初防衛おめでとう!(名人戦 第7局)+激指の底力(アマチュア竜王戦)

昨日は天気があまり良くなかったのと飲みすぎで(それだ)霧ケ峰行きを断念。
ついでにブログもお休み。すんません。

の間に、アマチュア竜王戦にオープン参加した激指4がなんとベスト16に残る快挙。
さっき見たニュース10でも大きく取り上げられてました。
こちらの『勝手に将棋トピックス』さんに詳細記事あり)
戦前はまだまだアマトップクラスの壁は厚いのではないかと思われていましたが、一日目の予選を2連勝で突破して決勝トーナメント進出。決勝トーナメントでも1勝を挙げました。
現在はパソコンで参戦していますが、チェスでグランドマスターのカスパロフを葬り去ったディープブルーのようなサーバー上でプログラムを組んだら、現状のソフトレベルでもプロ相手に互角にやれるのではないかと感じました。名人に勝つソフト、というのもいよいよ現実的なものになってきたようです。
とはいえ、コンピュータ選手権のときにも書きましたが、たとえその辺に転がっている車よりなんぼか遅かろうが、「人類最速」という称号はいまだ絶大な威光があるように、上手に住み分けられるのではないかと楽観視してます。
ソフト作るのは人間ですし(笑)

さてお次は長らくお待たせしておりました名人戦第7局を。
森内名人の3勝1敗から羽生四冠が2連勝で勝負はフルセットに。
羽生四冠勝利なら、1勝3敗からの歴史に残る大逆転劇&名人位通算5期獲得により永世名人位を得るという絵に描いたような展開。「不可能を可能にする」羽生四冠ならこういう機会は逃さないはずなのですが、森内名人も将棋自体は好調を維持しているだけに、そうそううまく行くでしょうか。

第7局なので再度振り駒で先後決定。
どちらも先手が欲しいところでしたが、歩3枚が出て森内名人の先手に。
ここで後手の羽生四冠が選択したのは第6局に続き相矢倉。
前回の解説でも述べた通り、羽生世代のDNAとも呼べるこの戦法に再び賭けた羽生四冠ですが、森内名人もちゃんと対抗策を用意していました。

b0017164_2324037.jpg図は▲4六銀で封じ手となった局面。事前に▲1七桂→▲2五桂と、うかつに前進したところを狙われやすい銀より先に桂馬を跳ねて攻撃のカタチを作るのがミソ。駒を成る成らないで禁断の「ちゃい」を使って(いろんな意味で)ブレイクした加藤一二三九段がよく指す戦法であります。この後は出た銀をさっそく狙った△4五歩から壮絶な叩き合いがスタートするわけですが、羽生四冠が局後このあたりの手を悔やんでいたように、ここでの攻防では森内名人がポイントを奪ったようです。

b0017164_23392088.jpg図の△6四銀は我慢の一手。普通はかわりに△6四角と指したいのですが▲同角△同歩▲3五歩△4四金▲2四歩△同歩▲2五歩という玉頭への継ぎ歩が厳しく先手勝勢。
とはいえ、直後の▲7二歩は気持ちのよい一手。△同飛と取るのは飛車の効きが肝心の敵玉頭から外れるため論外。この手の真の意味は▲7一歩成のと金作りではなく、意外と受けに効いている後手の飛車の横利きを止めること。この歩は最後まで残って役割をまっとうすることになります。

b0017164_23582735.jpg図の▲6三銀成は控え室から驚きが上がった一手。遊びかけている後手の64にいる銀をわざわざ手持ちの銀で取りに行くのはちと効率が悪い。直後の△5五歩で後手は先手の1九にいる角を遊び駒にすることを狙います。このまま形勢が紛れれば得意の「羽生マジック」でまくることも十分可能なのですが・・・。

b0017164_031631.jpg上の△5五歩から▲7六金△8六歩▲同歩△6五桂右と進んだのが右の図。どうもこの△6五桂右が負けを早めた手のよう。羽生四冠としてはダンゴになっている桂馬を交換して清算(業界用語ですと「捌く」と呼びますね)しないことには勝負にならないと思ったようですが、先手の森内名人に駒を渡した分、逆にカウンターをキツくするすることになりました。ここでの攻防で桂馬を2枚手に入れた森内名人は、この後もらった桂馬を▲2六桂から▲3四桂打と投資して後手陣を丸裸に。

b0017164_011497.jpgそして図の▲4六銀から△4四金▲6四成銀△同角▲5五銀△同金▲同角△同角▲同歩と遊んでいた先手の角をキレイサッパリ捌いて局面を単純明快にします。
優勢なときは局面をすっきり単純明快にするのが一番。こうなってしまえば、羽生もマジックをかける余地がありません。

b0017164_0173178.jpgそれでも羽生は△6四桂と妖しく先手陣に迫ろうとしますが、攻防に利く▲5三角が最後の決め手。あとは終始単純明快にまとめて森内名人の勝利。

森内名人はタイトル戦通じて初の防衛劇。タイトルは防衛して初めて一人前という言葉を苦々しく聞くしかなかった日々ともこれでおさらば。これで名人位は通算3期となり、羽生四冠を出しぬいて18世永世名人になる可能性も冗談ではなくなってきました。
そんな中でも、記者からは「今後の予定は?」との厳しい質問が。
森内名人、苦笑しながら「直近のタイトル戦は予選で負けたんで、まず予選を頑張ります」とのこと。
真実は時に残酷である(w
くれぐれも、一年をたった4勝(名人戦)で暮らすいい男にはならないように。
一昨年後半の爆発力を早く取り戻して欲しいものです。

羽生四冠はここでは残念ながら敗れましたが、棋聖戦&王位戦のダブルタイトルマッチでは五冠王(+朝日)の可能性あり。
まだまだ激戦は続く。

今回の名人戦は、森内-羽生戦で待望されていたフルセットでの決着がようやく実現。
やっと噛み合ってきたのかな、と思います。
せっかく波長が合いだしたところですし、近々にまたこの2名の番勝負を見たいですね。
[PR]
by mitsuboshi03 | 2005-06-27 23:55 | 将棋 | Comments(0)

スポーツ、将棋、ミリタリー、オタクネタ、地元長野ネタなど節操なしに書きまくります


by mitsuboshi03