カテゴリ:将棋( 324 )

大絶賛花粉症中なこともあり、春になった気はするのですが、まだまだ風が冷たくて、外に出るのが少々大変。
おそらく2月とかに比べれば格段に暖かくはなってきてるのでしょうが、身体が春向きになってきているので、それにしては寒い、ってことなんでしょう。

さて。
まず前置きに、ついうっかり、Yahoo!のトップを飾ったゲーセンの記事を読んでしまったので紹介。
大阪新世界にある「レトロゲーセン ザリガニ」さんなのですが、
なにしろ、置いてあるゲームのラインナップの一部からして。

・アウトラン(デラックス筐体、完全稼働中な筐体は全国でわずか3台)
・アフターバーナーⅡ(ダブルクレイドル筐体、完全稼働中な筐体は全国でここだけ)
・ナイトストライカー(オリジナル筐体、完全稼働中な筐体は全国でここだけ)

ちょいとレゲーに詳しい人からすれば、
「なんて素晴らしい店なんだ!」というより、
「おいおいあの店死ぬわ(経営的に)」
というイメージが先に立つのですが、何しろ採算度外視で頑張ってくれているとのこと。
頭が下がります。

いい機会なので、紹介記事と公式twitterと、さらにおまけで関東でこのくらい頑張ってくれている「ミカド」さん(高田馬場と池袋に店舗あり)の公式twitterを貼っておきましょう。


さて本題はまたも将棋ネタ。
忙しかった3月も、これでおおよそ一段落、といった週になりました。

■渡辺棋王、今期ベストバウト(当社比)を制し、棋王位を防衛!(棋王戦五番勝負 第4局)

まずはなんといってもこの話題から。
3月17日に栃木県宇都宮市で棋王戦五番勝負の第4局が行われ、先手番の渡辺棋王が勝ち、五番勝負を3勝1敗として棋王位の防衛に成功しております。

将棋の方ですが。
これがまた、とてもとても凄い将棋で。
私が今期生で見た中では間違いなくベストバウトかと。
おそらく今期の名局賞候補にも名が上がるのではないかと。
いやー、身体は辛かったですが、楽しかったw

まず序盤。
角換わりの出だしから、最近すっかりおなじみの、▲6八玉・▲4八金・▲2九飛型の腰掛け銀先後同型の形に。
この形は、近年後手の手待ち待機策が進歩して、先手があまり思わしくない、とされていただけに、作戦家の渡辺棋王がこれからどうするのかと思っていましたが、ずいぶんあっさりと王様を8八へ移動。
こうなると流石に後手も怒って△6五歩から仕掛けにいくのですが、先手はまたもあっさりと▲4五歩から▲4六角と持ち駒の角を手放して、後手の攻めを牽制するシフトに。

この形は長らく渡辺棋王が割と愛用してきた対策ではあるのですが、後手の最新型に対しても効くのかどうか。
「これで良ければ話は早いよなあ」と指された直後は思っていたのですが、昼食休憩を挟んで▲2四歩と先手からの強烈な反撃が始まった時点では、やや先手に分がありそうな展開に。
なるほど、そうやるものですか、と、渡辺棋王に感心させられた序盤戦でした。

とはいえ。
普通ならこれだけで決まっていてもおかしくないところですが、そこは羽生九段のタイトル百期を阻止した広瀬竜王。
局面自体は渡辺棋王良し、なのですが、広瀬竜王も中々渡辺棋王に決め手を与えず、逆にじわじわとその差を詰めていきます。

こういうときの逆転術の王道は、「相手が読んでない手で、後々そんなに悪くならない手を指し続ける」ものなのですが、この基本を忠実にやりとげることに関して、今の将棋界で右に出る者がいないのが広瀬竜王。
相変わらず局面自体は渡辺棋王良しですが、両者1分将棋に入って最終盤へ。

最終盤で優位に立った(はず)の渡辺棋王。
こういうところで慌てて詰ましにいかず、明快に1手余して勝つ、というのがいつもの渡辺流なのですが、本局では1分将棋となったこともあり、詰みを読みきれないまま後手玉を詰ましに行かざるを得ない、逆転負けが怖すぎる展開に。
寄せ損なっても文句は言えないところでしたが、渡辺棋王は幸運にも寄せ切りに成功。
薄氷を踏む思いではありましたが、ぎりぎり踏み止まることができました。

これで渡辺棋王は棋王位7連覇に成功。
今期の棋王戦でも好調ぶりを遺憾なく発揮し、同じく好調だった広瀬竜王を、ギリギリではあったものの、競り勝つことに。
今期獲得した王将位と合わせ、冬の二冠を堅持することができました。
渡辺棋王、おめでとうございます。

そして広瀬竜王。
同じく好調ぶりを遺憾なく発揮はしたものの、キャリア初の五番勝負ということで、その差が勝敗に微妙に影響した感があります。
第3・4局あたりは五番勝負に十分対応できていた印象で、並の相手であれば「2連敗後の3連勝」も十分可能であったと思いますが、残念ながらそこは相手が悪かった。
とはいえ今がキャリアの絶頂期であることは確かで、これからも番勝負に顔を出してくれることと思います。

■羽生九段、11度目のNHK杯制覇!棋戦優勝年度も連続32年で継続!

そして、棋王戦第4局と同じく3月17日に放映されたNHK杯の決勝。
羽生九段が郷田九段を下し、前人未到な11度目のNHK杯制覇を達成しております。

羽生九段は、今期のNHK杯戦で2回戦からの登場。
緒戦で永瀬七段を下した高野六段を制すと、それ以降は菅井七段・豊島二冠・丸山九段と名だたる実力者を薙ぎ倒し、決勝戦でも最新型の角換わりで郷田九段を下しました。
これにより、前人未到な11度目のNHK杯制覇(すでに名誉NHK杯を獲得済)を達成すると共に、何らかの棋戦に優勝した年度を連続32年に伸ばすことに成功。
またなんとも、途方のない記録であります。

それにしても今期のNHK杯戦は、ベスト4が羽生九段・郷田九段・丸山九段・森内九段という、
「20年前も同じことしてましたよね君たち」な勝ち上がりに。
早指し戦は若手が強い、はずなのですが、やっぱり羽生世代は別格、ということなんでしょうねえ、たぶん。

あと個人的には、準々決勝での森内九段-三枚堂六段戦をイチオシしておきます。
三枚堂六段の定評ある強靭な攻めを、森内九段が鉄壁の受けでシャットアウト。
1手30秒将棋でこの指し回し。
いやーシビれましたわ。

■叡王戦・NHK杯の女流枠 いずれも里見女流四冠に決定

最後に女流棋士の話題を。
3月23日に叡王戦、3月24日にNHK杯の女流出場枠決定戦がそれぞれ放映され、いずれも里見女流四冠が制して出場を決めております。
両棋戦の結果次第では、プロ棋士編入試験の目も、ある、かも?
楽しみにしております。


by mitsuboshi03 | 2019-03-24 15:37 | 将棋 | Comments(0)
昨日は職場の激励会。
のはずだったのですが、午後から私の調子がみるみるうちに悪くなり、激励会含め病欠、という羽目に。
風邪なのか、花粉症なのか、それとも持病なのか。
原因がなんだかよくわからないのも困りどころ。
もういいや、寝よう。

さて今回も将棋ネタ。
年度末の決算月とあって、今週もネタが豊富です。

■順位戦 B級1・2組 決着

まずは決着のついた順位戦の話題から。
最終局が残っていた順位戦のB級1・2組でしたが、3月13日にB級2組、3月14日にB級1組の対局が行われております。

まずは先に行われたB級2組の方から。

昇級争いの方ですが、叡王戦挑戦を決めた永瀬七段がすでに1枠をゲット。
残る1枠を千田六段・横山六段・大石七段が争うことに。
横山六段は藤井猛九段に、大石七段は村山七段という実力者相手にそれぞれ沈没。
そんな中、千田六段は曲者の窪田七段相手にきっちり勝ちきり、昇級を決めました。

永瀬七段と、千田七段。
終わってみれば、B級1組でも位負けするとは思えない棋士が、順当に上がった気がします。
来年このまま一気にA級昇級、というのも歴史的には無いことはないのですが、さて。

さて降級点争いの方ですが、最終局を前に先崎九段・中村修九段・飯島七段の降級点が確定。
先崎九段は2度めの降級点ということで降級となります。
病気もあり止むを得ない結果ではありますが、残念です。
最後に残った毒饅頭の1枠ですが、中村太地七段に敗れた鈴木大介九段が決定。
競争相手の中田宏樹八段も飯塚七段相手に敗れたのですが、順位の差がものをいい、薄氷を踏む思いでしたが降級点を回避することができました。

そしてこの飯塚七段と中川八段が、勝ち星規定により降級点の消去にひっそりと成功。
何度も書いてますが、こういう地道な努力が棋士人生を伸ばすのです。

そいでもって、今度はB級1組。

昇級争いですが、渡辺二冠がすでに昇級決定。
結果から先に書きますが、最終局でも斎藤慎太郎王座を下し、なんと12戦全勝でのA級復帰を決めております。
さすがにB級1組では実力が違いすぎるだろうとは思われておりましたが、ここまでとは。

なお残る1枠ですが、木村「おじおじ」九段が行方八段を下し、こちらもA級復帰達成。
最近では解説や立会人のお仕事が多いですが、プレイヤーとしてもまだまだ頑張って欲しい。

そして降級2枠を4人で争う地獄のイス取りゲームの結果ですが、勝ってキャンセル待ちといきたかった野月八段と橋本八段が共に敗れて降級決定。
同じく候補だった畠山鎮七段と菅井七段ですが、きっちり勝って自力残留を決めました。

これにより、今期の順位戦は全組において、自力昇級がかかっていた候補者が、すべて最終局を勝って昇級を決めるという、極めて珍しい年となりました。
こういう場面では相当重圧がかかるだけに、中々勝ち切るのは容易なことではないですが、立派なことだと思います。

■きょうの藤井聡太(棋聖戦二次予選決勝で、久保九段に敗れる)

さて今回はありました、きょうの藤井聡太。
今週は棋聖戦二次予選決勝で久保九段との対局がありましたが、残念ながら敗れております。

将棋の方ですが、先手番となった久保九段が藤井システムの出だし。
藤井七段もあまり極端に玉の囲いを固める棋士ではないだけに、穴熊と見せかけておいての早めの開戦を決断します。

中盤では久保九段ペースだったものの、終盤では藤井七段の端攻めが決まり、そのまま勝負あったか、という場面もあったようですが、最後は久保九段の「粘りのアーティスト」ぶりを遺憾なく発揮する絶妙の指し回しが飛び出し、久保九段が勝利を収めました。

藤井七段にとっては、本戦入りがかかる大一番だっただけに、悔いの残る一戦。
この敗戦により今期通算成績も42勝8敗で勝率0.840となり、中原十六世名人の持つ歴代記録を破ることも困難になってきました。
とはいえ、勝率8割を大きく上回る、立派な好成績。
順位戦など、大一番で敗れたのは残念でしたが、順調に実力をつけていると思います。
あとはとにかく大一番に出る機会を増やして、勝ち切ることだけですね。

■里見女流四冠、女流王位戦でも挑戦を決める

最後に女流棋戦の話題を。
女流王位戦恒例の、紅白リーグ勝者同士の挑戦者決定戦が3月15日に行われ、里見女流四冠が清水女流六段を下し、渡部女流王位への挑戦権を獲得しております。

将棋の方ですが、後手番の里見女流四冠が向かい飛車を志向。
これに清水女流六段が5筋位取りで対抗します。
この戦法は米長永世棋聖が大山十五世名人相手によく使っていた印象があるのですが、序盤でよくしようというよりは、中終盤で勝負しよう、という戦法。
今や絶対王者の里見女流四冠相手に使うのは、果たしてどうだったか。
案の定中終盤は里見女流四冠ペースとなり、そのまま里見女流四冠が押し切りました。

これにより、里見女流四冠はマイナビ女子オープンを含め、女流六冠へのチャンスが。
しかも今年からは清麗戦も始まっており、前人未到の女流七冠の目も、まだあります。
里見女流四冠がどこまで勝ち進めるか、見ものですね。

by mitsuboshi03 | 2019-03-16 17:32 | 将棋 | Comments(0)
昨日、めでたく棋王戦五番勝負の第3局を、ニコ生アリーナ最前列でがっつり観戦できました。
ちょっと今週末まで内容を覚えていられなそうなのと、内容が極めて濃かったので、久々の平日投稿をやってみることに。

昨日の3月10日に、新潟市で行われました棋王戦五番勝負の第3局。
ここまで渡辺棋王の連勝できているだけに、ここで防衛を決めるのか、結末を第4局へ持ち越すのかが大変注目される一局となりました。

将棋の方ですが、先手番の広瀬竜王が、今どき主流の▲2五歩△8五歩からの角換わりではなく、▲2六歩型からの角換わりを打診。
昔懐かしの形ではありますが、いかにも「研究してますよ」という出だしに、渡辺棋王は素直に応じず、角交換を拒否して矢倉模様の将棋に。
この後手の対応はプロの将棋でもたまに見かけますが、どちらかというと「積極的に良くする」よりは、「致命傷を避ける」対応。
というわけで、序盤は広瀬竜王がペースを握る展開となりました。

そのまま渡辺棋王が手詰まりに追い込まれるかに思えましたが、そこは絶好調の渡辺棋王。
自陣の堅陣を頼りにしぶとく粘り、逆に広瀬竜王側の囲いを崩して逆転に成功。
しかし今度は渡辺棋王が決めきれずに、ドロドロの泥仕合へ突入。
非常に難解な中終盤へ突入します。

「自陣こそ硬いが、攻めが細すぎる」後手と、「持ち駒は豊富だが、自陣が風前の灯」な先手。
奇妙な均衡状態なため、なかなかひと目この一手、というのが思い浮かびにくい難解な局面が続きます。
ソフト上ではさまざまな手順が示されるものの、人間の感覚では優劣を判断しかねるものが多く、ニコ生解説の飯島七段も対応に苦慮しておりました。

しかし別窓で見ていたAbemaTVでの近藤誠也六段は、そんな局面をスラスラと解説。
これは強い弱いの問題じゃなく、新しい将棋への対応力の差かなあと。
それにしても近藤誠也六段の解説には驚かされましたね。
さすがにあの藤井七段を破って順位戦昇級を果たしただけのことはあります。

最後は渡辺棋王に一失があり、広瀬竜王の勝利に。
決着は宇都宮での第4局に持ち越されることとなりました。

広瀬竜王が、序盤の秘策でポイントを稼ぎ、得意の終盤勝負へ持ち込めたのが勝因かと。
作戦家の渡辺棋王にとっては、予想外の展開となってしまいました。
3月17日に行われる第4局では先手番となる渡辺棋王が、どんな対策をもってくるか。
たいへん楽しみです。

今度も日曜開催なので、またニコ生アリーナ最前列ゲットを目指します。
ダメだったら…そのとき考えます(おい)

by mitsuboshi03 | 2019-03-11 19:15 | 将棋 | Comments(0)
今月は私を含め、会社の異動が多くて、3週連続して激励会が行われるという異例の事態に。
昨日が2つ目で、来週で最後。
それから、いよいよ異動ということになります。

希望していた間接の仕事に戻るので、今度は真価が問われます。
頑張るしか、ないですね。
野球選手や棋士じゃないですが、1年1年が勝負ですよトホホ。

さて今回も将棋ネタ。
明日の棋王戦のニコ生中継に朝から張り付く予定なので、今週分のネタをまとめて。

「3月のライオン」じゃないですが、棋士にとっては総決算の3月。
大ネタ満載…のため、あっさり風味で。

■きょうの藤井聡太(C級1組順位戦 最終局)

さて、まずはここから。
藤井七段が昇級するかで注目されたC級1組順位戦の最終局が、3月5日に行われました。
いつもの通り結果から先に申し上げますと、藤井七段は都成五段に勝利したものの、上位勢が揃って勝利したために順位の差でB級2組への昇級を逃しております。

最終局を前にして、8勝1敗で自力昇級の目があったのが近藤誠也五段と杉本八段。
同じく8勝1敗の船江六段と藤井七段は、自らが勝ち、彼らが敗れないと昇級しないという、業界風に言うと「キャンセル待ち」の立場に。

最終局で、彼らの直接対決は、なし。
とはいえ最終局の相手はいずれも粒揃いで、キャンセル待ちからの逆転昇級の目も十分あるのでは、と思っていたのです、が。

まず22時24分に、杉本「師匠」八段が千葉「チキンカツ教祖」七段を破り、自力昇級を確定。
そして22時33分に船江六段が金井六段に勝ったことにより、藤井七段の昇級の目が消えます。
しかし藤井七段もそんなことはつゆ知らず、23時14分に都成五段を下します。

そして残る枠は1つ。
その枠を賭けて戦っていた近藤誠也五段は、最終局最後となる0時8分に増田六段を下し、自力でのB級2組への昇級を掴み取りました。

9勝1敗の好成績者が4人。
上がれるのは、2人。
うーんこれはどうなのよ、というのは昔から話題になっております。
個人的には昇級3人で、B級2組からの降級を厳しくする(降級点の対象を増やす、または一発降級にする)というのが妥当ではないか、と思っているのですが、B級2組から落ちる、ということは、ほぼ間違いなく数年後の引退、もしくはフリークラス行きが目に見えているだけに、反対するベテラン棋士があまりにも多すぎる、というのが現状です。

あまりこういうことは言いたくはないのですけど。
C級に落ちるレベルのベテラン棋士の棋譜を見ている将棋ファン、何人いると思う?

まーいろいろ書きましたが、決まりは決まりです。
藤井七段には、来年も9勝してもらいましょう。
今度は昇級できます。たぶん。

それにしても、杉本「師匠」八段のB級2組復帰には拍手喝采です。
普通ならフリークラス真っ逆さま、というところを見事踏みとどまるどころか、復帰とは。
50歳の逆襲、期待してますよっ。

そして降級点争いの方ですが、泉正樹八段、近藤正和六段、田中寅彦九段、富岡英作八段、福崎文吾九段、日浦市郎八段、堀口一史座七段に降級点がつくことに。
そして2回めとなった泉八段、近藤正六段、田中寅九段、富岡八段、福崎九段は、C級2組へ降級、ということになりました。
かつての一流棋士が、ごっそり抜けた、という印象を受けます。

また北島忠雄七段は2期連続指し分けの成績により、降級点を消去することに。
たびたび書いてますが、こういう地道な成果が、棋士人生を伸ばすのです。

■例年通り、悲喜こもごもの結末に(C級2組順位戦 最終局)

今度はC級2組順位戦の最終局。
3月7日に行われました。

まず昇級争いの方ですが、既報通り及川六段が9連勝で1枠目をゲット。
残る2枠は、佐藤和俊六段・石井五段が自力枠。
キャンセル待ちには、佐々木大地五段・阿部光瑠六段・高見叡王・西田四段といった錚々たるメンツが控えております。

結果ですが、こちらも自力の佐藤和俊六段と石井五段が勝って決着。
もちろん順位戦ですので、1年かけてドロドロの戦いをくぐり抜けてきたわけですが。
皆様、昇級おめでとうございます。

そしてこちらは背筋の凍る戦いとなる降級点争い。
3勝7敗ならギリギリセーフ…とはならず、順位40位の佐藤慎一五段までがアウト。
井手「イデオン」四段は、わずか順位1枚の差で、辛くも降級点を免れました。

順位1枚の差は命より重い。
これが順位戦の怖さであります。

そして渡辺正和五段が、降級点3回でフリークラス行きに。
この方の場合、プロ入りが三段リーグでの次点2回によるフリークラスから、ということなので、出戻り、という形になります。

それにしても、20代30代の指し盛りの世代の棋士にも、容赦なく降級点がつく。
近年の将棋界も、なかなかにきびしゅうございます。

■新四段誕生!(三段リーグ 最終日)

さて今度は三段リーグの最終日。
33名の精鋭揃いの三段勢から四段になれるのは、半期にたったの2人(一部例外あり)
今期めでたく四段昇段となったのは、出口四段・黒田四段の2名です。

出口四段は、今や関西一大勢力となった井上門下の23歳。
あの藤井七段と、新人王戦決勝を戦った相手であります。
また黒田四段は、畠山鎮門下の22歳。
年齢的には、両者とも、ちょーっと時間がかかったかな、という感じ。
しかし、10代で抜けるのが極めて困難、という最近の三段リーグの厳しさを如実に示した結果ではないか、と言えるのではないかと。

しかし今期の三段リーグ戦は、終盤で上位勢が崩れる珍しい展開に。
トップ通過の出口四段は、14勝1敗から、まさかの3連敗で終了。
上がったとはいえ、後味の悪い結果に。
次点の石川三段(森信雄門下)に至っては、最終日の2局を連敗。
どっちか1つでも勝っていれば、黒田四段を凌いで四段になっていたのです、が。

なんにせよ、今期は終わってしまいました。
次がんばりましょう。
それしかない。

なお唯一の女性三段である西山三段ですが、今期は5勝13敗と寂しい結果に。
頑張って欲しいものです。

■女流棋戦の動き

最後に女流棋戦の動きをまとめて。

マイナビ女子オープンは、トーナメント戦を里見女流四冠が制し、西山女王への挑戦権を獲得。
また女流王位戦は、恒例の紅白リーグ戦が終了。
紅組勝者の里見四冠と、白組勝者の清水女流六段が、挑戦権決定戦を戦うことに。
常連強し、という結果となりました。

by mitsuboshi03 | 2019-03-09 19:24 | 将棋 | Comments(0)
会社の飲み会に、来客に、通院。
今週末も中々忙しい日々でした。

ちょっと体調が思わしくないため、今週は縮小更新で。
しかしそういうときに限って、大ネタが多くて…。

■渡辺棋王、圧巻のストレート勝ちで王将位を奪取!(王将戦七番勝負 第4局)

さてまずはタイトル戦の動向から。
2月24・25日に王将戦七番勝負の第4局が沖縄県那覇市で行われ、渡辺棋王が勝って通算成績を4勝0敗とし、ストレートで王将位を奪取することに成功しました。

将棋の方ですが、先手番の久保王将が選んだ戦法は、ノーマル三間飛車。
これに対し、渡辺棋王が十八番の居飛車穴熊を目指すと、久保王将は飛車を右四間に振り直しての速攻を図ります。
ならばと渡辺棋王も居飛車穴熊を放棄し、柔軟にトーチカへ組み換え。
トッププロ同士の対決らしい、濃厚な序盤の駆け引きとなりました。

序盤が終わった時点では、久保王将が意図した速攻が失敗に終わり、玉の固さで優位に立った渡辺棋王ペースになったのではないかという評判。
その後も渡辺棋王が無難にまとめた、という印象でしたが、渡辺棋王によると、久保王将の手によってはまだ難しい変化もあったとのこと。
しかし雰囲気的には、ちょっと渡辺棋王側に分のある将棋だったかな、と思います。

今年度下半期絶好調だった渡辺棋王が、勢いそのままに久保王将を押し切った七番勝負に。
叡王戦など少なからず犠牲も払いましたが、しっかり二冠に復帰したのは流石です。
あとは棋王戦に集中したいところですね。
渡辺二冠、おめでとうございました。

■「将棋界の一番長い日」決着(A級順位戦 最終局)

さて今度は、3月1日に行われたA級順位戦の最終局。
いつもは東京の将棋会館で行われるのが常でしたが、ここ数年の傾向通り、静岡市の浮月楼での一斉対局となりました。
終わった順に、全5局を紹介していきますね。

@糸谷八段 - 深浦九段戦

深浦九段にとっては、残留のために勝利がマストとなる大事な一局。
しかし本局では、糸谷八段独特の角換わりからの早繰り銀が炸裂。
あの不撓不屈の深浦九段を、20時24分で投了に追い込む、会心の勝利となりました。

これで深浦九段はA級からの降級が確定。
一方糸谷八段は、いつの間にやら勝ち星を重ね、6勝3敗の好成績。
元竜王の実績もあるだけに、来年はひょっとすると、名人挑戦権争いに絡む、かも?

@広瀬竜王 - 羽生九段戦

豊島二冠が敗れれば、という条件付きとはいえ、プレーオフ進出がかかる大一番。
この大一番に、広瀬竜王は相掛かりを選択。
最近は力戦志向の広瀬竜王ではありますが、構想力が問われる戦いを、あの羽生九段相手に仕掛けたのは果たしてどうだったのか。
形勢自体は中盤まで互角だったものの、終盤で広瀬竜王に見落としがあったらしく、最後は羽生九段の鋭い寄せが決まって勝利。
22時49分という、A級順位戦としては比較的早めの決着となりました。

タイトルを失ったものの、名人挑戦権争いをキャンセル待ちまで持ち込む羽生九段の底力は流石。
また広瀬竜王も最後こそ失速しましたが、今年度下半期の勢いそのままに、A級順位戦を最後まで盛り上げてくれました。

@阿久津八段 - 佐藤康光九段戦

消化試合ではありますが、阿久津八段にとっては、A級順位戦初勝利がかかる大事な一局。
佐藤康光九段にとっても、ここまで五分の成績なだけに、できれば勝利して勝ち越しておきたい。

なんでもやらかす佐藤康光九段の後手番とあって注目された戦法選択ですが、比較的無難に角交換からのダイレクト向かい飛車に。
とにかく負けられない阿久津八段は、居飛車穴熊で対抗します。

中盤までは互角の進行。
終盤の入り口で阿久津八段が対応を誤ったのですが、佐藤康光九段が的確に打ち返すことができずに今度は逆に阿久津八段ペースに。
最後は穴熊の固さを活かした一手勝ちで、23時37分に阿久津八段が勝利しました。

すでに降級が確定している阿久津八段ですが、最後の最後で待望の初勝利。
一つの大きな壁を乗り越えたのではないでしょうか。

@三浦九段 - 稲葉八段戦

三浦九段にとっては、負けると深浦九段の勝敗次第で降級してしまう、背筋の寒い一局。
稲葉八段にとっても、来季のために勝って少しでも順位を上げておきたい一番。

将棋の方は、三浦九段が昔懐かしのひねり飛車を目指したと思いきや、あっさり飛車角交換に応じて攻め合いに。
うーんどうなんでしょーこれは、と思ってましたが、中盤までは案の定稲葉八段ペース。
しかし三浦九段もしぶとく食らいついて決め手を与えず、泥仕合に持ち込むことに成功。
稲葉八段にも十分勝つチャンスはあったようですが、こうなると形勢を持ち直した三浦九段の方が気分よく指せたようで、23時48分に三浦九段が勝利を収めました。

深浦九段が早々に敗れていたため、降級の危機は去っていた三浦九段ではありますが、こういうところでは他人に頼らないのが生き残るためのセオリー。
自力で残留を決めた三浦九段は流石でした。
しかもこの勝利で、地味ではありますが、来季は稲葉八段より順位が1つ上となります。
順位戦では、こういうのが案外、後々に響くのでコワイ。

@豊島二冠 - 久保九段戦

豊島二冠にとっては、昨年逃した名人挑戦権を自力で掴み取る絶好のチャンス。
同じ関西の先輩である、久保九段相手にすんなり勝利できるか。

将棋の方ですが、角交換から序盤の駆け引きの末に久保九段の中飛車に。
速攻を好む豊島二冠は、左美濃から早めに自陣角の▲2八角を打ち込む決断をし、攻め合いに活路を見出します。
久保九段も持ち前のしぶとい粘りを見せましたが、豊島二冠の鋭い攻めは最後まで衰えず、0時24分と最後の決着とはなりましたが、きっちりと勝利を掴み取りました。

数年前まではここ一番での中折れ病により、ことごとくタイトルのチャンスを逃してきた豊島二冠ですが、今年度に二冠を獲得して以来、ようやく本格化。
昨年度は逃した名人挑戦権を、自力で引き寄せました。

佐藤名人から名人を奪取すれば、名人を含む三冠を達成。
名実ともに第一人者として君臨できる、大きなチャンスが巡ってきました。
今季の名人戦七番勝負も、実に楽しみです

by mitsuboshi03 | 2019-03-03 20:11 | 将棋 | Comments(0)
昨日、BS1で羽生九段の特集番組がありました。
趣旨から言えば羽生竜王100冠記念だったんでしょうが、残念ながら現実ではそうならなかったのでどう料理するか、と思っていたのですが、上手くまとめていたように思います。
それにしても、NHKで「羽生に魂を抜かれた広瀬」画像を見ることになろうとは夢にも思いませんでしたよw

NHKのtwitterによると、なんでも担当プロデューサーさんが元奨励会三段の方だそうで。
また再放送もあるかと思いますので、見逃した方はそちらを。
個人的に気に入ったところは、終盤のこの部分ですかね。

先崎九段「(昭和の頃の)将棋のプロになるのは裏街道に行く感覚。その古い将棋界を盤上で変えたことが七冠王よりも国民栄誉賞よりも彼の人生において偉大なこと」
(途中で羽生先生「いや〜デビューした頃の先輩方怖かったですよ、ホントに(笑)」)

さて今回は、先週発売された『りゅうおうのおしごと!』の第10巻の話題を。
日頃買わない限定版を買ったので、それについても少し触れます。
感想を一言で言うと、熱血将棋小説からラノベ寄りになったかな、という巻でした。

■超人気女流棋士対談!(p8)

花立初代女王と、鹿路庭女流による対談記事、の形式で、10巻のあらすじをさらっと。
いつもは姐さんキャラな鹿路庭女流が、舎弟役に回るというところが斬新。
なお内容は色々バッサバッサと斬れ味バツグンなため、現実だったらえらいことになりそうですが(汗)

■「ん?待って?若い女の先生が家に来るの?いつ?」「今日です」(p19)

竜王宅へ、サプライズ(竜王のみ)家庭訪問
終わった!八一竜王の社会的人生今終わったよ!(おい)

…だとこのラノベ終わってしまうので、すまんがもうちょっとだけ続くんじゃ。

■現在、女流タイトルは六つ(p39)

あいちゃんに女流タイトルを獲らせるにはどうするか。
考えた末に、一つの結論に達する八一竜王。

トップ棋士の他棋士の評価は、現実でもこのようにシビアで正確。
まあ相手をきちんと認識してないと、策も打てないので当然ではありますが。

あと現実の女流タイトルは、先日の記事でも紹介したように清麗戦が加わって七大タイトル時代に突入しております。
何かと世知辛い現代にあって、タイトルが増えるのは大変ありがたいことです。

■「はいはい、どちら様?」(p43)

そしてまたも増える女子小学生(JS)
テコ入れ大事ですよね(ぼそ)

小学生名人にして、ライバル歩夢の妹なマリアちゃん。
なかなか強力なキャラに見えます。
それにしても、初登場が財布落として、なんとかしてくれそうな竜王宅へ直行、というのがなんとも微笑ましい。
…というか、最初から関西将棋会館へ行っていればよいのでは?(名推理)

■「女流棋士になれるけど、どうする?」(p60)

今度は女流名跡戦の予選決勝であいちゃんと戦う、岳滅鬼女流誕生のお話。

このあたりは現実通りですね。
奨励会は21歳までに初段になれないと退会、となります。
しかし岳滅鬼女流の場合は、女性で奨励会2級のため、本人が希望すれば女流棋士2級へスライドすることが可能なのです。
まあ本人は棋士しか目指してなかったでしょうから、まるっきり頭になかったことだとは思いますが。

現実でも先日女流名人戦を戦った里見女流や伊藤女流など、奨励会を経験した女流棋士は数多くいます。
奨励会の経験はやはり女流棋士にとっては貴重なようで、今や元奨励会員の女流棋士が女流タイトルを席巻していると言っても過言ではないですね。

■「三段リーグにはイワシとサメがいる。」(p66)

そして今度は銀子ちゃんの三段リーグ戦。
キャラもずいぶん増えましたので、展開が目まぐるしいです(汗)

イワシとサメ、は20年前くらいに言われてた分類。
今でも通用してるのかしらん、という感じです。

自分がサメなのかイワシなのか。
そこは日頃の心がけ…というか、対局次第。
他の棋士に信用されるサメ側の棋士は、何かとお得。

■「モノポリーは棋士にとって大切なものが全部詰まっとるからな」(p92)

清滝先生、あなたはどこの島九段ですか(おい)
かの有名な「島研」メンバーを中心に、将棋界で一時流行ったモノポリー。
今は…どうなんでしょ?

私にとってモノポリーは、某ワークス員が日本選手権に(冷やかしで)参加していたのが懐かしい、という印象。
私もちょくちょくやらせてもらいましたが、これがまあ難しいのなんの。
サイコロ運も必要ですが、刻々と変化する状況にすばやく対応する瞬発力、が一番重要なように思います。

そしてモノポリーでも感想戦。
他のゲームでも感想戦が長い、というのは棋士の特徴のようですw

■桂香さんは俺を身体ごと抱き寄せると、耳元で囁く(p104)

モノポリー終了後、八一竜王へ夜這いをかける桂香さん(違います)
確かに『りゅうおうのおしごと!』はロリコンどもの巣窟ではありますが(待て)、年上やオッパイの魅力も忘れてしまっては、ラノベとして片手落ちである、とばかりに、こういうネタもちょいちょい挟んでくれます。

好き。

■棋士総会(p108)

関西棋士から見た棋士総会とはこんなもん、という図式。
理事選挙とか、揉める案件がないときは静かなものですが、今回のように揉める案件が出てしまうと、とたんに紛糾する傾向が。
棋士は基本的に個人事業主なので、まとまらないときはとことんまとまらないです。

電子機器対策と、対局中の外出禁止。
本作では、史実と比べ割とすんなりまとまりました。
現実でも、もう少し早く手を打っておけば、あの悲劇はなかったのですが。
まあ今言ってもしょうがないことですけど。

■ラーメン大好き釈迦堂さん(p116)

コスプレ師弟…もとい、釈迦堂女流名跡と歩夢と一緒にラーメンをすする八一竜王。
ちなみに私の東京時代、ホーム軒…もとい、ホープ軒には結局一度も行かなかったですねえ。

それにしても。
白いマントを気にせずラーメンをすする歩夢くん。
佐藤名人リスペクトですなあ(おい)
あと、素に戻って頭を下げる図もかわいい(待て)

■最近…うちのお嬢様が、べらぼうにかわいいのである。(p116)

そして9巻にして、八一竜王争奪レースに参戦した天衣ちゃん。
これはかわいい、というか微笑ましいというか。

あざとい!
だが、それがいい!(おい)

■「…翼さんはな、オレらの世代にとっちゃヒーローよ」(p143)

岳滅鬼女流の貴重な情報を得るためとはいえ、月夜見坂女流玉将と供御飯山城桜花に(いつものように)骨までむしられる八一竜王。
…もう感想戦ですかね?(違います)

岳滅鬼女流が元小学生名人、という過去が明らかに。
今のところ、現実では女の子な小学生名人は残念ながらいないのですが、それに近づいた方はすでに何人もおり、少子化が進む現状では、いつ現れてもおかしくない、と言ってもいい…かな?

■竜王、小学校デビュー(p150)

鐘ヶ坂先生の尽力もあり、ついに小学校で指導することとなった八一竜王。
色々と不安が尽きないですが(汗)
そりゃ月光会長も「竜王は本当に小学生にだけは熱心ですね」と言いますよ(おい)

■詰まない形(p159)

大会に出るJS研の小学生たちに、短期間での必勝法を授ける八一竜王の図。

詰まない形…というと、「ゼ」とか「Z」と呼ばれる形が有名。
これに関しては、日浦八段の名著『Zの法則』を読むのが一番よろしいかと思いますが、とにかく内容が難しいので、アマ四段以上の方にオススメします。
長らく絶版でしたが、最近『投了の真相』と合わせてめでたく再販、ということになりました。

■あいの才能をどう扱っていいか(p174)

詰将棋を解くことに関して、ずば抜けた才能を誇るあいちゃん。
その力を指し将棋へどう反映させたらよいか。
八一竜王でなくとも、悩むところです。

現実ですと、藤井七段がほぼこのレベル。
なお彼の場合は詰将棋を作るのも得意ですが、あいちゃんは、どうなんでしょう?

■見学者(p192)

小学生40名余りを引き連れて、関西将棋会館までやってきた八一竜王。
『あそこまでやればむしろ尊敬する』というのは、偽らざる心境であります。

現実でも、タイトル戦の対局などを、子供たちが少しだけ見学する機会があります。
対局者に負担のかからない範囲で、貴重な経験になればよいな、と思ってます。

■「おば…さん?」(p197)

小学生たちの引率者として現れた桂香さんに、小学生の何気ない一言が突き刺さる。

桂香さん、ステイステイ!
子供泣いちゃうから!w

よいこのみんな!
年上の人でも、なるべく「お兄さん」「お姉さん」と呼んであげよう!
…我が身を守るには、大事なことだから(おい)

■なにわ王将戦(p238)

JS研のみんなが参加するなにわ王将戦。
現実だと、JT杯将棋日本シリーズと同時開催する、テーブルマークことも大会が相当すると思われます。
全国各地で行われることもあり、将棋が強くなりたい子供たちにとっては、目標にしやすい大会といえますね。
決勝戦が行われる東京では、本作で触れた通り、3000人以上の子供たちがしのぎを削ることとなります。

■所々に人類以外の好きそうな手も見えるな。(p261)

人間の手と、ソフトの手のハイブリッド。
藤井七段も、これで飛躍的な成長を遂げました。
たとえば今、研修会に居るような子だと、こういうのが普通なんでしょうねえ。

私が子供の時代に、今のような環境があれば。
今よりずっと将棋は強くなっていたと思いますが、その分競争は熾烈。
どっちがいいか、なかなか悩ましいところです。

■エピローグ(p310)

JS研の活躍が終わり、今度はまた別の舞台に。

…うーむ、そうきましたか。
予想の範囲内ではありますが、はてさてどうしたものか。
詳しくは、本作を買って読んでね?(おい)

■感想戦

今回は、先に特別編(?)があったせいか、珍しく八一竜王抜きでの感想戦。

…月夜見坂女流玉将、あなたそういう人だったんですね。
ふーん(意味深)

■限定版小冊子

いつもは置き場所がないからと、この手の限定版を一切買わない主義なのですが、今回は「まあ小冊子だし、そんな値段変わらないし」と思い購入。

結果は。
よかったです(語彙力不足)

特別短編ですが、ゲストイラストから思いついた妄想が炸裂。
こんなの現実じゃ無理だろー、てな出来に見えます。

だがしかし。
恐ろしいのが現実の将棋界。

これに近い例ですと、将棋雑誌でたまーに見かける、新婚棋士夫婦の特集記事が。
有名かつ個人的にもインパクトが強かったのが、佐藤「会長」九段夫婦の記事。

(奥様から)みっくん、と呼ばれてます。

とか。
糖分多めで。

あとこの手の記事の恐ろしいのは、ノンフィクションだということ。
現実の暴力とか破壊力みたいなのは、フィクションを凌ぐものがあります。

なお、この記事プラス、雑誌に載せられなかった写真すべてを見てしまった先崎九段が、後日佐藤九段へ「康光くん、あれは何や」と問い詰めた顛末が、先崎九段のエッセイ集のどこかへ載ってますので、気になる方はチェックを。

ちなみに、佐藤「会長」九段によると。

あれは、演技。
だ、そうです。

そーかー、演技かー。
じゃあしょうがないなー(棒)

by mitsuboshi03 | 2019-02-24 15:38 | 将棋 | Comments(0)
まだ2月ですが、こちらも思ったより暖かくなってきてなにより。

だがしかし。
暖かくなったということは。

そう。
花粉が…(涙)

さて今回も将棋ネタ。
久々の連休なため、今週は2本記事を書きたい、と今日の投下を決意。
なお今日は普通の将棋ネタでございます。

■永瀬七段、死闘を制す(叡王戦挑戦者決定戦三番勝負 第2・3局)

まずは叡王戦から。
叡王戦挑戦者決定戦三番勝負の第2・3局が今週行われました。
第2局を菅井七段が制し、1勝1敗で迎えた第3局を永瀬七段が勝ち、高見叡王への挑戦権を獲得しております。

まず第2局ですが、後手番の菅井七段がとっておきの戦法を披露。
わざと3三の地点で角交換をさせて金を3三へ持ってきて、おもむろに飛車を三間へ振る。
あの阪田三吉が編み出した阪田流向かい飛車に似た考え方ではあるのですが、飛車を三間へ振る、というのが菅井七段の工夫。
2017年の王位戦で羽生王位(当時)を破った、とっておきの戦法であります。
正直何度も使える戦法とは思えないのですが、後手番でたまーに使うなら、かなり厄介。

ここからは形勢が二転三転する泥仕合の将棋となり、188手という長手数にて菅井七段の勝利。
鬼門の後手番を奇策で逃れ、第3局へ結論を持ち越すことができました。

そして第3局。
注目の振り駒は、またも菅井七段の先手番。
そして菅井七段が選んだ戦法は、第1局に続き中飛車穴熊でした。

中盤までは互角の分かれ。
第1局よりは菅井七段にとっては良い流れかな、と思っていましたが、大駒交換のあたりの折衝で永瀬七段が抜け出し、158手とまた手数こそかかりましたが、これ以降は逆転するような場面はなかったかなー、という将棋となりました。

この三番勝負で目を見張ったのは、二人の将棋に賭ける執念。
盤面ではちょーっと届かないかな、という局面でも、必死に勝ちを探し求める二人の執念に戦慄を覚えました。
二人があまりにも粘るので、翌日のことを考えると、ちょーっと今日は見るのここまでにしようかな、と途中でニコ生の視聴を止めてみたり(おい)

こう見えて私理論派なんです。
情熱的なのは、年取ったこともあり、実はちょーっと苦手。

とはいえ、歴史に残る三番勝負となったことは間違いありません。
二人の激闘を心から讃えたいと思います。

というわけで。
恐ろしい相手を迎えることとなった高見叡王。
ネット上では「この三番勝負が事実上の決勝戦」という声が大きいのですが、私はあえて、こう言っておきます。

高見は予想を裏切るだろう。

高見叡王と永瀬「軍曹」七段。
ネット上でも活躍中の、この二人の激闘。
今から楽しみです。

■里見女流名人、圧巻の十連覇(女流名人戦五番勝負 第4局)

今度はしばらくチェックをさぼっておりました、女流名人戦を。
里見女流名人に、新進気鋭の伊藤女流二段が挑戦した今季の女流名人戦。
第3局で伊藤女流二段が1勝を返し、力を示したところで迎えたこの第4局。
制したのは、里見女流名人でした。

将棋の方は、先手番の里見女流名人がエースの中飛車を投入。
これに対し、珍しく伊藤女流二段が居飛車穴熊で応じます。
居飛車穴熊が組み上がれば振り飛車側厳しい、というところでしたが、その直前で里見女流名人が上手く捌き、着実に居飛車穴熊を攻略して勝利しました。

これにより、里見女流名人は十連覇を達成。
まだ26歳。
これからも防衛記録を伸ばすんじゃないかと思われます。
里見女流名人、おめでとうございます。


by mitsuboshi03 | 2019-02-23 18:58 | 将棋 | Comments(0)
3月から職場が変わることに。
製造現場から、希望していた間接業務に戻れるとあって一安心。
とはいえ、間接業務は間接業務で、簡単に若い女の子とかAIに代替えされるリスクが高いので、中々大変なのですが。

さて今回も将棋ネタ。
今週も大きな話題がありました。

■きょうの藤井聡太(朝日杯連覇、王将戦予選にも勝利)

まずは、やっぱりトップニュースとなったこの話題から。
藤井七段が朝日杯を連覇しております。

昨日の2月16日に、準決勝と決勝をまとめて行った朝日杯。
準決勝の相手は、行方「なめちゃん」八段でした。
勝ち上がってきたのは少々意外ではありましたが、そこは腐っても名人挑戦者。
また、この棋戦の2007年勝者でもあります。
今年は、本戦で菅井七段・久保王将と、名だたる振り飛車使いを倒してきております。

将棋の方ですが、先手の行方八段が矢倉模様へ誘導。
それを見た藤井七段は、早繰り銀による速攻を仕掛け、早々と銀交換に成功します。
銀交換の直後、行方八段が▲9六歩と端歩で手待ちをしたのですが、これで形勢を損ねたというのだから現代将棋は恐ろしい。
すかさず藤井七段に△8五銀から端攻めを見せられ、行方八段の王様は、矢倉城から中央へ逃げざるを得なくなりました。
以下は藤井七段が手堅くまとめ、しっかり勝ちきりました。

そして決勝の相手は、ここまで絶好調の渡辺棋王。
準決勝でも、実力者の千田六段を先手雁木で下しました。

将棋の方ですが、渡辺棋王がまたも先手雁木を採用。
これに対して藤井七段は、「これが一番早いと思います」とこちらも雁木を採用。
プロ間では、この対策が優秀なため先手雁木が廃れた、いわくつきの対策であります。

うちのソフト(やねうら王)は後手から先攻する順を有望視しておりましたが、藤井七段は「一度目のチャンスは見送る」とばかりに待機策を採用。
渡辺棋王も、右銀を棒銀から4六へ手順に移動して先攻しますが、後手の雁木を中々攻略することができません。
一方藤井七段は、先手玉の玉頭を上手く制圧し、そのまま厚みで圧倒しました。

渡辺棋王は、棋王戦のこともあり、切り札の角換わりを温存する策に出ましたが、藤井七段が的確に打ち返した印象。
序盤で多少不利になるとはいえ、それでも千田六段を倒すだけの力を示した渡辺棋王ですが、やはり藤井七段は一味違った、という感じでした。

これにより藤井七段は、16歳6ヶ月にして一般棋戦の連覇に成功。
もちろん史上最年少記録であります。
ある意味、タイトル防衛より難しいこの記録。
今後この記録を破るのは、相当難しそうですね。
藤井七段、おめでとうございます。

また2月12日に王将戦予選で池永四段相手に勝利しております。
こちらは藤井七段が序盤中盤を耐える展開となりましたが、終盤で競り勝ちました。
藤井七段相手には、最後の最後まで気が抜けない、というのが、他の棋士にとっては辛いところであります。

■永瀬七段、ねじり合いを制す(叡王戦挑戦者決定三番勝負 第1局)

今度は、2月11日に行われました叡王戦挑戦者決定三番勝負の第1局。
休日のニコ生中継ということもあり、私もウキウキしながらアリーナ最前列を取りに行きましたが、残念ながら敗北(涙)
というわけで、悲しみにくれながら豊島二冠の解説を見る羽目になりましたとさ。

永瀬「軍曹」七段と、菅井七段という、若手実力派の激突となったこの三番勝負。
菅井七段が振り飛車党ということもあり、振り駒をかなり注目して見ておりましたが、結果は菅井七段の先手。

そして菅井七段が選んだ戦法は、中飛車からの振り飛車穴熊でした。
これに対して永瀬七段は、持久策の居飛車穴熊を選択。
長い長い激闘のはじまりです。

とはいえ。
最近のソフトでは、穴熊の評価があまり高くないのです。
固くて遠いのは魅力なのですが、穴熊対策が進歩したことにより、攻めの速度計算がやりやすくなったことから、終盤でのごまかしが効きにくいというデメリットが浮き彫りに。
中盤までに不利になると修正が極めて難しいという、リスクの高い戦法になってしまいました。

本局で中盤までにリードしたのは、永瀬七段。
菅井七段も端攻めから必死の抵抗を見せますが、そこは強靭な精神力を誇る永瀬「軍曹」七段。
最後まで崩れることなく、190手で勝利しました。

菅井七段の粘りも凄まじかったのですが、先手番でブレークされたのは大きな痛手に。
次の第2局での後手番をどう凌ぐのか。
菅井七段にとっては、極めて難しい状況となってしまいました。
一方、永瀬七段にとっては極めて有利な状況に。
次の第2局で、あっさり決めたいところですね。

第2局は、2月19日に行われます。

by mitsuboshi03 | 2019-02-17 13:56 | 将棋 | Comments(0)
ぐふふ…。
残業と休日出勤は、人の心を歪ませますなあ。
キヒヒ…。
(挨拶)

さて今回も将棋ネタ。
本日は叡王戦挑戦者決定三番勝負の第1局がありますが、そちらは来週に回します。
まずはこちらから。

■渡辺棋王対広瀬竜王、好調同士の激闘(棋王戦五番勝負 第2局)

まずはタイトル戦の動向から。
昨日の2月9日に棋王戦五番勝負の第2局が、富山県魚津市の「新川文化ホール」で行われ、先手番の渡辺棋王が勝ち、タイトル防衛まであと1勝としております。

ニコ生で朝からがっつり貼り付いて観戦しましたが、本局も内容の濃い激闘でした。
将棋の方は、例によって例のごとく、角換わり腰掛け銀の最新型の一つへ進み、午前中にして70手まで進むという、最近にしても異例のスピード進行。
とはいえ形勢は紙一重でバランスが取れている、好調なトッププロ同士の対局にふさわしい好局となりました。
ソフトの評価値自体は互角の範囲を推移していたようですが、人間的にはいつ均衡が崩れてもおかしくない局面が続き、実際崩れかけて形勢が二転三転、という印象を受けました。

先手は1一に蟄居する羽目になった龍をいつ活用するかがポイントでしたが、実戦では最後の最後で▲2二龍と活用できるようになって勝負あり。
最後は渡辺棋王が手堅くまとめましたが、広瀬竜王の勝機も十分あったように思います。
2連敗からの3連勝、というのは五番勝負では稀によくあるのですが、本シリーズでもそれが実現してもおかしくないかな、と個人的には思っています。

■渡辺棋王、盤石。久保王将をカド番へ追いやる(王将戦七番勝負 第3局)

続いて日程は前後しますが、王将戦の番勝負を。
王将戦七番勝負の第3局が、2月6、7日に栃木県大田原市の「ホテル花月」で行われ、先手番の渡辺棋王が勝利し、3勝0敗で久保王将をカド番へ追い詰めております。

将棋の方ですが、後手番の久保王将がゴキゲン中飛車に構えたのを、先手番の渡辺棋王が超速で迎え撃つ、というおなじみのスタイル。
1日目の午後のおやつのあたりでは互角に組み合ったのでは、という感じでしたが、そこから渡辺棋王が一方的に攻める展開となり、最後まで渡辺棋王の攻めが止まらずに勝利、ということに。

後々のゴキゲン中飛車破りの定跡本に出てきそうなくらいの、居飛車側の完勝。
ゴキゲン中飛車側は、相当の準備が必要になってきた感があります。
振り飛車党の後手番が辛い、という最近のプロ将棋の状況を、改めて示した一局になったのではと。

その昔の王将戦では、3勝0敗、または4勝1敗で差し込みとなり、香落ち戦を指す制度がありました。
いわゆる「名人に香車を引く」舞台となった制度ですね。
今では香落ち戦こそありませんが、久保王将が相当追い詰められたことは確か。
まずは1勝、ですね。

■きょうの藤井聡太(C級1組順位戦で、近藤誠也五段に痛恨の敗戦)

さて、きょうの藤井聡太。
2月5日にC級1組順位戦で近藤誠也五段との大一番がありましたが、残念ながら敗北しております。

連続昇級最大の難関と見られていた、この対近藤誠也五段戦。
期待に違わず、互いに自力昇級のかかる大一番となりました。

将棋の方は、これまた角換わりの最新型へ。
中盤までは藤井七段がペースを握りましたが、そこからいつものように抜群の終盤力を見せる展開とはならず、近藤誠也五段がうまく凌いで逆襲、という展開に。
藤井七段も激しく迫ったものの、近藤誠也五段は最後まで崩れず、勝利しました。

藤井七段の脅威の終盤力にも動じず、淡々と逆襲劇を完遂した近藤誠也五段は立派。
最後の最後で藤井七段の粘り腰に屈する棋士も多い中、最後まで自分を信じて戦い抜いた近藤誠也五段が強かった。
素晴らしかったです。
藤井七段にとっては不出来な将棋となりましたが、相手が強かった。
仕方ないです。

これにより、藤井七段は昇級争いの4番手へ後退。
連続昇級のためには、自身が最終局に勝った上で、順位上位の近藤誠也五段・杉本「師匠」七段・船江六段のうち2名以上が敗れることを願うしかなくなりました。

確率的にはかなり厳しくなりましたが、順位上位勢の最終局の相手も難敵揃いで、2名以上が負ける可能性はゼロではないと見ています。
とにかく、まずは最終局に勝つことですね。

それにしても、「9勝1敗で上がれない」C級1組の昇級枠は、さすがになんとかして欲しい。

■将棋ライター、その狭き門

以前bleem!さんのコメントで、「将棋ライター、なっちゃいなYO!」と言われたような気がしますが、実はこれがかなーり狭き門でして、なかなか大変な商売であります。

まず彼らが活躍する舞台は、主に将棋雑誌や新聞の将棋欄となるのですが、まずそこに立ちはだかるのは大手新聞社の観戦記者。
いわゆる文化部の記者さんですね。
学生将棋で鳴らした猛者もいれば、「美味しんぼ」の山岡士郎のように、「将棋?なにそれおいしいの?」みたいな人もいて、レベルは正直玉石混交みたいなところがあるんですが、まず彼らがメインで記事を書きます。
また、現役棋士や引退棋士が観戦記を書くこともそれなりにありますね。

ようやくその隙間を縫って活躍するのが、将棋ライター。
ここまで述べた通りとにかく仕事がないので、正直専業で活躍する方は両手で数えて足りるかなあ、という印象。
現在精力的に活躍している方で、ぱっと思いつく範囲ですとこんな感じかと(敬称略)

・後藤「ごとげん」元気
・松本「mtmt」博文
・君島「銀杏」俊介
・椎名「スカ太郎」龍一
・大川「O川」慎太郎

新聞メディアの比重が相対的に落ちたり、代わりにネット中継などでの記事が増えていることもあり、以前に比べて将棋ライターの活躍の場が増えていることは確かですが、何しろお金になりませんし、その割に絶えず取材や棋士たちとのお付き合いをしていかないと次の仕事がやってこない。
また、いつもお世話になっている「将棋のブログ」さんや、ニコ生の投稿で活躍している「あんかけ」さんなど、個人的にネット上で活躍されている方も多く、そうした方も間接的にこうした将棋ライターの活躍の場を狭めているとも言えます。

まーぶっちゃけ言いますと、よっぽど物好きな人でなければ、商売とするには難しいです。
個人的には、blogで好き勝手書いてる方が性に合ってますね(苦笑)

by mitsuboshi03 | 2019-02-11 10:10 | 将棋 | Comments(2)
先日こちらでも雪が降りました。
職場に行くのにインターチェンジ沿いの道を通るのですが、こういう降雪の場合は渋滞することが多く、この日もいつもなら車で10分足らずで行けるところが40分ですよ(涙)
今日はこれから雨になりそうなので、ちょっとホッとしてますが。

さて今回も将棋ネタ。
冬シーズンも大詰めということで、話題満載でお送りします。

■渡辺棋王と広瀬竜王、激闘開幕(棋王戦五番勝負 第1局)

まずは昨日、石川県金沢市の「北國新聞会館」で行われました棋王戦の第1局。
絶好調同士の激突とあって、とんでもなく難解で楽しい将棋となりました。

番勝負第1局恒例の振り駒の結果、広瀬竜王が先手番に。
最近流行の、相掛かりと見せかけておいての角換わり…と思いきや、広瀬竜王はまさかの相掛かりを選択。
番勝負の第1、2局あたりでは稀によくあることとはいえ、思い切った選択をしてきました。

序盤の駆け引きでは、広瀬竜王がペースを握ったかに思えましたが、広瀬竜王が飛車を25に、また▲8五歩で後手の飛車を追って、高いディフェンスラインを引いたのですが、どうもこのあたりの構想に問題があったようで、中盤戦にかけては、渡辺棋王が低い陣形から次第に盛り上がり、優位を築きます。
形勢不利を悟った広瀬竜王は、▲4九玉から▲3八玉と右玉に構え、局面を停滞させようとしますが、渡辺棋王が△4六歩と右玉のド急所に踏み込み、優位を決定づけます。
その後は広瀬竜王も激しく攻め立てたものの、渡辺棋王が自陣飛車の利きで決定打を与えず、最後は見事に広瀬竜王の玉を討ち取りました。

広瀬竜王の追い込みも凄まじかったのですが、渡辺棋王の構想力が上回った印象。
相掛かりは定跡化が難しい戦法で、構想力が問われる将棋になりがちなのですが、その部分で優位に立った印象があります。
とはいえ、両者の充実ぶりが伺える将棋になったと思います。
個人的には、これ以上両者の調子が上がることは考えにくいため、先に調子が落ちた方が敗れていく五番勝負になるのかな、と思っております。
もし両者の調子が落ちなければ…フルセットまでもつれることになるでしょうね。

昨日はこの一戦を、ニコ生のアリーナ最前列にがっつり貼り付いて見ることができました。
真田八段の解説が素晴らしかったですね。
ソフトも終盤まで互角の点数を示していたのですが、そうじゃないよと、明確な根拠を持って詳しく解説していただけました。
相掛かりのような構想力が問われる将棋になると、まだまだ棋士の果たす役割は大きいのかな、ということを改めて示してくれたと思います。

■渡辺棋王、連勝スタート。早くも先手番をブレーク(王将戦七番勝負 第2局)

今度は王将戦。
第2局が1月26、27日に大阪府高槻市の「山水館」で行われ、渡辺棋王が勝利しております。

振り飛車党の久保王将にとって、先手番となるこの一局は、是が非でもキープしたいところ。
というわけで、エースの中飛車で渡辺棋王に挑みます。
対する渡辺棋王は、最近流行りの「elmo囲い」で対抗。
がっぷり四つの展開となります。

勝敗を分けたと思われるのが、渡辺棋王の▲7二金から▲9三角にかけての一連の構想。
ここから▲7一金として、久保王将が6一に放った飛車を取ってしまおう、というのが狙い。
「将棋は飛車を取るゲーム」と常々公言している渡辺棋王らしい構想ですが、これがすんなり実現して優位に立てた、というのは大きかったと思います。
久保王将も激しく攻め立てますが、もう一押しが足りない、という展開となり、最後は渡辺棋王がきっちりまとめました。

振り飛車党にとって後手番が鬼門ということで、先手番は是が非でもキープしたかったのですが、ここを取られて久保王将にとっては早くも辛い展開となりました。
後手番でどう挽回するか、また先手番をきっちりキープするにはどうするか。
久保王将にとっては、絶好調の渡辺棋王を前に、悩みの尽きない日々が続きそうです。

■A級順位戦ラス前! 豊島二冠が一歩抜け出す C級2組では及川六段が昇級決定!

さて今度は、A級順位戦で最もアツイと言われる、ラス前の激闘。
1月31日に一斉対局が行われました。

名人挑戦権争いの方ですが、1敗で並んでいた3名に明暗がくっきり分かれました。
まず直接対決となった豊島二冠vs羽生九段戦ですが、角換わり腰掛け銀の最新型から、豊島二冠が恐るべき斬れ味を見せ、あっという間に羽生九段を撃破。
21時35分という、A級順位戦としては異例のスピード決着となりました。
また同じく1敗の広瀬竜王は、深浦九段を相手に痛い黒星。

これにより、挑戦権争いは豊島二冠が最終局に勝てば自力で決定、ということになりました。
対羽生九段戦のことを思えば当確を打っても良いかもしれませんが、去年のこともありますし、まだまだ予断は許さない状況です。
豊島二冠は、最終局で久保王将との対戦が控えております。

一方降級争いの方ですが、阿久津八段がすでに1枠を埋め、もう1枠を深浦九段と三浦九段が争うことに。
ただし、深浦九段は自身の勝ちだけではなく、三浦九段の負けを祈らねばならぬ苦しい状況。
奇跡の残留は、成るでしょうか。
最終局では、深浦九段は糸谷八段と、三浦九段は稲葉八段との対戦が控えております。

また2月1日には、C級2組の対局が行われ、中田功八段相手に勝利した及川六段が、最終局を待たずに昇級を決めております。
また桐山九段の2度めの降級点も決まりました。

■きょうの藤井聡太(棋王戦予選で中村亮介六段を破り、10連勝達成)

さて、最後にきょうの藤井聡太。
1月30日に棋王戦予選で中村亮介六段を破り、10連勝を達成しております。

中村亮介六段は、中村桃子女流の兄、として語られることの多い棋士。
またモヒカン、アフロ、金髪など、奇抜な髪型をする棋士の一人として知られており、本局では「なりゆきで」ドレッドヘアで登場し、周囲を驚かせました。

戦法は、中村亮介六段の代名詞である、昔なつかしのノーマル四間飛車。
対して藤井七段は急戦調に構えますが、中村亮介六段も巧みに応じ、すんなりとは決め手を与えてもらえません。
こうなると、居飛車党としては攻防とりまぜての対応を強いられるのですが、藤井七段は手堅くまとめ、勝利しました。

すんなり、とはいきませんでしたが、きっちり勝ち切るのは流石。
こういうところをしっかり勝ち切るのが、強い棋士の証拠と言えます。
次戦は2月5日。
C級1組順位戦で、近藤誠也五段との大一番となります。

by mitsuboshi03 | 2019-02-03 14:03 | 将棋 | Comments(0)

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