里見の強さに謎はないよ(レディースオープン・トーナメント決勝3番勝負 第1局)

東京での某ワークス新年会から戻ってきました。
東ムラカム様やTさまとお会いできなかったのは残念でしたが、それでも久々に桜木町でバカ話に花を咲かせた楽しい会となりました。

そこで。
某ワークス界きってのメガネスキーであらせられる大つき(19)さまより、

メガネを出せメガネをよこせとにかくメガネだわかってんのかお前

脅迫を受けたためw、先週末のニュース番組を席巻した島根が生んだ弱冠14才の天才少女、里見1級の初舞台となりましたレディースオープン・トーナメントの決勝3番勝負の第1局をフューチャーします。
画像をそのまま貼り付けるのは気が引けたんで、里見たんの画像は上のサイトをご覧下さい。

・・・えー、大つき(19)センセ、もういい大人なんですから、
着脱自在なんて聞いてねーぞゴルァ(AA略)
などとゴネないようにw

さてこのレディースオープン・トーナメント、女流棋界では4大タイトルの1つとされる大きな大会。女流棋士に加え、アマチュアや育成会員(女流棋士のタマゴ)を加えたトーナメント戦で優勝を争います。細かい話を言いますと、タイトルマッチがない単なるトーナメント戦なので、厳密に言うとタイトル戦というには語弊があるのですが。なお、主催は唯一の将棋専門新聞である週刊将棋であります。
里見1級は、今回予選で同じ関西所属のライバルである室田1級(美人!)と井道1級を破って本選に進出。本選では優勝候補であった千葉女流王将を撃破する殊勲の星を挙げ、同じく優勝候補だった清水女流二冠を破った村田初段(史上初の兄妹プロ棋士)に競り勝ち、決勝まで駒を進めてきました。14才という年齢のこともあり、これだけでもニュースに取り上げられる価値は十分ですが、業界で名を上げるにはやはり優勝が必須条件。この決勝3番勝負は、女流棋士人生を大きく左右する戦いになるでしょう。

里見1級の将棋をじっくり見るのは今回が初めて。実力者の矢内女流名人相手に、どんな将棋を指すかを楽しみに棋譜を調べてみました。
というわけで、久々に図面を使います。

b0017164_20293696.jpgNHKのニュースでは中飛車が得意とのことだったので、てっきりゴキゲン中飛車だと思い込んでいたのですが、先手の里見1級が選んだのは昔からよくあるツノ銀風の中飛車。男性プロやアマチュアでは相手に嬉々として居飛車穴熊に組まれて大変な思いをすることの多い戦型ではあるのですが、盤上では男性より血の気の多い女流(本当)の場合では、それほど居飛車穴熊を気にせずに済むんでこれはこれでありかと。
案の定、矢内女流名人は図の△4二銀上で居飛車穴熊を放棄。以下▲4八銀△3五歩と玉頭位取りを目指すことに。これに対し、持久戦にして玉頭の位取りを生かされるのを嫌った里見1級は、さっそく▲6五歩と開戦。控え室にいるお兄さんやオジさん、この一手にこれが若さかと言ったとか(違


b0017164_20432911.jpg上の局面で始まった小競り合いが一段落し、第2次駒組作戦たけなわのこの局面で、控え室の酷評三羽烏の一人、戸辺四段が感心したのが図の▲5七金。6七にいた左側の金を手順に玉側に引き付ける渋い好手。男性プロならこういう手に舌なめずりするものですが、女流では千葉女流王将くらいしかやりそうにない手であり、「こういう女流が出てきたんだな」と思った次第。
なお、後手から△6四歩と開戦する手が気になるところですが、それは▲6八飛と振り飛車らしい飛車の転換でまずまずとのこと。結局この数手後に矢内女流名人が△6四歩を決断し、本格的な戦いに突入します。


b0017164_2171488.jpg上の△6四歩から矢内女流名人が決戦を挑んだのですが、残念ながら不発。角交換から馬を作ったのはいいのですが、図のように8七にいたのでは駒台にいた方が得かもしれないというマズーな展開。特に角交換で手順に7七に上がった先手の左桂と、8一に蟄居したままの後手の右桂の働きの差が大きいとのこと。こういう視点は私のようなヘボには欠けがちな観点で、勉強になります。
しかし、図の△2七歩の王手に▲同玉と対応したのは里見1級のミス。△2五歩から手順に玉頭に拠点を作られては後手も元気百倍。形勢が接近してきました。


b0017164_2118786.jpg上の図以後、互角の攻防を繰り広げていた両者ですが、図の△5二金が敗着。▲6三歩成を嫌った手ではあるのですが、プロ棋士が嫌う「受けただけ」の一手であり、守りの要である金が王様から離れる一手であり、なにより次の▲7五桂で結局▲6三歩成が受からない、という矢内女流名人にしては残念な一手でした。
とはいえ、ここからの怒涛の寄せでこの手を敗着にした里見1級の終盤力はさすが。女流の対局だと、結構こういう場面から形勢が二転三転、てなことになりがちで、これが男性プロとの大きな差となっているのですが、こういう勝ち方が出来れば本当に今後に期待が持てます。子供の頃、惜しまれつつ引退した高橋和女流三段と約束して以来、毎日欠かさず取り組んだ詰将棋で鍛えた終盤力の一端を見せてもらいました。


里見1級に関してですが、新進気鋭の若手によく見られる、序盤のマズさを終盤力の強さで乗り切る、という印象を受けました。この局で見せた終盤力の強さを今後も発揮できるのであれば、今いまいち頭打ちな女流のレベルを、もう一段引き上げるだけのポテンシャルを持っていると断言できます。ただそれには、特に序盤を含めた一層のレベルアップが不可欠ですが。
一方今回は「斬られ役」となった矢内女流名人ですが、調子や実力そのものは、普通の女流のレベルからすればそれほど悪くないレベルだったと思います。それを凌駕した新鋭の勢いにどう立ち向かうか、第2局が楽しみです。

ちなみにこの里見1級、先ほど名前の上がった関西でのライバルである室田1級と井道1級の3人で、キラリっ娘のそよ風日記という期間限定のブログを書いてます。全員ティーンな女の子だけあってバリバリのギャルブログであり、女子高生のエキスを吸って生きている東ムラカムさま(ちょっと待て)とは比較するのもおこがましいオジサンな私がしばらく見ていると、うぉっまぶしっとかとーけーるーとか言い出すようなブログではありますが、それぞれに頑張っている様子はひしひしと感じとれます。

それにしても。
この記事のタイトル、『里見の謎』つーバカゲーを知らないとわけがわかりませんな。こじつけだし。
あ、細川氏なら里見氏を連想するかもしれませんな。
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Commented by ohtsuki19 at 2007-01-16 10:34
着脱自在なんて聞いてねーぞゴルァ(AA略)
ム・・・・ム・・・・・ムラカム様 ∩( ・ω・)∩ バンジャーイ

いや、NHKでみた時から着脱自在だったけどw
Commented by mitsuboshi03 at 2007-01-17 21:59
>いや、NHKでみた時から着脱自在だったけどw

それでもお付き合いありがとうございますw
Commented by bleem! at 2007-01-17 22:43 x
この前の「女流棋士のお好み対局」観てもそうですが、やっとまともになってきましたね(って何が?)、女子ゴルフとどっちが先か?と思ってましたが・・・ってオヤジ系週刊誌の「美人なんとか」って記事には、まともな美人が全然おらんけど、今は美人ゴルファーとか美人棋士とかの記事は全然大丈夫ですね。

昔、谷川さんも対局は学生服でね、とお願いされたそうですが、里美さんもやっぱり?わかってるなあ、主催者って感じですね。対局後、私服に着替えてるのがなにげに凄い。

なかには凄いギャルな人も居るんですね、びっくりしました。そのカッコで和室で盤の前に正座って何かのプレイっすか?って感じでした。

なんか今日飛ばしてるなぁ、俺・・・・。スンマセン。
by mitsuboshi03 | 2007-01-14 21:44 | 将棋 | Comments(3)

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