昨日は、某ワークスのネット新年会に参加してきました。
例年より少々少なめな出席でございましたが、ネットだと10人ちょいで話をするのが限界ですね。
2部屋作っておいて、行き来するのがベストとは思いますが。
2窓できると具合が良さそうなんですけどね。
それにしても、延長戦での「ムラカム様の帰宅を暖かく見守る会」は秀逸でございました。
「千の伝説を持つ男(比喩表現にあらず)」の面目躍如でありましょうかw
悪の秘密組織オミクロン(違)を退けた暁には、早々にオフ会をやりましょう。
さて、記事の方は相変わらずの隔週更新。
流石に重要対局が目白押しの時期にこれはあきませんなあ。
何とか、あの棋士の記事だけでも上げておきます。
■きょうの藤井聡太(2週間で4局! 残念ながら2勝2敗でフィニッシュ)
というわけで、きょうの藤井聡太を。
単なる一コーナーだったこの記事ですが、すっかり「ここだけ押さえとけば、将棋界の動向は大体掴める」記事に。
10代で五冠王を目指す男とはこういうことなんだと、痛切に感じます。
まずは開幕しました王将戦の第1局。
稀代の作戦家であり、リアリストな渡辺王将を相手にどう戦うかが注目されましたが、運命の振り駒は藤井竜王の先手番に。
戦型は角換わり型の相掛かりへ。
それなりに実践例もありそうな局面から、藤井竜王が放った41手目の▲8六歩で、名うての将棋通たちがどよめくことに。
個人的に、この手がそれほど驚かれた理由は以下の2つ。
1)部分的には相当の悪形
▲8六歩と突いた先手陣は、後手から△8五歩からの継ぎ歩や、△8七歩の垂らし、また△8八歩とさらに形を乱す手と、歩だけでかなり痛い攻めが続く形。
後手はローリスクで結構な配当が得られるため、先手としては、部分的には避けたい形。
普通は後手からの△8六歩に▲同歩と仕方なく取ってこの形になるのがほとんどで、先手から▲8六歩と指して幸せになるケースは皆無に等しいです。
たとえ△8六歩とされても、基本的には▲同銀と指すのが角換わりの鉄則。
ということで、ある程度の実力の持ち主であれば、▲8六歩は「1秒も考えない」と言ってもよい手。
2)後手からの強襲
▲8六歩と指す前の局面は、実は結構のっぴきならない局面で、お互いにいつ仕掛けるか、を探っている勝負所の一つ。
何しろお互い角を持ってますので、詰みまで読み切る必要がある変化も結構あり、そんな中で先手が悠々と▲8六歩~▲6六歩として、後手の桂馬の動きを封じてから悠々と攻めてよし、と読み切るには、相当入念な準備と、その場での読みが必須。
ちょっとでも読み抜ければ、そのまま最後まで殴り続けられて終局、ということも結構あるのが角換わりの楽しさでもあり、恐ろしさであります。
とはいえ、渡辺王将もこの▲8六歩一発でマットに沈んだわけではなく、終盤まで内容の濃い激闘に持ち込んだのは立派。
なので、渡辺王将としても是が非でも勝ちたかったでしょうが、最後に勝ちを拾ったのは藤井竜王。
こういう所を逃さないのが、第一人者というか、時代を作る男、というところなんでしょうか。
いずれにせよ、手に汗握る、価値ある名局だったと思います。
今度はB級1組順位戦の対千田七段戦。
ここまで8勝1敗と、昇級争いトップを快走する藤井竜王ですが、残る相手もなかなかの手練れ揃いであり、順位も悪いので油断のできないところ。
本局の対戦相手である千田七段も、近年ではコンピュータ将棋通として知られますが、棋王戦の挑戦者や、朝日杯制覇の経験もある実力者。
また本局に勝てば、3敗を維持して昇級争いに殴り込めるだけに、千田七段としても期するものがあったでしょう。
将棋の方は、藤井竜王の先手番で相掛かりに進んだのですが、千田七段が両方の桂馬をいち早く跳ねての強襲に打って出て、藤井竜王に粘る余裕を与えずそのまま押し切っての快勝、となりました。
藤井竜王も、最近は序盤でも卓越した実力を発揮していただけに、こうもあっさり土俵を割るとは思いませんでした。
千田七段にとっては、昇級争いを優位に進める願ってもない勝利をゲット。
一方、念願のA級昇級へ向けて視界良好だった藤井竜王は、順位の悪いこともあり、未だ昇級争いトップとはいえ、負けられない戦いが続く展開になってきました。
そして、10代にして3度の制覇を果たすというゲンの良い棋戦な朝日杯。
4度目の制覇に向けて、本戦ベスト16からの登場となります。
1日2局指すのが特徴の朝日杯。
緒戦はクセ者船江六段が、最近のプロの将棋では珍しい横歩取りに打って出ましたが、この戦法の特効薬である青野流の威力は未だ健在で、船江六段の奇襲も実らず、順当に藤井竜王が勝利。
続くベスト8の戦いの相手は、「努力の天才」永瀬王座。
先手番の永瀬王座が右四間飛車とひねった序盤に対し、藤井竜王が雁木で迎え撃つ展開に。
終盤まで形勢不明の熱のこもった好局となりましたが、藤井竜王の攻めを永瀬王座が持ち前の粘りで受け止められたのが大きく、最後は藤井竜王の薄い囲いを突破した永瀬王座が勝ちを収めました。
ここしばらくの藤井竜王は、王将戦に重点を置くことになるでしょうが、順位戦でもお尻に火がついてきただけに、これ以上は落とせないところ。
ハードスケジュールが続く中ではありますが、何とか体調だけでも維持してもらいたいところです。