将棋つめちゃいました(冬シーズン総決算編)

金曜日に会社の歓迎会で肉食ってきました。
駅前にある精肉店の2階でしゃぶしゃぶやすき焼きが楽しめる、というお店だったのですが、
とにかく肉ウメー!
豚しゃぶがあんなに旨いとは思いませんでした(ニッコリ)
そこそこ値が張りますが、何かの折りにまた行ってみたい店でした。

今日中継がありましたNHK杯の決勝戦で、将棋界の冬シーズンは一段落。
先にA級順位戦をまとめましたので、今回はそれ以外の棋戦の動きをかんたんに。

★羽生名誉NHK杯誕生!(NHK杯決勝 羽生-渡辺戦)

まずは今日の午前中に中継のあったNHK杯戦から。
後手番の渡辺二冠が2手目に漢らしく得意の▲8四歩を選択。
この手の意味を一言で言うと、
”羽生さん、角換わりでも矢倉でも好きに指してきて下さいよ”
ということなのですが、後手がこの手を指すということは、終始受けに回ったあげくに一方的に殴られて敗戦、というリスクを背負うことになります。
それでもこの▲8四歩を止めない渡辺二冠、流石。

さて本局は、羽生二冠が相矢倉を選択してから解説が入る間もなくあっという間に両者の研究手順通りに終盤戦に突入。
トッププロ相手の角換わりや相矢倉は、ここまでで作戦負けしないことを前提に研究しないと指しこなせない戦法なのですが、そこは新旧エースの激突だけに、ほぼ互角の状態で長い終盤戦に突入します。
最後は先攻した羽生二冠がそのまま逃げ切った格好にはなりましたが、ほとんど考慮時間のない中でハイレベルな長い終盤戦を展開できたのは、両者の実力がある証拠。
力の入った好局だったと思います。

これで羽生二冠はNHK杯を10回制したことになり、名誉NHK杯の称号を得ました。
囲碁ではずいぶん昔に坂田本因坊がこの称号を得ていますが、将棋では、
え、名誉NHK杯?将棋じゃ無理っすよ
と思われてきましたが、
羽生!羽生!どいつもこいつも(以下略)
な方が、やっぱりこの難題をこれも将棋界では史上初の4連覇で達成しました。
あんまり書かないようにはしているのですが、こう言わざるを得ません。
やっぱり羽生は凄い。

★久保二冠、無冠+A級陥落の憂き目に(涙)
★佐藤王将・郷田棋王、久々の復位!


ここ数年、将棋界の冬シーズンで圧倒的な好成績を挙げてきた久保二冠でしたが、今シーズンは遂に失速。
まず3月2日のA級順位戦最終戦で敗れてA級から陥落。
それから3月8、9日に静岡県河津町で行われた王将戦第5局で敗れて王将位を失陥。
最後に昨日の土曜日に宇都宮で行われた棋王戦第4局でやっぱり敗れて虎の子の棋王位まで失い、これで来季は無冠+B級1組からのスタートという羽目になりました。

こうなった要因として大きいのが、これまで後手番で採用してきたゴキゲン中飛車に、超速という強敵が登場したこと。
今までさまざまな対策が現れては消えていったゴキゲン中飛車対策ですが、この超速はその中でも最有力と言っていい対策で、今回の王将戦や棋王戦やA級順位戦といった重要な対局でも対戦相手がことごとくこの超速を採用し、勝利を収めてます。
最近の振り飛車党が復権してきた拠り所が今や標的になりつつあり、
もう(後手番で振り飛車党が指す戦法)ないじゃん(涙)
と、振り飛車党冬の時代再び、といった状況になりつつあります。
まあ居飛車党も後手番で何指すかといったら横歩取りくらいしかないわけですが(苦笑)

関西トップエースの座に君臨してきた久保九段はこれで一歩後退ということになりますが、関西期待の若手達も関東のトッププロに対抗するにはイマイチ力不足という中では、まだまだ頑張ってもらわなければ困る存在。
捲土重来を期待します。

えーと、これまで久保九段視点で語ってきましたが、一方で佐藤王将と郷田棋王の誕生は喜ばしい限り。
どちらも実力者ながら、40歳代に入ってきたこともあり、
”もうタイトル戦は厳しいんじゃねえの?”
という声も少なからず上がっていたのですが、
まだまだ俺たちを忘れてもらっちゃ困るぜ
と再びタイトルホルダーに返り咲きました。
両者ともハッキリ自分の色が出る将棋を指すのが持ち味。
頑張って欲しいですね。

★順位戦あれこれ

最後にA級以外の順位戦についてかんたんに。

◆B級1組
昇級:橋本八段・深浦九段
降級:藤井九段・中村九段


A級に実力者がひしめく煽りを受け、実力A級クラスがひしめく今回のB1でしたが、そんな状況をものともせず橋本八段が初のA級入りを果たしました。
金髪を始めとする独特の風貌に加え将棋バーの経営も行うという異色の棋士で、ネット将棋界でも人気のある方ですが、実は本格派の居飛車党で格調の高い将棋を指すことから、玄人筋からも高い評価を受けてます。
初のA級でどれだけの戦いが出来るか、来季が大変楽しみです。
もう一人の昇級は実力A級の深浦九段が最終戦を待たずにガッチリ確保。
ただ、最終戦に敗れたために来季の順位が最下位になってしまったのが気になるところ。
4勝5敗降級定跡再び(涙)、ということにならなければいいのですが。

一方降級争いは、まず最終戦を待たずに「受ける青春」中村九段が降級決定。もう一枠を藤井九段と鈴木八段という振り飛車党のエース格が争うということになり、最終戦で藤井九段が降級ということになりました。
やはりここにもゴキゲン中飛車対策としての超速が猛威を振るっているという好例が現れてしまいましたね。
振り飛車党にとっては、この超速対策があるかどうか、というのが生き残りを賭けた大きなテーマになってきました。

◆B級2組
昇級:広瀬七段・飯塚七段
降級:田中九段・桐山九段


中堅棋士の分岐点となるB級2組。
ここをノンストップで駆け上がれればトッププロの座も見えてきます。
今回全勝でそれをやってのけたのは元王位の広瀬七段。
羽生二冠に敗れて王位は失陥しましたが、振り飛車穴熊という強力な武器があることもあり、B級1組でも昇級争いに絡むと思われます。また他のタイトル戦にも顔を出してもらいたいところ。
もう1枠が激戦で、順位が16位と下位ながら2敗を守った飯塚七段が昇級枠をゲットしました。
上位が3敗以下というのもあまり例がないのですが、よく粘りました。
ちなみに、上位の状況はどんな感じだったかと言いますと、
*戸部六段 順位6位 序盤3連敗→7連勝 7勝3敗
*飯島七段 順位7位 序盤1勝3敗→6連勝 7勝3敗
ああ、もったいない(涙)

降級点をめぐる争いですが、最終戦まで実力者の先崎八段が絡んでいたのですが流石に回避。
というか、同年代がタイトルホルダーなんだからもう少ししっかりしないと(苦笑)
んで、今回はかつての実力者な神谷七段・青野九段・田中九段・桐山九段に降級点が付き、共に元タイトルホルダーの田中九段と桐山九段が降級ということになりました。
時代の流れとはいえ、将棋界の厳しさを感じる降級点争いになりました。

◆C級1組
昇級:佐藤(天)六段・豊島六段
降級:中田(功)七段・田中(魁)九段


期待の若手がなかなか昇級できずに飲み込まれ、気づけばベテランになり降級争いに絡む、という事が普通にありえる怖いクラスなC級1組。また、ここを落ちるとほぼ昇級が絶望となるだけに、ベテランにとっては残留力が試される場でもあります。
そんな負のスパイラルに飲み込まれずにB級2組へジャンプアップを果たしたのが佐藤(天)六段と豊島六段。
2人とも関東期待の若手で、今後は順位戦だけでなくタイトル戦での活躍も望まれます。
一方C級1組から陥落となってしまったのが中田(功)七段と田中(魁)九段。
中田(功)七段は大山15世名人の数少ない弟子の一人で、一時は「コーヤン流三間飛車」で大活躍して佐藤王将にも強い影響を与えた棋士。
佐藤王将が今のように変態序盤戦術を繰り広げるようになったのは、この人のせいです(笑)
田中(魁)九段は、その佐藤王将を始め数多くの棋士を世に出した名伯楽。
名前をそのまま読んだ「カイシュウ先生」の名で棋士間の人気も高い棋士。
まだまだ頑張って欲しい。
一方、関西の重鎮である内藤九段が降級点の憂き目に。
ライバルの有吉九段は引退しましたが、
オレはまだまだ辞めん
と、内藤九段の戦いは来季も続きます。

◆C級2組
昇級:阿部(健)五段・中村五段・船江五段
降級:島本五段


とにかく上がるのが難しいのがこのC級2組。
50人前後がひしめく中で、10戦全勝を要求される厳しい状況。
一方で、ここを落ちると60歳強制引退のフリークラス行きが待ってます。

上位の1敗でも昇級が厳しいこのC級2組。
それは今年も例外ではなく、関西期待の若手な菅井五段が9勝1敗ながら昇級を逃すことに。
阿部(健)五段・中村五段・船江五段が全勝を守り昇級を果たしました。
とにかく、上がりたかったら勝つしかありません。
その一方で成績下位8人が降級点に。
その中の島本五段が3回目の降級点ということでフリークラス行きということになりました。
まだ31歳と若い棋士なのですが、現実は非情であります。
そんな中、ひっそりと増田六段が勝ち越して2つ目の降級点を消してます。
大変地味ながら、フリークラス行きリーチを消す、玄人好みの出来事でした。

厳しい冬シーズンを終え、将棋界は名人戦を楽しむ束の間の春を迎えます。
とはいえ、最近は竜王戦のランキング戦などが目白押しで、上位をうかがう棋士にとっては大事な季節になっているのですが。
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Commented by hosokawa18272 at 2012-03-19 21:21
相変わらず羽生先生はチートっすねー。
私の将棋とスポーツの知識はここで得てますから、また更新して下さい。w

どうやら春になったみたいなので、今年こそ「春の目覚め」作戦を決行します。その節はよろしく。
Commented by mitsuboshi03 at 2012-03-25 09:29
どうもです。
>私の将棋とスポーツの知識はここで得てますから、また更新して下さい。w
と言われたので記事にしてみました。
どんなもんでしょ。

>今年こそ「春の目覚め」作戦を決行します。
待ってます。
というか、こっちから出かける手もありかな。
by mitsuboshi03 | 2012-03-18 16:58 | 将棋 | Comments(2)

スポーツ、将棋、ミリタリー、オタクネタ、地元長野ネタなど節操なしに書きまくります


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