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細川氏がこの暑い最中に関ヶ原将棋などというバカネタ力作をやってくれましたのでフォロー。
こういう発想は面白い。
かえって見にくい、という話は聞こえない方向で(笑)
それにしても、午前中の段階で、
「西軍が精一杯頑張って、やっと五分」
というのは、泣ける。
(以上、ちょっとした伏線)

昼間はまだまだ暑い今日このごろ。
軽く洗車したり、嫁のTVの据付工事をするだけで汗が滲みます。
とはいえ、9月に入りましたので将棋界は早くも秋シーズンに突入。
今回もタイトルをめぐる争いを中心にざっくりと。

★おかえり、全盛期の羽生!(王座戦五番勝負 第2局)

まずは9/5の水曜日に行われた王座戦の第2局から。
第1局で先手番をブレークされ、いきなり劣勢に立たされた羽生二冠が選んだ戦法は、なんと王位戦で藤井九段相手にさんざん戦った角換わり振り飛車。
ネット筋では一時騒然としたようですが、個人的には「やや驚いたが、想定の範囲内」
基本的には居飛車党の羽生二冠ですが、藤井システムやゴキゲン中飛車も平気で指しこなすなど、振り飛車に対する感覚も並外れているだけに、一応穴として押さえてはいました。書かなかったけど(待て)
なにせ王位戦で散々やっているだけに、研究の手間が減るのはありがたい(おい)
が、渡辺王座もそのあたりの事情は重々承知なだけに淡々と応接して、千日手模様を夕食休憩前に打開した時点では若干ポイントを稼ぎます。

だがしかし、そこからが羽生善治。

当初は”早い、早いよスレッガーさん”と思われていた端攻めから形勢の立て直しに成功。
以降は、
「端攻めを軸に休まず攻める」
「相手の持ち角は有効に使わせない」
「一方こちらの打った角はなんとか使い物にする」
「相手の攻めはギリギリ耐えて攻め合い勝ちする」
という、羽生二冠でなかったら無理ゲーな前提条件をことごとくクリアし、最後は渡辺王座の怒涛の追い込みを凌いで渡辺王座の先手番をブレークバック。
しかもここ最近、特に渡辺王座相手には見られなかった「序盤ちょっと悪めの局面を鮮やかに逆転勝ち」という全盛期の勝ちパターンで。
素晴らしいお手並みでございました。

これで1勝1敗になりましたが、こういうことは後からやったほうが勢いがつくもの。
ここまでの状況を見るに羽生ペースと見ますが、第3局でまた先手番ブレークをすれば状況は一変するわけで、渡辺王座がどう巻き返すかが楽しみです。
恐らく必殺技の「2手目△8四歩」から角換わり腰掛銀、を多めに買っておきます。

あと、今回のニコ生中継は飯島七段が担当。
対振り飛車に有効な引き角戦法を広めて升田賞を獲得しており、長年B級2組で上位争いを続ける強者です。
あと最近では、モーニング系で連載していたマンガ『王狩』の監修もしてます。
草食系男子風味の人当たりの良い風貌ながら、好きな漫画が『カイジ』というのがプロ棋士らしい(笑)
「最初から(オヤジギャク的に)クライマックス」豊川七段のような飛び道具はありませんでしたが(当たり前だw)、懇切丁寧な解説を中心に、”ニコ動の方はあまり見る機会もないでしょうから”と寄贈された将棋駒を持ってきてくれたりとサービス精神旺盛で楽しく過ごさせていただきました。
それにしても聞き手の安食女流(あじき、と読む。通称あじあじ)、
”その駒視聴者プレゼントしないんですか?”
はヒドイ(笑)
下手したら新車が買える銘品なだけに、視聴者の方が恐縮してしまいましたわ(笑)

第3局は9/19(水)に岩手県森岡市で行われます。

★竜王戦ドリームを掴むのは、どっち!?(竜王戦挑戦者決定三番勝負 第1、2局)

今度は渡辺永世竜王への挑戦権を賭けた争い。
例年この竜王戦は、名誉もさることながら将棋盤には金が埋まってるんや!というギラギラした欲望が渦巻く棋戦なだけに、ちょっと意外な棋士が勢いを駆って爆進、というパターンが目に付きます。かつては羽生二冠や佐藤棋王や渡辺現竜王のような若手の天下でしたが、本戦の対戦形式がテコ入れされてからは、ちょっと影が薄くなってきた上位棋士が挑戦権を争うことが多いですね。
今回もまさにそのパターンにバッチリ嵌ってます。

丸山九段は、かつて名人在位経験もある重鎮ではありますが、ここ最近は本戦いいところまで行きながらも挑戦権までには手が届かない、という状況が続いてます。
そろそろ年齢によるタイムリミットが見えてきた、ということもあり、今回の挑戦権は逃せないところ。
本格的な居飛車党で、現代居飛車党の必須戦法と言うべき「角換わり腰掛銀・相矢倉・横歩取り」すべてに研究が行き届いている強者。特に角換わり腰掛銀では数々の定跡手順を編み出し、この戦法の発展に大いに貢献しています。
研究将棋、と言うと普段は否定的な話をしたがる私ではありますが、丸山九段(と三浦八段)のレベルまで長年飽きもせずトコトン研究で追い込んでいる姿には、敬服セざるを得ません。

対する山崎七段は、かつて「東の渡辺魔王、西の山崎王子」と並び評された存在。
がしかし、永世竜王にまで上り詰めた渡辺二冠に対し、まだタイトルは0。
順位戦もB1の壁をなかなか突破できずに、ただ年だけが過ぎていく。
渡辺二冠に対する「ライバル」という表現には、「かつての」という枕詞が付くように。
今回の挑戦権決定戦、当然期するものがあるでしょう。
数少ない関西のトッププロとしての意地もあるはず。
一応居飛車党ではありますが、棋風はやや軟体調。
今どきのプロ棋士ではまず見られない(木村八段くらい)、昔ながらの厚みで勝負。
また「何かありそうだ」という嗅覚にも極めて優れており、横歩取りでの(新)山崎流を筆頭に、独自の指し回しに定評があります。

さて肝心の三番勝負ですが、既に第2局まで行われてこちらもここまで1勝1敗となっております。
お盆の最中である8/16に行われた第1局では、後手の山崎七段が得意の一手損角換わりに出たものの、この戦法の宿命であるこっちがノーミスでやっと五分という呪縛から逃れることができずに敗北。
一方こないだの9/6の木曜日に行われた第2局では、相掛りからの早繰り銀という趣向に出た山崎七段に対して△8五飛から激しい変化に丸山九段が飛び込んだものの、中盤以降ノーチャンス、という辛い結果に。
トッププロの居飛車党が現在抱える難題である「後手のとき、どうする?」という課題にお互いに悩んでいる、という状況であり、常識的な予想をしてしまうと第3局の振り駒で決まるというあんまりな結論に達してしまうのですが、そんな体たらくで絶対王者の渡辺竜王に勝てるはずもなく、両者がどんな工夫を凝らすのかを只々楽しみにしております。

第3局は9/11(火)に東京将棋会館で行われます。
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by mitsuboshi03 | 2012-09-09 20:22 | 将棋 | Comments(0)

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