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なんちゃって自走砲

もう旧正月(日本のね)も終わりましたが、最近お正月の風物詩となったのが、

まついせんしゅはいつけっこんするんですか?

な子供の質問(核爆)

日ごと家庭内で理不尽な迫害(爆)を受ける私も、「松井が結婚したらするよ」と切り返そうと思ったのですが、もしうっかり口に出した場合家庭内軍事法廷即決裁判の末銃殺、というパターンが目に浮かびますので泣く泣く断念。
独身貴族も、たまに大変です(苦笑)

てなわけで(ぉ、久々のミリタリネタ。
最近流行の簡易式自走砲、「かんたんに」言うと”なんちゃって自走砲”の話を。

戦場に登場して以来、歩兵の最も身近にある恐怖として君臨し続ける大砲。
なにせはるかかなたから、突然轟音と共に死がやってくるっつーんですから、ふつーの兵隊さんにとっては理不尽としかいいようがありません。
たいへんおおざっぱに言いまして、数々の進歩を見せながらも結局はトラックが引いたりお馬さんが引いたり人力で引いたり(涙)していたいわゆる牽引砲しかなかったのが第1次世界大戦まで。その後ドイツで考案された”電撃戦”を構築する一大要素として、戦車などの車体に直接榴弾砲なんかを載っけた自走砲が出現し、砲兵部隊は戦後長らくこの自走砲と牽引砲の2本柱で構成されておりました。
自走砲の利点は、なんといっても自ら車両と同じスピードで進めること。また、戦場までえっちらおっちら運びーの、陣地構築しーの、弾撃ったらまたしまって運びーの、と手間のかかる牽引砲と違って、モノによっては走りながら撃つ、なんてことも可能なのもイィ!のですが、その分お値段が張るんで数を揃えられないんで戦争は数だよ、兄貴!などと言われてしまうわ、重くなる分船や飛行機で運ぶには大変、というデメリットもありました。冷戦時代に想定されていた大軍同士の激突、をやる分にはそれほど困らなかったのですが、今みたいに内戦があちこちで起こるところを火消しにいく、という時代にはちょっとこの2本立てでは困るなー、ということになってきました。

そんな時代に突如登場したのが、おフランス製の自走砲、カエサルでした。
その辺で走ってるようなトラックに、無造作に155mm榴弾砲を載せたという奇妙ないでたちから、当初はキワモノ扱いされていたのですが、その分価格が安く、スピードも道路の上ならかなり出せ、整備もラクチンだし、軽くて運ぶのもラクラク、などという利点が注目され、次第に支持を集めると共に、多くのパチモソを生み出すこととなったのでした。
この簡易型自走砲、ここでは”なんちゃって自走砲”の利点を牽引砲や自走砲と改めて比較しますとこんな感じになります。

☆牽引砲よりここがスゴイ!☆
  ・必要な人員が少ない(牽引砲だと8~9名のところを4~6名)
  ・トラックで引くのでなく、積んでいるんで全長が短い→隊列も短くて済む
   →大部隊の統制もラクラク
  ・移動→射撃→撤収のサイクルにかかる時間が短い(腐っても自走砲)
  ・防御も固いぞ(小銃や地雷くらいならなんとか)

☆自走砲よりここがいいぞ!☆
  ・安い(なにせ車体がトラックなんで)
  ・整備がラク(やっぱり車体がトラックなんで)
  ・道路ならスピードが出せる(そりゃあトラックですからw)
  ・長距離移動もラクチン(キャタピラ移動の自走砲は単独での長距離移動は不可能。
   ブルドーザーや大型クレーンが高速道路を爆走するところを想像してみてくださいw)
  ・軽いんで、超大型ヘリや中型輸送機でも運べます。

とはいえ、”なんちゃって自走砲”ならなんでもいいかと言えばそうではなくて、欠点もやっぱりあります。

☆”なんちゃって自走砲”、ここはやっぱり”なんちゃって”だ!☆
  ・自走砲に比べりゃ、やっぱり防御力には限界が(トラックですから)
  ・牽引砲に比べたらそりゃ重い
  ・自走砲に比べると砲の向き変えがめんどー(旋回砲塔がないのが多いんで)
  ・自走砲に比べたら早撃ちはムズいぞ(タマの補充が自動化されてないのが多い)

ま、要は使いよう、なわけで、速攻で火消しに向かう即応部隊とかにはちょーどいいですね。また、場合によっては、「自走砲は買ってはみたいが高すぎる」なとことか、「牽引砲はいまさらだよね」なとこが更新用として買う場合もあるでしょう。
んで、こないだ防衛省になったばかりの日本でも、古い牽引砲であるFH-70の後継として導入する動きがあるようです。
候補は3つ。本命穴馬いろいろありますが、あなたなら、どれ!?

■ カエサル ■(フランス、Giat製)

この分野を切り開いた開拓者。キャブ(運転席)を装甲化した地元ルノー製のトラックに、自社製の52口径155mm榴弾砲(射程35km~42km)という近未来の標準的な大砲を積んだ代物。C-130といった戦術輸送機での輸送が可能など、後継候補が多数登場する中でもスタンダードな性能で、価格もそこそここなれていると思われる。また、導入先の懐具合に見合った各種オプションや「おらが国の車体にしたいがや(どこの国や)」な希望にもお答えできるというフランスらしいこざかしい小技もあり。地元フランスだけでなく、タイやサウジアラビア?でも導入の動きありとのこと。
このジャンルとしては標準的でいわゆる「竹」。これといった売りもないが、その分穴もない(旋回砲塔を持ってないことくらいか)。日本で導入するなら、砲と車体を国内開発のものにする可能性もあるだろう。
これと言って不満はないのだが、こと自衛隊ということを考えるのであれば、旧軍以来縁の遠いおフランス製というのがなんとも障害になりそう。私の予想としては、「ボクは貴方のなんだったんですか~!」「ほ・ん・の、お・つ・ま・み♪」「くぅ~~~(さめざめと泣く)」な運命になること請け合いと思われ。

■ アーチャー ■(スウェーデン、ボフォース製)

永世中立を保つため、国産の兵器にこだわり続ける国、スウェーデン。
第二次大戦中のベストセラーとなった40mm機関砲以来、ユニークかつ強力な兵器を作り続ける老舗ボフォースが生んだ”なんちゃって自走砲”が、このアーチャーである。車体はこれも国産のボルボ製。搭載砲はこれも自社製のFH77B牽引砲の改造型。先ほどのカエサルと同じ52口径155mm榴弾砲ではあるが、薬室が大きい分射程もやや長く、開発中(今年配備予定)のエクスキャリバー弾を使用すれば60km先にピンポイントな一撃を加えることが可能。
限定的ながら砲の旋回が可能で、地雷の直撃にも耐えられ、弾の装填も全自動。おまけに自衛用の小火器も装備という日本人好みゴージャスな装備満載の文句なく「松」。やっぱり日本からの引き合いもあるようだ(汗)。その分重量も30tと重く、空輸をするならC-5かC-17、あるいは開発中のA400Mといった大型輸送機の力を借りる必要あり。お値段もかなり張りそうだ。日本以外では、北欧3ヶ国にオーストラリア、マレーシアといったあたりが興味を示しているとのこと。
もともと古い自走砲を退役させていたスウェーデンとしては、「高い簡易型自走砲」というよりは「安い自走砲」という位置づけだろう。99式155mm自走榴弾砲という後継機種があるとはいえ、重くて高くて北海道以外では使いようがないという日本での「安い自走砲」と考えれば、決して悪い買い物ではない。もちろん車体は日本製、砲も99式のものを流用できれば最高だ。

■ ポーティシステム ■(イギリス、BAE製)

フランス、スウェーデンと来て今度はイギリス。「竹」「松」とくれば今度は「梅」だろうという期待を裏切らない廉価版の”なんちゃって自走砲”がこのポーティシステム。英米で導入予定のこれからの牽引砲、M777超軽量砲を旧スパキャット(今はロッキード・マーチンの傘下とのこと。最近は兵器会社の分野でも買収ばっかでどんどん老舗の名が消えてさみしい)製のトラックに載せたもの。
射撃時には車体からアームで砲を下ろす必要があり、厳密に言うと自走砲ではない。砲の回転もできず、搭載砲も39口径155mm榴弾砲な分、先の2つに比べると24~40kmと射程も短い。弾の装填も人力なため、要員も6名と多く、射撃頻度も遅い。
と書くと「なんだいいとこなしじゃないか」となるところだが、それを補って余りあるのがその柔軟な運用性。こいつは砲と車体を分離して運用することができ、砲だけならたったの4.2tと輸送機のみならず、UH-60など中型ヘリでの吊り下げ輸送も可能。こう書くと、AパーツBパーツとか、マゼラトップを思い出しますなwなおこのポーティシステム、イギリスに加えカナダでも採用され、すでにアフガンで実戦投入されているとのこと。
ともすると「安かろう悪かろう」になりがちではあるが、南の島の防衛を重視するのであればこの柔軟な運用性は買い。南の孤島に、この砲をアウトレンジする大砲を持ってこられたときには、どのみち自衛隊に勝ち目はない。

■ その他 ■(アメリカ or 国産)

アメリカでは、西側標準の自走砲となったM109の後継としてクルセイダー自走砲を開発していたのだが、50tという重量と、ゴージャス過ぎる装備でいかなアメリカでも買えない値段になったことから計画をキャンセル。そのかわりとして、次期戦闘車両として開発中のFCSのキャタピラ式車体(タイヤ車体もあるのだが)に先ほどポーティシステムで名前を挙げたM777の砲身を切り詰めたもの(39口径→38口径に)を搭載したNLOS-Cを来年から実戦配備予定とのこと。C-130に搭載可能な軽さと、ディーゼル電気駆動のハイブリッドなエンジンが売りではあるが、なにせ新機軸の開発中物件ということでリスクも高い。
さらに大穴として、全くの自家製、という選択肢もあるにはあるが、もともとノドン対策で大金を積んでいるだけでなく、ゲリラ対策で特科(砲兵を自衛隊ではこう呼ぶ)向けの資金が削られている中、いまさら一から開発するというのは時間も金も足りないだろう。

総合的に見て一応の本命はやっぱりゴージャスなアーチャー。日本人好みの豪華装備に自衛隊もそそられることであろう。また、実質「北海道装備」な99式を補完するために、自走砲のかわりとして導入するのであれば、昔のように部隊を地域に貼り付ける陸自であり続けるのであれば悪い考え方ではない。
ただし、最近中国や韓国が竹島日本領である孤島にちょっかいを出すのに対応するとか、有事に際して、機動力を発揮した柔軟な部隊運用を重視する、ということであればポーティシステムはすごく魅力的に思える。射程の短さは現用の99式やMLRSで十分補えるし、機動力を重視するのであれば、ロケット砲MLRSのランチャーをトラックの車体に載っけた”なんちゃってMLRS”HIMARSを導入する手もあるだろう。

以上、久々のミリタリネタからか長々と書かせてもらいました。
ネタがあったら、またかきますよっ。
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by mitsuboshi03 | 2007-01-17 21:58 | ミリタリー | Comments(6)
東京での某ワークス新年会から戻ってきました。
東ムラカム様やTさまとお会いできなかったのは残念でしたが、それでも久々に桜木町でバカ話に花を咲かせた楽しい会となりました。

そこで。
某ワークス界きってのメガネスキーであらせられる大つき(19)さまより、

メガネを出せメガネをよこせとにかくメガネだわかってんのかお前

脅迫を受けたためw、先週末のニュース番組を席巻した島根が生んだ弱冠14才の天才少女、里見1級の初舞台となりましたレディースオープン・トーナメントの決勝3番勝負の第1局をフューチャーします。
画像をそのまま貼り付けるのは気が引けたんで、里見たんの画像は上のサイトをご覧下さい。

・・・えー、大つき(19)センセ、もういい大人なんですから、
着脱自在なんて聞いてねーぞゴルァ(AA略)
などとゴネないようにw

さてこのレディースオープン・トーナメント、女流棋界では4大タイトルの1つとされる大きな大会。女流棋士に加え、アマチュアや育成会員(女流棋士のタマゴ)を加えたトーナメント戦で優勝を争います。細かい話を言いますと、タイトルマッチがない単なるトーナメント戦なので、厳密に言うとタイトル戦というには語弊があるのですが。なお、主催は唯一の将棋専門新聞である週刊将棋であります。
里見1級は、今回予選で同じ関西所属のライバルである室田1級(美人!)と井道1級を破って本選に進出。本選では優勝候補であった千葉女流王将を撃破する殊勲の星を挙げ、同じく優勝候補だった清水女流二冠を破った村田初段(史上初の兄妹プロ棋士)に競り勝ち、決勝まで駒を進めてきました。14才という年齢のこともあり、これだけでもニュースに取り上げられる価値は十分ですが、業界で名を上げるにはやはり優勝が必須条件。この決勝3番勝負は、女流棋士人生を大きく左右する戦いになるでしょう。

里見1級の将棋をじっくり見るのは今回が初めて。実力者の矢内女流名人相手に、どんな将棋を指すかを楽しみに棋譜を調べてみました。
というわけで、久々に図面を使います。

b0017164_20293696.jpgNHKのニュースでは中飛車が得意とのことだったので、てっきりゴキゲン中飛車だと思い込んでいたのですが、先手の里見1級が選んだのは昔からよくあるツノ銀風の中飛車。男性プロやアマチュアでは相手に嬉々として居飛車穴熊に組まれて大変な思いをすることの多い戦型ではあるのですが、盤上では男性より血の気の多い女流(本当)の場合では、それほど居飛車穴熊を気にせずに済むんでこれはこれでありかと。
案の定、矢内女流名人は図の△4二銀上で居飛車穴熊を放棄。以下▲4八銀△3五歩と玉頭位取りを目指すことに。これに対し、持久戦にして玉頭の位取りを生かされるのを嫌った里見1級は、さっそく▲6五歩と開戦。控え室にいるお兄さんやオジさん、この一手にこれが若さかと言ったとか(違


b0017164_20432911.jpg上の局面で始まった小競り合いが一段落し、第2次駒組作戦たけなわのこの局面で、控え室の酷評三羽烏の一人、戸辺四段が感心したのが図の▲5七金。6七にいた左側の金を手順に玉側に引き付ける渋い好手。男性プロならこういう手に舌なめずりするものですが、女流では千葉女流王将くらいしかやりそうにない手であり、「こういう女流が出てきたんだな」と思った次第。
なお、後手から△6四歩と開戦する手が気になるところですが、それは▲6八飛と振り飛車らしい飛車の転換でまずまずとのこと。結局この数手後に矢内女流名人が△6四歩を決断し、本格的な戦いに突入します。


b0017164_2171488.jpg上の△6四歩から矢内女流名人が決戦を挑んだのですが、残念ながら不発。角交換から馬を作ったのはいいのですが、図のように8七にいたのでは駒台にいた方が得かもしれないというマズーな展開。特に角交換で手順に7七に上がった先手の左桂と、8一に蟄居したままの後手の右桂の働きの差が大きいとのこと。こういう視点は私のようなヘボには欠けがちな観点で、勉強になります。
しかし、図の△2七歩の王手に▲同玉と対応したのは里見1級のミス。△2五歩から手順に玉頭に拠点を作られては後手も元気百倍。形勢が接近してきました。


b0017164_2118786.jpg上の図以後、互角の攻防を繰り広げていた両者ですが、図の△5二金が敗着。▲6三歩成を嫌った手ではあるのですが、プロ棋士が嫌う「受けただけ」の一手であり、守りの要である金が王様から離れる一手であり、なにより次の▲7五桂で結局▲6三歩成が受からない、という矢内女流名人にしては残念な一手でした。
とはいえ、ここからの怒涛の寄せでこの手を敗着にした里見1級の終盤力はさすが。女流の対局だと、結構こういう場面から形勢が二転三転、てなことになりがちで、これが男性プロとの大きな差となっているのですが、こういう勝ち方が出来れば本当に今後に期待が持てます。子供の頃、惜しまれつつ引退した高橋和女流三段と約束して以来、毎日欠かさず取り組んだ詰将棋で鍛えた終盤力の一端を見せてもらいました。


里見1級に関してですが、新進気鋭の若手によく見られる、序盤のマズさを終盤力の強さで乗り切る、という印象を受けました。この局で見せた終盤力の強さを今後も発揮できるのであれば、今いまいち頭打ちな女流のレベルを、もう一段引き上げるだけのポテンシャルを持っていると断言できます。ただそれには、特に序盤を含めた一層のレベルアップが不可欠ですが。
一方今回は「斬られ役」となった矢内女流名人ですが、調子や実力そのものは、普通の女流のレベルからすればそれほど悪くないレベルだったと思います。それを凌駕した新鋭の勢いにどう立ち向かうか、第2局が楽しみです。

ちなみにこの里見1級、先ほど名前の上がった関西でのライバルである室田1級と井道1級の3人で、キラリっ娘のそよ風日記という期間限定のブログを書いてます。全員ティーンな女の子だけあってバリバリのギャルブログであり、女子高生のエキスを吸って生きている東ムラカムさま(ちょっと待て)とは比較するのもおこがましいオジサンな私がしばらく見ていると、うぉっまぶしっとかとーけーるーとか言い出すようなブログではありますが、それぞれに頑張っている様子はひしひしと感じとれます。

それにしても。
この記事のタイトル、『里見の謎』つーバカゲーを知らないとわけがわかりませんな。こじつけだし。
あ、細川氏なら里見氏を連想するかもしれませんな。
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by mitsuboshi03 | 2007-01-14 21:44 | 将棋 | Comments(3)
年末年始にぎっくり腰に悩まされていたこともあったのですが、新年のご挨拶ぐらいしとけとorz
遅ればせながら、あけおめです。今年もよしなに。

んで、13日に某ワークス員の新年会をやろうかと画策しております。
詳しい話は大つき(19)センセの記事で練っておりますので、参加キボンヌの方はエントリーよろ。
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by mitsuboshi03 | 2007-01-08 15:38 | 日常 | Comments(0)

スポーツ、将棋、ミリタリー、オタクネタ、地元長野ネタなど節操なしに書きまくります


by mitsuboshi03