ちょいと昔の話になりますが、『ベイビーステップ』、ひとまず終わっちゃいましたね。
ただの高校生だったエーちゃんのプロ生活をもっと見てみたかったのですが、作者としてはとりあえず描きたいことは描けた、ということなんでしょう。
次回作が全くの新作になるか、続編になるかはまだわかりませんが、楽しみにしております。
さて今年最後の投稿になりますが、今日も今日とて将棋ネタ。
年末にかけての話題をざっくりと。
■黒沢最強伝説終結。永瀬七段が棋王戦挑戦決定
まずは棋王戦の挑戦者決定戦から。
途中から2敗失格方式のトーナメントとなる棋王戦ですが、挑戦者決定戦では既報の通り、敗者復活戦から這い上がってきた黒沢五段が、勝者組の永瀬七段を下して12月27日の最終決戦まで持ち込むことに成功しました。
さてその最終決戦ですが、黒沢五段の先手中飛車から両者穴熊に組むという、両者とも「絶対に負けられない」という意志をひしひしと感じる戦型となりました。
中盤まではプロ間でも見解の分かれる互角の形勢だったようですが、永瀬七段が4三に居た守りの金を4四から5五、そして5六と進出して中央を制圧した構想がうまく、さらにこの突出する金の働きを助けるために△9二角と端角を打ったのがまた好手で、以下は永瀬七段が終盤を上手くまとめて勝利を収め、渡辺棋王への挑戦権を獲得しました。
永瀬七段のタイトル挑戦は、昨年の羽生棋聖への挑戦以来2回目となります。
今年は菅井王位・中村王座と同世代のタイトルホルダーが誕生していることもあり、本人にも期するものがあることでしょう。
「練習将棋なら毎日でも指せます」と豪語する、将棋界でも努力の量では指折りの棋士。
相手は強敵渡辺棋王ですが、健闘に期待します。
また渡辺棋王も、ここでむざむざと無冠に陥ることは避けたいはず。
竜王戦では調子が上がる前にやられてしまった印象ですので、棋王戦では始めからエンジン全開での好勝負を望みます。
ご本人のブログにあった、旅行先で「『棋王 渡辺 明』のサインを書いてむしろ失冠を実感しました」という言葉が印象に残っています。
まだまだ若いんですから、頑張ってくださいよ、ホントに。
■きょうの藤井聡太(王座戦1次予選で豊川七段を下す)
さてきょうの藤井聡太。
12月28日に王座戦1次予選で対豊川七段戦を戦い、先手番で順当に勝利を収めております。
まだデビュー2年目だというのに、この年の瀬でも対局がつくというのは、やはり並の棋士ではないですなあ。
先日深浦九段に敗れて初代叡王の道を絶たれてしまいましたので、これからは予選と順位戦でコツコツと勝ちを拾っていく日々が続きます。
デビューからの29連勝時には鋭い攻め味が魅力でしたが、ここ最近ではしぶとい受けや、ベタ読みしないと浮かびにくい手をよく指して勝っている印象を受けます。
確実に実力をつけている感じですね。
いい傾向だと思います。
来年もその調子で頑張って欲しいですね。
■今年の将棋界を振り返って
昨年の今頃は竜王戦問題で大いに揺れた将棋界でしたが、今年は前半に藤井四段のデビューからの29連勝、後半に羽生永世七冠の誕生と、いい意味でここ数十年以来の話題の多い年となりました。
他にも二人の新タイトルホルダーの誕生や、加藤九段・森九段・森(信)七段らの引退、そして大内九段の逝去といった話題が個人的には印象に残っております。
今年みたいな年は中々ないでしょうが、来年も将棋界にとって良い一年でありますように。