竜王戦第2局(序) 横歩取り その2

横歩取り解説のその2です。
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さて③の△3三角の説明に移ります。
この形は空中戦の呼び名がついており、今日は反省の日にも名前を出させていただきました内藤國雄九段が研究を重ねてきた戦法です。
一時期下火になっておりましたが、つい最近になって、新しい工夫がされることで再び脚光をあびることになります。

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この△8五飛と高飛車に構えるのが工夫の一手で、単に△8五飛型横歩取り、あるいは創始者の中座真五段の名を取って、中座飛車と呼ばれています。
一見飛車が不安定なようですが、先手から歩を突いて仕掛ける筋を消し、後手から先に攻められるようにしよう、というのがこの手の狙いです。
ちなみに、堕落してみる(その3)で取り上げた『しおんの王』の主人公、紫音の得意戦法でもあります。マンガではさっき出てきた空中戦の名前になってますけど。

ここから手が進むと、たとえば今日の竜王戦第2局ではこのような局面になります。
(先手森内-後手渡辺)

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後手の囲いは、中原誠永世十段が考案した中原囲いと呼ばれるもの。囲うのにそれほど手数がかからない割に、飛車を打ち込まれても強く戦えるのが売りです。
後手の狙いは、局面が落ち着く前にさっさと戦いを起こすこと。歩損を代償に主導権を握っているわけですから、主導権まで無くしてしまったら意味がありません。例えば△7五歩▲同歩△6五桂から△7七歩と打ち込むとか、△6五桂△4五桂と両方の桂馬を飛ばして中央突破を図るなどの攻めが代表的な狙い筋になります。少々駒損しても飛車、角、桂馬、歩を武器に攻め続けられれば中原囲いの固さが光ります。
一方先手は、後手の無理気味な攻めをうまくいなせば、駒得な分有利になります。

最近この横歩取りが流行しているのは、ずばり後手番から先に攻められることに尽きます。両方とも飛車を振らない相居飛車の形だと、何も考えずにいくとどうしても先手に先に攻められて下手するとそのまま押し切られる、といういいとこなしでうっぷんの溜まる負け方になりやすいので、居飛車一本槍の方にはまさに神の戦法と言えます。
プロの間では、かなりの部分まで研究が進んでおり、下手をすると相手の研究にハマってそのまま坂道をころげ落ちるように(以下略)なんてことにもなりかねない怖い戦法でもあります。
あと、棋譜を並べる側の立場からすると、途中まで同じ手順の将棋がいくつもあって、またあの形かよ並べていて楽しくない戦法でもあります(汗)。

と、これを踏まえた上で、第2局はどうなったかといいますと・・・
(竜王戦第2局 本編へつづく)
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Commented by hosokawa18272 at 2004-11-05 22:00
なるほど。将棋の世界は奥が深いわな。
基本的な質問なんですけど、
タイトル戦の先手・後手はどうやって決めるの?
ジャンケン? だとしたらすげー重要なジャンケンになるよな。
Commented by mitsuboshi03 at 2004-11-06 09:03
コメントどうもっす。
そちら同様、マイペースでやらせてもらってます(笑)
技はそちらよりないですけど(苦笑)

タイトル戦の先手、後手は第1局目の最初に決めます。
記録係が、歩を五枚投げて、歩と、と金がどちらが多いかで決める、いわゆる振り駒というやつですね。
ちなみに、歩が多ければタイトル保持者、と金が多ければ挑戦者が先手になります。
以後先手、後手を1局ごとに交換しながら進行し、5番勝負なら2勝2敗、7番勝負なら3勝3敗になったら改めて振り駒をします。
千日手、持将棋(共に引き分け扱い)になった場合は、今のところタイトル戦ごとに規定が違うので、今森内三冠王が「これにしようぜ!」と出している案で統一するかどうか調整中だったりします。
正式に決まったら、再度blogで取り上げるかも。
by mitsuboshi03 | 2004-11-05 13:31 | 将棋 | Comments(2)

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