今日は子供の運動会。
恒例の保護者綱引きは不参加の予定でしたが、
「人手が足りないんで、ネコの手でも欲しいんです!」
との悲痛な叫びに「しょうがにゃいにゃあ」と手を上げる。

そして1戦目を終えた時点で非情なアナウンスが。
「定員を6人オーバーしてましたんで、6人減らしてもう1戦やります」

おめーちゃんと数えろよこの(以下略)

と、面と向かっては言わないのが大人の処世術であります(おい)

さて今回も将棋ネタ。
将棋界の春シーズン総決算となりつつある週のため、またも詰め込みぎみのあっさり風味でお送りします。

■高見新叡王誕生!(叡王戦七番勝負 第4局)

さてまずはタイトルの行方が決まった叡王戦から。
昨日の5月26日にグンマー群馬県の富岡製糸場で叡王戦七番勝負の第4局が行われ、これに勝利した高見六段が4連勝で叡王位の奪取に成功しております。

なお棋譜は公式サイトから無料で読めますので、そちらを見ながらだと理解が早いかもしれません。
棋譜はこちら↓
さて将棋の方ですが、この七番勝負で数多く採用されている矢倉模様に。
とはいえ、私が子供のころ覚えたような昔ながらの相矢倉24手定跡みたいなガッチリ囲うスタイルではなく、先手番の高見六段が31手目に指した▲6七金左のように、相手からの角打ちに備えたバランスと広さ重視の駒組みに。

囲い自体はそれこそ江戸時代からやってそうなんですが、角を打たれるリスクを極力回避しようという発想ががまさしく流行最先端、というかコンピュータの発想ですね。
後手番の金井六段が5二に居る金を、例えば△4三金右のように玉側に引き付けなかったのも、この発想の応用といえます。

そんなこんなで、一足先に駒組みが完了した先手の高見六段がまず先攻。
金井六段も頑強に抵抗し、盤面ではリードを築くことに成功します。

だがしかし、盤面では攻めが切れたように見えた先手の高見六段でしたが、十八番の勝負手連発により、金井六段の持ち時間と精神力にダメージを与えることに成功。
これが、これまでの対局と同様、勝敗に大きく関わることとなります。
結論からいいますと、138手目の△4三金打がまずく、高見六段の逆転勝ち。
代えて△5四香ならまだ後手リードだったようですが、その先も中々難しかったとのこと。

まず敗れた金井六段ですが、実力自体は高見新叡王と遜色なく、こと盤面での勝負に関しては凌駕していたと思います。
敗れたのは、膨大な変化をきっちり読み切って勝つ、という郷田九段譲りの格調高い棋風が、高見六段による中終盤の逆転術にバッチリ嵌ってしまった、というところが大きいでしょう。
またタイトル初挑戦ながら、タイトル戦昇格による絡みで防衛側役をやらされたり、盤外でも色々と気を使わざるを得ない状況に追い込まれたのも不運でした。

とはいえ、まだまだ32才と前途は洋々。
本人も語っていた、32才の可能性を存分に示していただきたいと思います。

一方高見新叡王ですが、終わってみれば、叡王戦という特異なタイトル戦のシステムにいち早く順応できたのが勝因かな、と思います。
特に、チェスクロック制を採用したことによる持ち時間の短さを逆手に取り、中終盤で「相手が気が付きにくく、なおかつ解決が容易ではない手」を連発することにより、相手の持ち時間と精神力を奪う戦術が見事にハマりました。
こういう手法で勝つのを嫌う手合は少なからずおり、もし私も戦うこととなれば、極めて厄介な相手だと言わざるを得ないのですが、こと対人間戦に関しては極めて有効であり、ある意味まっとうな戦術だと言えるでしょう。
例えば持ち時間の長い対局で、羽生二冠や豊島八段といったトップクラスの棋士を相手にこのような指し回しが通用するか、といった問題はありますが、タイトル争いをする上では、極めてあなどれない棋士が現れたな、という印象を受けました。

大学を卒業して、将棋に専念できているのが好調の要因と思われます。
高見新叡王の今後の活躍に期待したいですね。

■羽生「宿題やった?」天彦「やったよ」(名人戦七番勝負 第4局)

さて今度は、先週の土日(5月19・20日)に行われた名人戦第4局の話題を。
羽生二冠が第3局までで2勝1敗とリードしており、この第4局を制すれば名人復位に王手をかけられるところでしたが、佐藤名人がきっちりと勝ち切り、対戦成績を2勝2敗の五分に戻しております。

名人戦は棋譜中継がすべて有料のため、あまり手の解説をするのは気が引けるのですが、本局は棋譜の部分で結構面白いところがあるので、かいつまんで説明しますね。

さて出だしですが、先手の佐藤名人が、
「今日は相掛かりにしませんか?」と初手▲2六歩を指したところ、
いつもは相手の注文を受け止めるのが普通の羽生二冠が、
「いや、今日は別の戦法を指したいんだ」
と二手目を△3四歩で応じます。
では何を指したいのか、と思っていましたら、スラスラと横歩取りへ誘導。
しかも、先日の王位戦リーグで松尾八段をわずか55手で粉砕した将棋の松尾八段側を持つ、という趣向を見せます。

一昔前なら「ちょっと情報早すぎませんかねえ」と研究不足を露呈する棋士も少なからず居たのですが、そこは高度なコンピュータシステムが機能する現代社会。
佐藤名人はきっちりと回答を用意しておりました。
それが31手目の▲2三歩。
一見してこれといった狙いが感じられないため盲点となる一手で、羽生二冠も対応に苦慮せざるを得ませんでした。
なおコンピュータにかけると、この▲2三歩が最善手とのこと。
いやー、ちょっと人間には読みにくいですね、この手。

とはいえ、そこはさすがの羽生二冠。
ただ▲2三歩に手をこまねいてるわけはなく、△4四馬から何だかんだと手を作ります。
しかし、この後の佐藤名人の手も完璧。
▲1六角△4三香の交換を入れて、羽生二冠の虎の子の手駒を無駄に受けに使わせると、すぐさま▲8五飛から▲3八銀として、先手陣を引き締めにかかります。
後手の羽生二冠は先手陣に飛車を打ち込むのが楽しみだったのですが、佐藤名人の引き締め策が絶品で、この後羽生二冠が先手陣に飛車を打ち込むチャンスはついぞありませんでした。

以後は佐藤名人が鮮やかな完封リレーを見せ、あの羽生二冠を相手にパーフェクトゲームを達成。
実に見事な収束でした。

負けると防衛が危うくなる一戦でしたが、佐藤名人の対応が素晴らしかったですね。
佐藤名人の実家からわずか1kmほど、という福岡市のホテルでの一戦でしたが、地元に錦を飾る一勝を上げることができました。
これからは改めて三番勝負となりますが、あらかじめ先後が決まっている第5・6局に両者がどのような戦法を採用するかが勝敗の鍵を握ると思われます。
第4局までと同様、「これが名人戦」という濃厚かつ上質の将棋に期待します。

■西山奨励会三段、新女王に!(マイナビ女子オープン五番勝負 第4局)

さて今度は女流棋戦の話題を。
加藤女王(奨励会初段)に西山奨励会三段が挑んだマイナビ女子オープン五番勝負ですが、先週第4局が行われ、この対局に勝利した西山奨励会三段が、3勝1敗で新女王に輝くこととなりました。

西山奨励会三段は、現在三段リーグに所属する22才。
只今、女性初のプロ棋士に最も近い立場に居ます。
振り飛車から豪快に捌いて暴れるという、一昔前のプロ棋士のような指し回しが特徴で、「棍棒を持って暴れる野蛮人」のような棋風という評価が定着しております(おい)
今の世知辛い三段リーグでは、当然ヒドい目に遭うことも多いのですが、こういう型破りの新四段が出てきてもいいだろう、という声は少なからずあります。

奨励会では加藤奨励会初段より当然ながら格上。
なのですが、こと女流棋戦に限ってはこれまで部が悪く、ほぼ全くといっていいほど勝てていなかったのですが、今回初めて殻を破りました。
とはいえ、一番欲しいのはなんといっても新四段の座。
今期の三段リーグでは4勝2敗とまずまず良いスタートが切れているだけに、今期こそ猛ダッシュを決めてもらいたいところ。

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# by mitsuboshi03 | 2018-05-27 21:30 | 将棋 | Comments(0)
予定が空いたので、金曜日にお休みをもらう。
今週がいろいろ予定があるので、しばしの休息を。
ま、たまにはこういうのもいいよね。

さて今回も将棋ネタ。
先週も話題満載のため、あっさり風味でお送りします。
あと、只今名人戦第4局が絶賛開催中ですが、いつ終わるかわからないため、結果は来週に回します。

■藤井聡太、史上最速での七段昇段(竜王戦5組ランキング戦)

まずは大きな注目を集めたこの話題から。
藤井聡太六段が、5月18日に行われた竜王戦5組ランキング戦で船江六段を破り、ランキング戦での昇級を確定。
これによりランキング戦連続昇級の規定を満たしたため、七段へ昇段することとなりました。
15歳9ヶ月での七段昇段は、加藤「ひふみん」九段の記録を上回る新記録。
またデビュー2年目での七段昇段、ってのも今後まず現れないであろう大記録に。
それにしても、こういうチャンスを逃さないってところは、さすがです。

さて対船江六段戦はどうなったかと言いますと。
船江六段が、本局に向けてとっておきの戦法を披露。
今や現代プロ将棋では絶滅危惧種となりつつある、角換わり棒銀を採用しました。
もちろん船江六段なりの工夫もあり、それが▲7八金を保留したこと。
通常ですと▲7八金と守りを整備してから棒銀に出るのですが、そうするとほぼ先手不利の定跡が既に確立してしまっております。
▲7八金を保留すると、いきなり終盤戦に突入する怖い変化が多く危険ではあるのですが、後手もその変化に飛び込むのは勇気がいるため、たまーに試す分には十分勝算のある戦法といえます。

本局の藤井七段は、怖い変化には踏み込まず、銀交換を受け入れるやや妥協した手順を選択。
持ち時間に1時間以上差がついたこともあり、序盤の分かれは船江六段がポイントを上げたように思えました。
しかし、藤井七段が△2八銀とやや露骨に銀を打ち込んだのが意外に利いていたようで、中盤以降は藤井七段が優位を確立。
船江六段も必死の追い上げを見せたのですが、最後は藤井七段が23手詰を見切った華麗な寄せを見せての勝利を収めました。

最後の局面で、船江六段がもう少し指すのではないかと思いましたが、23手詰めをかけられた
ところで投了したところに美学を感じました。
藤井七段と同じく、詰将棋作家であり、詰将棋選手権での優勝経験のある船江六段。
もしかすると、ちょっと前の局面からこうなることを想定していたのかもしれませんね。

■王位挑戦者の行方は3人に絞られる

さて次は王位戦。
リーグ戦が5月17日に全日程を終了し、挑戦権の行方は3人に絞られることとなりました。

王位戦リーグは、紅組と白組に各6名が入り、各組でトップに立った2名が挑戦者決定戦を戦うというシステムになっております。
まず紅組ですが、トップ争いは3勝1敗で並んでいた羽生二冠と村山七段に権利が。
羽生二冠は55手で松尾八段の研究していた横歩取りを打ち砕いたのに対し、村山七段は大激戦の末に木村九段に敗れたため、羽生二冠が勝ち抜けることに。
一方白組は、4連勝でトップを走っていた澤田六段が阿久津八段に敗れて一歩後退。
その隙に、佐々木大地四段に勝った豊島八段が4勝1敗で追いつきました。

というわけで王位戦挑戦者は、まず澤田六段と豊島八段が戦い、その勝者が羽生二冠と戦って挑戦者を決める、という展開になります。
まんべんなく勝っている人がやっぱり出てきたか、という感じになりましたね。

■マイナビ女子オープン五番勝負 第1~3局 

さて最後に女流の話題を。
女流棋界最高額の賞金がかかるマイナビ女子オープン五番勝負が現在第3局まで進行中で、ここまで挑戦者の西山奨励会三段が、2勝1敗で加藤女王をリードしております。
奨励会の段位で言うと、西山三段vs加藤初段で西山奨励会三段優位ですが、女流棋戦での成績は加藤女王の方に分があるだけに、ここからどう転がるかはまだまだ予断を許さない状況かなと思います。

第4局は5月24日(木)に東京の将棋会館で行われます。

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# by mitsuboshi03 | 2018-05-20 10:52 | 将棋 | Comments(0)
所用で久々に遠出。
といっても車で1時間足らずのところなんですが。
まあたまにはこういうのもいいか。

さて今回も将棋ネタ。
春のタイトル戦もいよいよ中盤戦、ということで話題満載のため、ざっくりとお送りします。

■羽生二冠が名人奪取へ一歩リード(名人戦七番勝負 第3局)

まずは名人戦の話題から。
名人戦七番勝負の第3局が5月8・9日に行われ、先手の羽生二冠が勝ち、名人奪取へ向けて一歩踏み出す形となりました。

将棋の方ですが、後手の佐藤名人がやや意表を突いて角換わりを採用。
序盤早々に△6五歩~△6四角を決めて、ゆったりした駒組み争いを志向します。
構想力が問われる難しい局面が続きますが、そんな中でも羽生二冠はすいすいと7筋と9筋の位を取り、大きく模様を張って盤面全体を押さえ込もうとします。
個人的には羽生二冠側の陣形がまとめづらいのでは思っていたのですが、そこは羽生二冠。
▲3四歩△同銀と後手陣の形を乱してから、▲2六桂~▲3四桂と銀を取りつつ急所に桂馬を据える構想が実現し、優位に立った羽生二冠がそのまま押し切りました。

すぐには争点が見えにくい難解な局面が続く中、きっちりとまとめ上げた羽生二冠はやはり流石としか言いようがありません。
こういう将棋をやらせたら、やはり当代右に出る者はいないでしょうね。

一方、切り札の横歩取りを温存した佐藤名人も、名人戦七番勝負全体の組み立てとしては悪くない選択だったと思います。
相手が強すぎただけで、並の相手なら普通に勝っていたんじゃないかという出来でした。
恐らく第5局の後手番では横歩取りを採用すると思われるので、そこが勝負になるでしょうね。

次の第4局は、羽生二冠が勝てば3勝1敗と大きなリードをつけられるチャンス。
一方佐藤名人が勝てば、2勝2敗で改めて三番勝負、ということになります。
終盤戦の動向を左右する重要な一局になると思われますが、後手の羽生二冠がどんな戦法を選ぶかが大きなカギを握りそうです。
角換わりか横歩取りを予想しますが、場合によってはゴキゲン中飛車や藤井システムといった振り飛車をもってくる可能性もあり。
相手に研究の的を絞らせないのが羽生将棋の憎いところであります。

第4局は、名人戦には珍しく5月19・20日の土日開催となります。
がっつり見るのは辛いんで、ニコ生を流し見程度にしとこうかなと(苦笑)

■高見六段、早くも金井六段をカド番へ追い込む(叡王戦七番勝負 第3局)

今度は昨日の5月12日に、あの独眼竜正宗の菩提寺である瑞巌寺で行われた叡王戦七番勝負の第3局について。

この局に敗れると後がなくなる金井六段。
後手の高見六段が、予想通り十八番の横歩取りへ誘導すると、第1・2局の反省を生かしてか、▲6八玉~▲4八銀~▲5九金という積極的な構えから▲1四歩からの速攻を決行。
その後も棋風に似合わず、終始積極的な指し回しで優位に立ちます。
このあたりの序盤は、この日現地解説担当で研究仲間の広瀬八段との研究通り、と広瀬八段が語っておりました。

このまま決まってしまうのか、と思われたのですが、高見六段も△6三銀など怪しい手を繰り出して対抗。
コンピュータ的には大差ながらも、人間が勝ち切るには容易ではない局面を作り上げ、最後は千日手に持ち込むことに成功しました。

休憩のあと、21時から行われた指し直し局は、矢倉の出だしから相掛かりへ移行し、ろくに王様を囲わないまま乱戦に突入するという最近よく見られる将棋に。
千日手指し直しのため後手番に回った金井六段は、9筋の端攻めに勝負をかけますが、高見六段は巧みにその攻めをいなして中央から殺到。
優位に立った高見六段が一気に攻勢をかけ、勝利をものにしました。

ここまで3連勝と優位に立つ高見六段。
全体的に見れば雑なところもありますが、不利になっても決め手を与えず、相手の読みを外す果敢な勝負手で接戦をものにするスタイルが、チェスクロック1時間や3時間という比較的短い持ち時間で行われる叡王戦に見事に適合していると言えます。

もっと持ち時間の長い順位戦のような対局では対応できても、この短時間でこういう組み立ての将棋相手に勝利するのは容易なことではありません。
一手も隙のない、コンピュータみたいな将棋を好む2chスレ住人みたいな手合いには受けが悪いスタイルですが、人間相手にはこういう指し回しも有効で、これはこれで味があって評価するに値するのではないかと個人的には思っております。
みんながみんなコンピュータや羽生二冠みたいに指す将棋界、ってのもそれはそれで味気ないですからね。

あと、「あれもこれも、好きなものみんな食べたい!」と言わんばかりの食事の頼み方など、初めてのタイトル戦を存分に楽しんでる姿勢も、ここまでの好成績を支えていると思います。
いい意味で我を通す、というのもタイトル戦の番勝負では重要なことですから。

一方の金井六段ですが、尊敬する郷田九段ばりの長考から、精緻に局面を読み込んで勝負を決めに行くスタイルが見事に狙い撃ちされている印象。
並の棋士相手なら決まっているはずが、土俵際で持ちこたえられているうちに持ち時間が切迫してミスを重ねる、という悪循環に陥っている印象があります。
またこちらも初のタイトル戦にもかかわらず、席次が上なために防衛戦のような立ち振舞を強いられている、というのも悪い方に働いているのかな、と。
とはいえ局面自体は優位に立っている場面が多いですし、こうなったからには開き直って戦うしかないでしょう。
本人も第3局が終わった後に語った通り、この後どうするかが大事ですから。

あと、本局はニコ生で中継があったのですが、木村九段の解説に里見女流五冠の聞き手という豪華な組み合わせ。
里見女流五冠はニコ生での聞き手が初めてということで、最初は緊張しておりましたが、徐々に硬さが取れてきてからは時に鋭い手の指摘もあって楽しめました。

■きょうの藤井聡太(王座戦本戦で屋敷九段を破る)

さて先週は対局がなかったのでしれっとお休みしてしまった、きょうの藤井聡太を。
先週は5月7日に王座戦本戦で屋敷九段と対戦し、勝利を収めております。

角換わりの出だしから、先手の屋敷九段が早繰り銀から先攻。
後手の藤井六段も、居玉ながらすぐさま強烈なカウンターで応じ、昼間っから華々しい戦いが繰り広げられます。
どちらの攻めが勝るのか、という展開になりましたが、藤井六段の攻めが的確に屋敷玉を捉えていたようで、最後は藤井六段が得意の終盤術で一手勝ちを読み切り、快勝しました。

もうすっかり驚かなくなりましたが、それでも本戦で元タイトルホルダーの屋敷九段を相手に堂々と勝利を収めたのは立派の一言。
次は羽生二冠と深浦九段との勝者と当たりますが、今から対局が楽しみです。

なお今週は5月18日に、竜王戦ランキング昇級と七段昇段を賭けた、船江六段との大一番が控えております。
恐らく報道陣も大挙して押しかけると思われる注目の一戦。
期待して待ちます。

■里見女流王位、まさかの着地失敗(女流王位戦五番勝負 第1局)

さて最後に女流の話題を2つ。
まずは5月9日に開幕した女流王位戦五番勝負の第1局。
里見女流王位(五冠)に挑むのは、初のタイトル戦挑戦となる渡辺女流二段。

振り駒で先手番を握った里見女流王位は、得意の先手中飛車を採用。
一方、渡辺女流二段は銀冠穴熊と持久戦を志向します。
すんなり銀冠穴熊を完成させると分が悪い里見女流王位は、囲いを完成させる前に仕掛けを敢行。
優劣不明の局面が続きますが、終盤の入り口でリードを奪った里見女流王位が、最短距離の攻めで一気に渡辺女流二段を倒しにかかります。

このまま押し切るか、と思われた里見女流王位でしたが、最後の最後でまさかの着地失敗。
即詰みを逃した里見女流王位が、渡辺女流二段に勝ちを譲る結果となりました。

まさかの結末となりましたが、まあこんなこともたまにはあります。
里見女流王位も、この後は切り替えていくんじゃないかと。

一方、渡辺女流二段は薄氷を踏む思いながらも、初のタイトル戦で緒戦を制することに成功しました。
タイトル戦を勝つ秘訣は、まず1つ勝つこと。
あと2つ勝つのが大変ですが、それでも3連敗を避けられたのは大きい。
この後は伸び伸びと戦えるのではないでしょうか。

■加藤女王、NHK杯戦で男性プロ棋士を破る

最後に、本日放映されたNHK杯戦の話題を。

本日放映されたNHK杯戦で、加藤女王が及川六段を破りました。
NHK戦では、中井女流以来14年ぶりの女流棋士の勝利となります。
最後は及川六段が着地に失敗したようですが、それでも勝ちは勝ち。
加藤女王、おめでとうございます。

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# by mitsuboshi03 | 2018-05-13 17:08 | 将棋 | Comments(0)
長かったゴールデンウィークも、残すは今日だけ。
過ぎてしまうと短いもんです。
あまり大したことはしてませんが、久々にのんびりできたのは良かったかなと。

さて今回も将棋ネタ。
例年通り、コンピュータ将棋選手権の話題を中心にお送りします。

■今年のコンピュータ将棋選手権はHefeweizenが制す

さて将棋界のゴールデンウィークといえば、コンピュータ将棋選手権。
なんだかんだで今年が28回目。
人間と競り合った時代は過去のものとなりましたが、今年もコンピュータ将棋の頂点を目指した熱い戦いが繰り広げられました。
何しろ話題が多いので、3日間における戦いぶりを箇条書きにしてみます。

@1日め(5月3日、1次予選)

・例年より多い40チームが参戦。
・スイス式トーナメント8回戦を戦い、上位8チームが2次予選に進みます。
・玉石混交で、ところによっては微笑ましい棋譜もまだ見受けられる癒やしの日。
・とはいえ今年は平均レベルが大分上がり、この日から熱戦が繰り広げられることに。
・しかし、きふわらべは相変わらず癒やし(おい)
・る、ルール通りには指せたから(震え声)

・この日の話題の中心は、フランスからの刺客であるCrazy Shogi。
・囲碁ソフトでの経験を活かし、話題のディープラーニングをひっさげて、今年からコンピュータ将棋へ殴り込み。
・しかし完全自前主義が仇になったか、5勝3敗の12位で惜しくも予選落ち。
・また来年楽しみにしてます。

・ニコ生の中継が無かったので、大合神クジラちゃん2の中の人であるえびふらいさんのニコ生を情報源に。
・主だった開発者やプロ棋士をゲストで呼んでくれることもあり、第二公式としての地位を確立しつつあり。
・きわどいネタもちらほらあるので、人を選ぶ中継ではあるのですが。
・今年はむしろ公式中継より見ていたかも(おい)

・さて1次予選の結果ですが。
・コンピュータ囲碁界からの初参戦であるPALが、唯一の8戦全勝で首位通過。
・以下主だったところで言うと、Hefeweizen(人造人間18号+shotgunのコンビ)、老舗のNovice、初期のネタっぷりから超速の進歩を遂げつつある名人コブラ、あたりが予選を突破。
・惜しくも予選敗退となった中で主だったところは、先ほど上げたCrazy Shogi(12位)に、久々の出場ながら機材搬入のトラブルでの不戦敗が響いたツツカナ(9位)、そして古豪の柿木将棋(13位)や芝浦将棋Softmax(14位)といったところ。

@2日め(5月4日、2次予選)

・1日めの1次予選を突破した8チームに、昨年までの成績によりシードされた16チームを加えた合計24チームが、3日めの決勝進出8チームと、来年の予選シード枠である16チームの座を賭けて争うのが2日めの2次予選。
・この日はスイス式トーナメント9回戦を戦います。

・ニコ生の公式中継と、えびふらいさんのニコ生の二元中継で視聴。
・手の解説中心の公式中継と、開発者の生々しい話(意味深)が聞けるえびふらいさんのニコ生。
・棲み分けができてて良かったんじゃないかと。

・例年ですと、1次予選突破組がシード組の厚い壁に阻まれる、というのが定番の展開。
・だが今年は、1次予選組が非常に強かった。
・Hefeweizen(2位)、PAL(4位)、名人コブラ(6位)が決勝進出。
・そのアオリを受けてか、なのは(20位)、NineDayFever(21位)、GPS将棋(22位)といった強豪ソフトが、なんとシードからも漏れることに。

・その一方で、Aperyが3位と堂々の決勝進出。
・中の人(平岡さん)のリアルが充実してきたのが大きかったのか(おい)
・そして大合神クジラちゃん2も、準優勝経験者のnozomiちゃんを最終戦で辛くも破り、滑り込みセーフで決勝進出。
・Ponanzaなきあとのコンピュータ将棋で、ヒール役を継承できるか(待て)
・なお2次予選首位はタヌキさん(本名は長すぎるので省略)
・この日は実力が少し抜けてるかな、と思っていたのです、が。

@3日め(5月5日、決勝)

・さていよいよ、勝ち残った8チームの総当たりで優勝を決める決勝戦。
・絶対王者のPonanzaが引退して、本命不在の混戦を制するのは、誰か。

・優勝したのはHefeweizen。
・コンピュータ将棋選手権では初参加だが、人造人間18号とshotgunのベテラン開発者が、がっちりタッグを組んだ強力ソフト。
・特にshotgun譲りのponderスナイプ(相手考慮時間中の先読み)がビシバシ決まった模様。
・ちなみにHefeweizenとは、ドイツのビールの一種(ろ過してない白ビール)とのこと
・強かったです。優勝おめでとう。

・2位にPAL。
・コンピュータ囲碁からの参戦組ながら、今年いきなり2位に食い込む健闘ぶり。
・敵対的学習(既存ソフトの穴を突く教師を作って学習させる)の技術が鍵を握っていた、らしい。
・実際にやろうとすると、とーんでもなく難しいはずなのですが、えびふらいさんのニコ生では、その一端をとーっても分かりやすく説明してくれました。
・り、りろんはしってる。
・頭のいい人って、居るもんですねえ。

・3位はApery。
・決勝でも、やや地味な扱いを受けながらも、凶悪な攻めがヒット。
・ここ数年は不本意な成績でしたが、いよいよ復活でしょうか。
・今やすっかり、やねうら王(なお、中の人が見に来てた模様)ライブラリ全盛時代となりましたが、ライブラリといえば元々Aperyが老舗(その前がbonanza)
・そちらの意味でも、復活を期待してます。

・4位に名人コブラが食い込む。
・優勝したHefeweizenに、決勝で唯一の土をつけました。
・いろんな評価関数のブレンドの仕方に強さの秘密が。
・中の人もまだまだ若いみたいなんで、もっと強くなりそう。

・5位はタヌキさん。
・決勝でまさか3敗するとはねえ。
・しかも、くじらちゃん相手に辛くも256手引き分けで逃げ切る苦しい将棋に。
・えびふらいさんのニコ生では、礼儀正しくも黒ーい発言がチラホラ。
・楽しゅうございました。

・そして6位に大合神クジラちゃん2。
・有能定跡である「まふ定跡」を積んでいたものの、ハズレ定跡を引き見事爆沈。
・Hefeweizen戦では、持ち時間の管理を誤り、まさかの時間切れ負け。
・序盤早々に1兆局面を優雅に読みふける、おちゃめなクジラちゃん爆誕(おい)
・それでも、名人コブラやタヌキさんに引き分けたのは立派。
・えびふらいさん、中継お疲れ様でした。

・7位は妖怪惑星Qhapaq。
・ここまで2次予選敗退くらいが多かった気がしますが、今年は堂々の決勝進出。
・着実に実力をつけている気がします。頑張れ。

・8位は「わっふるわっふる」ことHoneyWaffle。
・振り飛車主体で、こちらも堂々の決勝進出。
・でも結構居飛車での勝ちも多かったみたい(おい)
・振り飛車党期待の星として、健闘を期待します。

・総評ですが。
・ディープラーニングは、まだまだ将棋ソフトにフィットさせるのに時間がかかりそう。
・一方、これまでの3駒関係による探索にも限界が見えてきました。
・ちょーっと手詰まり感かなーっと。
・昨年後半に猛威を奮ったApery+Qhapaqを負かせるソフトが、意外と少ない感じ。

・えびふらいさんのニコ生でPALさんが来た時に話してくれたのですが。
・コンピュータ囲碁界のトップクラスは、年間億単位で金をかけてるそうな。
・そりゃ強くなりますが、もはや個人単位ではどうにもならない世界ですなこりゃ。
・コンピュータ将棋界だと、数十~数百万くらいですかね。
・ガンガン研究したいなら囲碁、個人でちまちまやりたいなら将棋、って棲み分けになりそう。

■羽生棋聖に挑むのは、豊島八段に!(棋聖戦 挑戦者決定戦)

さて祝日にもかかわらず、将棋界で大きな一番がありました。
棋聖戦の挑戦者決定戦が5月3日に行われ、三浦九段を下した豊島八段が羽生棋聖に挑むこととなりました。

将棋の方ですが、角換わり模様から、序盤早々に三浦九段が猛攻を敢行。
一気に終盤戦となる激しい将棋となりました。
三浦九段の踏み込みがもう少し鋭ければ結果は変わっていたかもしれませんが、土俵際スレスレで何とか踏みとどまった豊島八段の指し回しも光りました。

豊島八段が羽生棋聖に挑むのは、2015年に続いて2度目。
通算5度目のタイトル挑戦となる豊島八段ですが、未だ無冠の帝王を脱却できておりません。
本人が一番辛いでしょうが、残された時間はもうそれほど多くありません。
何としても、ここはタイトル奪取を。

一方、名人戦からの連戦となる羽生棋聖。
昨年後半からの好調ぶりをどこまで維持できるかが、勝敗を分けることになるでしょう。

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# by mitsuboshi03 | 2018-05-06 09:32 | 将棋 | Comments(0)
今年は平穏無事なGWになりました。
そうそう、こういうのでいいんだよ。

さて、さっそく本文を書き始めますかね。
先週はそこそこ話題のある週でした。

■高見六段、開幕連勝スタートに成功(叡王戦七番勝負 第2局)

まずはタイトル戦の番勝負から。
昨日の4月28日に叡王戦七番勝負の第2局が福岡県の宗像大社で行われ、高見六段が勝って開幕連勝スタートを果たしております。

将棋の方ですが、先手の高見六段が矢倉を志向。
これに対して、後手の金井六段は最近の傾向通りに早繰り銀から急戦シフトを引きます。
その後は押したり引いたりの第二次駒組み戦へ移行。
夕食休憩前までほぼ互角の進行でしたが、ここから形勢が二転三転する、手に汗握る展開に。
しかし最後は、終始攻める姿勢を見せていた高見六段の方に勝利の女神が微笑みました。

金井六段も健闘しましたが、相手の攻めを凌ぐ局面が多く、そこで持ち時間を使い果たしてしまったのが最後に祟った、という気がします。
連敗スタートと厳しい流れになっていますが、まずは自分の持ち味を出すことを優先した方がいいんではないかと個人的には思います。

一方、高見六段はグダグダになりながらも、この第2局を拾えたのは大きかったんじゃないかと。
前夜祭でのくだけた挨拶や、「食べたいものはみんな食べたい!」という食事の頼み方なんかを見ても、初の大舞台を楽しんでる感じがしていて、そういう姿勢が勝ちを呼び込んでるのではないかと思います。

また一見似たようなキャリアに見える両者ですが、高見六段が24歳とまだまだ先がある年齢なのに対し、金井六段は31歳とやや微妙な年齢に差し掛かりつつある、というのがここまでの成績に微妙に影を落としているのではないかと。

金井先生、まだまだこれからですよ。
せっかくの大舞台なんですから、もっと楽しまないと。

■豊島八段と三浦九段、棋聖戦挑戦者に名乗りを上げる(棋聖戦本戦 準決勝)

さて今度は将棋界初夏の風物詩である棋聖戦。
先週は本戦準決勝が行われ、豊島八段と三浦九段が挑戦者決定戦に進出しています。

豊島八段は若手で一発のある阿部光瑠六段を下し、三浦九段は実力者の稲葉八段を下してます。
個人的には阿部光瑠六段が一発を入れるのを期待していたのですが、挑戦者決定戦には申し分のない対決が実現したかと思います。

三浦九段が勝てば、あの無敵の羽生七冠王を倒した1996年の再戦が実現。
一方豊島八段は、2015年に羽生棋聖に敗れたリベンジを果たしたいところ。
どちらが勝っても、楽しみな五番勝負となりそうです。

■羽生さんと羽生くん、園遊会で握手!

こないだの春の園遊会で、羽生二冠とフィギュアの羽生選手との対面が実現。
どっちもとんでもない実績の持ち主ですが、それにしてもスケールのでかい話しです。
また、Twitterで羽生さんと羽生くんの画像を上げていた方々が即座に反応していたのには笑わせてもらいました。
まさかの2ショットが実現ですよw

■きょうの藤井聡太(棋王戦予選で大石七段に勝利)

さて最後にきょうの藤井聡太。
4月24日に棋王戦予選が行われ、大石七段相手に勝利を収めています。
終盤危うい場面もあったようですが、そこを凌げたのは立派。
これで本戦入りまであと1勝と迫っています。
もはや本戦入りしても全く驚かなくなりましたが、こういう実績の積み重ねが信用を生むもの。
これからも、頑張って欲しいですね。

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# by mitsuboshi03 | 2018-04-29 15:08 | 将棋 | Comments(0)
ここのところ忙しい日々が続きます。
やることやって、来週からのゴールデンウィークを楽しみに。

さて今回も将棋ネタ。
ネタも少ない時期なんで、あっさり風味でいきますね。

■佐藤名人、快勝譜で対戦成績をタイに戻す(名人戦七番勝負 第2局)

佐藤名人に羽生二冠が挑む今年の名人戦七番勝負。
先週は第2局が行われ、佐藤名人が快勝して対戦成績をタイに戻しております。

将棋の方ですが、先手の佐藤名人が角換わりへ誘導。
そして最近一部で注目され始めているという、居玉腰掛銀の布陣を取ります。
居玉は怖いのですが、その分攻撃陣形を早く組みやすいのは魅力。
あと、見た目の割に王様の守りは案外しっかりしているそうな。

これに対して、後手の羽生二冠は早繰り銀から足早に先攻。
しかしこれがあまり良くなかったようで、局後に羽生二冠は後悔していたとのこと。
その後は羽生二冠の攻めをがっちりと受け止めてから反抗に転じた佐藤名人が、鋭い攻めで羽生二冠の王様を追い詰めての快勝、ということになりました。

第1局も将棋の内容自体は悪くなかっただけに、佐藤名人が結果を残せたのは今後につながる1勝になったのでは、と思います。
一方の羽生二冠は、昨年後半からの好調をどれだけ維持できるかが今後を大きく左右すると思われます。

■きょうの藤井聡太(平成29年度の将棋連盟特別賞を受賞)

さてきょうの藤井聡太。
珍しく先週の対局がなかったので、既報ですが表彰の話題を。

先日発表された平成29年度の将棋連盟表彰で、藤井聡太六段が記録部門四冠の達成と、朝日杯を優勝したことを評価され、特別賞を受賞することとなりました。
特別賞は将棋大賞(将棋界のMVP)に準じる成績を上げた棋士に対して特別に与えられるもので、だいたい10年に1度くらい出るかな、くらいのレアな表彰になります。
将棋大賞は羽生二冠に与えられましたが、藤井聡太六段を将棋大賞に推す声も根強かったことを反映しての表彰なのかな、と思ってます。

※訂正

以前の記事で「藤井聡太六段が竜王戦ランキング戦での連続昇級により七段昇段」という話しが出ましたが、竜王戦ランキング戦をもう1回勝たないと連続昇級にならないそうです。
最短ですと、5月18日に行われる竜王戦ランキング戦5組準決勝の対船江六段戦に勝利すれば連続昇級が確定します。
お詫びして訂正します。

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# by mitsuboshi03 | 2018-04-22 14:53 | 将棋 | Comments(0)
色々あって忙しい日々。
うう、休み1日だと回復がキツい。

さて今回も将棋ネタ。
将棋界もいよいよ春シーズン到来ということで、ネタも増えてきましたね。

■羽生二冠、横歩取りの激闘を制し先勝(名人戦七番勝負 第1局)

まずは佐藤名人に羽生二冠が挑む名人戦七番勝負の結果から。
第1局が先週行われ、羽生二冠が横歩取りの激闘を制しております。

将棋の内容ですが、序盤早々に佐藤名人が一大決戦を決断。
お互いの攻撃が火を噴く大乱闘となりましたが、不思議とバランスは取れている、という第一人者同士の対決ならでは、という戦いになりました。
最後は羽生二冠が激闘を制しましたが、佐藤名人の勝ち目も十分にあったと思われます。
第1局から早くも目が離せない展開になってきました。

■注目の第1局は後手番の高見六段が制す(叡王戦七番勝負 第1局)

将棋界の春シーズンといえば、何はなくとも名人戦、だったのですが、今年から新たに加わったのがこの叡王戦。
持ち時間変動制という斬新な試みもさることながら、金井六段と高見六段という、フレッシュな顔合わせとなった点も特筆すべきところですね。
昨日七番勝負の第1局(持ち時間5時間)が行われ、後手番の高見六段が制しております。

さて将棋の内容ですが、高見六段が後手番を引いたこともあり、十八番の横歩取りへ誘導。
こちらも夕食休憩あたりまでほぼ互角の展開でしたが、金井六段が△3七歩と銀取りに打たれた歩を放置して決めに出たあたりで差がつき始め、優位に立った高見六段がそのまま押し切りました。

高見六段の後手番横歩取りは、この七番勝負でも猛威をふるいそう。
金井六段にもまだまだ立て直すチャンスはあるはず。
こちらも今後の展開が楽しみですね。

■きょうの藤井聡太(竜王戦ランキング戦で阿部光瑠六段に勝利。規定により七段へ昇段)

さて最後にきょうの藤井聡太。
先週は竜王戦ランキング戦での対阿部光瑠六段戦に勝利しております。
これにより、藤井聡太六段は、竜王戦ランキング戦での連続昇級が確定。
また、規定により七段への昇段が決まりました。

まずは竜王戦ランキング戦での勝ち抜きと、七段への昇段を素直に喜びたいと思います。
それにしても、昇段ペース早すぎぃ!
グッズ作り担当者からは悲鳴が上がっているのではないでしょうか(笑)
まあここから先は上がるのが大変なので、タイトルでも取らない限りは肩書は変わらなくなりますけど(フラグ)

また、前期に引き続き竜王戦ランキング戦を勝ち抜けたのは大きいですね。
前期は堂々の本戦入りを果たしましたが、今期も淡々と本戦入りを目指してもらいたいところ。

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# by mitsuboshi03 | 2018-04-15 15:29 | 将棋 | Comments(0)
ここのところの暖かさで、普通なら20日ころに咲くはずの桜がすでに満開。
しかし、地区の作業のある日の早朝だけは吹雪。
世の中ままならないものですなあ(苦笑)

さて今回も将棋ネタ。
年度が切り替わった直後で、一転してネタが無くなる今週。
まあ来週からは名人戦や叡王戦が始まりますから、すぐ忙しくなりますけどね。

■羽生二冠、通算1399勝を達成

本来なら1400勝で記事にすべきでしょうが、ネタが無いのでこんな形ですが取り上げます。
羽生二冠が4月6日の王位戦リーグで村山七段に勝利し、通算1399勝を達成しております。

さてこの数字をどう評価するか。
この通算勝利数は、現在歴代2位でもちろん現役トップ。
歴代1位の大山十五世名人の記録が通算1433勝なので、いつもの羽生二冠なら今年度中には抜き去るものと思われます。

さらに驚くべきは通算勝率。
ここまでたった565敗しかしてませんので、対局数が2000局近くに達しているにも関わらず、通算勝率は0.7123と、相変わらず7割を軽々と越えてきております。
以前にも書きましたが、通算勝率が7割を越えるのは、タイトルを持っていない超一流の若手棋士が予選を勝ちまくる、というパターンが普通で、羽生二冠のようにタイトル戦を勝ちまくって、なおかつ40代後半でこの勝率、というのは極めて異例。
というか、次は藤井六段がこれに近い成績を上げられるかどうか、ぐらいですかね。

この後には名人戦七番勝負がありますし、また棋聖や竜王の防衛戦も控えてます。
それに加えて王位戦リーグでも、これまで3戦全勝と好調をキープ。
いったいどこまで勝ち星を伸ばす気なんでしょうか(白目)

■きょうの藤井聡太(棋王戦予選で1勝、既報ですが詰将棋選手権制覇)

今度はきょうの藤井聡太。
新年度に入ってからも対局ペースは衰えを知らず、4月5日に棋王戦予選で古森四段を下しております。
また既報ですが、詰将棋選手権も唯一の100点満点で制覇してますね。
並のプロ棋士なら1問解くだけでも四苦八苦する難問揃いだというのに、制限時間の半分程度で悠々10問を解き終え、後は確認作業に没頭するという有様。
いつもながらの感想ですが、やっぱりモノが違いますねえ。

さて来週は大一番。
竜王戦のランキング戦で、阿部光瑠六段との対戦が控えております。
これに勝つと、竜王戦ランキング戦での連続昇級が決まるため、規定により七段へ昇段することになります。
もしこうなると、棋士デビューから2年足らずで新人王戦への参加資格を失う、という恐ろしいことになりますが、阿部光瑠六段も力のある若手棋士ですので、すんなり勝てますかどうか。

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# by mitsuboshi03 | 2018-04-08 10:04 | 将棋 | Comments(0)
もう4月ですか。
過ぎてしまうと早いものですね。
花粉症真っ盛りということで、中々ペースが上がりませんが、まあぼちぼちと、ね。

さて今回も将棋ネタ。
相変わらずネタてんこ盛りなため、あっさり味でお届けします。

■渡辺棋王、なんとか踏みとどまる(棋王戦五番勝負 最終局)

さてまずは、将棋界冬シーズンの総決算である棋王戦の五番勝負から。
ここまで2勝2敗として迎えた最終局が3月30日に行われ、渡辺棋王が勝って棋王位を防衛することとなりました。

将棋の中身の方ですが、振り駒で先手番を握った渡辺棋王が雁木模様へ誘導。
これに対して永瀬七段が、中々△3四歩と角筋を通さず、逆に早めに△4四銀と右銀を活用するという変則的な序盤に。
結局は角を交換してから、渡辺棋王の雁木右玉vs永瀬七段の矢倉、という形に落ち着きました。

局面が落ち着いてさてどうなるか、と思っていたところへ、渡辺棋王が▲7四歩と手裏剣の歩を飛ばします。
ここから▲4六角と打って、永瀬七段の飛車をいじめに行く構想が現実のものとなり、常々「将棋は相手の飛車を取れば勝てるゲーム」と語る渡辺棋王好みの展開から、そのまま押し切っての勝利となりました。

これにより、渡辺棋王は棋王6連覇を達成。
昨年すでに永世棋王の称号を獲得しておりましたが、棋王位獲得数でも米長永世棋聖を抜き、単独2位に立つこととなりました(1位は羽生二冠の13期、うち12期は連続)

永世称号2つを誇る、世代を代表する棋士である渡辺棋王も今期は大苦戦。
自らが信条としていた「固い、攻めてる、(攻めが)切れない」必勝パターンが崩れ、竜王位とA級の座を失うという、大変厳しい1年となりましたが、なんとかこの棋王位だけは死守しました。
コンピュータ将棋が切り拓いた急戦・乱戦模様の将棋に、ようやく慣れてきたのかな、という印象があります。
まだまだ33歳と指し盛りの年齢なだけに、老け込むには早すぎます。
他棋戦でも、もっともっと活躍してもらいたいですね。

そして惜しくも棋王位を逃した永瀬「軍曹」七段。
不調だったとはいえ、あの渡辺棋王をここまで追い詰めたのは、それだけでも立派。
若手棋士の代表格として、持てる力は十分見せられたと思います。
ここからあと一歩がまた遠いのですが、それでも永瀬七段なら、歩みを止めることはないでしょう。
そういえば、渡辺棋王が初めて竜王位を奪取する前も、王座戦での羽生王座(当時)との死闘がありました。
永瀬七段にとって、今回の負けが、次回のタイトル奪取への糧となれば良いのですが。

■山崎八段、NHK杯も制し今期2度目の棋戦優勝達成!

さて今度は、今まで載せそこねてた話題その1。
今年のNHK杯戦の決勝戦は山崎八段vs稲葉八段という、最近めっきり増えた関西対決で行われ、山崎八段が熱戦を制し、見事自身二度目となるNHK杯を獲得しております。

これで山崎八段は、将棋日本シリーズを含め、今期2度目の棋戦優勝を達成。
Eテレの番組「将棋フォーカス」で同じくキャスターを務める中村王座の快進撃に刺激されたのか、独自の指し回しである「山崎ワールド」が持ち時間の短い棋戦で炸裂した印象があります。
最近流行の急戦・乱戦模様の将棋を元々得意としていたのも大きいですね。
山崎八段も37歳とまだまだ老け込むには早いだけに、今後もこういう一発をバシバシ入れて行ってくれるのではないかと思ってます。

■三段リーグ下期、決着

今まで載せそこねてた話題その2も、ついでにやっちゃいましょうかね。
上期下期で各2名が四段プロ入りを果たせる、地獄の三段リーグ。
その下期が、3月4日に結末を迎えました。

めでたく新四段となったのは、長谷部新四段(大平門下、23歳)と池永新四段(小林健門下、24歳)。
最後の2局を連勝すれば自力昇段が決まる、プレッシャーのかかる対局を見事制しました。
二人とも14勝4敗という、プロ入りするのに恥ずかしくない成績を上げております。
年齢制限が迫る中、よくぞ激戦を戦い抜いたと思います。

そして同じく14勝4敗ながら、順位の差に泣き次点となった服部三段。
こちらは18歳とまだ先がありますが、将来のためにも、できれば早いうちに昇段を決めておきたいところ。
そして、次点2回によるフリークラス入りの権利を惜しくも逃した黒田三段。
まあ、ここは次がんばって、堂々と普通に昇段を決めちゃいましょう。

■きょうの藤井聡太(井上九段に敗れ、連勝は16でストップ)

さて最後にきょうの藤井聡太。
王将戦一次予選で井上九段に敗れ、連勝記録が16でストップということになりました。
連勝記録が伸びてきたこともあり、再びマスコミなどでの報道が増えてきましたが、これで一息つけるのかなと。
井上九段はさすが元A級棋士という貫禄を見せられたようでなにより。

さて負けはしましたが、王将戦予選での敗北ということで被害は少なそう。
逃したくないのは、順位戦・竜王戦の鉄板二枚と、本戦入りを果たした棋王戦。
あとは、七段になってしまうと参加資格が無くなってしまう新人王戦も、1回は優勝しておきたいところ。
一番可能性がありそうなのが、竜王戦ランキング戦での連続昇級。
現在所属する5組のメンバーを見る限り、どうも昇級は逃しそうにないんですよねえ。

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# by mitsuboshi03 | 2018-04-01 11:18 | 将棋 | Comments(0)
大絶賛花粉症シーズン到来中。
飲み薬のおかげで症状はさほど酷くはないのですが、モヤモヤ感が晴れないのが困りどころ。
秋が過ぎたら、舌下治療を試してみたいところ。

さて今回は将棋界の話題をひとくさり。
相変わらず話題満載なので、またまたざっくりとした紹介となりますがご了承をば。

■空前絶後の6人プレーオフを制したのは、やはりあの男(名人戦挑戦者プレーオフ)

さてまずはこの話題から。
空前絶後の6人プレーオフとなった今期の名人戦挑戦者争いですが、出だしから豊島八段が3連勝と飛ばし、何度も逃したチャンスをギリギリで掴み取るのか、と思わせる勢いでしたが、そこに待っていたのは、将棋星人その1な羽生二冠。

これがゲームなら、助走をつけてクリエイターを殴りにいくところですが。
ところがどっこい、これが現実…っ!
横歩取りから難解な局面が続いたものの、中盤で作った2枚のと金をフル活用して羽生二冠が勝ちを収めました。

そして真の挑戦者決定戦となる羽生二冠vs稲葉八段戦。
戦型予想が難しい中、個人的にあまり読みになかった相掛かりの序盤に。
先手の稲葉八段が、1筋の歩を突かない効果を活かした▲1六角でポイントを上げます。
羽生二冠の旗色が悪い状況が長く続きますが、そこを堪えてひたひたと相手についていくのがこの人の恐ろしいところ。
中盤での△5四角に対して稲葉八段が▲4五金と応じた一瞬のミスを見逃さず、あとはきっちりとまとめて快勝。
これにより、羽生二冠が佐藤名人への挑戦権を獲得することとなりました。

それにしても、羽生二冠が一足お先に6勝4敗で今期の順位戦を終えた時点では、こんな結末になろうとは思ってもみませんでした。
6人プレーオフになったときも、そのときの記事でちらっと「羽生名人・竜王になったら面白い」などと軽い気持ちで書いたもんですが、きっちりと照準を合わせてきましたねえ。

名人戦(順位戦)と竜王戦の成績は棋士人生に直結するため、どんな棋士も血眼になって戦うため、両方を獲得するのは至難の業。
これまでにこの偉業を達成しているのは、七冠王時代の羽生二冠と、谷川九段・森内九段の3人のみ。
しかもここで名人を勝ち取れば、タイトル百期の偉業達成となります。
半年前は棋聖一冠となっていたころから考えれば、望外の展開に。
羽生ファンは笑いが止まらないでしょうね。
私としては、またもこの言葉を使わざるを得なくなりました。

この期に及んでなお私は、羽生善治という男がいかなる存在であるか、完全に見誤っていたのだと。

さてここまで羽生二冠サイドで記事を書いてきましたが、佐藤名人にとってもここは正念場。
なんと今期はすでに負け越しが確定しているという惨状ですが、最強の挑戦者を相手に調子を上げられるかどうか。
ここを凌げば、永世名人の目も出てきます。
現役最年少の永世称号獲得者が長らく渡辺棋王(永世竜王)で止まっておりますが、次が(恐らく)藤井聡太六段、というのはあまりにも寂しい。
一昨年に羽生名人(当時)から名人位を奪取したときの勢いを取り戻せるでしょうか。

■永瀬七段が快勝。決着は最終局へ持ち越し(棋王戦五番勝負 第4局)

さて今度は棋王戦。
2勝1敗で渡辺棋王が棋王防衛に王手をかける中で行われた第4局でしたが、相掛かりの熱戦を永瀬七段が制し、決着を最終第5局へ持ち越しております。
プロ棋士の指す相掛かり特有の、押したり引いたりのねじりあいが続く展開となりましたが、渡辺棋王の受けを永瀬七段が見事に打ち破りました。

渡辺棋王の調子は一向に上がる気配を見せませんが、それでも虎の子の棋王位は譲らない、という姿勢は見せていると思います。
一方挑戦者の永瀬七段も、同年代の中村王座・菅井王位に先を越されてなるものか、という気合が感じられます。

さて運命の最終第5局は、年度末ギリギリの3月30日に将棋会館で行われます。
振り駒が勝敗を分ける可能性もありますが、熱戦を期待します。

■きょうの藤井聡太(A級棋士を破り、王座戦本戦へ進出)

さて最後にきょうの藤井聡太。
先週は王座戦二次予選決勝での糸谷八段との戦いに見事勝利し、本戦入りを果たしております。

将棋の中身の方ですが、後手番の糸谷八段が阪田流向かい飛車を選択。
プロ棋士間の将棋としては奇襲とも言える手に打って出た糸谷八段でしたが、藤井六段が冷静に対応。
やや危険な手もあったようですが、全般的には手堅くまとめて勝利を収めました。

この対局は最終盤だけニコ生の中継を見ていたのですが、最終盤で1時間残しているとはいえ、激しい攻め合いの中、冷静に相手との距離を測っての▲5九金というしぶとい受けや、最後に平然と25手詰めを読み切るという盤石の戦いぶりを見せられて声も出ない、という感じでした。

新A級の糸谷八段を相手にこの内容での将棋。
やはりモノが違うと言わざるを得ません。
目下の大敵は、他の棋士というよりは、これから始まる高校生活でしょうか。
付属中からの進級なので、雰囲気に慣れているのはアドバンテージですが、宿題や予習復習もキツくなりますし、その中で将棋の研究をどれだけ効率よく行えるか。
楽しみでもあり、不安でもあります。

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# by mitsuboshi03 | 2018-03-25 14:57 | 将棋 | Comments(0)

スポーツ、将棋、ミリタリー、オタクネタ、地元長野ネタなど節操なしに書きまくります


by mitsuboshi03