名人戦七番勝負 ~ 郷田九段頑張った編 ~

3週間ほどブログをお休みしました。
それもこれも仕事と戦国ランスで忙しかったせいですが、
本当に仕事で忙しかったんですか
のつっこみが来る前にとっとと本題に入ります。
…忙しかったんだよ。
今も忙しいんだよ。
ほんとだよ(屍)

既に羽生名人の防衛で幕を閉じた名人戦七番勝負ですが、第7局のフルセットまでもつれこむ激戦になったのは、負けた郷田九段の出来も素晴らしかったから。
というわけで、今回は郷田九段が連勝した第4、5局を「かんたんに」振り返ることにします。
…しかし、ブログの記事だっつーのに、参考にしているのが月刊誌の『将棋世界』というのは自分でもどうかと思います。遅すぎ。

b0017164_15465597.jpg高野山の金剛峯寺で行われた第4局は、先手の羽生名人が▲3六銀と歩越し銀に出る趣向に出たのに対し、後手の郷田九段が△7五歩で「▲7六歩は封じました。羽生さんの角筋は通させません。」、図の△3三桂で「▲2五銀と棒銀で攻めるのも許しません。」と目一杯わがままを通そうとしたのがこの局面。
対局後、羽生名人はここで指した▲4六歩を悔やんでいたようで、代わりに▲6六歩、もしくは▲4六歩△4二銀のところで▲4七銀と指していればまずまずの展開だったようです。
この▲3六銀と歩越し銀に出る戦法は、▲2五銀からの棒銀の攻めを見せておいて▲4六歩~▲4七銀とゆっくりした展開に持ち込むのが本筋であり、そういうマニアックなところが羽生名人ならずともプロに愛される戦法といえます。ところが本局では、羽生名人がもっと郷田九段に手を指させて形を決めさせてから▲4七銀を指そうとしたのに対し、郷田九段が3三にいる桂馬の頭を守ろうとせずにさっさと銀を進出させて攻勢に出る構想が勝り、3六の銀が取り残される羽目に。その後羽生名人も粘りを見せたのですが、この局面でのリードを郷田九段が最後まで守りきり、2勝2敗のタイに持ち込みました。
ちなみに、この第4局まで、すべて後手番の勝利。
相手の先手番をいかにブレークし、自分の先手番をいかにキープするかに汲々とする最近のタイトル戦の傾向からすればありえない展開。

b0017164_16233957.jpg続いて将棋のタイトル戦の開催は25年ぶりという秋田県で行われた第5局。地元出身の元プロ野球選手で将棋通として知られる石井浩郎氏も観戦に訪れていたそーです。
近鉄や巨人で活躍した名選手。ずいぶん懐かしい名前になっちまったもんだな。
横歩取りの展開から、後手の羽生名人が飛車先の歩を交換した手に対し、先手の郷田九段がこの図の通り▲8七歩と角の頭を守る一歩をけちって▲5八玉としたのが「今日は力勝負でいきますよ」と手袋を投げつける風雲急を告げる一手。
私レベルの将棋ならともかく、このトップレベルの将棋で序盤での無条件の一歩得が許されるはずもなく、△8四飛と2筋への飛車回りを見せて▲2六飛の受けを強要しておいてから△8八角成と大決戦に突入して後手が良い、というのが今までの定跡。

b0017164_16335156.jpgただ今絶賛大決戦中(爆)
この局面の直前に羽生名人が2七に飛車を打ったところで、つい2八に歩を打ちそうなところ。
ところが歩を打った場所は2三。
実はこれが絶妙手で、羽生名人は飛車を打ったからには当然△2九飛成といきたいところなのですが、次の▲2二歩成が厳しく、これを喰らっては立ち直るのは絶望的。

羽生名人はここで長考。
一日目の区切りとなる封じ手時刻が迫る。
いつもなら淡々と封じるはずの羽生名人が動かない。
いや、動けないのか。
実際に封じたのは、定刻の午後6時半を1時間近く超過した午後7時26分。
やはりこの一手、相当厳しかったようです。
この後郷田九段に疑問手が出て差が詰まり、一時は千日手成立直前まで追い上げを見せた羽生名人でしたが、辛くもこのリードを守りきった郷田九段が3勝2敗と名人獲得に王手をかけました。

今回はここまで。
次回は、ここから羽生名人がどうやって逆境を挽回したかのお話を。
(だいなしや)
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Commented by 近鉄は不滅でしょうか at 2010-01-01 22:54 x
石井浩郎 将棋。NHKの大逆転将棋に出てましたね。
by mitsuboshi03 | 2009-07-04 16:49 | 将棋 | Comments(1)

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