2017年 09月 10日 ( 1 )

ある日のこと。

竜王挑戦を決めた私が関係者による内々の宴席に招かれ、先に座っていた香川女流に「お前こっち来い」と促されて席に座ることに。
たまたま対面した丸山九段に、開口一番「丸山先生も竜王戦では今ひとつですねえ」などとナチュラルに暴言を吐いて相手を苦笑させながら宴の始まりを待つ。

という夢を見ました(夢オチ、ダメ、ぜったい)

それにしても。
いくら夢とはいえ、去年を含め3度の竜王挑戦者になっている丸山先生に向かって今ひとつってことはなかろうよ。
もう少しリアリティってものをなあ(ツッコミどころそこかよ)
丸山先生、ごめんなさい。

こんな冒頭ですが、今回も将棋ネタ。
色々とネタの尽きない日々になってきましたので、またまた駆け足でお送りします。

■王座戦開幕。肝心の将棋は意外な結末に(王座戦五番勝負 第1局)

冒頭からして竜王戦から始めそうなものですが、しばし待たれい。
話には順序というものがあるんじゃ。

まずは9月5日(火)に仙台市で行われた王座戦五番勝負の第1局から。
王座戦というと夏のタイトル戦という意識が強いのですが、実は残暑というか初秋の時期にやるんですよね。
さて対局の方ですが、先手の中村挑戦者が角換わりを志向したところ、羽生王座がそれを拒否して「雁木でガンガンいこうぜ」と後手番ながら先攻してやや優位に立つ流れに。
それにしても毎度毎度思うのですが、羽生王座の引き出し広すぎぃ!

こうなれば後は羽生王座が逃さない、かと思われたのですが、局後の検討によると、どうやら羽生王座が仕上げのところで最善手を何度か逃したらしく、終盤は中村挑戦者の玉が盤面を右往左往する泥仕合の展開に。
そうはいってもこの展開で羽生王座が勝ちを逃すことはなかろうよ、と日頃の疲れもあってかここでニコ生での中継を打ち切った私。

まさかねえ、中村挑戦者の大逆転勝利とはねえ。

長年羽生王座を追っかけてきた私ですが、羽生王座がこういうグダグダの終盤戦を展開するってことは滅多になかっただけに、当の本人が一番ショックでしょうが、私にとってもショックの大きな一戦でした。
やっぱりねえ、40代も後半になると色々あるんですよ、色々と(経験談)

一方、中村挑戦者にとっては大きな一勝。
前回の対決でもフルセットまでもつれこんでいるだけに、次の第2局も勝って波に乗りたいところ。
今度は手番が後手になるので、戦法選択をどうするかが注目されます。
本命は二手目△8四歩から角換わりを受けて立つ、とでもしておきましょう。
第2局は、9月19日に大阪で行われます。

■羽生二冠、永世七冠への足掛かりを得る(竜王戦挑戦者決定三番勝負 第3局)

王座戦が終わるとすぐ、今度は9月8日(金)に竜王戦挑戦者決定三番勝負の第3局。
第一人者の宿命とはいえ、羽生二冠にとっては辛い流れです。

1勝1敗で迎えた運命の第3局で、めでたく先手番を引き当てたのは松尾八段。
一世一代の大勝負で選んだのは、第2局でも選んだ相掛かりからの横歩取らせ。
「この戦法にすべてを賭ける」という松尾八段の意気込みを感じさせる戦法選択でした。

横歩取りらしい派手な斬り合いが繰り広げながらも、一進一退の好勝負を展開。
どう結末がつくのかと思ってましたが、88手目に羽生二冠が△6九飛と王手を掛けた局面で、松尾八段が▲6八銀と銀を助けながら守るか、▲5八玉と金を助けながら飛車筋をかわすかの二択を迫られたところがクライマックスだったようです。
ここで松尾八段が▲6八銀と指してからはどうも勝ち目がなかった模様。
とはいえ、▲5八玉と正解を指していたとしてもきわどい変化が続くので、松尾八段を責める気にはさらさらなれません。
松尾八段が精一杯の抵抗を見せた好局だったと思います。

さて久々の竜王挑戦を決めた羽生二冠。
羽生二冠の強さの一つとして、「悪い流れを引きずらない」「一度殴られたら百倍返し」というのがあるのですが、今回もその強さを遺憾なく発揮した一局となりました。
これで王座防衛と竜王奪取を果たせば、夢のタイトル100期+永世七冠という空前絶後の大記録を達成することになります。
本人のみならず、熱烈な羽生ファンも待っている悲願達成ということになるのでしょうか。
また事情通というかひねくれたファンからすると、昨年の竜王戦にまつわる騒動で渡辺竜王に一杯食わされた因縁対決という見方もありますが(おい)

竜王戦七番勝負は、少し間が空いて10月20日(金)に開幕します。

■前期三段リーグ終了、新四段は2名に

今度は前期の三段リーグ。
プロ入りを賭けた骨肉の争いが展開される三段リーグですが、昨日の9月9日(土)に前期三段リーグの最終局が行われ、新四段が2名誕生することとなりました。

三段リーグは半年をかけてリーグ戦(全18戦、総当たりではない)が行われ、成績上位2名に加えて次点2回を獲得した者がプロ入りを果たすことになります(次点2回の場合はフリークラス行き、行かない選択肢もあり)
今回は次点2回を獲得した者が無く、成績上位の斎藤明日斗・古森悠太両三段が新四段の資格を得ることとなりました。
どちらも二十歳前後の新四段ということで、例年通りの展開になったかなと思います。

二人とも長く苦しい戦いを乗り切ったことに敬意を表します。
おめでとう。これからも頑張ってね。

なお活躍を期待される女性三段陣の結果ですが、序盤連勝して注目された西山朋佳三段は9勝9敗の五分。
また里見香奈三段は7勝11敗で負け越しの結果に。
それから里見香奈三段は年齢制限により、来年前期の三段リーグからは勝ち越さないと奨励会を退会することとなります。

なお、例年ですと四段昇格のためには少なくとも12勝6敗以上の成績が必要とされます。
実力同等以上を相手に、2勝1敗以上のペースで乗り切らないといけないのが辛いところ。
また、後からも続々と新たな三段が入ってくる。
厳しい世界です。

■きょうの藤井聡太(新人王戦で佐々木大地四段に敗れる)

さてきょうの藤井聡太。
今週は9月7日(木)に新人王戦の準々決勝で佐々木大地四段との対戦があり、残念ながら敗れました。
佐々木大地四段は、先程の三段リーグの記事で取り上げた「次点2回獲得によるフリークラス行き」を選択して棋士になった数少ない事例の一人です。
とはいえ実力は確かで、今年の2月に優秀な成績を上げたことによりC級2組への昇級を果たすスピード記録を達成しております。
今後も藤井四段と当たる機会は多いと思われる棋士の一人ですね。

なんとかこの新人王戦で棋戦優勝童貞を捨てて欲しかったのですが、今期はそれは果たせないこととなってしまいました。
まあ、普通の棋士はこんなもんです。
今まで勝ちすぎてたんです。
ここらでじっくり腰を据えて、将棋の実力をつけてもらいたいものです。

次回の対局は9月14日(木)。
順位戦で佐藤慎一五段との対局が予定されております。
ここまできたら、とにかく順位戦だけは星を落とさない勢いでいってもらいたいところ。

■伊藤沙恵女流二段、女流王将への挑戦権を得る

最後に女流の話題を。
女流王将戦の挑戦権決定戦が行われ、加藤桃子女王に勝った伊藤沙恵女流二段が女流王将への挑戦権を獲得しております。

奨励会の在籍経験がある伊藤沙恵女流二段ですが、ここ最近の活躍ぶりにはすさまじいものがありますね。
とにかくこういう勢いのあるうちにタイトルの1つや2つは獲っておきたいところ。
とはいえ相手は女流第一人者の里見香奈女流五冠。
厳しい相手ではありますが、とにかく勝たないことには先に進めません。

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by mitsuboshi03 | 2017-09-10 15:26 | 将棋 | Comments(0)

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