一番長い日への助走(A級順位戦 ラス前)

熱いぜ!DeNA!
の掛け声も高らかに、監督と球団社長がインフルエンザに倒れた野球チームが
ある件について。
この熱さが1年続けば本物でしょう(待て)

さて今回は将棋ネタ。
業界通の中では「順位戦で一番面白い勝負」として知られるA級ラス前の模様を。
「将棋界の一番長い日」が面白くなるかどうかはこの一戦に掛かってます。

結果だけ先にまとめます。
ラス前までの状況はこんな感じでした。

                    前年
        順位  勝  負  順位
羽生二冠   1   7  0   1
渡辺竜王   2   5  2   2
谷川九段   3   5  2   7
郷田九段   4   4  3   4
佐藤九段   5   4  3   9
屋敷九段   6   4  3   10
三浦八段   7   3  4   5
高橋九段   8   1  6   3
丸山九段   9   1  6   6
久保二冠   10   1  6   8

で、ラス前の勝敗が↓の通りになりました。
先に書いた棋士が勝ってます。

○羽生二冠 - 谷川九段
○渡辺竜王 - 丸山九段
○三浦八段 - 郷田九段
○久保二冠 - 佐藤九段
○屋敷九段 - 高橋九段

んで、これが最新の順位表になります。

                    前年
        順位  勝  負  順位
羽生二冠   1   8  0   1   名人挑戦
渡辺竜王   2   6  2   2
谷川九段   3   5  3   7
屋敷九段   4   5  3   10
郷田九段   5   4  4   4
三浦八段   6   4  4   5
佐藤九段   7   4  4   9
久保二冠   8   2   6   8
高橋九段   9   1  7   3
丸山九段   10   1  7   6

まずは最終戦を待たずして羽生二冠が名人挑戦権を獲得。
とはいえ、羽生二冠はここで負けても最終戦に負けて、なおかつ渡辺竜王と
谷川九段のどちらかが最終戦に勝ってやっとプレーオフにたどり着けるという
元々かなーり優位な位置に立っていましたから当然と言えば当然。
渡辺竜王にとっては悔しい結果となりましたが、そもそも先に羽生二冠と谷川
九段に負けてるので残念ながら当然。タイトルは取れるうちに取っておかないと
後輩にドンドン先を越される世界なので、来年こそはと思っていることでしょう。
一方大きな動きがあったのが降級争い。
3人でたった一つのA級残留という天国へのイスを争うという地獄のイス取り
ゲーム大絶賛実施中という状況下で、久保二冠が貴重な2勝目をゲットし一歩
抜け出しました。
が、戦いはまだまだ続きます(えー)

さて、今度は3月2日の「将棋界で一番長い日」の予想を。
いつものようにテキトーにノーガキたれますんでご了承を。
対戦カードで、先に書いているのが先手番になります。
あらかじめ先手後手が決まっているので事前の研究がしやすい、というのが
順位戦の大きな特徴の一つですね。

◆羽生二冠 - 郷田九段

羽生二冠が全勝で今季のA級順位戦を締めくくれるかどうか、という戦い。
すでに名人挑戦を決めているとはいえ、羽生二冠にとっては勢いをつける大事
な一戦といえます。8勝1敗でも十分凄い数字ではありますが、8連勝の勢いが
ここで止まってしまうというのはなんとも味が悪いというもの。個人的に断言しま
すが、ここで負けたら名人奪取はない、と見ますね。
郷田九段もここで負けると来年の順位がかなり悪くなるので落とせない一番。
普通に戦型を予想するなら郷田九段が2手目に△8四歩と受けて、羽生二冠が
直線一気で「研究一発ツモ」が怖い角替わりではなく、若干緩い手が利きやすい
(あくまで程度問題ですが)相矢倉を選択する、というのが常道ですが、ここ一番
で予想を裏切るのが最近の郷田流。
とはいえ、角替わりではなく相矢倉にしてくれるのであれば、あえて余計なリスク
を背負うこともないのかな、と思いますが。

◆佐藤九段 - 渡辺竜王

佐藤九段も郷田九段と立場は同じ。負けると来季の順位が7位と低い順位になる
のが濃厚なだけに、勝って順位を少しでも上げておきたいところ。A級陥落を経験
しているだけに、「もうあんな思いは二度とゴメンだ」という気持ちでしょう。
一方渡辺竜王は、順位戦にしては珍しく、勝っても負けても順位が変わらない、
という立場。しかし、ラス前で名人挑戦を決められた悔しさはまだ残っているはず。
こういうところでいい加減な戦い方をしない人が上に居るのが将棋界のよいところ。
ある意味、一番面白い一戦ではないかと。
え、戦型予想?
佐藤九段相手にそんなの当たるわけありませんからやりません(笑)

◆三浦八段 - 屋敷九段

すいません、素で抜かしてました(爆)
(後から追加してます。ホントすいません)
ある意味本当の意味での順位戦。
来年以降の降級争いとかにダイレクトに響くので、疎かにできない一戦。
三浦八段も4勝4敗組なので、この一番でガクッと順位が変わります。
屋敷九段はまさかの大活躍。勝てば3位の目が出る大チャンス。
数年前、
”屋敷九段が将棋盤を押入れから出してきたらしいぞ”
”え、なにそれこわい”

というのが話題になったくらい将棋の勉強をしないことで有名だった屋敷九段
ですが、本気になったら流石の元タイトルホルダー。
でも、”一日どれくらい将棋の研究してますか?”の問いに、
「(競艇するのに読むスポーツ新聞の詰将棋を解く)1分」
と平然と答えられる屋敷九段カッコええわー。
戦型ですが、恐らく屋敷九段の横歩取り。
が、横歩取りの研究では将棋界でもトップクラスの三浦八段が相手なだけに、
振り飛車含め変化球でかわす可能性も大いにあり。

◆高橋九段 - 谷川九段

昨年驚きの「50歳の反逆」を魅せつけ、3位にジャンプアップした高橋九段。
しかし現実は厳しく、今季はわずか1勝と大変苦しい状況。
とはいえ、前年3位という順位が大きくものを言う展開で、他力本願ながらA級残留
の目がまだ残っているのは救い。
とにかく、生き残りたければ勝つしかありません。
一方の谷川九段も、ここ最近の傾向通り序盤の貯金を生かして優位に立っている
だけに、来年も名人挑戦を掛けた戦いをするためにも、ここで勝って3位を確定させ
たいところ。
戦型ですが、ここはまず間違いなくしみじみと相矢倉。
A級順位戦らしい、重量感溢れる一局となること必至。

◆丸山九段 - 久保二冠

断言します。
3月2日、世界中で一番寒いのはこの盤上です(爆)
負けたら即刻A級から陥落。
丸山九段は、ここで勝っても高橋九段が負けるのを祈るしかない立場ではあります
が、とにかく自分が勝たないことには何も始まりません。とにかく勝つのみ。
久保二冠もA級順位戦では苦戦続き。
とはいえ、ラス前で自力残留の目が出たのは大きな希望。
2つのタイトルを防衛しながら、A級残留も果たさなければならない。
全部こなさなきゃならない辛い立場ではありますが、それをやりとげるのが関西トップ
棋士であり、振り飛車党党首としての務め。
今度こそA級で前を向いた戦いをするために、重要な一戦となります。
戦型予想ですが、無難にいけば久保二冠のゴキゲン中飛車が濃厚。
とはいえ、タイトル戦でも連取している戦法なだけに、狙い撃たれることを避けて、
例えば角交換振り飛車といった奇策に出ることも考えられます。
研究の質では棋界屈指の丸山九段が相手なだけに、久保二冠も何の準備もせず
手ぶらで挑むということはしないでしょうが、状況はなかなかに厳しい。
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by mitsuboshi03 | 2012-02-05 09:03 | 将棋 | Comments(0)

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