カテゴリ:将棋( 247 )

最強の駒落ち

最近リニューアルしたのがちょっと不評っぽい講談社現代新書。
なんか岩波新書に似ていなくもない。

んで、なんでこのカテゴリとタイトルで講談社現代新書なのかとおっしゃる貴方。
間違っちゃいません。
ちゃんとこの名前で講談社現代新書から最近本が出ました。
今日やっと手に入れたので、その紹介を。

著者の先崎八段は、先日のこの記事でも紹介済。羽生・森内両二冠、佐藤(康)棋聖らとは小学生時代から戦いつづけたライバルであり、共に研究会で学んだ戦友でもあります。棋戦優勝はNHK杯1回のみですが、文才は将棋界でもトップクラスで、将棋雑誌のみならず週刊誌にも連載を持つほど。『ヒカルの碁』のアニメでも講師役を務めた梅沢 由香里五段を強奪して世の囲碁ファンを嘆かせたことでも有名です(爆)
余談ですが、将棋の男性棋士と囲碁の女流棋士の結婚は他にも何件かあるのですが、将棋の女流棋士と囲碁の男性棋士との結婚例は今のところありません。囲碁の男性棋士は隣の芝が青く見えないんでしょうか(笑)

今回の本は、『将棋世界』での好評連載をまとめたもの。
最近指されることが少なくなった駒落ちの最新定跡を判りやすく解説してます。
(余談ですが、駒落ちの話が出てきたのって、私の知る限りでは某fate以来だ(爆))
普通の定跡本と大きく違うのは、単なる定跡手順の紹介だけでなく、将棋に対する考え方まで踏み込んで解説していること。
例えば、八枚落ちの解説では、
玉と金だけなのだから、歩を相手にする以外は、金を攻めるよりないのだ。
今、私はさりげなく重要なことを書いた。
―――金を攻める―――。
これが将棋の基本なのである。

と、八枚落ちに限らない将棋の基本を丁寧に教えてくれます。
また、めったに本に出てこない上手の指し方についても念入りに。
駒落ちがなぜはやらないかというと、上手を指す人がいないからなんですね。
この本は、下手を養成するだけでなく、上手も育成しようという欲張りな本でもあります。

新書ですんで、英世さん一人でおつりがきます。
これで、駒落ち、始めませんか?
相手がいなければソフトに頼る手もありますよ。
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by mitsuboshi03 | 2004-11-21 20:45 | 将棋 | Comments(2)

新人王戦三番勝負

え~、前の記事を書いている間に「囲碁将棋ジャーナル」の時間になりましたので、今度はまじめに将棋ネタやります(えー)

今日の将棋の話題は、新人王戦一色。
ゲストは、先日めでたく新人王に輝いた山崎五段。

新人王戦とは、その名の通り若手棋士を対象にした棋戦。
30歳・六段以下でタイトルを持っていない棋士と、予選を通過した奨励会三段、30歳以下の女流棋士三名、赤旗名人がトーナメント戦を戦う。
昔は下線部の規定はなかった、というか必要を感じなかっただが、一時期の55年組羽生世代の台頭により、規定が作られた(はず)。
ちなみに、最後の赤旗名人とは、しんぶん赤旗マニアの頂点ではなくて(爆)新人王戦の主催紙であるしんぶん赤旗(本当)が、アマチュア向けに行っている大会の優勝者である。

さて、今回生き残った勇者たち(た○し城風)はこの二人。
山崎五段は、関西で久々に現れた期待の若手。ミレニアムイヤー(死語)の2000年に一度新人王に輝いている。早いとこタイトル戦に顔を出して欲しいところ。師匠は先日取り上げた(故)村山九段と同じく、名伯楽の森(信)六段。
佐藤(紳)五段は、安恵(やすえ、と読む。ちなみに苗字なので注意)七段門下の若手の曲者。まだ棋戦優勝経験はないものの、油断ならない相手として一目置かれる存在。将棋連盟のhpでは長髪なのだが、自戦記を掲載している将棋世界12月号では、髪をばっさり切ってヒゲを伸ばした姿が。確かに、本人言うところの竹中直人に似ていないこともない。
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この三番勝負で一貫して採用された戦法が、図の後手一手損戦法。図から後手の方から△8八角成と角を交換するので、ただでさえ一手後に指す後手がさらに一手損するところから名のついた、ただ今流行りの不思議な戦法。詳しい説明は省くが、後手の狙いは先手の▲2五歩を悪い手に、後手の△8四歩を良い手にすること。先手は、得した一手を利用して棒銀などの急戦に持ちこむのが狙いだ。

第3戦の解説を聞き逃した(号泣)ので結果だけざっとお伝えすると、第1局は先手の佐藤(紳)五段が作戦勝ちからそのまま勝利。第2局は後手の山崎五段が終盤に大逆転しての勝利。この第2局の流れがそのまま第3戦の結果に直結した模様。

ちなみに、新人王戦を二度制した棋士は、山崎五段を除いていままでに七名いるのだが、この内の五名がタイトルを獲得している。
先ほども書いたが、一刻も早く、タイトル戦で雄姿を見せて欲しい。
関西の棋士でタイトル戦に常時参加しているのは、現状谷川棋王のみ。
数少ない関西の星として、なお一層の飛躍を期待しております。

しかし、なんで解説聞き逃すかなあ・・・。ヘタレすぎ。
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by mitsuboshi03 | 2004-11-13 14:19 | 将棋 | Comments(2)
はい、今日は将棋の時間です。
本日のネタは、こないだの日曜日に放送された佐藤(康)棋聖-中井女流二冠戦。
いつものように長くなりますのでご了承をば。

NHK杯公式戦では初となる、男女タイトル保持者の激突。
非公式戦のいわゆる「お好み対局」ではよくあることだが、これはガチの勝負。
持ち時間の少ないテレビ対局では事件も十分ありうる。
将棋ファン、業界、注目の一局。

佐藤康光棋聖は羽生二冠、森内三冠らと並び評されるトップ棋士の一人。向かうところ敵無し、タイトル狩りロード驀進中だった森内三冠を婚約パワーで撃破(爆)し、先日めでたく式を挙げた。常時メガネ着用(笑)、趣味はバイオリン、歌舞伎役者の弟に似た面長で端正な顔つき、というといかにも理論派なイメージがあるが、この人が棋界屈指のハードパンチャーなのだから世の中わからない。王様をがっちり囲ってから、攻め合いで王様が露出してからが本領発揮。スパロボに参戦させるなら、ガッツ底力は必須事項だ。
一方中井女流二冠は、清水女流二冠と共に長年女流棋界を代表するトップランナー。平成5年に初めて男性棋士に公式戦で勝利するなど、その実力は男性棋士にも一目置かれるほど。今回のNHK杯でも、すでに若手の曲者、佐藤(秀)六段を血祭りに上げている。棋風はバランスの取れた居飛車党。夫の植山六段と三人の娘を影で支えるママさん棋士としても有名。
さて将棋の方は、先手の佐藤(康)棋聖に固さが見受けられる立ち上がり。

b0017164_11561882.jpg居飛車ならなんでも指せる二人のこと、△3四歩と後手の中井女流二冠が横歩取りを打診したのを受けて立つかと思いきや、佐藤(康)棋聖は図の▲6六歩
やだやだやだ、矢倉じゃなきゃボクちん死んじゃう!(死んでこい自分)な手。部分的には、本譜のように後手からの飛先交換を防ぎにくいため、あまり指されないのだが、勝って当たり前、負ければ末代までの笑い者な立場の佐藤(康)棋聖としては、今日は青春を賭けて磨き上げた矢倉と心中する覚悟を示した一着。

佐藤(康)棋聖は、雑誌「将棋世界」10月号の取材で、「これは私も中井さんの将棋を勉強しなければ」と、早くから中井女流に脅威を感じていた。
ただ、いくら女流棋士が強くなったとはいえ、男性のトップ棋士とはまだ差があるのが実情。たとえば今日解説の先崎八段みたいに、弱い女流と将棋を指してお金がもらえる、ラッキーくらいに気楽に考えられれば負ける要素はないはずなのだが、真面目な佐藤(康)棋聖のこと、そんなにお気楽でいられるはずもない。
まあ、こういう人だから、NHKもあえてぶつけたんでしょうね、きっと。
ちなみに、先ほどの先崎八段は羽生二冠、森内三冠、佐藤(康)棋聖らとは小学生時代からのライバル。このメンバーらと先輩の島八段の下、伝説の研究会島研(マンガで言うならトキワ荘に相当)を組んだことでも知られている。今回の対局は、奴が苦しむところを、生でじっくり見てやろうと解説を志願。佐藤(康)棋聖も、先の「将棋世界」の取材に「それは純粋な動機からとは思えませんがね」と答えている(笑)

b0017164_1233575.jpgそんなこんなで戦いは中盤戦に突入。図の▲1四歩の取り込みが大きく、佐藤(康)棋聖優勢かと思われたのだが、中井女流二冠も平然と△1二歩と受けてから佐藤(康)棋聖の玉頭へ殺到。もともと私は私、あなたはあなた突撃をかけるのは女流のお家芸。これが決まって中井女流二冠優勢となり、歴史的瞬間を見られるかと思ったのだが・・・。


b0017164_12461443.jpg追い込まれた佐藤(康)棋聖だったが、この土壇場になってガッツ発動。図の▲7九歩は佐藤(康)棋聖ならでは勝負手。すでに持ち時間を使いきり、長い間秒読みで指していた中井女流二冠は、残念ながら明確な寄せを見逃し、無意味な受けに回ってしまう。中井女流二冠、無念の投了。


敗れた中井女流二冠だが、この一番は予想を上回る好局。女流棋士の励みとする上でも、女流棋士枠を2つとかにしてもらえないかと思う今日この頃。
佐藤(康)棋聖は、冷や汗が止まらなかったことでしょう。お疲れ様でした。
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by mitsuboshi03 | 2004-11-10 11:53 | 将棋 | Comments(2)
やっとここまで来たぜ、と思うのは読者です。すいません。
これで一段落つけるつもりです(ほんとか)

さて、前回の竜王戦第2局 本編(その1)の最後の図で、△7七桂と飛車取りをかけられた場面ですが、ここで飛車を逃げるようでは今度こそ▲6三歩が飛んできてゲームセット20歳のパパを決断した(しつこい)渡辺六段がこんなチキンな手を選ぶはずがありません。当然飛車を逃げずに△6六歩▲同金△6五香とさらに突進
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ここで図の▲6七歩が肝心なところで、先に▲8五桂と飛車を取りに行くのは△6六香▲6七歩△同香成▲同金△6六歩と眠っていた角が働く上に6六に拠点が出来るだい、どんでんがえし。共に王様が薄い戦型なので、いくら優勢といってもちょっとしたことですぐ形勢がひっくり返ります。先に▲6七歩と守り、以下△6六香▲8五桂△同桂▲8八銀とあくまで後手の9九の馬を働かせないのがミソです。後手はここでも馬を逃げてる場合じゃないので△同馬▲同金△5五桂とコウ=ウラキ、突貫します!(爆)
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ここで▲6六歩と香車を取るのは△6七金、▲5九桂と守るのは△6七香成▲同桂△6六歩などと、「あんた また おれの策にはまっちゃったわけね」とジョセフ・ジョースターに罵られる始末に(爆)
ここでズバッと▲5五同角が正解。拠点の桂馬を刈り取り、△同歩▲6六歩と香車まで取られてしまっては後手の攻めは完全に頓挫。いよいよ先手が▲5四香から寄せに入ります。ここで香車で守りの駒をはがすのがまた大事なポイントで、例えば▲2四桂試験に出る中原囲いの崩し方の一つなのですが、取られた桂馬を逆襲の拠点に使われるのがやっかい。
横歩取りは桂馬の使い方が勝負の鍵。ここ、試験にでますよ(爆)
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このように、ポイントを奪ってからの森内竜王は、野球に例えるとオレ竜の継投のごとく1点どころかヒットも許さない完璧な手順を披露。鉄板流とか鋼鉄流と呼ばれる真価を存分に発揮していただきました。もっとも、当の本人は、寄せが遅いと言われているようでその呼び名はイヤなんですとのこと(苦笑)
しかし今回の寄せも早くて正確。図の▲9五角が、

・△9五角を打たせない(格言の「相手の打ちたいところへ打て」)
・7七の地点の守り
・後手の5一にいる王様を直接睨む
という絶好の一手で、勝負あり。以下△4九と▲7一飛と進んで渡辺六段投了。
森内竜王の完勝でした。

さて七番勝負も一勝一敗。第1局は渡辺六段の強気な踏み込み、第2局は森内竜王のリードを奪ってからの正確な読み、と両者の持ち味が出た方が勝つ、という対決になりつつあります。差がつくとすれば、あああーっ これはわたしのイメージじゃあない・・・・・・トイレでの災難はポルナレフの役だ!と嘆くアブドゥルみたいに(爆)、自分の持ち味が崩れたときだと思います。渡辺六段が去年の王座戦で見せたような、せっかく2勝1敗で羽生をリードしておきながら、その後手が弱気になって敗北、というのがその例ですね。森内竜王なら、中終盤でミスが出て負ける、というのが出たらダメージが大きいと思います。
戦型は第1、2局のように、渡辺六段先手なら矢倉模様、後手なら横歩取りになると思われます。森内竜王はやろうと思えば振飛車でも何でもできますが、王者の風格で追いこまれない内は渡辺六段の注文を受けて立つでしょう。

こんなペースでの解説が毎回できるとは思いませんが、できればまたやってみたいですね。何人に読まれるか極めて不安ではありますが(笑)
全部読まれた方、お疲れ様でした。
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by mitsuboshi03 | 2004-11-06 14:21 | 将棋 | Comments(2)
ああ、長かった、と思うのは読者の方ですね(笑)
やっと本題の竜王戦第2局のレビューに移ります。
なお、手の解説についてはBSの放送や各種HPを参考にしましたが、あくまでオレ解説なので、間違っているところなどあるかもしれません。あらかじめご了承を。
全体の棋譜はこちらをご覧下さい。

竜王戦第2局(序) 横歩取り その2の下の図、△5四歩の場面をもう一度見ていただきたいのですが、実はこの△5四歩が序盤のキーポイントとなった手です。
5年くらい前まではこの手が主流だったのですが、後手の勝率が上がらなかったため、ここで△5五飛から△5四飛と中央に飛車を構えて中央突破を図る手が開発され、現在はこの△5五飛が主流になっています。△5四歩の前の手の▲6八玉も実はこの一局を語る上で重要な一手で、普通は▲5八玉と指すことが多いです。盤面全体のバランスが取れ、また△5四飛のときに例えば▲6八銀と左側の銀を活用できるなどといった中央突破対策にもなるからです。これには、渡辺六段が竜王戦挑戦者決定戦のとき、先手番でこの▲6八玉を使って勝利している、という伏線があったといわれています。いわば高度なマネっ子ケンちゃんといえますね(笑)
△5四歩は、森内竜王の研究をはずそうとしたか、▲6八玉に対する渡辺研究の回答だと言われています。本当のところは本人に聞いてみないと、というか、本人も本当のことを言うかはわかりません(爆)渡辺六段は割と正直な方なので、直球で聞いたら答えてくれそうな気がしますが(さらに爆)
ここから駒組みが続いて角交換があり、渡辺六段は△4四角と持ち駒の角を早くも投入してセオリー通りあくまで先攻を狙います
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後手の渡辺六段は先手の6六の歩を角で取らずに自分の6筋の歩で取らせるのがここでの狙い。△6六角と取るのは▲7七桂から▲6七金右と盛り上がられ、かえって後手の角が攻撃目標となってよくありません。一方先手の森内竜王は、後手の4四の角にそこだとウザいからどいてくれ(爆)と▲4五歩。△5五角などもありそうですが、渡辺六段決断の△4五同桂。次に▲4五同桂と桂を取られた上、先手の右桂が急所に利いてくる手が見え見えなので指しにくい手なのですが、あくまで次に△6六歩と指す!私はこれと共に生き、これと共に死す!いまさら(以下略)な渡辺六段らしい強情な一手です(汗)

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しかし▲4五同桂以下△6六歩▲4九飛と、この図のように冷静に右桂に飛車でヒモを付けられてみると、後手の4四の角がどけばいつでも▲6三歩△同銀▲5三桂成という横歩取りで試験によく出る手順(笑)があり、先手の4九の飛車も直接後手の王様を睨んでいておまけに桂得、と早くも先手の森内竜王がポイントを奪った展開のようです。
このまま手をこまねいていては作戦負けな渡辺六段、△2七歩と悩ましげな歩を放ってから当初の狙い通り△6七歩成から突撃開始。なお、△2七歩に▲3七角と角を手放したのは絶対の一手で、▲2七同銀と取ると△2六歩▲3八銀△3七歩▲同銀△2七歩成と、と金を作られて不利になります。
さて、狙いの△6七歩成から攻めを開始した渡辺六段ですが、ここで▲同金右△9九角成に▲7七桂と左桂を飛ばした手が、ただの飛車取りだけではなく、後手の9九の馬の働きを消した当然ながら大きな一手。先手優勢。

長くなったのでその2へ続きます。
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by mitsuboshi03 | 2004-11-06 10:51 | 将棋 | Comments(1)
横歩取り解説のその2です。
その1が見つからなかったらこちらをクリックして下さい。

さて③の△3三角の説明に移ります。
この形は空中戦の呼び名がついており、今日は反省の日にも名前を出させていただきました内藤國雄九段が研究を重ねてきた戦法です。
一時期下火になっておりましたが、つい最近になって、新しい工夫がされることで再び脚光をあびることになります。

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この△8五飛と高飛車に構えるのが工夫の一手で、単に△8五飛型横歩取り、あるいは創始者の中座真五段の名を取って、中座飛車と呼ばれています。
一見飛車が不安定なようですが、先手から歩を突いて仕掛ける筋を消し、後手から先に攻められるようにしよう、というのがこの手の狙いです。
ちなみに、堕落してみる(その3)で取り上げた『しおんの王』の主人公、紫音の得意戦法でもあります。マンガではさっき出てきた空中戦の名前になってますけど。

ここから手が進むと、たとえば今日の竜王戦第2局ではこのような局面になります。
(先手森内-後手渡辺)

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後手の囲いは、中原誠永世十段が考案した中原囲いと呼ばれるもの。囲うのにそれほど手数がかからない割に、飛車を打ち込まれても強く戦えるのが売りです。
後手の狙いは、局面が落ち着く前にさっさと戦いを起こすこと。歩損を代償に主導権を握っているわけですから、主導権まで無くしてしまったら意味がありません。例えば△7五歩▲同歩△6五桂から△7七歩と打ち込むとか、△6五桂△4五桂と両方の桂馬を飛ばして中央突破を図るなどの攻めが代表的な狙い筋になります。少々駒損しても飛車、角、桂馬、歩を武器に攻め続けられれば中原囲いの固さが光ります。
一方先手は、後手の無理気味な攻めをうまくいなせば、駒得な分有利になります。

最近この横歩取りが流行しているのは、ずばり後手番から先に攻められることに尽きます。両方とも飛車を振らない相居飛車の形だと、何も考えずにいくとどうしても先手に先に攻められて下手するとそのまま押し切られる、といういいとこなしでうっぷんの溜まる負け方になりやすいので、居飛車一本槍の方にはまさに神の戦法と言えます。
プロの間では、かなりの部分まで研究が進んでおり、下手をすると相手の研究にハマってそのまま坂道をころげ落ちるように(以下略)なんてことにもなりかねない怖い戦法でもあります。
あと、棋譜を並べる側の立場からすると、途中まで同じ手順の将棋がいくつもあって、またあの形かよ並べていて楽しくない戦法でもあります(汗)。

と、これを踏まえた上で、第2局はどうなったかといいますと・・・
(竜王戦第2局 本編へつづく)
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by mitsuboshi03 | 2004-11-05 13:31 | 将棋 | Comments(2)
防衛ロード驀進中の三冠王森内に新進気鋭の20歳のパパな渡辺が挑む竜王戦も第2局に突入。
戦型が渡辺得意の横歩取りに落ち着いたので、脳内のおさらいを兼ねて横歩取りについて書いていくことにします。

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横歩取りというのは、左図の通りに角筋を通した歩を飛車で取る戦法。大昔からある戦法ですが、昔は横歩三年の患いとのことわざが残るほど取るのはまずいとされていました。時代が下って、徐々に駒得マンセー!な考えが台頭するようになると、先手が積極的に横歩を取るようになります。




後手の対策は主に3通り。
①△7六飛と後手も横歩を取る
②△3三桂と桂馬を上がる
③△3三角と角を上がる

①は後に飛車角も交換し、いきなり終盤戦な激しい将棋になります。現在の研究では先手が有利と言われています。なんにも研究せずに指すのは、「あんた、背中が煤けてるぜ」と相手に言われて即死(爆)です。
②は3三桂型と呼ばれる形で、プロでもまれに出てきます。それほど一般的ではありませんが、立派な指し方です。
③が3三角型と呼ばれる形で、今プロで指される横歩取りのほとんどがこの形になります。ここからが本番なのですが長くなりますので次に続きます。

(横歩取り その2に続く)
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by mitsuboshi03 | 2004-11-05 13:01 | 将棋 | Comments(0)

NHK杯 中川-谷川戦

日曜の朝10時からは将棋の時間ということで。

今日のNHK杯の対局は中川-谷川というやや重量級の対戦。
谷川棋王はいまさら説明不要の第一人者。先日王位を羽生に取られたが、関西でタイトル戦でまともに戦える数少ない存在。迷ったらアクセル全開な攻めっぷりと十八番の光速の寄せが持ち味。

そういや、昔将棋部で終盤になると、
「光速の寄せを見せてやろう」と言っては相手に無言で机を寄せられる部長
がいたなあ。元気かなあ(爆)

一方中川七段は、華やかな舞台での活躍こそないものの、順位戦を中心に地味ながら着実に実力をつけつつある中堅。今年の順位戦ではB1でここまでトップの成績を上げている。研究量の豊富さでは他の棋士に一目置かれる存在。
昔はいかにも青白い学者風という一般的な棋士のたたずまいだったはずなのだが、今日の対局では解説で中国の武将にたとえられるほどの勝負師顔に。
ここから中川大輔七段を検索してみてくれ

さて対局の方は、後手の谷川が一手損戦法から右玉へ移行し、ジリジリポイントを稼いで優勢を確保。
こんなん谷川先生じゃない(爆)
中の人は誰っすか(核爆)
という声が聞こえてしかたがないのだが、最近はこういう指し方もできるようになったのがニュー谷川だったりする(笑)

ちなみに、今日の解説は中川七段の師匠である米長邦雄永世棋聖。
先日天皇陛下相手に勇者な発言をかまして個人HP祭りになっちゃった方ですが、いい人なのよ、ホントよ。

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今日も弟子の中川七段が、寄せられる直前に最後のお願いをしている最中、
この歩(▲6四歩)を取ってくれないかな。なんとか弟子に勝たせてくれよ。
などとこちらもお願い
憎めない人であります。
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by mitsuboshi03 | 2004-10-31 13:12 | 将棋 | Comments(0)
一週お休みを挟んでの放送となった今週の囲碁将棋ジャーナル。
囲碁半分、将棋半分で1週間のニュースと注目の対局の解説をするBSの1時間番組だ。

囲碁の方でゲストになっていた三村九段が今週リーグ戦で負けているのを見て、
「負けてテレビに出るのはつらいよなぁ。」
と呑気に構えていたところ、上には上がいた。
将棋で司会を務める矢内女流四段。

女流王位戦挑戦も三連敗で清水女流王位に完敗(どどーん!)
レディースオープントーナメントは準決勝で斎田女流四段に敗退(ちゅどーん!)

ひどい。
あんまりだわ。

女流王位戦は第1、2戦共に優勢だったのに逆転負けという惜しい内容。
棋譜を盤に並べてみても、「なんでこれ勝ちきれないんかな~」と思うことしきり。
現在の女流棋界は、清水・中井両二冠王の世代を、矢内女流四段、石橋女流四段らの若手が追いかけるという図式。矢内・石橋とも瞬間的に勝つこともあるのだが、トータルでは清水・中井とはまだまだ差があるのが現状。
清水・中井が衰える前にせめて拮抗する状況を作っていくことが、女流棋界全体にとってプラスになることだと思う。
頑張って欲しい。
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by mitsuboshi03 | 2004-10-30 14:14 | 将棋 | Comments(0)

譲り合い

今日から朝日新聞の将棋欄で掲載開始の鈴木(大)-中村戦。
朝の風景の描写がちょっと面白かったので紹介。

対局開始10分前、先に対局室へ入った鈴木(大)がウーロン茶2Lペットを抱え下座に座る。
直後に現れた中村が、鈴木(大)に上座に座るよう促す。
対局規定上は上座に座るのは順位戦の席次が上の鈴木(大)。
だが、元タイトルホルダーであり、かつ奨励会時代の幹事でもあった先輩の中村を下座に座らせて対局するのは恐れ多い。
ちなみに、奨励会(棋士養成機関、つーか、はっきり言って虎の穴)を統括する幹事(現役棋士1~2名が持ちまわりで担当)と奨励会員とは、小学校の担任の教師と生徒くらいの関係と思っていただくと判りやすい。
結局しばし下座の譲り合いをしたあげく、中村が上座に座って対局開始。

昔だと「オレの方が格上だ」と試合開始前からゴング、ということもあったらしいが、今はこのようにどちらが下座に座るかで譲り合いとなることが多い。
策を弄するのであれば、先輩が30分くらい前に先に下座に座って待つ、という手もある。
タイトルホルダーならともかく、先輩を下座に座らせて一日盤に向かい合う、というのはちょっとやりづらいものだ。
最近は新聞の観戦記も手の解説がほとんどで、なかなかこうした風景などの描写がないのだが、読者はむしろこうした記事を読みたいのではないのか、とふと思うこのごろであった。
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by mitsuboshi03 | 2004-10-30 10:27 | 将棋 | Comments(0)

スポーツ、将棋、ミリタリー、オタクネタ、地元長野ネタなど節操なしに書きまくります


by mitsuboshi03