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うう、風邪引いたでやんす。ずずず。

こないだは急に東ムラカム氏が上京するというので、無理矢理スケジュールをやりくりしてこちらも上京。
人数は少なかったですが、楽しく迎撃できました。
東ムラカム氏、相変わらずですなあ(笑)

さて、将棋ネタが溜まり過ぎないうちに消化しときましょ。

★絶対王者、おやつ前に挑戦者を一蹴(竜王戦七番勝負 第1局)

例年通り、「将棋の町」天童市のほほえみの宿、通称「竜王の間」で行われた竜王戦の第1局。
この「竜王の間」、天井から盤面を捉えるカメラや各種配線を見苦しく無く収める工夫がされております。
このあたりは流石将棋の町らしい細やかな配慮。

振り駒で先手となった丸山挑戦者は、もちろん十八番の角換わり腰掛銀を志向。
同じく角換わり腰掛銀退治なら天下一品の渡辺竜王も、これを避けることなく淡々と駒組。
将棋界全体で研究が一番進んでいる戦法らしく、2日制ではありえない超スピードで手が進みます。

指定局面までノンストップ、そこから長考合戦。
と読みを入れて定時で帰宅してさあネット観戦だ、と思っていましたら、

午後1時58分、106手にて渡辺竜王の勝ち。
現実は非情である(笑)


解説を見るに、1日目の指定局面に持っていく時点で丸山挑戦者に誤算があった模様。
封じ手の局面では既にどうにもならない形勢だったようです。
角換わり腰掛銀は、最近流行の「金銀4枚でガッチリ守って、飛車角桂歩で弱点を突く」とは違い、昔からの理想系とされている「守りは金銀3枚、攻めは飛角銀桂でガンガン攻める」将棋。
また、相手の囲いを端とタテから攻めて、相手の王様を下へ下へ追い詰める理想的な攻め方のため、受けが大変難しい。例えば相手の囲いを横から攻める振り飛車対居飛車の対抗系とは違い、いわゆる「羽生マジック」みたいな逆転技を出しにくい戦法といえます。
従って、一旦差がつくと、今回みたいに取り返しのつかないことに。
指す戦法が比較的限られている両者(というか、羽生センセが色々やりすぎるw)なので、今後もこうした展開は続くとは思いますが、せめて長考合戦には持ち込んで欲しいところ。
勤め人でもライブ観戦したいのですよ(おい)

丸山挑戦者はいきなり先手番を失うというキッツイスタートとなりました。
既に終戦ムードすら漂う展開ですが、とにかく1つ勝つこと。
特に後手番で何をやってくるかが楽しみです。
あくまで角換わり腰掛銀にいくのか、横歩取りに変化するか。

渡辺竜王はいきなり後手番のブレークに成功。
とはいえ王座戦ではそこから3連敗で王座を失っているだけに、油断は禁物。
今後のためにも、できればストレートで勝ちたいところ。
それにしても、今や居飛車党でも2手目△8四歩が絶滅危惧種となりつつある中で、丸山九段ほどの角換わり腰掛銀の使い手を2手目△8四歩で堂々と迎え撃ってキッチリ勝ちきる、というのは凄過ぎます。

竜王戦第2局は、10/31、11/1に金沢市で行われます。

★新人王争いは最終局へ持ち越し(新人王決勝三番勝負 第1、2局)

何度も書いてますが、若手にとっては「赤旗さんありがとう!」な棋戦なのがこの新人王戦。
26歳以下の若手棋士が凌ぎを削ります。
薄給にあえぐ若手にとっては美味しい賞金が魅力。
また最近では奨励会員やアマ赤旗名人の活躍も目立ちますが、女流棋士も頑張って活躍して欲しいところ。
ところでアマ赤旗名人、と言うと細川氏あたりがモヤモヤしそうですが(笑)、赤旗を隅から隅まで読み込む赤旗オタクや行動力溢れるプロ市民では無論無く(待て)、アマチュアのビッグタイトルの一つ。勝ち取るには学生や実業団トップクラスの実力が必要。単なるアマ四、五段クラスでは地区予選で沈没することでしょう。

さて今年の決勝戦に勝ち上がったのは永瀬五段と藤森四段。
永瀬五段は何と言っても稀代の千日手名人。
”後手番なら、局面を膠着させて千日手にして先手番で指し直しですよ”
”先手番なら、作戦負けしたら千日手にして指し直すですよ”
という割り切った指し方で既に実績を上げております。
「千日手は打開するもの」とされていた昔なら修行時代に師匠に破門されているところですが、放送に影響が出るため普通は千日手を避けるはずのNHK杯戦でも、史上初となる「2回千日手」(つまり、手番は元に戻る)を披露するなど余りの貫きっぷりに、今なら立派な個性として認められております(苦笑)
一方の藤森四段は、史上初の「母が女流棋士」のプロ棋士。
母の藤森奈津子女流四段は比較的初期の女流棋界で活躍し、女流棋士2つ目の団体であるLPSAの旗揚げにも参画。現在は現役を引退してLPSA理事として活躍中。また父も名の通ったアマ強豪という将棋一家の中で育ちました。
デビューしたのが去年の10月というまだまだこれからの若手で、この新人戦で存在をアピールしたいところ。

さて決勝戦の流れですが、第1局が永瀬五段の位取り中飛車から相穴熊の展開となり、先に穴熊に食いついた永瀬五段の勝利。第2局は藤森四段が永瀬五段の角換わり振り飛車を撃破して勝利しています。

第3局の予想ですが、永瀬五段が千日手上等の振り飛車党ということで、普段の将棋と違って振り駒の結果があまり勝敗に影響を与えなさそう。
永瀬五段の個性的な棋風に、藤森四段がどれだけ普段通りに戦えるかが勝敗の鍵を握るかと。

新人王戦第3局は、10/31に東京将棋会館で行われます。
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by mitsuboshi03 | 2012-10-28 08:32 | 将棋 | Comments(0)
ふと振り返ってみたら、9月の更新1回だけでしたよハハハ・・・。
すみません、もう少しマジメに更新しまつ。

今回も引き続き将棋ネタ。
今回はいつもより羽生さん多めで。

★羽生二冠、王座奪取で三冠に復帰!(王座戦五番勝負 第3、4局)

まずは終わったばかりの王座戦五番勝負から。
第3局は後手番の渡辺竜王がいつもの「2手目△8四歩」から雁木に組む趣向を見せたものの、羽生二冠に的確に咎められて完敗。
ニコ動解説の方も、若手の旗手である阿久津七段が夕食休憩後の中継に大遅刻した以外は特に見せ場もなく(おいおい)淡々と進んでしまったんで特段書く事もなく終了。

メインイベントは第4局。
羽生二冠が後手番で選んだ戦法は、まさかの2手目△3二飛戦法。
先手が初手▲2六歩とした場合にこれをやってしまうと、▲2五歩とされて飛車先が受からないので死亡、という戦法なのですが、相掛かりを好まないため初手▲2六歩はまず使わない渡辺竜王の傾向を掴んで、今回やってきたというわけです。
とはいえ、基本的に振り飛車一本の人でないと難しい戦法なはずなのですが、そこそこ使いこなしてしまうあたりが流石羽生二冠というべきか。羽生二冠相手に戦法を決め打ちするのは本当に至難の技ですね。
ただし、羽生二冠は”序盤は五分でいい。早く中終盤にならないかなあ。”というタイプなので出来ることではありますが。特に序盤からリードを奪いたい棋風だと、事前の仕込みが大変なので、ここまで多彩に戦法を選ぶというわけにはいきません。

さて終盤戦に突入。
若干渡辺持ち→羽生優勢→渡辺勝ちか?と目まぐるしく形勢が変わる中、122手目に△6六銀と銀の只捨てで千日手に持ち込むという羽生マジックが炸裂。
あまり羽生マジックという表現は使いたくないのですが、今回ばかりは使わざるを得ない。
リアルタイムで見ることができて、本当に幸運でした。

ここまでで夜の10時過ぎ。
30分の休憩を挟んで指し直し局が行われます。
次の日は大事な仕事が待っていたんで、ここでニコ動を断念。
結果は相矢倉からこないだのNHK杯決勝と似た展開になり、このときと同様に羽生二冠の勝利。
羽生二冠は堂々の三冠復帰にして王座を20期獲得の偉業を達成。
タイトル20期獲得は、大山十五世名人の王将位と並ぶタイ記録。
おめでとうございます。

ニコ動の解説は浦野八段。
詰将棋の腕は棋界トップクラスで、1~7手詰別に発行されている『詰将棋ハンドブック』は、きちんと将棋を覚えたい愛好者にとっては今や必須アイテム。最近は『初段になるための将棋勉強法』という、将棋を覚えるために必要な勉強法を凝縮した画期的な本も出しています。
ステマじゃないですが、将棋を覚えたかったら上の2冊は絶対に買っておきましょう!
また駒袋から適当に握った駒だけで詰将棋を作るという握り詰は、将棋イベントの風物詩となっております。
一見ソツのないように見えてコテコテの関西節が炸裂する、楽しい解説でした。

★やっぱり羽生三冠、秒読みでも強い(銀河戦決勝)

今度は銀河戦。
CSの専門チャンネル「囲碁・将棋チャンネル」主催の棋戦で、NHK杯戦と同様に基本的に30秒の秒読みが主体となる、早指し得意の棋士に有利な棋戦になります。
NHK杯では夢の10期制覇という偉業を成し遂げた羽生三冠ですが、この銀河戦はそれほど勝てていないという印象。それでも今回は決勝に駒を進めると、先ほどちょっとだけ名前を出した若手エースの阿久津七段を相手に横綱相撲を展開。2006年以来の優勝を決めました。

そういやさっき「あまり勝てていない」とうっかり書いてしまいましたが、羽生三冠の銀河戦制覇はこれで7度目。当然全棋士トップ。
やっぱりこの人、何かおかしい(苦笑)

★絶対王者に再び挑む(竜王戦 挑戦者決定戦三番勝負)

ようやく羽生三冠抜きの記事です(えー)
1勝1敗で迎えた竜王戦の挑戦者決定戦三番勝負第3局ですが、山崎七段が得意技の失速芸をまたも披露してしまい、丸山九段が2年連続の竜王挑戦権を獲得しました。
山崎七段は序盤に工夫を凝らした魅力のある将棋を見せてくれる一方、こうした失速が本当に多い。
升田先生や藤井九段に田中(寅)九段といった序盤巧者にありがちな傾向ではありますが、ここ一番で失速してしまうと相手がなかなか諦めてくれないんでますます勝てなくなる、という悪循環が。
本当に残念です。

丸山九段は昨年は力を出しきれませんでしたが、久々の番勝負で慣れていない面もあったと思います。
朝食にふぐ雑炊を所望したような何事にも準備を怠らない方のこと(待て)、慣れてくれば実力を十分発揮できると思います。選手寿命の残り時間が少ないだけに、チャンスは逃したくないところ。
渡辺竜王は竜王一冠の平常運転に戻ってしまっただけに、この虎の子は絶対に失いたくないところ。
竜王を足がかりに、今度こそ二冠、三冠と積み重ねて欲しいものです。
戦型は昨年同様、角換わり腰掛銀を中心とした濃厚なねじり合いとなることでしょう。
熱戦を期待します。

竜王戦七番勝負第1局は、10月15,16日にすっかり定番となった天童市の滝の湯で行われます。
通称「竜王の間」まで用意してあるというこだわりぶりが光る旅館です。
以後は、金沢(石川)→霧島(鹿児島)→近江八幡(滋賀)→南大沼(新潟)→伊豆(静岡)→甲府(山梨)と続きますが、今年はどこまで見ることができますでしょうか。
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by mitsuboshi03 | 2012-10-07 09:58 | 将棋 | Comments(1)

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