接戦の予感(名人戦 第3局)

昨日更新するつもりだったのですが、そんなときに限って仕事で午前様。
昔なら9時過ぎまで寝ていられたのでまだなんとかできたのですが、6時半に起きなきゃならん今となっては寝ないとさすがに翌日に響きますので断念。
今日は書くでぇ~。
お休みもらった分、いつもより図面増量らしいですよ?

第2局で復調の狼煙を上げた森内名人。
一方直前に大激闘の末棋聖戦挑戦を決めた羽生四冠。
(このときの将棋は棋聖戦のいちばん長い日をご覧下され)
どちらも調子は上向き。
熱戦となった第2局の再現なるか。

b0017164_0263888.jpg第1、2局に引き続き後手1手損角換りかとおもいきや、現れたのはその戦法のご先祖様の升田定跡。なにせ私よりもだいぶ年配の戦法でございます(笑)
この局面は、ノーマルな角換り腰掛銀の一つの究極なカタチ。弟弟子の大山15世永世名人と共に戦後の将棋界をリードした奇才、升田第4代実力制名人が考案した定跡ですが、いまのところの結論は両者互角が定説。これを不満とした先手が飛車先不突に走り、後手も紆余曲折の末飛車先を突かなくて済む後手1手損角換りを編み出したのが現在の状況なのですが、たまには原点に戻ってみるのもいい、と羽生四冠は思ったのでしょうか。
ちなみに、この局面から▲8八玉△2二玉と進むと、戦前の将棋界を一人で支えた巨人の名を取った木村定跡という定跡になります。ちなみにこれだと先手必勝。
定跡形、ちょっとの違いが大違いの典型ですね。

で、ここからは土曜日BS2でやった囲碁・将棋ジャーナルでの佐藤棋聖の解説をもとに。

b0017164_0422340.jpg解説はこの△6四同馬の局面から。ここまで前例ありとのこと。古くからある定跡なので下手に打開するわけにもいかないので、前例をある程度踏襲するのはある種の宿命。
ただ、相手が相手なんで、定跡形だからこそどこで変化してくるのか探りながらの神経戦が展開されます。この後は▲4三歩成△同歩▲6四飛△同金▲5三角と未知の戦いに。
一見これで先手決まったかに見えますが、慌てず△2一玉▲6四角成△1一玉でひとまず大丈夫。先手の羽生四冠は▲4一銀から攻めに出ますが・・・。


b0017164_0562250.jpg先ほどから数手進んで後手の森内名人が△4五角と打ったところ。この手は実はこの一局随一の好手。一見ぼんやりした手ですが、放置は△3八竜と出られ、次に△7八角成▲同玉△5八竜となっては大事件発生(爆)
真の狙いはこの攻めをブラフに羽生四冠に攻めさせてからのカウンター狙い。強情さが売りの森内名人ですが、こうした柔らかい好手が出たときは必勝パターンと最近分かってきました。遅すぎますね(笑)


b0017164_153594.jpg森内名人ばかりホメてもいかんので、羽生四冠の好手も。普通の人なら浮いている5八の金を助けようとしますが、ここで▲5六桂と金を見捨てるのが第一人者らしい一手。さっきの△4五角の筋さえ止めてしまえば、金を取られても自玉は寄らず、逆に▲3二金が間に合って勝ち、という寸法。しかし森内名人も手順に△1二玉と逃げ出してからの受けが見事。やや森内名人優勢のまま局面が進みます。


b0017164_1123463.jpgこの図面の一手前の▲7三馬で先手の攻めは切れ模様。受けつぶす手もあったようですが、ここで図の△
7六歩と攻めに出るのが新森内流。勝ち味が遅いといわれていたのはそんなに昔じゃなかった気がしますが。
とはいえ、そこは天下の羽生四冠王。タダでは終わらせてくれません。


b0017164_1184456.jpg図の▲5五馬がハッとさせる一手。先手玉は詰まず、後手玉は22に飛車か角どちらか入って一手詰めですので、後手は△同歩と取るしかありません。
しかしここで先手に上手い手がないのが辛いところ。▲6七金と取りましたが、△7七金が本当の決め手で、以下154手で後手の森内名人が勝利しました。。


森内名人快勝の一番。
番勝負で羽生四冠相手に不利な後手番で勝利したのは大きい。
テニス風に言えば1ブレークアップ、といったところ。
△4五角など好手も盛りだくさんで、内容のある将棋が指せたのも好材料。
一方の羽生四冠も、随所に好手も出ており、決して調子が落ちているわけではない。
きっかけ次第でまた勝ちを積み重ねることは十分可能。

第2局のときも書きましたが、この対戦では数少ない接戦での番勝負になって欲しい。
その兆しは、本局で十分感じられました。
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by mitsuboshi03 | 2005-05-20 01:27 | 将棋 | Comments(0)

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