竜王戦第5局(縮小版)

さて、おととい終わりました竜王戦第5局。
出かける前なので手短に。

全体の棋譜はこちらからどうぞ。

今回は渡辺六段が先手なので、第1、3局同様矢倉模様の出だし。
ここで後手の森内三冠が採用したのが陽動振り飛車という戦法。

b0017164_952470.jpg陽動振り飛車というのは、この図の後手番のように、△8四歩と飛車先の歩を突いて居飛車の構えと思わせておいてから、おもむろに飛車を振る戦法。最近森内三冠がよく採用しているようです。比較的研究が進んでいない戦法のため、力戦型の将棋になることが多いです。
メリットは、振り飛車の天敵である居飛車穴熊に組ませないこと。よって、例えば先手が▲7八金などと居飛車穴熊に組みにくい手を指してから飛車を振るのがポイント。
デメリットは、今回の対局のように通常の振り飛車と比べて一手遅れることと、△8四歩と指したことによって空いた8三の地点を、例えば7五に桂馬を打ったりすることで狙われること。ちなみに、先手の得が生きない戦法のため、先手番で指されることはまずない。

竜王戦第4局のブログで私は、先手が▲5七銀右と指したのは後手の振り飛車を挑発した手、と紹介しましたが、BSでの解説によると、先手が▲8八飛と飛車を振る構えを見せて、後手の指し手を限定する狙いとのこと。
ごめんなさい失礼しました。でも、こういう書き方のほうが面白いでしょ(殴
また、先手の渡辺六段が▲4六銀から▲3五歩の速攻狙いにしたのは好判断だったとのこと。例えば、このまま先手が穴熊を目指すとすると、後手も銀冠へ囲うことで△8四歩のマイナスを消すことができます。本局では、結局空いた8三の地点を利用した61手目の▲8三角のタダ捨てが炸裂することとなりました。
ただし、58手目の△2七歩成を▲同金と取らなかったのは危険だったとのこと。森内三冠側が粘る手順を取れば予断を許さない情勢だったようです。森内三冠は途中で桂香の丸損となったところで、形勢を悲観していたようで、実戦では比較的あっさり土俵を割りました。

これで渡辺六段は竜王奪取へ王手。
研究将棋ではなく、力戦型の将棋でセンスの良さを見せて勝てたのは1勝以上の価値があると思われます。もしこのまま渡辺六段が竜王を奪取したならば、勝利の鍵となる一番として記録されることになるでしょう。
初のタイトル戦出場だった去年の王座戦とここまでは同じ。
王座戦では次の2局でいつものような思いきりの良い手が影をひそめ、羽生王座に敗れ去りました。今度は去年の教訓を生かしたいところ。
一方、森内三冠は苦しい立場に立たされましたが、次の第6局を取ればイーブン。勢いからすれば優位に立てます。普通に対応すれば、後手番の渡辺六段は△8五歩型横歩取りにすることは濃厚。森内三冠は今まで通りこれを受けて立つのか、それとも振り飛車などで回避するか。今回の7番勝負での対横歩取り成績は、ここまで1勝1敗の五分。

ちなみに今回BSでの解説を務めた阿部七段は、一昨年の竜王戦で羽生竜王(当時)に挑戦したこともある関西の実力者。全日プロ(現朝日オープン)も一度制覇してます。負けたときの感想戦でこんなん勝ちや、こんなんこんなん荒れ模様になるため、ついに困難阿部の異名がついたこともあります(爆)
今回の解説では、関西棋士らしい笑いを交えての要所を押さえた解説を披露。1日目の解説を録画し忘れたのが残念でありません(涙)2日目の解説では、終了間際に関西の妖刀と呼ばれる福崎八段(タイトル2度獲得)も飛び入り参加。後輩の阿部七段をイジりながら楽しい解説を見せてくれました。感謝。
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Commented by hosokawa18272 at 2004-12-13 22:00
前、会ったときにも話したけど、やっぱ研究将棋より、殴り合いの方がオモしろいやね。将棋界も奥が深いなー
Commented by mitsuboshi03 at 2004-12-14 22:45
おいっす。
飲み会でしばらくへろへろで書けませんでした。すまんす。

>研究将棋より、殴り合いの方がオモしろいやね
見る側からすればそう思います。
ただ、やる方からすると今回のような将棋は大変でしょうね。
ロープなしバンジーのようなもんですから(笑)
第6局は明日開幕です。
by mitsuboshi03 | 2004-12-10 09:46 | 将棋 | Comments(2)

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