やすみつ君の逆襲(棋聖戦 第3局)

書くぞ 書くぞ 今日こそ棋聖戦を書くぞ

将棋界に大山・升田の時代があったころ。
すったもんだの末、結局大山が名人・王将・九段(後に十段→竜王)の三冠王を欲しいままにしておりました。
これはイカンと思った有志が、
なんとしても升田にタイトルを取ってもらうにはどうしたらよいか
と策を練った結果、
タイトルが取れなければ、新しいタイトルを作ればいいじゃない
どこかの女王様みたいな発想に落ちついて作られたのが棋聖戦のはじまり。
1回でダメなら数をこなせばいいさと当初は異例の年2回のタイトル戦で進行。これでようやく升田にもタイトルが・・・と思っていたところ、
結局は三冠王が四冠王になっただけでしたorz
なんか、TVのトホホ伝説のネタになりそうな話しですね(苦笑)
どっとはらい。

というわけで今度こそ棋聖戦第3局の模様を。
佐藤(康)棋聖の名局をご覧アレ。

今や「棋聖戦男」がすっかり定着した佐藤(康)棋聖。
ここまで3連覇中で、特に昨年は当時羽生から三冠を強奪した森内の猛攻を3-0で阻止。
直後に結婚式が待っていたので頑張った(爆)とはいえ、驚きの快挙。
今年羽生を抑えれば、5連覇での永世棋聖の座も見えてくる。
一方の羽生四冠も、一日制のタイトル戦では圧倒的な成績を上げる中、ここのところ棋聖戦だけは精彩を欠くありさま。ようやく挑戦権を得た今年こそはと腕を撫す。
ここまで共に先手番を制し1勝1敗。ここで後手番の佐藤(康)棋聖に秘策はあるのか。
ありました。とっておきのが。

b0017164_223845.jpg矢倉模様のこの将棋。
図の△6四歩が秘策の第一歩。
穏便に戦う気なら絶対に△5四歩と指すはず。
△6五歩はいきなり△6五歩の飛び蹴りもありうる危険な香りの漂う急戦志向の一手。ここで佐藤(康)棋聖の額に不穏マーカーを張った(ボードゲーム『戦国大名』より(爆))羽生四冠は、急戦対策の陣形に組み始めます。


b0017164_229339.jpgところが佐藤(康)棋聖は急戦にいくと見せかけ、ここで△3三角と急ブレーキ。この手の意味は3三→5一→8四への角の大転換。まっとうに矢倉を組んでから角を8四へ動かそうとすると、どうしても3一→4二→5一→8四と4手必要なのがこうすると3手で済みますよ、というのが佐藤(康)棋聖の主張です。
そうはさせじと羽生四冠、▲4六銀▲3七桂▲3八飛の矢倉崩しの最有力形を組み、先手で仕掛けます。ところが・・・。


b0017164_22202172.jpg羽生四冠が局後悔やんだのがこの▲3五歩の仕掛け。できることなら王様を8八まで囲ってから攻めたかったでしょうが、後手の△5四銀△8四角の形は、手間こそかかるが威力は絶大の理想形。ここでの先攻はやむを得ない処置かと。しかし後手の左銀が3三にいれば後の▲2五桂が3三の銀を直撃できるのですが、今回銀は4二。佐藤(康)棋聖が矢倉に囲うのを遅らせることにより、羽生四冠の攻めを巧みにいなしてます。
このように、佐藤(康)棋聖の秘策は見事的中。完全に序盤をリードしました。
以前のタイトル戦でも、三間飛車から飛車を9筋に振り直して居飛車穴熊を飛車で直撃、という奇策を的中させたことのある佐藤(康)棋聖。羽生四冠相手にこういう秘策が出せれば好調の証です。一方の羽生四冠は、矢倉戦で勝負どころのはずの仕掛け直前の段階で読みにそれほど時間をかけていないのが気になるところ。集中できていないのか?


b0017164_22294991.jpg図の▲4四銀が今週の囲碁将棋ジャーナル解説役の森内名人によると敗着とのこと。先に述べた通り、佐藤(康)棋聖が羽生四冠の攻めをいなしにかかっているだけに、これ以上攻めに出るのは愚策。まだしも、▲2五桂△6二飛▲4六角と眠っている角を活用すべきとのこと。
ここからは、佐藤(康)棋聖が攻勢に出ます。


b0017164_22445517.jpgとはいえ、自陣に角を手放しつつ図の▲7九玉を指したのはさすが羽生四冠の粘り腰。羽生四冠が、将棋界屈指のハードパンチャーである佐藤(康)棋聖を一方的に破ってきたのは、こういうところで決め手を与えず、佐藤(康)棋聖の攻め疲れをじっと待てたからこそ。


b0017164_22485591.jpgしかし今回の佐藤(康)棋聖は一味違う。図の△8三桂が、羽生四冠が狙う▲9五角と飛車を追う手を封じつつ、制圧されそうな7筋の支えにもなる好手。たった一枚の持ち駒を投入する上、飛車の行き先を縮める手なだけに気付きにくい手でした。あとは佐藤(康)棋聖が順当に押し切り、勝負あり。


佐藤(康)棋聖は、秘策が当たっただけでなく、羽生四冠の粘り腰にも冷静に対応するなど強さが目立った一番。強いと思わせる勝ち方ができました。棋聖戦だけでなく、今後の王位戦にも影響する一番かもしれません。
羽生四冠は、はっきり精彩を欠きました。佐藤(康)棋聖の秘策があったとはいえ、勝負どころでの読みを欠く場面もあり、羽生マジックを出す間もなく押しきられることに。今年は年初の王将戦からタイトル戦+朝日オープンとすべて出ずっぱりなだけに、本人は絶対に言い出しませんが、疲れも相当溜まっているようです。どこまで体調を整えられるかが勝負かも。

第4局は18日の祝日開催。
将棋界の話題をさらう瀬川アマのプロ入り試験第1局と同じ日に行われます。
(こっちについては後日詳しく)
どちらも楽しみにしております。
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by mitsuboshi03 | 2005-07-10 23:02 | 将棋 | Comments(0)

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