえます。

敗れた菅井七段ですが、振り飛車スペシャリストとして、恥ずかしくない将棋は見せてくれたと思います。
昨年に比べ、後手番で通用する振り飛車戦法が無いという逆境にもかかわらず、ほぼ互角の勝負を繰り広げられたのは凄いと思います。
またどこかのタイトル争いに顔を出してほしいものです。

■佐藤名人、銀河戦を制する(銀河戦 決勝)

今度は、9月25日に放映された銀河戦の決勝戦。
囲碁・将棋チャンネル主催のテレビ棋戦です。
テレビ棋戦らしい、スリル溢れる終盤戦が魅力ですね。
今季は行方八段と佐藤名人との対戦となり、佐藤名人が勝利しております。

相掛かりの序盤となった本局ですが、玉の固さを生かして強気に攻める行方八段が中盤でリードしたものの、佐藤名人の手堅い指し回しに手を焼くことに。
終盤はテレビ棋戦らしく形勢が二転三転する将棋となりましたが、最後は佐藤名人の方に歩があったようです。

昨年は通算勝率で負け越すという不本意な結果となった佐藤名人ですが、今季は本棋戦で優勝するなど好調をキープ。
今季の通算成績は15勝4敗と8割近い勝率を上げております。
名人戦以外のタイトル戦にも、顔を出してもらいたいですね。

■きょうの藤井聡太(新人王戦で青嶋五段を破る)

さて今週は対局がありましたので、きょうの藤井聡太を。
新人王戦の準決勝戦で青嶋五段を破り、決勝戦へ進出しています。

相手の青嶋五段ですが、ゲームやチェスなど多趣味で有名。
本業の将棋の方では、2016年度に勝率一位賞と連勝賞を獲得している、新進気鋭の若手棋士です。

将棋の方ですが、矢倉模様の立ち上がりから、先手の青嶋五段が右玉に構える、少々ひねった展開に。
しかし、青嶋五段が39手目に▲9六歩と妥協したのがまずかったらしく、以降は藤井七段の攻めが冴え渡る展開に。
代えて▲5五歩から決戦に持ち込む展開にするべきだったようです。
とはいえ、有利な局面から勝ちに持っていくのが大変なのがプロの将棋。
相変わらず、お見事です。

■里見倉敷藤花に挑むのは、谷口女流に(倉敷藤花戦 挑戦者決定戦)

最後に女流棋界の話題を。
9月28日に倉敷藤花戦の挑戦者決定戦が行われ、谷口女流二段が中村真梨花女流三段に勝ち、里見倉敷藤花への挑戦権を獲得しております。

倉敷藤花戦は、大山名人の故郷である岡山県倉敷市が主催の棋戦。
というわけで、タイトル戦三番勝負の第2・3局は岡山県倉敷市で行われます。
さて将棋の方ですが、相振り飛車の出だしから、いつものように中村女流三段が「マリカ攻め」で先行するものの、谷口女流二段がうまく攻めをいなして勝利しております。

谷口女流二段って誰や、と思って調べてみたところ、「むろやん」こと室谷女流が今年の3月に結婚されて名字が変わったとのこと。
女流棋士は結婚されても名字が変わったり変わらなかったりと少々ややこしいので、こういうこともままあります。
新婚パワーで里見倉敷藤花へどう立ち向かうのか、楽しみです。


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by mitsuboshi03 | 2018-09-30 13:59 | 将棋 | Comments(0)
このblogが誕生して早14年。
某モンゴル料理屋で生まれた「バター同盟」の一翼を長年守ってきました。
ここ最近までの「バター同盟」の動向は、細川氏のとこが週2~3回更新でトップ、続いて私んとこが週1更新で続き、次いで大つき(19)先生んとこが1~2ヶ月おきの更新、という状態。
それが、細川氏んとこが先月から更新をストップしたため、私んとこの更新がスライドしてトップということに。

なんだか不戦勝してもらっているようで、少々居たたまれない気がしているのでありますよ。
細川氏のblog更新、楽しみにしております。

さて今回も将棋ネタ。
とはいえ今週はどういうわけかネタが少ないため、縮小更新ということに。

■斎藤七段、中村王座を崖っぷちへ追い詰める(王座戦五番勝負 第2局)

今週唯一のネタとなった、王座戦五番勝負の第2局。
9月20日に京都市の「ウェスティン都ホテル京都」で行われました。
結果は挑戦者の斎藤七段が勝利。
連勝スタートで、早くも中村王座をカド番へ追い詰めることとなりました。

将棋の方ですが、角換わり模様の出だしから、先手番の中村王座が21手目に▲3五歩といきなり仕掛ける展開に。
後手の指し手によってはそのまま一気に終盤戦、ということもありえたようですが、本譜では斎藤七段が24手目に△4四銀と自重したため、再び駒組みへ戻る持久戦模様へ。
その後は中村王座が攻勢を見せるも斎藤七段が粘り強く対応し、やや中村王座良しの形勢に。
しかし、斎藤七段が70手目に△7六桂と王手した手に中村王座が▲7九玉としたのがまずかったようで、ここから斎藤七段の攻めがつながり、そのまま押し切りました。

中村王座としては、序盤からスッキリ攻め続けて快勝、というイメージでいたと思われますが、斎藤七段の粘り強い対応に手を焼いた、という感があります。
斎藤七段の見事な指し回しが光った一局といえるのではないでしょうか。

これで斎藤七段は連勝スタート。
他棋戦でも好調を維持しているだけに、このままスッキリ押し切ってタイトルを獲得できれば、二冠・三冠の目も十分あります。
イケメン棋士として知られる存在でしたが、実力もあるんだぞ、ということを示せる機会になるかどうか、今後が楽しみです。

一方の中村王座ですが、第1・2局と力は見せているものの、結果につながらないという展開。
調子自体は悪くはないと思われるだけに、とにかく結果が欲しいところ。
もう後がありませんが、思い切って指してもらいたいものです。

※きょうの藤井聡太は、今週対局が無いためお休みします。
 次の対局は、9月25日に行われる新人王戦準決勝の対青嶋五段戦となります。

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by mitsuboshi03 | 2018-09-23 13:59 | 将棋 | Comments(0)
世間的には三連休だった先週末ですが、私は地域の秋祭りの準備から後片付けまでガッツリお付き合いするという苦行に、ただひたすら耐えておりました。

なんとかやりきったよ…。

というわけで、今日は臨時でお休みをもらったので、変則的に本日更新をば。
いつもの通り将棋ネタでございます。
先週は藤井聡太七段の対局が多かったので、そちらの話題が主になるかと。

■王位戦の結末は最終第7局で(王位戦七番勝負 第6局)

とはいえまずはタイトル戦の動向から。
王位戦七番勝負の第6局が9月10・11日に神奈川県秦野市の陣屋で行われ、挑戦者の豊島棋聖が勝って通算成績を3勝3敗とし、決着を最終第7局に持ちこしました。

さて将棋の方ですが、後手番の菅井王位が角道オープン四間飛車から穴熊へ囲う作戦を披露。
これに先手の豊島棋聖が居飛車穴熊で応じ、初秋にもかかわらず暑苦しい相穴熊対決となりました。
相穴熊戦ということで、中終盤は穴熊のリフォーム力が問われる、こってりした難解な展開に。
最後は豊島棋聖が勝利しましたが、千日手、あるいは菅井王位が勝ちそうな局面もあったようで、きわどい勝負となりました。

豊島棋聖は、兎にも角にもカド番を免れてまずはほっと一安心。
一方、菅井王位にとっては勝ちを拾うチャンスもあっただけに惜しい将棋となりましたが、苦戦している後手番でこれだけの将棋が指せたのは心強いのではないかと。

さて決着は最終第7局に持ち越し、ということに。
勝敗を語る上では振り駒が重要視されますが、好局を期待します。

そういえば。
第6局の舞台となった陣屋さんですが、こないだやった王座戦第1局からの連戦ということに。
1週間そこそこでタイトル戦を2局もてなす、というのは並々ならぬ苦労があるかと思いますが、それができちゃう陣屋のこの安心感。
さすがは将棋界屈指の対局場所と言えますね。

■きょうの藤井聡太(秋の藤井聡太祭り:王位戦予選、叡王戦予選、Abemaトーナメント)

さて、やってまいりました秋の藤井聡太祭り。
前回の記事から1週間ちょいの間に王位戦の予選と叡王戦の予選を戦い、なおかつ非公式戦なAbemaトーナメントの放映があるという豪華編成。
見ている方は楽しみでしょうがないのですが、本人は少々お疲れ気味のご様子。

まずは9月14日に行われた、王位戦予選での対山崎八段戦。
王様の囲いの固さよりバランス感覚を大事にする、独特の序盤センスが光る山崎八段。
本局ではその序盤センスが遺憾なく発揮されることとなります。
藤井七段が33手目に▲5八金とやや不用意に駒組みを進めたのを見逃さず、すかさず△6五歩から△6四角と先手の飛車を責める展開に。
こうなるとさすがの藤井七段も苦戦を免れず、序盤から持ち時間を使う苦しい将棋となります。
もちろん藤井七段もタダではすまさんぞと、苦しいながらも必死にヒタヒタと後を追いかけてはいたのですが、本局は山崎八段がさすが実力者という指し回しを見せ、快勝しました。

そして、昨日の9月17日に行われた叡王戦の七段予選。
2勝すればめでたく予選突破となるのですが、準決勝戦に立ちはだかったのは小林「デカコバ」裕士七段。
今年度はやや不調なものの、持ち時間がチェスクロック1時間というスピーディな決着が売り物な叡王戦予選がよほど水に合うようで、こと叡王戦予選に関しては抜群の強さを発揮します。
本局でも中盤以降の指し回しが見事で、小林七段の完勝譜で終わる…かと思われましたが、最後の最後で大どんでん返し。
最後の寄せで着地に失敗した小林七段に対し、藤井七段は1分将棋ながらも、107手目に▲5七玉と密かに「詰めろ逃れの詰めろ」をセット。
小林七段はこの最後の罠にあっさりと嵌ってしまい、藤井七段がまさかの大逆転勝利を収めました。

午後に行われた対小林七段戦の熱狂冷めやらぬ中、夜には決勝戦で千葉七段と対決。
最近はチキンカツ教祖としての活躍が主ですが(おい)、名うての研究家であり、今期はここまで12勝4敗という好成績を上げております。
あと、千葉(旧姓碓氷)女流の夫、ということでも有名ですね。
さて将棋の方ですが、ちょっと珍しい相掛かりの難解な戦いに。
しかし本局では序盤からジリジリと藤井七段がポイントを積み重ね、粘る千葉七段を振り切り、見事七段予選を勝ち抜きました。

そして今度は、ちょいと時間が巻き戻って、9月9日に初放映されたAbemaトーナメント。
チェスが趣味な羽生竜王の提言により実現したフィッシャールールでの非公式戦。
持ち時間は5分切れ負け制ですが、1手指すと5秒追加されるのがミソ。
あと、三番勝負で決着をつけるのもポイントですね。
いずれにしろ、ハイスピードでスリリングな戦いとなります。

トーナメント自体は前々から進んでおり、9月9日に行われたのは、佐々木勇気六段との決勝戦。
第1局を佐々木勇気六段が制しましたが、続く第2・3局を藤井七段が制し、トーナメント優勝を果たしております。

王位戦予選で難敵の山崎八段に敗れたのは残念ですが、叡王戦予選で小林七段から辛くも勝利を拾えたのが大きく、予選突破を果たしたのは収穫でした。
苦しいながらも勝ちを拾えるのは強者の証明。
持ち時間が3時間と増える本戦でも、上位進出を果たしてもらいたいものです。
あと、Abemaトーナメントは面白い試みだったと思います。
メンツを変えて、またやって欲しいものです。
また女流をこのルールで対戦させてみるのも面白いかも。

■ドワンゴ、電王トーナメント終了を発表

そういえば、紹介していなかったこの話題を最後に。
コンピュータ将棋選手権と並ぶ、コンピュータ将棋の戦いの舞台であった電王トーナメントですが、先日電王トーナメントを終了し、その代わりに来年のコンピュータ将棋選手権からドワンゴが賞金を出す、ということが発表されました。

半年おきに大きな大会が2つ、というのがバランスが良かった気もしますが、コンピュータ将棋が十分発展したこともあり、大会の役割を終えた、という判断なのかもしれません。
個人的には残念ですが、まあしょうがないのかなと。

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by mitsuboshi03 | 2018-09-18 14:09 | 将棋 | Comments(0)

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