解体新書風味 ~ 盤上のシンデレラ 第7話

今日は地域のボーリング大会と家族サービスで回転すしへ。
というわけで、体力温存のため土曜日は引きこもって朝日オープンの準決勝と決勝を見ることに。
結果としては、「期待の若手を羽生世代が一蹴→やっぱり最後は羽生が勝つ」といういつもの流れではありましたが、特に決勝戦の将棋は結構もつれて楽しめました。
しかし、そのチョイ悪な形勢を勝ち切ってしまうのが鬼蓄メガネ羽生の真骨頂。
上手いもんですなあ(溜息)

さて今回は、予告通り「盤上のシンデレラ」のお話。
特に私が推している第7話「双葉杏は座らない」について、あれこれ箇条書き風味に。
何しろ情報量の多い動画なので、一見スッと通り過ぎがちな場面でも軽く記事が書けてしまうという次第。
まずは動画を見ていただいて、それからこの記事をお読みいただければと。
本動画に出てきた重要単語をタイトルにして、括弧書きで最初に出てきた(だいたいの)時間を入れてます。
なおリンクはこちら→

■安部菜々

千葉県にほど近いウサミン星からやってきたベテランアイドル。
「安部菜々(17)」までが芸名。いいね?
本動画では、天彦新手で伝説となった第4話でも解説役として登場。
本動画のポジションとしては、最近亡くなった河口老師的存在と言える。
最新形やパソコンでの研究にうとい分勝率は稼げないものの、ツボにはまれば大物も吹っ飛ばす、というのが私の妄想(おい)
その実力の一端は、15:30あたりから始まる▲7九玉の解説で遺憾なく発揮されている。必見。

■村上巴

実家が広島の893な任侠アイドル・・・というデレマスのアグレッシブさの一端を担う13歳。
雪歩は一応濁していたのにー
本動画では研修生(プロ棋士の奨励会員相当)
ちなみに第2話で対局者として登場済。
終盤の切れ味に定評があり、18:20あたりで△5八銀という決め手を指摘している。
第1話と第2話で情報の食い違いが発生したが、一応振り飛車党らしい。
が、第7話の対局者な川島瑞樹を尊敬しているというデレマスの設定があるらしく、いつ居飛車党にクラスチェンジしてもおかしくない模様。
プロ棋士でも期待の若手振り飛車党が続々と居飛車党になってますし、ね。

■橘ありす

パソコンとミステリーをこよなく愛する12歳・・・なアイドル。
典型的なツンデレであり、最初のとっつきの悪さを乗り切った後には恐るべきデレを見せる、らしい。
しかも愛が重い12歳。
将来が極めて心配である
本動画では巴と同様の研修生で、高ランクアイドルの対局を勉強しに来たという設定。
将棋の勉強はパソコンでの研究を主体としており、floodgateや大樹の枝を軽々と使いこなす様は「それ何て千田五段?」な次第。
なお当の千田五段が本動画を見に来ていたことをtwitterで報告している。
時代は変わったなあ(しみじみ)
なおこの千田五段、名人挑戦権争いを演じる行方八段を今日放映のNHK杯戦で葬ってのベスト4進出という大戦果を上げている。
NHK杯戦初出場でベスト4、ってのはちょっと記憶にないですなあ。

■双葉杏

(一応)本動画の主役。
「働いたら負け」が信条のぐーたらアイドル。
そのアイドルとしてあんまりな信条と、年齢虚証の疑いも出るほどのコンパクトな肉体がニートなプロデューサーに大人気、らしい。
が、「楽して大儲け」のためなら割りと労力は惜しまない、というのがポイントで、それは本動画でも遺憾なく発揮されている。
本動画では、難敵相手に新研究をぶつけて一泡吹かそうとするが・・・?

■川島瑞樹

地方局のアナウンサーという地位を投げ売って、カワイイもの目当てにアイドルへ転身した28歳。
まあその、「BBA無理すんな」とか「残念な美人」という評価が先に立ちますが、居ると場が締まったりオチが付いて美味しかったりするという、デレマスでもオンリーワンな地位を築くいぶし銀的存在。
本編では、終始正座を崩さなかったり、休憩中から席に付いて相手に圧力をかけていくという昔堅気な一面を見せる。
私みたいな昔ながらの将棋ファンにはバカ受けですな!(おい)

■Bランク戦(0:20あたり)

デレマスでは、アイマスから続くアイドルのランク付けのS>A>Fまでの計7ランクが踏襲されている。
ちなみに将棋のプロの場合は、順位戦がA-B1-B2-C1-C2-フリークラスの6ランク。
竜王戦が1~6組とこちらも6ランク。
仮にタイトル保持者をSランクとすると、アイドルのランキングと綺麗に一致する。
よくできてますな(おい)
というわけで、Bランク戦というと順位戦ならB1、竜王戦なら2組に相当する。
ここで全勝とか1敗というと、もうかなりの上位クラスと言ってよいでしょう。
ちなみに私の妄想では、杏があっという間にランクを駆け上がっていくのを、Aランクから落ちてきた瑞樹が待ち構えるという構図になっております(えー)

■離席流

終始ビシっと正座を崩さない瑞樹に対して、一手指すごとに席を外すくらいの勢いな杏。
プロ棋士でも、先崎九段や糸谷八段なんかが頻繁に席を外すことで有名。
一般的に、太めなため正座が苦手な棋士がよくやるみたいですが(おい)
席を外したら、控室を見に行ったり、タイトル戦だと中庭を散策したりしているみたいですよ?
パソコンやスマホで次の手調べてるんじゃ、という意見もあるようですが、その程度の実力じゃあそもそも奨励会に入れないと思いまっせ(直球)

■居角左美濃(1:45あたり)

普通に矢倉に囲う代わりに、さっさと左美濃に囲って攻めようという狙い。
元々コンピュータ将棋で指されたのをきっかけに、プロ棋士でも注目されている模様。
一般的に居飛車に対して美濃囲いにすると縦から攻められて不利とされているが、手数の短さの割に瞬間的な固さを得やすく、持久戦模様になったら矢倉に戻せるのも魅力的。
縦から攻められやすい相振り飛車でも美濃囲いにするのは一般的な定跡になっており、そこから着想を得たものと思われる。

■3七銀戦法(2:15あたり)

ひふみんこと加藤一二三九段を中心に熟成された、矢倉崩しのメインストリーム。
本動画のコメントにある通り、アマチュアの居飛車党でも、全国大会を目指すレベルなら千回以上は見る局面なくらい一般的だったが、ここ最近は本動画でも見られる通り後手の対策が進み、かつてのように先手必勝とは言えなくなってきている。
ちなみに3七銀戦法と言われてはいるが、実際には▲4六銀~▲3七桂と組んでから端や5筋を絡めて攻めるのが理想形。

■△4五歩反発(2:30あたり)

ここ1、2年で3七銀戦法の勝率を激減させたのがこの△4五歩反発。
この手自体は3七銀戦法の出始めからある手で、一旦は▲4八飛から△4五歩と突いた手を直接とがめて4筋から攻め立てる定跡が確立し、3七銀戦法が我が世の春を謳歌することになりました。
しかし、△4五歩反発自体を塚田九段が見直したことにより再び注目され、△9四歩から7筋を逆襲する渡辺新手が出現したことにより、闇に葬られていた△4五歩反発が再び陽の目を見ることになった、というのが本動画までの研究。
ところが、ついこないだのA級順位戦で渡辺二冠が再び△4五歩反発をとがめる新構想を披露。
また3七銀戦法が復権するのか、やっぱり△4五歩反発最高や!となるのか。
これからの重要な対局で、新研究の一端が披露されることになるかもしれません。

■▲1八飛(4:40あたり)

本動画で杏がぶつけてきた構想。
動画の説明通り、コンピュータ将棋の対局で出てきた手ですね。
形は違いますが、渡辺二冠が△4五歩反発をとがめる構想でもこの手が出てきました。
本動画での構想が本当に上手くいってるかどうかは正直わかりませんが、研究に値する発想と思われます。
恐らく、今でもプロの若手棋士とかが一生懸命研究しているんじゃないでしょうかね?

それにしても。
この▲1八飛を見ているうちに、「floodgateで見た」だの「技巧-Apery戦だ」だの「もっと前に別のコンピュータ対局で指してる」だの、あっという間にコメントで埋まっていくのはどういうことなんでしょう。
君たち凄すぎます(白目)

■ありすソフト厨(5:30あたりのコメント)

橘ありす+ソフト厨(人間の指す手よりソフトの指す手マンセー)でありすソフト厨。
製作者のKKPPさん、狙ってこれやってたんでしょうか。
狙ってたら凄すぎますし、これを一瞬で見切るコメントも凄い。
アリスソフト厨な12歳。
ヤバすぎます(おい)

■△4四銀まで(8:35あたり)

▲4六歩から一気に開戦。
途中▲1六歩を挟んで攻守交代。
後手の瑞樹が金銀交換も厭わず積極的に攻め立てます。
順位戦だと大一番でここまで踏み込む展開にはなりにくそうですが、一旦開き直っちゃうとこういう進行もありえます。
ちなみに、アマチュアもそうですがプロ棋士の控室もこういう切った張ったの進行が大好き。
こういう早い進行の将棋には人が群がります。

■棋戦ごとのメリハリ(9:18あたり)

杏、できる女につき、仕事を選ぶのこと(おい)
プロ棋士でも(スポンサーの手前)あんまりおおっぴらにできませんが、こういう事例はあります。
昔だと、順位戦以外の棋戦を「新聞棋戦」って呼んであまり一生懸命指さないプロ棋士もそれなりに居たようです。
昔ほどひどくはなくなりましたが、今でも順位戦と竜王戦のランキング戦は年俸に大きく響きますので。

■△4九角~▲4三銀まで(10:00あたり)

さらっと進行していますが、腕に覚えのある方なら心臓が凍りつきそうな展開。
△4九角をあっさり手抜いて▲8二飛、当然の△6九銀を堂々と▲同玉。
▲4三銀で手になっている、という見通しが立たない限りとても踏み込めない変化です。
これを設定では短時間で指してるってんですから杏つえーですわー。

■千日手打開(11:00あたり)

本編で千日手を選ばず、あっさり打開した杏。
「もう一局指すのがイヤ」ってのはいかにも杏らしいですが、プロ棋士風に考えると、苦労して▲1八飛の構想をぶつけて、先手でまあまあの展開に持ち込んで、その結果が千日手、というのはだいぶヘコみます。
悪くなるなら仕方がないですが、ここは当然打開して正解でしょう。

■ソフトによる研究(12:30あたり)

すっかり見る専と化した私にとっては参考になる解説。
もっとも私の場合、持ってるソフトがすっかり旧式と化した激指10なので鵜呑みにするのは危険なのですが。
新しいソフト入れるのもめんどくさいし(おい)

■▲7九玉(14:45あたり)

あんまり解説しすぎても良くない、というかこの後菜々さん一番の見せ場が控えてますんで、ここは是非とも動画を見てもらいたい!
一言だけ言うと、読み切ってこの手を指せる杏は凄すぎます。

■最終盤(18:20~25:40あたり)

ここは本動画の急所なので、是非とも動画を見てもらいたい!(またか)
順位戦でもこんな進行、なかなか見られないですよ。
それにしても、動画にすると、長手数の詰めでも見やすくてありがたいですね。
コンピュータさまさまです。
KKPPさんの描き方も丁寧で見事。

■評価値の落とし穴(26:00あたり)

本動画の裏テーマ。
最近はタイトル戦の中継で評価値が出てくることも増えましたが、評価値だけ見て判断するとトンデモナイことになりますよ~という話ですね。
とはいえ前にも書きましたが、人間同士の将棋の場合、相手にいかに悪手を指させるか、というのも重要な要素ですんで、そのあたりも踏まえて中継を見るとより楽しめるんじゃないかと。

■おまいらのコメントが恐ろしすぎる

何度か書きましたが、本動画はコメントも秀逸なものが多くて困る。
「業界の方ですか?」とか「早く本業に戻るんだ」と思わせるようなコメントもうじゃうじゃ。
まあプロ棋士も見てる動画だからね、ちかたないね(おい)
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by mitsuboshi03 | 2016-02-14 21:02 | 将棋 | Comments(0)

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