里見の野望 その1
2008年 12月 01日
「トニ~、もうボクやる気が出ないよ~」な秋をどうにか乗り切ったので、バリバリ書き込みたい今日この頃。いつまで続くかは心の棚に置いておくとして(苦笑)
今回は将棋ネタ。それも久々となる女流棋界の話題を。
とくれば、もうタイトルでネタはバレバレですね(笑)
里見新倉敷藤花の話を中心にお送りします。
倉敷藤花戦は、大山十五世名人の生まれ故郷の
清水倉敷藤花・女流王将に対しますは、弱冠16歳の
戦前は清水倉敷藤花乗りの声が多かったのですが、蓋をあけてみれば2-0で里見新倉敷藤花の誕生、ということにあいなりました。
棋譜をおおざっぱに見た感想ですが、序盤は里見初段の十八番である中飛車への清水倉敷藤花の対応がやや古典的で形勢を損ねている印象。中盤は清水倉敷藤花が盛り返すものの、里見初段の粘り強さに清水倉敷藤花が攻めを持て余しているうちに、里見初段がひたひたと清水玉を攻略、という流れになっているようでした。
女流三冠のチャンスもあった清水前倉敷藤花ですが、この前に行われた女流王位戦5番勝負も2-3で石橋女流王位に敗退。残る女流王将はなんとタイトル戦自体が今年度限りで消滅となり、長年女流棋界の第一人者として君臨してきた清水女流王将が無冠となる危機を迎えることとなります。
序盤が多少まずくても、女流棋界では屈指の中終盤力で相手をねじふせてきたのですが、最近のタイトル戦に限って言えば終盤力にかげりが見えているのが気がかりです。これが単なる不調ならばまだ良いのですが、このまま一気に衰える可能性もあります。
というのも、矢内女王・女流名人、石橋女流王位、千葉三段といった中堅に加え、里見新倉敷藤花、甲斐二段といった若手の突き上げがあるから。特に里見新倉敷藤花の誕生は若手にとって大きな刺激となることでしょう。
今回の三番勝負は、個人的に里見帝国(戦国マニア的にこの名称はどうよ>細川氏)を築けるかどうかの試金石だと思ってました。
第一人者の清水女流王将がまだ力を保ったままのうちに、番勝負を挑んで、勝つ。
落ち目の元第一人者に勝つのとは価値がだいぶん違いますから。
毎度の出雲市からの遠征が研究や体力面で大きなハンデではありますが、倉敷藤花に限らず、他のタイトル戦や棋戦にもどんどん挑戦して欲しいです。本人もそれは十分承知しているようで、記者会見でも”もっと早くタイトルを取りたかった”と語っていたのがずいぶん頼もしく見えました。
ところで。
タイトルの名前の付け方にいっくら悩んだとはいえ、やっぱさすがに「女王」はないと思うのですが。
そこんとこどうなんでしょ毎日のえらいひと(爆)
>「ふにふに中飛車〜」
それはそれで(爆)
ちなみに力戦中飛車を多用しているのは、遠隔地在住のためどうしても研究の機会に恵まれないのをカバーする意味もあるんですよっと。