いざ、取り上げてみたら・・・(朝日オープン 羽生vs山崎 第3局)

取り上げようと思っていたら名人戦に集中して(・・・と、言うことにしといてください)朝日オープンの5番勝負を全然取り上げてなかった(汗)
というわけで、いきなり第3局から取り上げます。

実は朝日オープン杯も持っていた羽生四冠。
昨年後半の怒涛の勝利ラッシュで夢の七冠+朝日をも射程圏内に置いていたのだが、竜王戦の予選で敗れてしまい、残念ながら今年度中の達成は不可能に。
とはいえ、棋聖戦でも挑戦者決定戦まで進出しているなど今年もあいかわらずの強さ。

一方の山崎六段は、関西勢期待の若手有望株。
昨年の新人王戦を制するなど実力は既に高く評価されており、渡辺竜王と共にポスト羽生世代を牽引する存在。ちなみに、5番勝負の直前に行われたNHK杯戦では、羽生四冠を撃破し、初のNHK杯を獲得している。
なお、某雑誌にて山崎六段を『王子様』、渡辺竜王を『魔王』あるいは『魔太郎』(無論『魔太郎が来る!!』の魔太郎のことである。そっくり(核爆))と表記されていたことに渡辺竜王はいたく傷ついたとのことだが、妻子持ちなのにまだ女性ファンが欲しいということなのだろうか(待て)

さて、肝心の5番勝負はここまで羽生四冠の2勝。
第1局は先手羽生四冠の完勝。これはまあ仕方がないにしても、第2局は終盤まで山崎六段がリードしていたにも関わらず羽生四冠にうっちゃられての無念の敗戦。
第3局は羽生四冠の先手番。山崎六段はこのカド番をどうはねかえすか。
ちなみに、今回までの結果はこちらで見られますので是非。

後手の山崎六段が選んだ戦法は後手一手損角換り。
名人戦での記事でも書いた通り、最終的な勝率はあまり良いとは言えないのだが、理論的には後手優勢な変化も多く、他の戦法が後手番で苦しんでいる現状では現実的な選択と言える。

b0017164_19403114.jpg図は後手の山崎六段が△6二飛と飛車を動かしたところだが、実はこの飛車はこの手までに8二から4二へ一度動いている。この飛車が2手動いた分、後手玉は定位置の居玉のまま。先手玉がすでに7九まで早逃げしているのに比べて圧倒的に不利である。先手の攻めを防ぐため止むを得ない飛車の移動とはいえ、天下の羽生四冠相手にこの立ち遅れはキツかったか。


後手玉の守りが薄い今がチャンス!と羽生四冠はここで積極策を採り先攻。
山崎六段もここでは頑張り、互角に近い形勢まで持ち直したのだが・・・。

b0017164_19422263.jpg図の△2二角が勝敗を決定付けた悪手。▲2四歩△同歩▲同飛△2三歩▲3四飛という一見単純な攻めが最後まで途切れない。ここで山崎六段は戦意を喪失。カド番にしてはあっさり土俵を割る残念な結果に終わってしまった。


というわけで、今回の5番勝負は羽生朝日の防衛に終わりました。
結果は3-0でしたが、第2局を順当に山崎六段が制していれば勝負がどう転んだかはわかりません。山崎六段はやや雑な序盤が洗練されてくればもっと強くなれるはず。人真似をしない意欲的な序盤というのは、10年前くらいの羽生四冠の姿とダブる感じがします。このまま精進すれば、羽生四冠の域に近づくことも十分可能と私は判断しますが、さてどうなるか。

全体を通してみると、特にタイトル戦での先手番有利な状況が顕著になった気がします。
以前まで主流だった横歩取りや居飛車派の振り飛車が駆逐され、今のところ後手番一手損角換りに光明を見出しているようですが、良い結果が出ているとは言いがたい。
あっと驚く新戦法の登場か、それとも最近指されていない戦法が見直されるか。
後手番をどう凌ぐかに、トップ棋士は今後も頭を悩ませそうです。
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by mitsuboshi03 | 2005-05-05 19:55 | 将棋 | Comments(0)

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