カテゴリ:将棋( 272 )

色々あって忙しい日々。
うう、休み1日だと回復がキツい。

さて今回も将棋ネタ。
将棋界もいよいよ春シーズン到来ということで、ネタも増えてきましたね。

■羽生二冠、横歩取りの激闘を制し先勝(名人戦七番勝負 第1局)

まずは佐藤名人に羽生二冠が挑む名人戦七番勝負の結果から。
第1局が先週行われ、羽生二冠が横歩取りの激闘を制しております。

将棋の内容ですが、序盤早々に佐藤名人が一大決戦を決断。
お互いの攻撃が火を噴く大乱闘となりましたが、不思議とバランスは取れている、という第一人者同士の対決ならでは、という戦いになりました。
最後は羽生二冠が激闘を制しましたが、佐藤名人の勝ち目も十分にあったと思われます。
第1局から早くも目が離せない展開になってきました。

■注目の第1局は後手番の高見六段が制す(叡王戦七番勝負 第1局)

将棋界の春シーズンといえば、何はなくとも名人戦、だったのですが、今年から新たに加わったのがこの叡王戦。
持ち時間変動制という斬新な試みもさることながら、金井六段と高見六段という、フレッシュな顔合わせとなった点も特筆すべきところですね。
昨日七番勝負の第1局(持ち時間5時間)が行われ、後手番の高見六段が制しております。

さて将棋の内容ですが、高見六段が後手番を引いたこともあり、十八番の横歩取りへ誘導。
こちらも夕食休憩あたりまでほぼ互角の展開でしたが、金井六段が△3七歩と銀取りに打たれた歩を放置して決めに出たあたりで差がつき始め、優位に立った高見六段がそのまま押し切りました。

高見六段の後手番横歩取りは、この七番勝負でも猛威をふるいそう。
金井六段にもまだまだ立て直すチャンスはあるはず。
こちらも今後の展開が楽しみですね。

■きょうの藤井聡太(竜王戦ランキング戦で阿部光瑠六段に勝利。規定により七段へ昇段)

さて最後にきょうの藤井聡太。
先週は竜王戦ランキング戦での対阿部光瑠六段戦に勝利しております。
これにより、藤井聡太六段は、竜王戦ランキング戦での連続昇級が確定。
また、規定により七段への昇段が決まりました。

まずは竜王戦ランキング戦での勝ち抜きと、七段への昇段を素直に喜びたいと思います。
それにしても、昇段ペース早すぎぃ!
グッズ作り担当者からは悲鳴が上がっているのではないでしょうか(笑)
まあここから先は上がるのが大変なので、タイトルでも取らない限りは肩書は変わらなくなりますけど(フラグ)

また、前期に引き続き竜王戦ランキング戦を勝ち抜けたのは大きいですね。
前期は堂々の本戦入りを果たしましたが、今期も淡々と本戦入りを目指してもらいたいところ。

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by mitsuboshi03 | 2018-04-15 15:29 | 将棋 | Comments(0)
ここのところの暖かさで、普通なら20日ころに咲くはずの桜がすでに満開。
しかし、地区の作業のある日の早朝だけは吹雪。
世の中ままならないものですなあ(苦笑)

さて今回も将棋ネタ。
年度が切り替わった直後で、一転してネタが無くなる今週。
まあ来週からは名人戦や叡王戦が始まりますから、すぐ忙しくなりますけどね。

■羽生二冠、通算1399勝を達成

本来なら1400勝で記事にすべきでしょうが、ネタが無いのでこんな形ですが取り上げます。
羽生二冠が4月6日の王位戦リーグで村山七段に勝利し、通算1399勝を達成しております。

さてこの数字をどう評価するか。
この通算勝利数は、現在歴代2位でもちろん現役トップ。
歴代1位の大山十五世名人の記録が通算1433勝なので、いつもの羽生二冠なら今年度中には抜き去るものと思われます。

さらに驚くべきは通算勝率。
ここまでたった565敗しかしてませんので、対局数が2000局近くに達しているにも関わらず、通算勝率は0.7123と、相変わらず7割を軽々と越えてきております。
以前にも書きましたが、通算勝率が7割を越えるのは、タイトルを持っていない超一流の若手棋士が予選を勝ちまくる、というパターンが普通で、羽生二冠のようにタイトル戦を勝ちまくって、なおかつ40代後半でこの勝率、というのは極めて異例。
というか、次は藤井六段がこれに近い成績を上げられるかどうか、ぐらいですかね。

この後には名人戦七番勝負がありますし、また棋聖や竜王の防衛戦も控えてます。
それに加えて王位戦リーグでも、これまで3戦全勝と好調をキープ。
いったいどこまで勝ち星を伸ばす気なんでしょうか(白目)

■きょうの藤井聡太(棋王戦予選で1勝、既報ですが詰将棋選手権制覇)

今度はきょうの藤井聡太。
新年度に入ってからも対局ペースは衰えを知らず、4月5日に棋王戦予選で古森四段を下しております。
また既報ですが、詰将棋選手権も唯一の100点満点で制覇してますね。
並のプロ棋士なら1問解くだけでも四苦八苦する難問揃いだというのに、制限時間の半分程度で悠々10問を解き終え、後は確認作業に没頭するという有様。
いつもながらの感想ですが、やっぱりモノが違いますねえ。

さて来週は大一番。
竜王戦のランキング戦で、阿部光瑠六段との対戦が控えております。
これに勝つと、竜王戦ランキング戦での連続昇級が決まるため、規定により七段へ昇段することになります。
もしこうなると、棋士デビューから2年足らずで新人王戦への参加資格を失う、という恐ろしいことになりますが、阿部光瑠六段も力のある若手棋士ですので、すんなり勝てますかどうか。

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by mitsuboshi03 | 2018-04-08 10:04 | 将棋 | Comments(0)
もう4月ですか。
過ぎてしまうと早いものですね。
花粉症真っ盛りということで、中々ペースが上がりませんが、まあぼちぼちと、ね。

さて今回も将棋ネタ。
相変わらずネタてんこ盛りなため、あっさり味でお届けします。

■渡辺棋王、なんとか踏みとどまる(棋王戦五番勝負 最終局)

さてまずは、将棋界冬シーズンの総決算である棋王戦の五番勝負から。
ここまで2勝2敗として迎えた最終局が3月30日に行われ、渡辺棋王が勝って棋王位を防衛することとなりました。

将棋の中身の方ですが、振り駒で先手番を握った渡辺棋王が雁木模様へ誘導。
これに対して永瀬七段が、中々△3四歩と角筋を通さず、逆に早めに△4四銀と右銀を活用するという変則的な序盤に。
結局は角を交換してから、渡辺棋王の雁木右玉vs永瀬七段の矢倉、という形に落ち着きました。

局面が落ち着いてさてどうなるか、と思っていたところへ、渡辺棋王が▲7四歩と手裏剣の歩を飛ばします。
ここから▲4六角と打って、永瀬七段の飛車をいじめに行く構想が現実のものとなり、常々「将棋は相手の飛車を取れば勝てるゲーム」と語る渡辺棋王好みの展開から、そのまま押し切っての勝利となりました。

これにより、渡辺棋王は棋王6連覇を達成。
昨年すでに永世棋王の称号を獲得しておりましたが、棋王位獲得数でも米長永世棋聖を抜き、単独2位に立つこととなりました(1位は羽生二冠の13期、うち12期は連続)

永世称号2つを誇る、世代を代表する棋士である渡辺棋王も今期は大苦戦。
自らが信条としていた「固い、攻めてる、(攻めが)切れない」必勝パターンが崩れ、竜王位とA級の座を失うという、大変厳しい1年となりましたが、なんとかこの棋王位だけは死守しました。
コンピュータ将棋が切り拓いた急戦・乱戦模様の将棋に、ようやく慣れてきたのかな、という印象があります。
まだまだ33歳と指し盛りの年齢なだけに、老け込むには早すぎます。
他棋戦でも、もっともっと活躍してもらいたいですね。

そして惜しくも棋王位を逃した永瀬「軍曹」七段。
不調だったとはいえ、あの渡辺棋王をここまで追い詰めたのは、それだけでも立派。
若手棋士の代表格として、持てる力は十分見せられたと思います。
ここからあと一歩がまた遠いのですが、それでも永瀬七段なら、歩みを止めることはないでしょう。
そういえば、渡辺棋王が初めて竜王位を奪取する前も、王座戦での羽生王座(当時)との死闘がありました。
永瀬七段にとって、今回の負けが、次回のタイトル奪取への糧となれば良いのですが。

■山崎八段、NHK杯も制し今期2度目の棋戦優勝達成!

さて今度は、今まで載せそこねてた話題その1。
今年のNHK杯戦の決勝戦は山崎八段vs稲葉八段という、最近めっきり増えた関西対決で行われ、山崎八段が熱戦を制し、見事自身二度目となるNHK杯を獲得しております。

これで山崎八段は、将棋日本シリーズを含め、今期2度目の棋戦優勝を達成。
Eテレの番組「将棋フォーカス」で同じくキャスターを務める中村王座の快進撃に刺激されたのか、独自の指し回しである「山崎ワールド」が持ち時間の短い棋戦で炸裂した印象があります。
最近流行の急戦・乱戦模様の将棋を元々得意としていたのも大きいですね。
山崎八段も37歳とまだまだ老け込むには早いだけに、今後もこういう一発をバシバシ入れて行ってくれるのではないかと思ってます。

■三段リーグ下期、決着

今まで載せそこねてた話題その2も、ついでにやっちゃいましょうかね。
上期下期で各2名が四段プロ入りを果たせる、地獄の三段リーグ。
その下期が、3月4日に結末を迎えました。

めでたく新四段となったのは、長谷部新四段(大平門下、23歳)と池永新四段(小林健門下、24歳)。
最後の2局を連勝すれば自力昇段が決まる、プレッシャーのかかる対局を見事制しました。
二人とも14勝4敗という、プロ入りするのに恥ずかしくない成績を上げております。
年齢制限が迫る中、よくぞ激戦を戦い抜いたと思います。

そして同じく14勝4敗ながら、順位の差に泣き次点となった服部三段。
こちらは18歳とまだ先がありますが、将来のためにも、できれば早いうちに昇段を決めておきたいところ。
そして、次点2回によるフリークラス入りの権利を惜しくも逃した黒田三段。
まあ、ここは次がんばって、堂々と普通に昇段を決めちゃいましょう。

■きょうの藤井聡太(井上九段に敗れ、連勝は16でストップ)

さて最後にきょうの藤井聡太。
王将戦一次予選で井上九段に敗れ、連勝記録が16でストップということになりました。
連勝記録が伸びてきたこともあり、再びマスコミなどでの報道が増えてきましたが、これで一息つけるのかなと。
井上九段はさすが元A級棋士という貫禄を見せられたようでなにより。

さて負けはしましたが、王将戦予選での敗北ということで被害は少なそう。
逃したくないのは、順位戦・竜王戦の鉄板二枚と、本戦入りを果たした棋王戦。
あとは、七段になってしまうと参加資格が無くなってしまう新人王戦も、1回は優勝しておきたいところ。
一番可能性がありそうなのが、竜王戦ランキング戦での連続昇級。
現在所属する5組のメンバーを見る限り、どうも昇級は逃しそうにないんですよねえ。

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by mitsuboshi03 | 2018-04-01 11:18 | 将棋 | Comments(0)
大絶賛花粉症シーズン到来中。
飲み薬のおかげで症状はさほど酷くはないのですが、モヤモヤ感が晴れないのが困りどころ。
秋が過ぎたら、舌下治療を試してみたいところ。

さて今回は将棋界の話題をひとくさり。
相変わらず話題満載なので、またまたざっくりとした紹介となりますがご了承をば。

■空前絶後の6人プレーオフを制したのは、やはりあの男(名人戦挑戦者プレーオフ)

さてまずはこの話題から。
空前絶後の6人プレーオフとなった今期の名人戦挑戦者争いですが、出だしから豊島八段が3連勝と飛ばし、何度も逃したチャンスをギリギリで掴み取るのか、と思わせる勢いでしたが、そこに待っていたのは、将棋星人その1な羽生二冠。

これがゲームなら、助走をつけてクリエイターを殴りにいくところですが。
ところがどっこい、これが現実…っ!
横歩取りから難解な局面が続いたものの、中盤で作った2枚のと金をフル活用して羽生二冠が勝ちを収めました。

そして真の挑戦者決定戦となる羽生二冠vs稲葉八段戦。
戦型予想が難しい中、個人的にあまり読みになかった相掛かりの序盤に。
先手の稲葉八段が、1筋の歩を突かない効果を活かした▲1六角でポイントを上げます。
羽生二冠の旗色が悪い状況が長く続きますが、そこを堪えてひたひたと相手についていくのがこの人の恐ろしいところ。
中盤での△5四角に対して稲葉八段が▲4五金と応じた一瞬のミスを見逃さず、あとはきっちりとまとめて快勝。
これにより、羽生二冠が佐藤名人への挑戦権を獲得することとなりました。

それにしても、羽生二冠が一足お先に6勝4敗で今期の順位戦を終えた時点では、こんな結末になろうとは思ってもみませんでした。
6人プレーオフになったときも、そのときの記事でちらっと「羽生名人・竜王になったら面白い」などと軽い気持ちで書いたもんですが、きっちりと照準を合わせてきましたねえ。

名人戦(順位戦)と竜王戦の成績は棋士人生に直結するため、どんな棋士も血眼になって戦うため、両方を獲得するのは至難の業。
これまでにこの偉業を達成しているのは、七冠王時代の羽生二冠と、谷川九段・森内九段の3人のみ。
しかもここで名人を勝ち取れば、タイトル百期の偉業達成となります。
半年前は棋聖一冠となっていたころから考えれば、望外の展開に。
羽生ファンは笑いが止まらないでしょうね。
私としては、またもこの言葉を使わざるを得なくなりました。

この期に及んでなお私は、羽生善治という男がいかなる存在であるか、完全に見誤っていたのだと。

さてここまで羽生二冠サイドで記事を書いてきましたが、佐藤名人にとってもここは正念場。
なんと今期はすでに負け越しが確定しているという惨状ですが、最強の挑戦者を相手に調子を上げられるかどうか。
ここを凌げば、永世名人の目も出てきます。
現役最年少の永世称号獲得者が長らく渡辺棋王(永世竜王)で止まっておりますが、次が(恐らく)藤井聡太六段、というのはあまりにも寂しい。
一昨年に羽生名人(当時)から名人位を奪取したときの勢いを取り戻せるでしょうか。

■永瀬七段が快勝。決着は最終局へ持ち越し(棋王戦五番勝負 第4局)

さて今度は棋王戦。
2勝1敗で渡辺棋王が棋王防衛に王手をかける中で行われた第4局でしたが、相掛かりの熱戦を永瀬七段が制し、決着を最終第5局へ持ち越しております。
プロ棋士の指す相掛かり特有の、押したり引いたりのねじりあいが続く展開となりましたが、渡辺棋王の受けを永瀬七段が見事に打ち破りました。

渡辺棋王の調子は一向に上がる気配を見せませんが、それでも虎の子の棋王位は譲らない、という姿勢は見せていると思います。
一方挑戦者の永瀬七段も、同年代の中村王座・菅井王位に先を越されてなるものか、という気合が感じられます。

さて運命の最終第5局は、年度末ギリギリの3月30日に将棋会館で行われます。
振り駒が勝敗を分ける可能性もありますが、熱戦を期待します。

■きょうの藤井聡太(A級棋士を破り、王座戦本戦へ進出)

さて最後にきょうの藤井聡太。
先週は王座戦二次予選決勝での糸谷八段との戦いに見事勝利し、本戦入りを果たしております。

将棋の中身の方ですが、後手番の糸谷八段が阪田流向かい飛車を選択。
プロ棋士間の将棋としては奇襲とも言える手に打って出た糸谷八段でしたが、藤井六段が冷静に対応。
やや危険な手もあったようですが、全般的には手堅くまとめて勝利を収めました。

この対局は最終盤だけニコ生の中継を見ていたのですが、最終盤で1時間残しているとはいえ、激しい攻め合いの中、冷静に相手との距離を測っての▲5九金というしぶとい受けや、最後に平然と25手詰めを読み切るという盤石の戦いぶりを見せられて声も出ない、という感じでした。

新A級の糸谷八段を相手にこの内容での将棋。
やはりモノが違うと言わざるを得ません。
目下の大敵は、他の棋士というよりは、これから始まる高校生活でしょうか。
付属中からの進級なので、雰囲気に慣れているのはアドバンテージですが、宿題や予習復習もキツくなりますし、その中で将棋の研究をどれだけ効率よく行えるか。
楽しみでもあり、不安でもあります。

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by mitsuboshi03 | 2018-03-25 14:57 | 将棋 | Comments(0)
大雪が降ったかと思えば、一転して花粉日和。
私の花粉症春シーズンは梅雨入り直前まで続くので、今から気が滅入ります(涙)

買っておいて、読んでおいたままの本が結構溜まってきたので、今回はちょっとその紹介を。
といっても、だいたい将棋関係の本なんですけどw

『りゅうおうのおしごと!』の紹介は6巻だけやっていたのですが、記事を書いた後にも続々と巻数を重ねて、先日最新刊である8巻が発売されております。
そちらは後々書くとして、今回はアニメで取り上げられている最中の5巻について、個人的に気になったところをネタバレ全開で取り上げていきます。
というわけで、アニメのネタバレが怖い方は回れ右してくだされ。

■神童のほとんどは、成長すればただの人になる。
 では。
 人に戻らなかった神の童は…何になるのか?(P6)

7歳で将棋を覚え、11歳で小学生名人に。
すぐに奨励会入りするや、あっという間に中学生にして四段プロ入り。
19歳で初のタイトルを奪い、25歳で年度七冠を達成。

どこからどう見てもモデルは羽生二冠です。本当にあり(以下略)
作中では単に「名人」と呼ばれるこのお方が、タイトル通算百期を賭けて、今回九頭竜八一竜王の前に立ちはだかる、というのが5巻のメインテーマとなります。

しかし、ホントのことを普通に書くだけでラノベのネタになってしまう、というのがこの男の恐ろしいところ。
アニメやラノベでさえ「引くわー」という偉業を平然とやってのける。
そこに痺れる憧れる、という羽生ファンが多いのも頷けますなあ。

■竜王戦第1局はハワイで

本作ではハワイで行われた竜王戦の第1局。
現実の竜王戦でも、森内竜王(当時)に糸谷七段(当時)が挑んだ竜王戦七番勝負の第1局がハワイで行われており、そのときのネタを大分参考にしていると思われます。
作中でも清滝一門がほぼ総出でハワイまで観戦に訪れておりますが、現実でも関西若手棋士の多くが糸谷七段(当時)の応援としてハワイまで駆けつけておりました。
慣れない土地で戦う中、いつもの仲間が一緒に居る、というのは中々心強かったのではないかと思います。

バブル華やかなりしころは、他棋戦でも海外対局はあったのですが、世知辛い世の中となった今となっては、海外対局があるのはこの竜王戦のみ(しかも隔年)となっております。
将棋の世界的な普及の面からしても、もう少し海外対局を増やしても良いのでは、とは思うのですが、やっぱりお金がねえ…。

■『名人、意表の一手損角換わりを採用!』

さて羽生…もとい、名人が注目の第1局で採用したのは、八一竜王が得意としている一手損角換わり。
相手の得意戦法に乗っかって、相手を叩き潰す。
羽生…もとい、名人が得意とする恐るべき戦術であります。
これで痛い目に遭ったプロ棋士たちは山ほど居るはず。
これやられると、精神的に滅茶苦茶にされちゃうんですよね。

■驚愕の曠野(P70)

一日目が終わって、姉弟子とのデートを楽しんで(るようにしか見えない)、名人が指した封じ手も自分があまりに都合がいいので「これはないな」と捨てた一手を指してきて、よしここで決めてやろうと長考に入った八一竜王。

だがしかし、それこそが、名人の仕掛けた罠であった。

相手が好んで指しそうで、実は自分が有利な局面に誘い込む。
現実の羽生二冠が得意とする指し回しです。

ていうかねえ。
どうしてこんな人が現実に居るんでしょうかねえ。
おかしい、おかしくない?
と言うプロ棋士は、きっと多いはず。

この後、心に傷を負った八一竜王は、続く第2・3局を落とし、星勘定の上でも精神的にも、竜王防衛の崖っぷちに立たされることとなります。

■聖火(P136)

傷心の八一竜王を元気づけようと、彼の部屋に向かう姉弟子。
しかし、精神的に崖っぷちの八一竜王を相手にに為す術なく完敗。
桂香さんの元へ逃げ戻って泣き叫ぶこととなります。

あー姉弟子も桂香さんもかわええんじゃー。

■『八一くんへ。明日は私の対局があります。忙しいと思うけど、見てください』
 (P147)

羽生…もとい(またか)名人に心を折られながらも、何とか立て直しを図ろうとする八一竜王。
そんな八一竜王を影で支える桂香さん(と、あいちゃん)

そして桂香さんは、女流三級の資格を賭けて、マイナビ女子オープンの本戦1回戦に挑みます。

自分もググってみて確認してやっと気がついたのですが、アマチュア招待枠のある女流棋戦では、アマチュアが本戦ベスト8入りした場合に、女流三級の資格を得られるんだそうです。
はえー、勉強になりましたわ。

■『報われない努力はない。それを証明するために戦いました』(P167)

さて5巻のクライマックスの一つ、釈迦堂女流名跡vs桂香アマ戦。
どうしても殻を破れず、一度は女流プロ入りを諦めかけた桂香さんが、長年女流棋界を引っ張ってきた釈迦堂女流名跡を相手に、死に物狂いになって戦います。

中盤で一時は挽回不可能と思われた局面を、勝負手の連発でひっくり返しにいく桂香さん。

自分の方が強いとか、絶対に勝てるとか、そういうのじゃなくて。
自分が一番将棋を愛している。
そのことにかけては、誰にも負けたくない。

その情熱が、最後に釈迦堂女流名跡の手を狂わせ、遂に勝利をもぎ取ります。
アニメでは清水女流vs里見女流戦の棋譜を使ったそうですが、いやー熱い展開ですわ。

さて表題の「報われない努力はない」ですが、順位戦での昇級の一番を逃した若き日の井上九段相手に、谷川九段がこの内容で電報を打った、というのが元ネタですね。
電報というのが時代を感じさせますが、このネタをこういう風に料理するとはねえ。
驚きました。脱帽です。

この結末をネット観戦して発奮する八一竜王、というのが本作。
竜王戦での序盤3連敗からの逆襲、というと、初の永世竜王を賭けて争った渡辺-羽生戦があまりにも有名ですが、渡辺竜王(当時)が発奮した理由はと言いますと。

奥様のブログでの一言。
「渡辺くん、諦めたらそこで試合終了だよ(スラムダンクの安西先生風味)」

現実にあったこととはいえ、この手を使うわけにはいかないでしょうね(笑)

■『ごめん』(P222)

さて竜王戦の第4局は、あいちゃんの実家である、日本一の温泉旅館『ひな鶴』で行われます。
あいちゃんの女流棋士のお祝いと、八一竜王との婚約を兼ねて…ってちょっと待て、という展開になりますが、まあそこはラノベゆえ致し方なし。
前夜祭の大騒動に巻き込まれてクタクタになった八一竜王が、翌朝食べた朝粥に付けた説明書きの裏側に書いてあったのがこの一言。

『ひな鶴』の料理長である、あいちゃんのお父さんの作品。
いい人なんだよなあ、この人。

■盤上のファンタジア(P299)

さてこの第4局、驚くべき手順により千日手指し直しとなりますが、その詳細はぜひとも5巻を読んで確かめていただきたいということにしておきます(おい)
その指し直し局も手に汗握る展開となり、両者ほぼ時間を使い切った状態での膠着状態が続きます。

その均衡が崩れたのが、名人が勝利を確実にするためにと、最後に取っておいた2分間を使ったこと。
八一竜王は、その貴重な2分間を逃すことなく、自分の勝ち筋を読み切ります。
これも竜王戦での渡辺-羽生戦の第4局で実際にあったことで、これで奇跡的に勝ちを拾った渡辺竜王が、3連敗後の4連勝で竜王位を防衛し、初の永世竜王に輝くこととなります。
そして本作でも、この第4局を制した八一竜王がその後3連勝を果たし、タイトル防衛に成功することとなりました。

■感想戦

本作の密かな楽しみである感想戦。
月夜女流と供御飯女流との掛け合いが楽しいんですよね。
今回は、供御飯女流の副業である将棋ライターのお仕事のお話。
現実でも、将棋ライターとして活躍されている棋士の方はそれなりにいらっしゃいます。

■あとがき

『りゅうおうのおしごと!』恒例の、重たいあとがき(おい)
「5巻で終わりにしようと思います」の一言は、重い。
その一言に恥じない大作を、よくぞここまでまとめきったと思います。

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by mitsuboshi03 | 2018-03-24 20:30 | 将棋 | Comments(0)
ここのblog自体に問題が出てたみたいで、しばらく書き込めず。
普通に動いていて当たり前、ってのは、当たり前じゃないってことですよね。
早々に復旧したようでなによりです。

さて今回は将棋ネタ。
相変わらず内容盛り沢山でお送りします。

■王将戦の行方は松本で決着!久保王将、防衛に成功!(王将戦七番勝負 第6局)

さてまずはタイトル戦の番勝負からいきましょうかね。
王将戦七番勝負の第6局が3月14・15日に松本市で行われ、久保王将が勝利して王将位を防衛することとなりました。

さて将棋の内容はといいますと、変則的な序盤から豊島八段の居飛車対久保王将の中飛車という構図に。
第6局にして、やっと居飛車対振り飛車の対抗型が登場することとなりました。
まさかここまで対抗型が見られないとは思ってもみなかったので、その点では安堵。
豊島八段が早々に馬を作って優位に立ったかのように見えましたが、封じ手の直前で先攻する機会を逸したのが祟り、逆に先攻した久保王将がそのまま押し切って勝利を上げました。

序盤でポイントを上げながら逆転負けを喫したということで、豊島八段にとっては悔いの残る一局となったことでしょう。
対して久保王将は、裏芸である「粘りのアーティスト」ぶりを遺憾なく発揮しましたね。

豊島八段のタイトル奪取が成るかと期待してはいたのですが、やはり中終盤のねじりあいで終始後手を踏んでいたのが最後に祟った感じがします。
個人的に、コンピュータに一番近い将棋を指す棋士、と個人的に思っている豊島八段。
序盤で優位に立ち、そのまま押し切る力は棋界でもトップクラスだと思っておりますが、コンピュータと同様に、一旦不利になるとそのまま押し切られてしまう、という弱点を克服できない限り、森下九段や木村九段といった善戦マンで終わってしまいそう。
藤井六段の台頭もあるだけに、残された時間はもうそれほど多くはないでしょう。
もう一つ、壁を破って欲しいのですが。

さて関西最強の後輩の挑戦を退け、関西最強棋士としての矜持を見せた久保王将。
虎の子のタイトルである王将位を防衛できたのは立派。
やはり中終盤の指し回しには一日の長がありましたね。
あと関西人らしく、王将戦恒例の罰ゲーム…もとい、勝利のポーズ写真にもにこやかに応じていたのには好感が持てました。
あとは、他のタイトル戦争いにも顔を出してくれれば文句なし、ですね。

■順位戦 C級1・2組 決着

さて今度は順位戦。
C級1・2組の最終局が先週行われ、昇級降級がすべて確定しました。

まずはC級1組。
千田六段が一足お先に昇級を決め、残っていた昇級枠の最後の1枠を射止めたのは、昨年次点に泣いた永瀬七段でした。
緒戦の対高橋九段戦に敗れるという最悪のスタートを切りながら、最後まで諦めることなく勝ち星を重ねていき、見事9勝1敗で自力での昇級を引き寄せ、今期の充実ぶりを十分示す結果となりました。
まだ棋王戦の番勝負も控えてます。
永瀬七段のターンは、まだまだ終わってません。

そして同じく9勝1敗ながら順位の差に泣き、惜しくも次点となったのが佐々木勇気六段。
順位6位の9勝1敗で上がれない、というのは新記録とのこと。
これについては制度がひどすぎる、という見方もありますが、とにかく今は勝っていくしか仕方がない。
B級2組に上がれると、収入アップや予選のランクアップなど、だいぶ世界が変わってくるので、来年また頑張って欲しいものです。

さて降級点争いですが、3勝7敗で順位26位の田中寅彦九段までがアウト。
同星ながら順位25位だった塚田九段は、危うく難を逃れることとなりました。

順位1つの差で明暗クッキリ。
これが順位戦の面白さであり、残酷なところであります。

なお降級したのは長沼七段一人のみ。
あと、叡王戦七番勝負挑戦を決めている金井六段が、勝ち越しにより降級点を消しています。

これほどの実力者であっても降級点を取ってしまう。
C級1組も楽じゃないですねえ。

そしてC級2組。
50名がひしめく大混戦の中、藤井六段が一足お先に昇級を決めていましたが、残る昇級枠の2枠は、最終局に勝てば自力昇級がかかっていた都成五段と増田五段が勝利して、すんなり決着、ということになりました。
とはいえ将棋の内容自体は大激戦で、特に増田五段は、藤井六段が破るまでの連勝記録(28連勝)を持っていた実力者の神谷八段を相手に、千日手指し直しの末に勝利を掴むというギリギリの戦いを繰り広げての決着、ということに。
たとえベテラン相手であっても気が抜けないのが、順位戦の怖さであります。

さて降級点争いの方ですが、3勝7敗組のうち、順位28位の井出四段までがアウト。
順位23位の藤森五段は、わずか順位5枚の差により、辛くも難を逃れることとなりました。
そして、降級点3点ゲットにより強制フリークラス行きとなったのは、2000年に全日本プロトーナメントで準優勝の経験を持つ岡崎七段。
かつての実力者でも、容赦なく振り落とされてしまう、順位戦の怖さ。

それにしても最近は、20代の若手や30代前半の指し盛りの棋士でも降級点を取ってしまうことが増えてきました。
何しろC級2組から落ちてしまうと、年収激減のフリークラス行きが待っておりますので、皆必死になって戦っております。
たとえ棋譜は目に触れる機会はまず無くとも、ギリギリの戦いを繰り広げている棋士たちには敬意を評したいと思います。

■里見女流王位に挑むのは、LPSAからの刺客(女流王位戦)

さて今度は女流の話題を。
里見女流王位への挑戦権を賭けた挑戦者決定戦が3月14日に行われ、実力者の清水女流を下した渡部愛女流二段が初の女流タイトル戦への挑戦権を勝ち取ることとなりました。

渡部愛女流二段というと、女流棋士団体の一つであるLPSAからのプロ入りに当たって将棋連盟と大揉めとなったという経緯で有名になってしまった、ある意味悲劇の女流棋士であります。
しかしプロ入り後は一般女流棋戦で3度の優勝。
また公式戦で男性プロ棋士である三枚堂六段を下すなど着実に実力をつけ、一皮むければ女流タイトル挑戦の目もあるか、というところまで登りつめてきました。

今回ようやくその壁を破ったわけですが、待っているのは女流現役最強棋士の里見女流五冠。
初のタイトル挑戦者には常々語っていることですが、まずは1つ勝つこと。
番勝負で1つも勝てずにストレート負け、となると、かえってタイトル挑戦なんかしなけりゃ良かった、くらいの深手の傷を負うことにもなりかねません。
とにかく、まずは1つ勝つことですね。

■きょうの藤井聡太(順位戦を全勝で通過、次戦は強敵との対決)

さて最後にきょうの藤井聡太。
順位戦の最終局で、若手実力者の三枚堂六段を下し、10戦全勝で今期の順位戦を終えることとなりました。
すでにC級1組への昇級、および次期順位戦の順位は確定させていたのですが、こういう消化試合みたいな対局をどう指すか、というところを、仲間の棋士たちはよく見ているもの。
きっちりと勝利して、相変わらずの隙の無さを見せつけることとなりました。

これにより、羽生二冠以来となる、年度勝率・対局数・勝ち星・連勝数での年度四冠をほぼ手中に。
しかも現在15連勝を継続中で、ひょっとすると自身の持つ連勝記録をまたもや更新するのでは、という声も次第に大きくなりつつあります。
羽生二冠を含め、またかこの将棋星人どもは(苦笑)といった感じですが、来週は王座戦二次予選決勝で難敵糸谷八段との対局が控えております。

日頃から普及活動に熱心でマスコミなどへの露出も多く、ともすれば色物扱いされがちな糸谷八段ですが、何と言ってもそこは元竜王。
糸谷流右玉や一手損角換わりといった、薄い囲いでの力戦を得意とする、将棋界有数の実力者の一人であります。
本戦入りがかかる大一番ということもあり、これほどの実力者相手にどのような指し回しを見せられるのか、目の離せない一戦となりそうです。

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by mitsuboshi03 | 2018-03-18 18:43 | 将棋 | Comments(0)
忙中閑あり。
最近のお楽しみは巨人のオープン戦。
これについては、今週別に記事を書くかもしれません。
期待せずにお待ちくだされ。

さて今回も将棋ネタ。
年度末に近い3月中旬ということで、話題が豊富になってきております。
やや駆け足の書き方となりますが、ご了承をば。

■豊島八段、久保王将に1勝を返す(王将戦七番勝負 第5局)

まずは島根県の大田市で行われた王将戦七番勝負の第5局から。
1勝3敗と王将奪取に向けて後が無くなった豊島八段ですが、ここへ来て裏技を披露。
△3五歩と3筋の位を取って、またいつもの相振り飛車と思わせておいてから、おもむろに△6二銀と「居飛車でいくぞ」宣言。
これにカチンときたのか、久保王将が右銀をスルスルと上がって3五の歩を取り、序盤で1歩得する乱戦模様の展開となりました。

序盤の1歩損というのは、横歩取りを除けばプロ棋士トップレベルではまずお目にかからないくらいの大きな差なのですが、本局の場合は、「1歩取らせても久保王将の王様の囲いが固くならないからセーフ」という豊島八段の大局観が正しかったようです。
中盤で飛車角交換の大捌きとなったのですが、こうなってみると久保王将の玉型があまりにも薄すぎ、あとは豊島八段の鋭い攻めが冴え渡っての完勝となりました。

豊島八段にとってこの1勝が王将奪取につながるのか、「しかし反撃もここまで」となるかは今後の展開次第ですが、もしこの第5局を落としていると、周囲に「第1局で作戦勝ちしてからは大したことなかったね」という見方をされてもおかしくなかっただけに、ここで勝ったのは棋士の信用という点においても大きな1勝だったと思います。

とはいえ、久保王将はあと1勝すればいいのでまだまだ楽な立場。
3月14・15日に松本市で行われる第6局で、王将防衛を果たしたいところでしょう。
近場ではあるんですが、おとなしく後で棋譜観戦することにします。

■名人戦挑戦者6人プレーオフ ただいま進行中

さて空前絶後の6人プレーオフが実現した今年の名人戦挑戦者決定戦。
ここまで2局が終わっており、豊島八段が久保王将と佐藤九段を連破して、次は広瀬八段と戦うことになります。

王将戦でも戦っている対久保王将戦では、久保王将の三間飛車穴熊に対して、銀冠から銀冠穴熊とさらに固く囲う姿勢を見せます。
「それは許さん」と久保王将が先攻しますが、その攻めを上手く凌いで勝利を収めてます。

また対佐藤九段戦では、後手番の佐藤九段がお得意の角交換ダイレクト向かい飛車を披露。
豊島八段もこれには手を焼いたようで、いつものような鋭い攻めがなく、押したり引いたりの難解な中盤戦が続きます。
最後は佐藤九段の王様がいつものように宇宙遊泳して逃げ回る展開になりましたが、豊島八段が冷静に対処して勝利しました。

王将戦を含めてハードスケジュールとなる豊島八段ですが、その割には将棋の内容が充実している気がします。
豊島八段は春から秋に向けて調子の上がる傾向のあるのですが、豊島八段にとっての春がいよいよ到来したのかもしれませんね。

■順位戦 B級1・2組 決着

そして今度は順位戦の結末を。
3月7日にB級2組、3月9日にB級1組の最終局が行われ、昇級降級が確定しております。

まずはB級1組ですが、すでに糸谷八段の昇級が決まっておりましたが、もう1枠は大激戦の末、なんと6勝4敗の阿久津「あっくんの目ぢから」八段が勝ち取ることに。
勝てば自力で昇級を決めていた橋本八段が敗れたためこうなったのですが、それにしても6勝4敗で昇級するとはねえ。
A級もそうですが、このB級1組もタイトルホルダー(元含む)やタイトル挑戦者がゴロゴロ居る近年稀に見るツワモノ揃いだったのが、最終結果に如実に現れたのではないでしょうか。

なお今年は1枠となる降級枠ですが、2勝8敗で丸山九段が降級することに。
竜王戦や叡王戦では結構活躍している印象があったのですが、2勝2敗スタートからまさかの6連敗と失速したのがあまりにも痛すぎました。
とはいえ、今年の通算成績は5割を切っているだけに、こうなったのもやむを得ないかもしれませんね。

さてB級2組ですが、昇級したのは10戦全勝の野月八段と、9勝1敗の畠山鎮七段。
いずれも中堅からベテラン組の実力者。
どちらも1勝を先崎九段の病欠による不戦勝で稼いでいるのが印象に残ります。

また降級点の方ですが、3勝7敗で順位16位の戸辺七段までアウト。
順位6位の阿部隆八段は、辛くも降級点を免れました。
そして降級点2点を取ったことにより降級となったのは、青野九段と森下九段のベテラン組。
青野九段は65歳と現役プロ棋士全体から見てもかなりの高齢ゆえ致し方ない面もありますが、森下九段はもう少し頑張れなかったかなあ、という印象があります。
B級2組から落ちると衰えが激しくなる傾向があるので、そこも心配。

なお地味な話題ですが、独自のtwitterや対局時の7つ道具(空気清浄機などを持ち込む)で有名な窪田七段が降級点を消すことに成功しております。
こういう地道な努力が、棋士寿命を延ばすのですね。

■きょうの藤井聡太(師弟対決が実現!)

さてきょうの藤井聡太。
王将戦の予選で、なんと師匠の杉本七段との師弟対決が実現しております。

対局の方ですが、一旦先手番の杉本七段の中飛車で始まった対局が双方手詰まりとなり千日手指し直しに。
指し直し局で後手番に回った杉本七段は、「自分の将棋の原点なので、後手番ならこうすると決めていた」というノーマル四間飛車に。
当然のことながら藤井六段(この表現にもまだ慣れないですなあ)は居飛車穴熊に囲って優位に立ち、そのまま押し切りました。

順位戦では上のランクまでいかないといけないので、他棋戦で勝ちまくらないと中々実現しないのが師弟対決。
対局後のコメントを見る限り、やはり師匠の方が思い入れが強かったようですね。

この対局もかなりの注目を集めていたようで、私よりも両親の方が先に結果を知っていたというありさま。
藤井フィーバーは、まだまだ続きそうですね。


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by mitsuboshi03 | 2018-03-11 11:54 | 将棋 | Comments(0)
細川氏がこちらを訪ねてきました。
上社や前宮を回って、話しがてらメシを食って。
こういうのも楽しいですな。
こちらからも出かけようと思ってはいるのですが、なかなか…。

さて今回も将棋ネタ。
週末前に、意外な結末が待ってました。

■名人挑戦権は、まさかの6人プレーオフへ!(A級順位戦 最終局)

さて将棋界の3月の初めといえば、何と言ってもA級順位戦の最終局。
今年は、最近恒例になりつつある静岡での一斉対局が行われました。
で、結果はというと。

まず挑戦権争いで優位に立っていたはずの豊島八段が、夜10時過ぎに広瀬八段に討ち取られて一歩後退。
その1時間ほど後に、稲葉八段が行方八段を、また佐藤九段が屋敷九段を下し、それぞれプレーオフの権利をとりあえず確保。
また、敗れた方がA級降級に限りなく近づく三浦九段vs渡辺棋王戦は、三浦九段が勝利してA級残留を確定。
そしてすべては、最後まで対局が続いていた久保王将vs深浦九段戦の結果に委ねられることとなりました。

その結果。
名人挑戦権争いは、6人が6勝4敗で同率となり、まさかの6人プレーオフが実現。
またA級降級枠最後の3枠目には、渡辺棋王がハマってしまうこととなりました。

いやー、「こうなったら面白いだろうな」とは思ってましたけど、ホントに6人プレーオフが実現するとはねえ。
びっくりです。
なお6人プレーオフの形式は、以下の通りパラマス方式による変則トーナメント戦で行われます。

1)順位10位の豊島八段と、順位9位の久保王将がまず戦う(3月4日予定)
2)1)の勝者と佐藤九段(順位8位)が戦う
3)2)の勝者と広瀬八段(順位4位)が戦う
4)3)の勝者と羽生二冠(順位2位)が戦う
5)4)の勝者と稲葉八段(順位1位)が戦う

ざっくり言いますと、豊島八段と久保王将は5連勝が必要という一番大変な立場に。
一番楽なのが、最後に1つ勝つだけでよい稲葉八段。

「なんだよ、順位1つでえらい差がつくじゃねえか、不公平だ」と思われた方、その見方はある意味正しい。
正しいのでありますが、将棋界では「順位戦の順位の差は地球より重い」という不文律がありまして、こういうルールになっております。

それにしても、豊島八段と久保王将は挑戦権一歩手前まで来ておいて、こんな結果に。
まあ可能性があるだけ、まだマシではありますが。

あと、羽生二冠ファンにとっては嬉しい結果になったのではないかと。
プレーオフを二連勝して、佐藤名人を破れば、なんとタイトル100期を名人戦で達成することに。
こんな未来も、また楽しいかも。

■きょうの藤井聡太(竜王戦で阿部八段を破る)

さてきょうの藤井聡太。
竜王戦の5組予選(ランキング戦)で阿部八段を破り、3回戦へと駒を進めております。
なおこの竜王戦の予選であと2勝すると、少なくとも4組への昇級が決まるため、昇段規定により七段へ昇段することとなります。

デビュー二年目にして七段。
恐らく現行の規定では空前絶後の記録になると思いますが、段位よりはむしろタイトルの称号で呼ばれたいのではないでしょうか。
世の中には「五段から先は段位で呼ばれたことがない」羽生二冠のような怪物もおりますし。

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by mitsuboshi03 | 2018-03-03 16:47 | 将棋 | Comments(2)
某amazonで「5000円以上買うとポイント加算やで」なセールをやると聞いて、いそいそと買っておきたい書物を買い集め。
うむ、4800円。

足りない。
あとちょっとなのに。
グギギ。

こうしてamazon沼に堕ちていく者が、またひとり。

さて今回も将棋ネタ。
冬場は重要な対局が続くんで、話題も豊富ですねえ。
年度末に近づいていることもありますし。

■「羽生くんの画像をアップすると近い構図の羽生さんの画像が送られてくる」ハッシュダグ

まずは、私にはちょっと敷居が高くてまだ始めていないtwitterネタから。
フィギュアスケート男子シングルでオリンピック連覇を果たした羽生結弦氏の画像に、似たような構図の羽生永世七冠の画像をくっつけていくというtwitterでのお遊び。
フィギュアと将棋界の一部では密かに話題となっておりましたが、何と言ってもオリンピック連覇と永世七冠の偉業達成が大きく、羽生永世七冠の奥様までリツイートするなど、再びお祭りとなっております。

ところでこのハッシュダグ、ときどき羽生永世七冠が妙なポーズを取らされてる画像が見受けられますが、それはだいたい王将戦での罰ゲーム…もとい、勝利のポーズ写真によるもの。
羽生永世七冠に安来節やどじょうすくいをやらせるのは王将戦だけ!
…ええんかそういう立ち位置でw

■久保王将、防衛へ王手(王将戦七番勝負 第4局)

さてその王将戦もいよいよ第4局と、中盤から終盤へと差し掛かりつつあります。
その第4局ですが、これまでと同様に相居飛車、しかも第3局とほぼ同じ金無双での戦いとなりましたが、序盤をほぼ互角で切り抜けた久保王将が中盤以降で優位に立ち、そのまま押し切りました。

久保王将はこれで対戦成績を3勝1敗とし、王将位防衛へ王手をかけることに。
対して豊島八段は、このあと一つも落とせない厳しい立場へ。
やはり第1局のように序盤で少しリードできないと、第2局から第4局のように中盤終盤を押し切られてやられる、という展開続きでは王将位奪取は極めて難しい、と言わざるを得ません。
かの中原永世名人が、こんなことを言ってました。

七番勝負でね、作戦勝ちでそのまま押し切れるなんて、1つかせいぜい2つくらいですよ。
悪い将棋でも勝ちを1つ、2つと拾い集めていかないと、七番勝負で勝つのは難しいですね。

それにしても。
久保王将の勝利のポーズ写真は、関西人らしい明るさがあって良いですなw

■永瀬七段、1勝を返す(棋王戦五番勝負 第2局)

今度は昨日行われた棋王戦の第2局。
角換わり模様の序盤から、永瀬「軍曹」七段が棒銀で攻める趣向を見せたのに対して、渡辺棋王が腰掛け銀から雁木へと手厚く組み替えて対抗する、という構図に。

中盤戦で渡辺棋王の右金が5二から6三、そして5四へ盛り上がる展開となったのですが、ここから大駒を捌いて決めに出たのを渡辺棋王は対局後に後悔していて、感想戦もこの辺りの変化を多めに検討していたようです。
優位に立ったあとは▲9八玉の早逃げなど、永瀬七段が手堅くまとめて勝利し、対戦成績を1勝1敗のタイに戻しました。

力関係でも拮抗しているように見えますし、どちらが棋王位を獲得してもおかしくないように思えます。
恐らく第3局以降も角換わりの将棋になりそうな感じなので、序盤研究でどちらが競り勝つか、という展開になるかもしれませんね。

■里見女流五冠、奨励会退会&蛸島女流引退(女流棋界の話題)

最後に女流棋界の話題を。

プロ棋士挑戦のため三段リーグを戦ってきた里見女流五冠ですが、年齢制限の救済措置である三段リーグ勝ち越しを果たすことができなくなったことにより、奨励会を退会することとなりました。
またこれまで長きにわたり現役生活を続けてきた、最初の女流棋士である蛸島女流が引退を決め、先日残っていたすべての対局を終えました。

里見女流五冠は、今後は女流棋戦での対局がメインになりそう。
女流タイトルを取り続けていれば、一部の男性棋戦で活躍するチャンスもあるのですが、そこからプロ棋士への道はかなり険しいと言わざるを得ません。
とはいえ、ここまで過密スケジュールを駆け抜けてきた里見女流五冠の奮闘ぶりは素直に賞賛したいと思います。

また、初の女流棋士として活躍を続けてきた蛸島女流の引退も大きな話題に。
将棋界をこんなにも豊かにしてくれたのは、蛸島女流を含めた女流棋士の貢献も大きかったですから。
ひとまず、お疲れ様でした。

■おまけ(きょうの藤井聡太)

そういや忘れてました。
先週も対局が1局あり、王座戦の2次予選で元「鬼の奨励会幹事」として当時の奨励会員(当時だと糸谷八段とか山崎八段とか)らを震え上がらせていた畠山鎮七段と対戦して、勝利を収めております。

今のところは淡々と予選を戦う日々が続きますが、高校生活が始まるとどうなるか。
羽生二冠なども苦しんできた道ですが、なんとか貫き通してもらいたいものです。

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by mitsuboshi03 | 2018-02-25 14:40 | 将棋 | Comments(0)
ちょっと色々立て込んでるのと、体調が優れないので縮小更新。
しかし、どでかいネタが入ってきましたねえ。

■きょうの藤井聡太(朝日杯制覇!五段昇段から半月足らずで六段へ!)

まずはこのネタから。
藤井聡太五段が朝日杯準決勝で羽生二冠を、決勝で稲葉八段を破り、初の棋戦優勝を達成。
また昇段規定により15歳にして六段へ昇段することとなりました。

いやー、ダメモトくらいの調子で「こうなるといいですね」くらいに書いてたのですが、まさか実現させるとは。
これはちょっと、二代目将棋星人とか、「アンサイクロペディアにホラを吹かせなかった男」ハンス・ルーデルに若干近づきつつあるかなあ、といった印象。
ちなみに主催の朝日新聞は、嬉々として1面で報じてましたね。

これでとりあえず、今期の目標は達成。
あとは高校生活と両立させつつ、予選を勝ち抜いていく日々が続きます。
なお、朝日杯の前に行われた新人王戦では、デビューしたての古森四段に勝利しております。

■棋王戦第1局は渡辺棋王が制す

そして先週行われた棋王戦第1局ですが、永瀬「軍曹」七段の粘りにかなり手こずったものの、なんとか渡辺棋王が勝利をものにしました。
渡辺棋王本人も語っている通り、「固めてドカン」の将棋から「囲わず速攻」の波になかなか乗り切れていない状態が続きますが、なんとか虎の子のタイトルは死守したいところでしょう。



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by mitsuboshi03 | 2018-02-18 16:53 | 将棋 | Comments(0)

スポーツ、将棋、ミリタリー、オタクネタ、地元長野ネタなど節操なしに書きまくります


by mitsuboshi03