今日はコンピュータ将棋について

GWを過ぎて、こちらもようやっと暖かくなってきました。
あまり暑くならないまま梅雨に突入しそうな勢いですが。
…その前に、いよいよ30代崖っぷちに突入しているのはキニシナイ方向で(爆)

さて今回は、GW中に行われたコンピュータ将棋の世界選手権について。
棋譜や成績などはコンピュータ将棋協会の特設サイト→(こちら)
にコンパクトにまとまっておりますので、一緒に見てもらえるとより判りやすいかと。

もう第21回を迎えたこの世界選手権、以前はヨーロッパや北朝鮮(本当)からの参戦もあったのですが、現在は残念ながら日本からの参加者のみとなっております。
が、そのレベルが着実に上がっていることは市販の将棋ソフトや清水女流六段を破った「あから2010」を見ても明らか。その市販の将棋ソフトもこの世界選手権に参戦しております(諸事情により、一部名称が変わっているものもありますが)
さて優勝を決める仕組みはどうなってるのかといいますと、
 ・1次予選(誰でも参加可)
 ・2次予選(1次予選通過組+前年成績優秀によるシード組)
 ・本戦  (2次予選通過組+前年成績優秀によるシード組)
の順にリーグ戦が行われ、本戦で一番良い成績を上げたチームが優勝、ということになっております。

ここで、個人的に気になったチームをいくつか挙げてみましょうか。

★なのは

以前はToHeartの綾香さんだったんですが、最近なのはさんに乗り換えました(爆)
なにせ仮にも世界選手権ですので、普通は画面表示なんかは必要最低限に抑えるもんなのですが、ことこのソフトに限っては、市販の将棋ソフトを凌ぐボイスやカットイン機能がふんだんに盛り込まれており、ネットでの実況中継でも爆音をとどろかせておりました(笑)
少なくとも同人レベルでは十分キャラゲーとして売り物になりそうな感じがしますが、世界選手権屈指のネタチームとはいえ(笑)、1次予選を突破するだけの強さも兼ね備えており、そのまま売り出すと、
「こんなのクソゲーっす!」
泣き叫ぶenziさんのような大きなおともだちが続出すること請け合い。
ちなみに、個人的に一番ウケたのが今年表彰(独創賞)を受けた賞状の文章。
「あなたは第二十一回世界コンピュータ将棋選手権においてコンピュータ将棋に萌えを導入し楽しい表示と音声で大会を盛り上げましたここにその独創性を表彰します」

…いやー、コンピュータ将棋協会のこういうセンス、いいと思いますよ(笑)

★人生送りバント失敗

なんかこう、妙に含蓄を感じるチーム名ですな。
ネーミングセンスでは今大会屈指という評価にも納得(笑)
1次予選では「連続して王手をかけた千日手をやらかして反則負け」という滅多にお目にかからない反則負けを喫し、「ホントにスリーバント失敗だよ!」という声が出る始末(笑)
それでもなんとか1次予選を突破し、あと一歩のところで来期の2次予選シードを逃すという健闘を見せたのは立派。

神は言っている、チーム名を変えてやり直すんだと(爆)

★芝浦将棋

恐らく、芝浦工大の有志で作ったチームと思われる。
最近はこうした大学の研究の一環として出てくるチームも多いですな。
個人的に印象に残ったのは、2次予選の最終戦。
古豪のYSSを相手に、序盤早々に相手の飛車を端に追いやり作戦勝ちか…と思いきや、相手の飛車の目の前に穴熊を築き始める芝浦将棋。
「いや、その、端攻めしかない相手に、端攻めに弱くて囲うのに手数がかかる穴熊に組んでどうする」
という人間のツッコミが案の定当たり、YSSの猛攻を受け大炎上。
もっともYSSも、
「あれ、香車だと思って交換しようとしたら飛車だったよ。香車にマケてもらえない?」
「それはひょっとしてギャグで言っているのか」
というボケをかましておりましたが(笑)

プログラム的にはBonanzaの改良なこの芝浦将棋、実はBonanzaの売りの一つであるプロやアマ強豪の棋譜から学習する機能を取っ払い、自分同士の対戦で思考ルーチンに磨きをかけるという大変ユニークな特徴が持ち味で、二次予選では「初手▲7八飛」というマイ定跡が猛威を振るいました。
こういう意欲的な取り組み、結果はどうあれ、評価したいですね。

★Bonanza

「全数検索」
「学習機能」
「オープンソース」

でコンピュータ将棋界に旋風を巻き起こしたBonanza。
個人的には正直、コンピュータ将棋の歴史を「Bonanza前」「Bonanza後」で語ってもいいくらいのソフトですが、去年は残念ながら成績が振るわず、今期は二次予選からの参加。
二次予選も、例えば最終戦の大槻将棋(大つき(19)さんとは関係ありません(笑))で、「序盤に銀損」→「いつもの『ボナ攻め』で角金交換して角損」という、人間ならそこで投了しそうな展開を忍の一字で凌ぎきり(Bonanzaが何を考えているかはさだかではありませんが)、全勝で二次予選を突破。本戦でも最終戦まで一敗で乗り切り、最終戦に勝てば優勝、というところまで来たのですが、ライバルの強豪GPS将棋(市販ソフト)に敗れて残念ながら準優勝。
とはいえ、Bonanzaを下敷きにしたソフトも続々と登場していることから見ても、その役割はいまだ大きいと思わせるに十分。今後も目を離せないソフトであることは間違いないでしょう。

個人的に印象に残ったのは、先ほど取り上げた二次予選最終戦の対大槻将棋戦で見せた75手目の▲6九歩。
「相手に6九に角を打たせないために、先に歩を打っておけば勝てる」という判断は、善悪はともかく評価したいです。
人間だと、ちょっとここまで譲歩できない(笑)

★ボンクラーズ

チーム名は『あずまんが大王』の某3人トリオから。
3台のPCをつなげたクラスタ構造になっているところから思いついたのかも。
一見ただのネタチームと思っていましたが、あれよあれよの快進撃。

実は、今年の優勝チーム、ここです(爆)

個人的に見た優勝のカギは2点あります。

1)はやい

元々「Bonanzaの高速化」からスタートしたソフトとはいえ、思考ルーチンの速さには目を見張るものがありました。
25分切れ負けの規定の中、すべての将棋を10~15分で指しきってます。
特に驚いたのは、本戦での対Blunder戦。
305手という泥仕合で敗れはしましたが、この長手数の戦いでも15分しか使ってません。
本当に驚きました。人間には…怖いモノ知らずの小学生強豪でもないとムリかな(笑)

思考ルーチンが高速であれば、相手より多くの手を読んで優位に立てる。
しかもその思考ルーチンは決してザルではなく、強豪ソフトと比べても遜色ない。
他のソフトが時間を目一杯使って、時間切れ対策で思考範囲を制限している中、フルパワーで手を読んでいくボンクラーズ。
今まで軽視していた要素ですが、やっぱり高速化ってのは大事なんですね。

2)無理のないクラスタ構造

「あから2010」でも話題になったクラスタ構造。
いつもの通り大雑把に説明すると、複数のPC上で複数のソフトを同時に走らせて、合議制で手を決める、という発想。

ひとりより、ふたりがいいさ、ふたりより、さんにんがいい

…と、単純にいけばいいのですが、意外とこれが難しいようで、例えば市販ソフトの強豪であるGPS将棋や激指は、今回PC100台クラスのクラスタ構造を組んで臨みましたが、思ったほど効果が上がっていなかった様子。
まあ、自分のところでは上手くいっても、特設会場(今回は早稲田大学)できちんとセッティングして機能させる、というのは難しいのかもしれません。ことによっては通信トラブルとかでリタイア、ってこともあり得ますし。
ボンクラーズは、PC3台という比較的小規模なクラスタ構造にしており、これが現状では無理のない構造で上手くいったのではないかと思います。
ただ、今回のボンクラーズも、PC1台のプログラムより強くなったのが大会直前だった、ということで、まだまだ改善の余地はありそうです。

ただこのクラスタ構造、一つ問題がありまして。

こ の ま ま で は 市 販 が で き な い

「このソフト、PC3台繋がないと遊べないんですよ」
…ちょっと売れませんよね、商業ベースでは。

いろいろあった今大会ですが、Bonanzaが初登場したときのような衝撃はなかったものの、各チームがそれぞれに課題に取り組み、着実に実力を上げている様子は確認できました。
ただ、プロ棋士に確実に勝てるソフトが出来るには、もう何段階か必要かな、と。

来年もこの大会、GW中に行われます。
今年はニコ動でも生中継がありましたんで、直接会場に行けない方でも楽しめるかと。
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Commented by 茶之介 at 2011-05-16 01:38 x
お題とは全く関係ないが今年の読売もとい巨人について(笑)

今年の巨人がつまづくとしたら、例によって怪我人が続出した場合かなーとは思っておりましたが、阿部・山口・高橋に続いて小笠原・亀井もドック入りとは予想外でした。

あとは先発投手陣。期待通りに働いているのは内海くらいで、あれだけ選手を抱えていながらルーキー澤村にローテを任せなければならないとは、ちょっとばかり不甲斐無いのでは。
Commented by mitsuboshi03 at 2011-05-21 10:09
コメントどもっす。
巨人については、メインPCを更新次第記事を書こうと思います。
5月は無理かな(涙)
Commented by かず@なのは at 2011-06-17 02:31 x
取り上げてくださり、ありがとうございます!
最近とありますが、綾香は初出場のときのみで、なのはで4回出場していますので最近という感覚はありませんw
賞状の文面は受賞のときに「なんつー文章だっ」と笑いをこらえるのが大変でしたw
今回の受賞でネタソフトとしての一区切りがついたので次回は強さでがんばりたいと思います。
ボンクラーズの早指しは実は15分切れ負け設定で動いていたから、というオチだそうです。最終戦で25分ルール設定にしたという…。
あと、細かいですが、2点
・無明2がアメリカからの参加です。
・激指はクラスタでなく1台のPCでした。
Commented by mitsuboshi03 at 2011-06-25 11:25
コメントありがとうございます!
テキトーに書いている当BLOGに、こんな丁寧なコメントを下さるとは。
どちらかと言うとプロ将棋の方がメインで、コンピュータ将棋の方は年1回取り上げるかどうか、というBLOGですが、よろしければまた見てくださいませ。

>次回は強さでがんばりたいと思います。
期待しております!
by mitsuboshi03 | 2011-05-14 12:00 | 将棋 | Comments(4)

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