竜王戦第2局 本編(その1)

ああ、長かった、と思うのは読者の方ですね(笑)
やっと本題の竜王戦第2局のレビューに移ります。
なお、手の解説についてはBSの放送や各種HPを参考にしましたが、あくまでオレ解説なので、間違っているところなどあるかもしれません。あらかじめご了承を。
全体の棋譜はこちらをご覧下さい。

竜王戦第2局(序) 横歩取り その2の下の図、△5四歩の場面をもう一度見ていただきたいのですが、実はこの△5四歩が序盤のキーポイントとなった手です。
5年くらい前まではこの手が主流だったのですが、後手の勝率が上がらなかったため、ここで△5五飛から△5四飛と中央に飛車を構えて中央突破を図る手が開発され、現在はこの△5五飛が主流になっています。△5四歩の前の手の▲6八玉も実はこの一局を語る上で重要な一手で、普通は▲5八玉と指すことが多いです。盤面全体のバランスが取れ、また△5四飛のときに例えば▲6八銀と左側の銀を活用できるなどといった中央突破対策にもなるからです。これには、渡辺六段が竜王戦挑戦者決定戦のとき、先手番でこの▲6八玉を使って勝利している、という伏線があったといわれています。いわば高度なマネっ子ケンちゃんといえますね(笑)
△5四歩は、森内竜王の研究をはずそうとしたか、▲6八玉に対する渡辺研究の回答だと言われています。本当のところは本人に聞いてみないと、というか、本人も本当のことを言うかはわかりません(爆)渡辺六段は割と正直な方なので、直球で聞いたら答えてくれそうな気がしますが(さらに爆)
ここから駒組みが続いて角交換があり、渡辺六段は△4四角と持ち駒の角を早くも投入してセオリー通りあくまで先攻を狙います
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後手の渡辺六段は先手の6六の歩を角で取らずに自分の6筋の歩で取らせるのがここでの狙い。△6六角と取るのは▲7七桂から▲6七金右と盛り上がられ、かえって後手の角が攻撃目標となってよくありません。一方先手の森内竜王は、後手の4四の角にそこだとウザいからどいてくれ(爆)と▲4五歩。△5五角などもありそうですが、渡辺六段決断の△4五同桂。次に▲4五同桂と桂を取られた上、先手の右桂が急所に利いてくる手が見え見えなので指しにくい手なのですが、あくまで次に△6六歩と指す!私はこれと共に生き、これと共に死す!いまさら(以下略)な渡辺六段らしい強情な一手です(汗)

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しかし▲4五同桂以下△6六歩▲4九飛と、この図のように冷静に右桂に飛車でヒモを付けられてみると、後手の4四の角がどけばいつでも▲6三歩△同銀▲5三桂成という横歩取りで試験によく出る手順(笑)があり、先手の4九の飛車も直接後手の王様を睨んでいておまけに桂得、と早くも先手の森内竜王がポイントを奪った展開のようです。
このまま手をこまねいていては作戦負けな渡辺六段、△2七歩と悩ましげな歩を放ってから当初の狙い通り△6七歩成から突撃開始。なお、△2七歩に▲3七角と角を手放したのは絶対の一手で、▲2七同銀と取ると△2六歩▲3八銀△3七歩▲同銀△2七歩成と、と金を作られて不利になります。
さて、狙いの△6七歩成から攻めを開始した渡辺六段ですが、ここで▲同金右△9九角成に▲7七桂と左桂を飛ばした手が、ただの飛車取りだけではなく、後手の9九の馬の働きを消した当然ながら大きな一手。先手優勢。

長くなったのでその2へ続きます。
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Commented by mitsuboshi03 at 2004-11-06 21:26
ついさっき、渡辺六段ご本人のHPが更新されておりました。
・・・△5四歩はやってみたかった手で、やってみて、なんで長い間誰もやらなかったのかよくわかりました、とのこと。
正直なコメント、どもです。
ちなみに、上で5年と書いてしまいましたが、3年半とのことでした。
ここで訂正します。
by mitsuboshi03 | 2004-11-06 10:51 | 将棋 | Comments(1)

スポーツ、将棋、ミリタリー、オタクネタ、地元長野ネタなど節操なしに書きまくります


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