2018年 11月 03日 ( 1 )

色々と忙しくなりはじめる11月となりました。
また、すでに寒さが一段と身にしみるようになってきております。
身体が寒さに慣れてくればこっちのもんなのですが、毎年それまでが、ねえ。

さて今回も将棋ネタ。
できれば明日別ネタを書きたいので、今回もさらっとな感じになっちゃいますがご了承をば。

■斎藤慎太郎七段、王座を奪取!(王座戦五番勝負 第5局)

まずはタイトルの行方が決まった王座戦から。
王座戦五番勝負の最終局である第5局が10月30日に山梨県甲府市の「常磐ホテル」で行われ、勝利した挑戦者の斎藤慎太郎七段が王座を奪取することとなりました。

常磐ホテルといえば、昭和天皇の宿泊先に選ばれるなど、山梨の迎賓館として有名な老舗。
私も何度か足を運ぶ機会がありましたが、いつ行っても美しい庭園は見もの。

亡き師匠の米長永世棋聖の故郷である山梨で、絶対に負けられない戦いを迎える中村王座。
立ちはだかるのは、関西期待の有望株である斎藤慎太郎七段。
イケメン同士の五番勝負だったことから、「王子戦」とも呼ばれた今年の王座戦五番勝負。
いよいよ本局で決着となります。

将棋の方は、最終局ということで改めて運命の振り駒が行われ、斎藤七段の先手番に。
戦型は、最近どこでもこればっかりの角換わり腰掛銀。
同じようでも、細かいところで工夫が行き届いているのがトッププロの将棋で、本局では先手の斎藤七段が最近流行の▲6八玉~▲4八金~▲2九飛に構えたのに対して、後手の中村王座が△7二金としたのが工夫の一手。
場合によっては△5四銀から△6一飛と6筋から攻めかかる狙いを秘めています。

本局で後手の中村王座は、△6二金と右金を通常の位置に戻してから△6五歩の位取りを選択。
この6筋の位は、本局のようにいずれ▲6六歩と先手の反発を誘発することとなるのですが、先手の王様近くで戦いが起こることになるので、あわよくばそのまま先手の王様だけ終盤戦にしてしまおう、というのが中村王座の思い描いていた展開だったようです。

その思惑を打ち砕いたのが、1日目のおやつタイム前に斎藤七段が放った▲4五角の強手。
この角は一旦1八へ追いやられたものの、この角打ち一発で後手の飛車が不自由になり、後手からの攻めが頓挫してしまいました。
中村王座も必死の粘りで差を詰めますが、終盤に一瞬訪れたチャンスを掴むことができず、斎藤七段がそのまま押し切りました。

さて本局の結果により、斎藤新王座誕生、ということになりました。
2015・2016年度に年度勝率1位、2017年には羽生棋聖(当時)に挑戦、と着々と実力を蓄えてきただけに、このチャンスをものにできたのは大きいといえます。
他棋戦でも好調を維持しているだけに、早いうちに二冠、三冠と伸ばしていきたいですね。
また棋界屈指のイケメンというか男前なだけに、これを機会に、特に女性ファンが一層増えるといいなと思います。
また師匠の畠山鎮七段にも、ニコ生ですぐに結果を報告できたようでなによりでした。
ちなみにこの斎藤新王座、ニコ生の解説のときにプレゼント用の色紙に「畠山鎮」と書かされた過去があります。
さらに四段時代には、「関西将棋の日」のイベントで畠山師匠の似顔絵まで描かされていた過去が。
衝撃の似顔絵は、「斎藤慎太郎 畠山鎮 色紙」でググれます(おい)

敗れた中村七段ですが、連敗スタートからなんとか連勝して、師匠の故郷である山梨まで決着を持ち越したのは立派だったと思います。
またタイトル目指して頑張ってほしいものです。
あと、将来の連盟会長候補として、連盟内での活躍にも期待したいところ。

■広瀬八段、後手番で辛くも1勝を返す(竜王戦七番勝負 第3局)

さて今度は竜王戦の七番勝負。
第3局が11月1・2日に茨城県鹿嶋市の「鹿島神宮」で行われ、後手番の広瀬八段が勝利し、通算成績を1勝2敗としております。

さてこの鹿島神宮。
茨城県の鹿嶋市にありますが、神宮の名前は鹿島神宮。
また同じく鹿嶋市を本拠地とする、Jリーグの鹿島アントラーズも鹿島と書く。
あーややこしいんじゃー!

さて将棋の方ですが、こちらも角換わり腰掛銀に。
本局では先手の羽生竜王が、▲5八金~▲7九玉型から5八の金を4七へ持っていく、やや古風な陣形を採用。
一方広瀬八段は、最新型の△4二玉~△6二金~△8一飛で迎え撃ちます。

中盤戦では、羽生竜王が2五の桂馬を取らせてから、みるみるうちに駒損を重ねながら猛攻を仕掛けます。
将棋ソフトは羽生竜王の攻めが細いながらも最後まで繋がるではないか、という見立てのようでしたが、さすがの羽生竜王といえどノーミスでこの細い攻めをつなげることができず、最後は広瀬八段が豊富な持ち駒を活かした攻めで勝ちを収めました。

とにかく、広瀬八段が1勝を返せたのが大きい。
特に後手番をブレークできたのが最高で、次の第4局での先手番をキープできれば、改めて三番勝負を戦うことができます。
羽生竜王の鋭い攻めを凌ぎきったあたり、好調ぶりをまざまざと示せたのではないでしょうか。

本局では敗れた羽生竜王ですが、第2局で先に後手番をブレークしていることもあり、まだ慌てるような展開ではないと思われます。
今週は紫綬褒章受賞、という嬉しいニュースも飛び込んできました。
いずれにせよ、先はまだ長そうですね。

■きょうの藤井聡太(棋聖戦1次予選で村田六段・今泉四段を破る)

さて今週はありました、きょうの藤井聡太。
10月31日に棋聖戦1次予選で村田六段と今泉四段を破り、2次予選への進出を決めております。

この棋聖戦1次予選ですが、2010年度より制度が変わり、持ち時間がチェスクロック1時間となり、対局によっては午前と午後で2局を戦うこともあるとのこと。
本局もそれに当たったようで、藤井七段は午前10時から村田六段と、午後2時から今泉四段と戦うこととなりました。

対村田六段戦では、後手番の村田六段が、振り飛車も匂わせた乱戦模様の相掛かりを選択。
これに藤井七段が激しく応じて、▲1五銀と銀のタダ捨てから猛攻を仕掛けます。
正確に指せば駒得の村田六段が勝てるのではないか、と見られていたようですが、何しろ持ち時間が短い将棋のため、この時点で両者1分将棋。
お互い秒読みの将棋でミスの出やすい将棋となりましたが、こうなると実力に勝る藤井七段が勝ちやすかったようで、村田六段の攻めをうまくいなして競り勝ちました。

さて対今泉四段戦。
NHK杯戦で藤井七段に勝ったときには先手番だった今泉四段でしたが、本局では後手番。
今泉四段はノーマル四間飛車から銀冠に構える持久戦を選びましたが、居飛車党の藤井七段は当然のことながら居飛車穴熊を選択。
今泉四段も激しく抵抗しましたが、角筋を止めるノーマル振り飛車にはやはり居飛車穴熊が効果絶大。
中盤でかなりのリードを許した今泉四段が戦意を喪失し、大差での決着となりました。

今回は持ち時間の短い将棋で、藤井七段もミスが出ると危ない局面もあるかなと思っていましたが、なんとか関門を突破することができました。
先はまだ長いですが、とにかく1つ1つ、勝利を積み重ねていくしかないですね。

■谷川九段、通算1300勝を達成

さて最後に、1つ1つ勝利を積み重ねてきた方の話題を。

谷川九段がNHK杯戦2回戦での対稲葉八段戦に勝利し、通算1300勝を達成しました。
これまでに通算1300勝を達成したのは、大山十五世名人・中原永世十段・加藤「ひふみん」九段・羽生竜王の4名。
この名だたる棋士たちに、谷川九段も加わることとなりました。

対稲葉八段戦ですが、戦型はやはり最新型の角換わり腰掛銀。
後手番の稲葉八段が、5四に居る銀を6三へ戻してまた5四へ、と千日手含みの待機策を取ったのに対し、一旦▲7九玉と王様を深く囲ってから、決然と▲4五桂から攻めを敢行。
以後も攻勢を緩めることなく、全盛期を彷彿とさせる一手勝ちで快勝しました。

近年は負担の重い将棋連盟会長職で苦しんでおりましたが、会長職を佐藤現会長に譲ってからは持ち前の鋭い攻めと「光速の寄せ」が戻ってきたように思います。
あと100勝、となるとかなり厳しいかと思いますが、まだまだ頑張ってほしいですね。
通算1300勝、おめでとうございました。

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by mitsuboshi03 | 2018-11-03 14:35 | 将棋 | Comments(0)

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