【ネタバレあり】解体新書風味 3月のライオン 第12巻
2016年 10月 02日
日頃やってないことをやるのは疲れますなあ(涙)
それはさておき、中々お伝えできなかった王位戦ですが、既報の通り、羽生王位が4勝3敗でタイトル防衛となりました。
先に王手をかけていた木村八段でしたが、またもあと一勝が遠いという結末に。
何しろ人柄の良い木村八段ですが、そういうところはワガママでいいですからね!
将棋強いオジサンの挑戦は、まだまだ続きます。
一方の羽生三冠、これでタイトル獲得数が累計で96ということに。
もうどのくらい凄いのか、自分でもよく分かりません(苦笑)
とはいえ、その才能と努力は素晴らしいものがあります。
最近話題になっている奥様twitterですが、心を打つものが2つありました。
脳内だけで書いてますので、元と違ってたらごめんなさい。
「天才というのは、谷川さんや村山(聖)君こそふさわしい。
自分はただ努力しているだけ。」
夫(羽生三冠)は対局の後、どんなに遅く帰ってきた日でも、必ず自室で研究をしている。
部屋から時々、苦しそうな呻き声が聞こえてくる。
後の方の話しですが、対局から帰ると少なくとも夜の9時10時、深夜になることもしばしば。
しかもその前に感想戦を何時間もしているというのに、帰ってからもまた数時間研究。
そして翌朝は次の対局だったり、タイトル戦の前日移動だったり、イベントや講演会なんかに出かけていくわけです。
私が個人的に羽生三冠を一番尊敬していることは、こういう生活を30年以上欠かさず続けているところ。
10代のころ、今の羽生三冠より勉強しているプロ棋士や奨励会員はそれなりに居るだろう。
だが、それを40代半ばまで続けているのは、今だと羽生三冠くらいでしょうね。
さて今回は超久々に3月のライオンをやります!
ここんとこ人間ドラマの多かった3月のライオンですが、おととい届いた第12巻は将棋ネタが多くて楽しい!
重た~い人間ドラマも3月のライオンの味なのですが、将棋好きにはやっぱり将棋ネタがありがたい。
自分にティンと来たネタを中心に、ネタバレありありで紹介していきます(謎)
■忠実なる愛犬エリザベス物語
村山聖・・・もとい、二階堂君の愛犬エリザベス中心に書かれた息抜き回。
なんというか、心がほっこりしますなあ。
現実世界の犬は超苦手な私ですが、二次元なら問題ないし!(おい)
そういや、作者の羽海野チカさんは重度のネコ派なはずですが、犬を描くのも上手ですなあ。
■「棋竜もキャバ嬢の心も失いかけ 今やまさにガケッぷち…」
キャバ嬢はどーでもいいですが(バッサリ)
持ってるタイトルを失うというのは、身を切られるより辛いもの。
それにしても、どこまでもアツ過ぎる藤本棋竜、大好きですw
■先崎学のライオン将棋コラム① 棋士の出身で多いのは
先崎先生、九州出身者に宮城県をカウントする痛恨のミスw
即刻宮城の英雄、「塩釜の天才」こと中原先生に謝ってきてくださいw
それにしても、やはり首都圏と近畿が多いですな。
また普及に熱心な北海道・広島・静岡が多めというのも頷けます。
ちなみに私の地元長野県ですが、田丸九段が規定により今期の竜王戦予選を最後に引退のため、これからは田中(悠)五段の一枚看板となります。
う~む、やっぱり寂しいですなあ。
ネットで強くなった勢とかがもっと出てきてくれると嬉しいのですが。
■「でも 何かこの先の研究があっての事かも知れない…
そうだといいな…だといいな
だとしたら… 見たい見たい すごく見たい!!」
どこまでもアツい藤本棋竜に対して、あくまでマイペースな土橋九段。
将棋を楽しく受け止められている姿に、すごく好印象が持てます。
こういう人は、まず間違いなく強い将棋指しです。
■おもしろい方に三千点
羽海野先生から同世代臭が(おい)
クイズダービー、面白かったなあ。
■「わああ 藤本棋竜 いいカオになっちゃってるー!!」
性格的にも、将棋の上でも、全く噛み合いそうにない藤本棋竜と土橋九段。
こういう対戦は将棋界でもよくありますが、こういうときに大抵ダメになっちゃうのが年上の方。
噛み合わないこと自体にイライラしちゃうんですよね。
一方、年下側はそんなこたあどうでもええわと、とにかく将棋だけに集中してきます。
どちらが勝ちそうかは、まあ明らかですよね。
■「う~ん 周りの方からも☓が出てますね
一砂君 まだ顔色が泥のようであります」
前夜祭で、キャバ嬢と妻と娘の板挟みでこれ以上無いほどのハイテンションな藤本棋竜のオモチャにされてしまった松本五段。
御年54歳とはいえ、薩摩の酒豪で知られる藤本棋竜に徒手空拳でかなうはずもなく、敢え無く沈没する羽目に(涙)
しかしマンガとはいえ、この状態で大判解説に連れて来るのはヒド過ぎますw
■「れいちゃん仕事してる…」
家族サービス(?)に、大判解説の仕事がてらに三姉妹を指宿へ誘っている桐山六段。
普段の零くんしか見ていないんで、ちゃんと仕事しているところを見たらやっぱり驚いたと。
仕事のパパは、ちょっと違うんですよ(謎)
■「もし失冠したら… 俺に再び この地に戻る力は 残っているか?」
今の将棋界で言うと、54歳でタイトル戦に出ること自体が凄いのですが、昔の記録から見れば決して不可能なことではない。
自分で無理だと思ったら無理ですが、やれると思う限りはまだ大丈夫。
と、思えた方が人生楽しいですよね?
■「見るのよ 最後まで お父さま 戦ってらっしゃるわ」
最後に豪快に突進して散っていった藤本棋竜。
見苦しいという見方もできますが、最後まで全力を尽くして戦い抜く姿は、人の心を打つもの。
見る人が見れば、わかります。
■「もう ほんとこんな姿 男子とかが一緒だったら恥ずかしくってできないよねぇ☆」
居るから!零くんそこに居るから!
…零くん、イ㌔。
■「あなたを一時しか幸せにしてくれない人の為に…別れるつもりなど毛頭ありません!!」
ええ人や…(ホロリ)
女性に限らず、最近こういうしっかりした人、めっきり減りましたね。
その前に鏡見ろ?…生きててすいません(土下座)
■「まーめが欲しいか そら やるぞ~ォ♪」
雨空とカラスの群れ、そしてダークスーツ。
滑川七段、流石ですw
このくらいインパクトが無いと現実のプロ棋士に負けちゃうので、まあちかたないよね(おい)
■「相筋違い角!! つっ込んでったよ19歳!! 気ィつよっっ!!」
メインイベント第2弾、滑川七段と桐山六段との順位戦。
滑川七段が筋違い角で奇襲をかけると、逆にこちらも筋違い角で応酬する桐山六段。
現実のプロ棋士ではまず絶対に指さない展開ですが、まあお話としては面白い。
ちなみにやられてみると意外と対応の難しい筋違い角ですが、藤井「てんてー」九段が「これで勝率9割」という対策がありますので、困っている方は試してみてはいかがでしょうか。
とかく終盤のファンタジスタで有名な藤井九段なんですが、本当に序盤に関しては歴史に残すべき大棋士なんですよ、ホントに。
■「頭もキレて 身体能力も高い なんて素敵な子なんでしょう!! ああ 勝ちたい」
見た目のインパクトや変則的な戦い方に騙されがちですが、思考回路は意外と素直な滑川七段。
後のエピソードでも出てきますが、実は意外と優しかったりも。
NHKとは言わないが、ニコ動の解説とかで出てきてくれないかな(怖いもの見たさ)
■「やばい この人 でたらめに強い
ゆっくりとした鋭い球を投げてくる… しかも分かりづらい」
何でもないような局面に、ワナを仕掛けておいてしれっと待つのが滑川流。
確かにこういう人を相手にするはやりづらい。
精神力がガリガリと削られる戦いですね。
心底疲れます。
盤上のシンデレラの記事とかで何度か書いてますが、ミスをするのが人間ですが、ミスをさせるのもまた人間。
こういう神経戦は描くのに難易度が高くて躊躇するのですが、羽海野先生と先崎九段の強力タッグなら無問題。
このあたりの攻防は、是非とも原作を手にとって見ていただきたいですね。
■「ち…バレましたか 負けました」
致命傷は負ったものの、最後の最後までワナを仕掛ける滑川七段。
素直に寄せに行くとえらいことになるところでしたが、そこは天才桐山六段。
手堅く勝ちを引き寄せました。
将棋に勝つって、大変なんですよ。
特にこういう将棋だと、ある意味、負けてる側の方が疲れないですから。
負けて元々、逆転したら大ラッキー、ですからね。
一方勝つ方は大変。
全部読み切らないといけないのですから。