将棋つめちゃいました(真冬号 A級順位戦ラス前)

最高気温がー3度つーのもなかなか辛いものがあります。
津軽海峡を越えるとヒトケタ違う世界が待っているようですが(ガクブル)
今回も将棋ネタ。
明日祭りの練習で忙しいので縮小更新気味でつ。

☆悲喜こもごものA級順位戦ラス前

大混戦となった今期のA級順位戦も、2月3日の節分の日に一斉にラス前対局が行われ、いよいよ最終戦を残すのみとなりました。
夜8~10時までネットのディレイ中継を観戦し、翌朝結果を見ようか…と思ってた所、8時半ころに、
○高橋九段(5勝3敗)ー●井上八段(3勝5敗)
といきなり1つ終局。
後手番の井上八段が一手損角替わり戦法を採用しましたが、どうも序盤早々に井上八段に見損じがあったのを取り返せないまま、終始高橋九段が「ずっとオレのターン!」で攻めまくった模様。
これで高橋九段は名人挑戦権キャンセル待ちの権利を確保。
一方井上八段は序盤3勝1敗からの4連敗で降級争いの主役に転落。
残留するには、自身の勝ちだけでなく、藤井九段が負けないとダメ。

あとはさすがに10時には終わらず、翌朝結果を見ました。
○藤井九段(3勝5敗)ー●佐藤九段(1勝7敗)
佐藤九段、A級陥落。
別に力が衰えたとは思えないのですが、どうもいつもの「びっくりどっきり戦法」や「とにかくなんでも攻めに行く」のが今回のA級順位戦ではことごとく空を切った様子。
本局はこちらも未だ2勝で首筋が冷たい藤井九段が、最近下火になりつつある角交換型振り飛車から穴熊に潜り、序盤からじわじわと優勢に。速度計算がしやすい穴熊に囲ったおかげで、今期のNHK杯戦で全国のお茶の間の将棋ファンに披露した、観戦者に溜息をつかせる終盤での「大逆転負けファンタジスタ」も今回は顔を出すことなく、本来のガジガジ流の寄せを見せることができました。
勝った藤井九段は、これで最終戦の対森内九段戦に勝てば自力でのA級残留が決まります。

○丸山九段(5勝3敗)ー●郷田九段(4勝4敗)
互いに名人挑戦権争いの生き残りを賭けた一戦。
丸山九段の伝家の宝刀、逃げ回る敵も数多い飛車先保留型腰掛け銀戦法を、こちらもスペシャリストの郷田九段が堂々と迎え撃つ。研究の上ではそんなに差はないとはいえ、下手すると「ずっと敵のターン」(涙)で終わってしまいかねないこの戦法。逃げることは決して恥ではないのですが、ここを逃げないのが郷田クオリティ。
本局は、定跡形から急所の一手に長考が入り、そこから未知の世界に、という、さんざん類型が試されたこの戦法がたどる道筋をそのままたどることに。
双方の知力を尽くした戦いは、竜を手順に引いてことごとく相手の攻め筋の面倒を見るという丸山九段の必勝パターンに。が、実は本局、最終盤にその必勝パターンに一筋の切れ目があった模様。そこで間違えずに指せれば郷田九段の逆転もあったようですが、残念ながら「優勢な時間の長い方が勝つ」という将棋界の冷たい方程式から逃れられませんでした。
丸山九段は、開幕3連敗という普通ならまず残留争いを考える出だしから、驚異の5連勝で名人挑戦権のキャンセル待ちまでジャンプアップ。ラス前が始まるまではカケラも思い浮かびませんでしたが、ここから名人復位となれば将棋界の伝説確定。ひょっとしたら、ひょっとする!?

○木村八段(4勝4敗)ー●森内九段(4勝4敗)
木村八段は勝ってA級残留を決めたい。
森内九段は勝って名人挑戦権争いに残りたい。
立場は違えど、勝ち負けの差はわずかに1。
真冬の順位戦にふさわしい、ずっしりと重みのある一戦。
こういうのに燃えるのは、かなーり重傷の将棋オタです(笑)
というかウチのATOKよ、重傷を「重賞」とまず変換するのはヤメレ(爆)
そんな重要な一戦に、後手番の森内九段が持ち出したのは、新鋭の澤田四段が得意とする相懸かりからの袖飛車戦法。まだ未開拓な部分も多く、現状では奇襲戦法と言ってさしつかえないこの戦法に、木村八段は早めの金上がりで対抗。縦横無尽に後手の浮き飛車が活躍しそうな局面で、その浮き飛車を接近戦に強い金で押さえ込みに行こうという習いある手法がここでは功を奏しました。
一時森内九段が「千日手の罠」を仕掛けたものの、木村八段が敢然とその罠を打開。以後怪しくなりかけた局面もあったものの、木村八段が終始冷静に局面をリードし、最後は森内九段の攻め手が切れたのを見計らって鮮やかにフィニッシュ。見事自力残留を決めました。
森内九段は序盤4勝1敗で一時は名人挑戦権争いのトップに躍り出たものの、そこからまさかの3連敗で挑戦権争いから完全に脱落。ちょっとこの展開は読めませんでした。

○三浦八段(6勝2敗)ー●谷川九段(5勝3敗)
最後に控えますのは、名人挑戦権争いの最前線。トップ2の直接対決です。
谷川九段のゴキゲン中飛車に、棋界屈指の研究家の一人である三浦八段が、「研究しないと指しこなせない」2枚銀戦法で対抗。右銀は3六に歩越しに構え、左銀は角道をたどるように7七から6六へ進出してゴキゲン中飛車を押さえ込もうというこの戦法。一般常識があまり通用しない戦法なため、カリカリに研究しないと到底指しこなせません。
対局場である関西将棋会館の控え室は、地元の英雄谷川九段をなんとしても勝たせようという雰囲気が充満。ディレイ中継でも”後手がいいんじゃないか”とか、”後手盛り返してますよ”と谷川九段持ちのコメントが並びましたが、その完全アウェイモードに最後まで耐え抜いた三浦八段が粘り勝ち、ここで名人挑戦権争いのトップに立ちました。最終戦の対郷田九段戦にすべてを賭けます。

というわけで、近年希に見るごちゃごちゃした名人挑戦権争いと降級争いもやっとすっきりしてきました。
まず2枠の降級争いは、佐藤九段がまず1枠目に決定。残るもう1枠は、井上八段か藤井九段。
そして名人挑戦権争いは、三浦八段が最終戦に勝てばすんなり決定。
そうでなければ、三浦八段に加え、
・谷川九段vs高橋九段戦の勝者
・丸山九段(対佐藤九段戦に勝った場合)
がプレーオフに名乗りを上げることになります。

えー、このラス前、先手番全勝ですか。
まあね、そりゃ先後があらかじめ公開されてますから、先手が勝ちやすいんですけどね。
それにしたって勝ちすぎじゃねえかよちぐじょー!
というわけで、私の名人戦クイズのハガキはただの紙切れになりましたとさ。
どっとはらい。
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by mitsuboshi03 | 2010-02-06 21:46 | 将棋 | Comments(0)

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